福利厚生管理士(EBアドバイアー)

企業の福利厚生制度を戦略的に設計・運用する専門家のための資格です。企業の人事や総務、または保険業界などで働く方にとって非常に有用な資格とされています。

企業が従業員に提供する福利厚生制度(例:健康保険、年金、ライフプラン支援、休暇制度など)について、以下のような業務を行う人材を育成します:

  • 福利厚生制度の設計・導入・見直し
  • 社員の満足度とモチベーション向上のための提案
  • 法改正への対応
  • コストと効果のバランスを取った福利厚生戦略の策定

主催
(社)企業福祉・共済総合研究所

受験資格と難易度

受験資格

誰でも受験可能
この資格は、特別な学歴・職歴の条件はなく、基本的に誰でも受験・受講が可能です。

【主な受講対象者】

  • 企業の人事・総務・労務担当者
  • 福利厚生・年金制度に関わる保険会社やコンサルタント
  • 社会保険労務士、ファイナンシャルプランナーなどの専門職
  • 公的機関・団体で制度設計に関わる職員

※基礎的な労務知識があるとスムーズに理解できます。

難易度

【難易度の目安:★★★☆☆(中程度)】
試験内容は講義でカバーされる範囲が中心で、実務経験があれば比較的取り組みやすいレベルです。初学者でも、しっかり学べば合格可能です。

【合格率(目安)】

  • 非公表ですが、70~80%程度と言われています
  • 講座の内容をしっかり把握していれば、特別に難しい試験ではありません

試験内容

試験の全体像

福利厚生管理士の認定を得るには、次の3つのステップが必要です。

  1. EB講座(全6回)を受講する(出席が必須)
  2. 修了課題(レポート)を提出する
  3. レポート審査に合格することで資格認定

筆記試験ではなく、講義の理解度を反映した実務的なレポートが評価対象になります。

EB講座(全6回)の内容

それぞれの講義は、福利厚生の制度設計や運用に関する実務的なテーマが中心です。

主なテーマ内容
第1回 福利厚生の基本概念、制度の全体像、経営との関係性
第2回 法定福利と法定外福利の仕組み、企業の対応策
第3回 医療・健康支援制度、休暇制度、ワークライフバランス
第4回 企業年金・退職給付制度の構造と運用
第5回 福利厚生制度の戦略的活用、コストマネジメント
第6回 ケーススタディ、他企業の制度事例、総まとめ

※1回あたり3時間程度、計6日間の講座になります(変更の可能性あり)。

修了課題(レポート)

講座をすべて受講後、以下のようなレポート課題の提出が求められます。

  • 自社または架空企業の福利厚生制度の分析と改善提案
  • 講座で学んだ内容を活かした制度設計の企画書
  • 実務経験に基づく課題解決提案 など

【提出形式】

  • A4で数枚程度(目安:2,000〜4,000文字程度)
  • WordまたはPDFで提出(オンライン提出が主流)

【評価ポイント】

  • 講義内容を正しく理解し、応用できているか
  • 実務との関連性、具体性、実現可能性
  • 独自の視点や工夫があるか

レポート審査と合否

レポートはEB研究会の審査委員によって評価されます。
提出後、合否通知が送られ、合格者には**「福利厚生管理士(EBアドバイザー)」の認定証**が授与されます。

試験対策

試験対策の全体戦略

  1. 講義内容の理解と整理
  2. 自社または想定企業の福利厚生制度を分析
  3. 実現可能な改善策を提案するレポートを作成
  4. 論理的・構成的にまとめる

ステップ別の対策方法

【ステップ①:講義の資料は“即”整理・復習】

  • 毎回の講義後に内容を箇条書きでまとめ直す
  • 講師が強調したポイントや事例はメモしておく
  • 公式資料に自分の補足を加えると後で使いやすい

【ステップ②:福利厚生制度の“現状把握”】

  • 自社または仮定の企業をモデルにする
  • 現行制度のメリット・課題点を洗い出す
  • 社員のニーズ、企業規模、業種を意識するとリアルな提案に

【ステップ③:改善案・提案を構築】

  • 講義で学んだ内容を活用し、具体的な改善策を考える
    例)年休取得率UPのための新制度設計/健康経営の導入 など
  • 複数の制度を組み合わせると説得力アップ

【ステップ④:レポートは“構成”が命】

  • 構成例:

  1. はじめに(企業の概要と問題提起)
  2. 現行制度の課題
  3. 改善提案(具体策+効果予測)
  4. 導入時の留意点
  5. まとめ

よくあるNGポイントと対策

NGパターン 改善策
理論だけで現実感がない 実務に基づいた視点を入れる(例:自社の課題)
提案が漠然としている 数値目標や具体的手順を入れる
文章が冗長・回りくどい 短く、シンプルに要点を伝える
他社事例のコピペ 参考にしても、自分の言葉で再構築する

合格のコツ(まとめ)

  • 講義を「受けっぱなし」にせず、自分の仕事と関連づけて考える
  • 実務で使えるレベルの提案を目指す
  • レポートは構成と説得力にこだわる
  • 提出前に必ず第三者視点で読み直す

取得後に出来ること

福利厚生制度の企画・設計・改善ができる

企業内で福利厚生制度を戦略的に設計・運用する力が身につきます。たとえば:

  • 新しい休暇制度や手当の導入提案
  • 健康経営の推進計画
  • 社員満足度向上のための福利厚生見直し
  • 働き方改革に即した制度設計 など

人事・総務部門での専門性を高める

福利厚生は「制度運用の実務」と「社員満足・経営課題」の両方に関わる分野です。この資格を持つことで、以下のような場面で説得力のある提案・実行ができます:

  • 労働環境の整備に関する社内提案
  • 社内規程や就業規則の見直し
  • 社員ニーズ調査や導入制度の評価 など

社会保険や企業年金制度の理解を活かす

講座では企業年金や退職給付制度についても深く学ぶため、社会保険・企業年金分野での制度設計や相談対応が可能になります。

  • 企業年金制度の設計・見直し
  • 従業員向けライフプランセミナーの企画
  • 金融商品・福利厚生保険の提案(保険業界の方の場合)など

転職・キャリアアップでのアピールに

人事・労務・保険・コンサルなどの業界では、この資格が実務に直結する専門資格として評価される場面が増えています。

  • 福利厚生関連の専門職(企画職や制度担当者)へキャリアチェンジ
  • 保険会社・人材会社・社労士事務所などでの実務活用
  • 働き方改革や人的資本経営を進める企業での価値向上

取得後の「信頼性」や「肩書き」として

  • 名刺に「福利厚生管理士(EBアドバイザー)」の資格名を記載可能
  • 対外的な制度提案(保険商品・退職制度など)の場面で信頼度アップ
  • 上司や経営層に向けた制度改革の提案が通りやすくなる

活かせる業界・職種の例

業界・職種 活用例
一般企業の人事・総務 福利厚生制度の構築・運用・改善
保険会社・金融機関 法人向け福利厚生商品の提案・導入支援
社労士・FP・コンサルタント 福利厚生に関する制度提案や相談業務
公的機関・団体 社会保険や健康支援制度の設計・運用

その他ビジネス系資格一覧

GCDF-Japanキャリアカウンセラー
キャリアコンサルタント(JPC)
キャリア・デベロップ・アドバイアー
NLPプラクティショナー
プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー
プロフェッショナル人材コーディネーター
SCC認定コーチ
(米国NLP協会)NLPプラクティショナー
福利厚生管理士(EBアドバイアー)
接客サービスマナー検定
消費生活アドバイザー
消費生活コンサルタント
消費生活専門相談員
IATA-FIATAディプロマ(国際航空貨物取扱士)
葬祭ディレクター技能審査

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