等級別 試験内容の比較
等級 | 対象者 | 試験時間 | 問題数 | 出題形式 |
---|---|---|---|---|
Ⅰ種(マスターコース) | 人事・労務・産業保健スタッフなど | 90分 | 30問 | 選択式+記述式 |
Ⅱ種(ラインケアコース) | 管理職・リーダー・上司 | 60分 | 30問 | 全問選択式 |
Ⅲ種(セルフケアコース) | 一般社員・新入社員 | 30分 | 20問 | 全問選択式 |
Ⅰ種(マスターコース)の出題内容
主なテーマ
- メンタルヘルス施策の計画・導入・評価
- 労働安全衛生法・労働基準法・判例知識
- 人事制度・職場環境改善との連携
- 産業保健スタッフとの連携・危機介入
問題構成
- 前半(選択式):法令知識・実務対応
- 後半(記述式):職場ケースへの対応方針の記述
Ⅱ種(ラインケアコース)の出題内容
主なテーマ
- 部下の不調の「早期発見」と「相談対応」
- 職場のストレス要因と環境改善
- メンタル不調者への配慮と対応方法
- 復職支援、ハラスメント対応
出題例(選択式)
- 部下が「最近ミスが増えた」とき、どう対応するべきか?
- 職場における「ラインケア」の定義とは?
Ⅲ種(セルフケアコース)の出題内容
主なテーマ
- ストレスの理解と自己管理
- 不調のサインとセルフチェック
- リラクセーション法・相談行動の重要性
- 働き方とメンタルバランス
出題例(選択式)
- ストレスを感じたときに有効な対応は?
- 相談をためらう「心の壁」は何か?
共通の出題傾向
- 【知識+ケース対応】を重視
- 「理論だけ」ではなく「現場でどう動くか」が問われる
- 職場の会話や状況から適切な行動を選ぶ実践問題が多い
合格の目安
- Ⅰ種:正答率70%+記述評価あり(合格率:約40〜50%)
- Ⅱ種:正答率70%以上(合格率:約60〜70%)
- Ⅲ種:正答率70%以上(合格率:約80%以上)
■主催
医療福祉情報実務能力協会
受験資格と難易度
受験資格
年齢・学歴・経験は一切不問
メンタルケア心理士は誰でも受験できる民間資格ですが、以下の条件があります。
【受験に必要な条件】
- 医療福祉情報実務能力協会が認定する「指定教育機関」の講座を修了すること
- 例:キャリアカレッジジャパン、がくぶん、日本学術教育センターなど
講座修了後、修了証が発行され、それをもって認定試験の受験資格が得られます。
難易度
初心者でも合格可能なレベル
試験の難易度はやや易しい〜標準レベルで、心理学の専門的知識がなくても学習を進められます。 以下に、難易度に関するポイントをまとめます。
【合格基準】
- 正答率 70%以上(目安)
- 合格率は非公開だが、講座修了者の8〜9割が合格していると言われる
【試験対策のしやすさ】
- 公式テキストを中心に反復学習すれば十分合格可能
- 過去問・模擬問題付きの講座も多く安心
- 専門用語も丁寧に解説されており、初心者でも無理なく学べる
試験内容
試験の基本情報
- 試験形式: マークシート方式(選択式)またはオンライン受験
- 問題数: 約50問
- 試験時間: 60分(在宅型は提出期限内に回答)
- 合格基準: 正答率70%以上(目安)
出題内容の詳細
以下の5つの分野からバランスよく出題されます。 テキストをしっかり学べば十分対応できる内容です。
1. 基礎心理学
心理学の基本的な理論と用語の理解を問われます。
- パーソナリティ(性格)理論
- 発達心理学(エリクソンの発達段階など)
- 認知・感情・行動に関する理論
2. 精神保健・メンタルヘルス
ストレスや心の病、予防と対処についての理解が問われます。
- ストレスとストレスマネジメント
- うつ病・不安障害などの基礎知識
- 心身相関(身体と心のつながり)
3. カウンセリング理論と技法
カウンセリングに使われる主な理論や技法を学びます。
- 来談者中心療法(ロジャーズ)
- 認知行動療法(CBT)
- 傾聴・共感・受容の技法
4. コミュニケーション・対人援助
実際の支援場面で役立つスキルに関する内容です。
- コミュニケーションの基本
- 支援者の姿勢(非判断的態度など)
- 相談場面での会話例の理解
5. 倫理・職業的態度
カウンセラーとして必要な倫理観や守秘義務についての問題です。
- 個人情報の取り扱い
- 相談における適切な対応と限界
- 援助職の心構えと倫理的判断
問題形式の例
形式 | 内容 |
---|---|
選択問題(4択・○×) | 「○○理論の提唱者は誰か?」「次のうち正しいものはどれか?」など |
事例問題 | 簡単なケースを読んで、適切な対応を選ぶ形式 |
試験対策のポイント
- テキストの太字・用語説明を重点的にチェック
- 理論と具体的な対応法をセットで覚える
- 模擬問題(練習問題)で形式に慣れる
特にストレスとその対処法、カウンセリングの3原則(傾聴・共感・受容)などは頻出です。
試験対策
試験対策の基本方針
ポイントは「講座テキストの理解」
試験問題はほとんどが講座テキストの範囲から出題されます。 市販の専門書や難しい資料は不要です。 まずはテキストをしっかり読み込むことが最重要です。
効果的な学習ステップ
STEP 1:テキストを通読(1周目)
- まずは全体像をつかむ
- 太字や囲み記事、コラムは要チェック
- 図表や例題で感覚的に理解を深める
STEP 2:重要ポイントをまとめる(2周目)
- キーワードごとにノートや付箋で整理
- 人物名+理論(例:ロジャーズ=来談者中心療法)などの関連付け
- 章ごとの「章末確認問題」をしっかり解く
STEP 3:模擬問題・練習問題で演習
- 通信講座に付属の模擬試験を繰り返す
- 間違えた問題は「なぜ間違えたか」を確認
- 選択肢問題では、「間違いの理由」を説明できるように
分野別の対策ポイント
1. 心理学理論
- フロイト、ユング、アドラー、ロジャーズなどの理論家の特徴を整理
- 「発達段階」や「性格の理論」は図表で覚えると◎
2. カウンセリング技法
- 傾聴・共感・受容・自己一致の違いを明確に
- 来談者中心療法と認知行動療法の違いを比較
3. メンタルヘルス
- ストレス反応、ストレスマネジメントの方法を整理
- うつ病、不安障害などの基本的理解(特徴と支援方法)
4. 倫理・守秘義務
- 「守秘義務とは何か」を具体的に理解
- ケース問題での判断力が問われることも
学習スケジュール例(約1〜2か月)
週 | 学習内容 |
---|---|
1〜2週目 | テキスト通読+キーワード整理 |
3〜4週目 | 心理理論・技法の重点復習 |
5週目 | 倫理・ストレス対策の整理 |
6週目 | 模擬試験+間違い直し |
よくあるミスと対策
- 用語の暗記だけに偏る: → 具体例と一緒に理解すること
- 記憶が曖昧なまま演習: → 間違えた問題は必ず見直す
- 問題を急いで解きすぎる: → 丁寧に読み取り、落ち着いて判断
合格のための3つのコツ
- テキストの太字・見出しを重点的に
- 「誰が何を言ったか(理論家と理論)」を整理
- 間違えた問題から「自分の弱点」を把握
取得後に出来ること
メンタルケア心理士取得後にできること
1. 日常や職場で「心のケア」の実践が可能
資格取得により、傾聴・共感・ストレス対処法・心理支援の基本を学ぶため、 家庭や仕事の中で、以下のように活用できます。
- 家族や友人の悩み相談に対する適切な対応
- 職場での部下や同僚のメンタルケア
- 育児・介護中のストレス対応やコミュニケーション改善
2. 教育・医療・福祉・介護の現場で役立つ
この資格は対人支援を行う職種のサポート資格として幅広く活かせます。
- 保育士・教職員:子どもの心のサポートに
- 介護職:高齢者の心理的ケアに
- 看護師・医療従事者:患者や家族の不安に寄り添う力として
- スクールサポート:いじめ・不登校対応の基礎力に
3. ボランティアや地域活動で活躍
- 傾聴ボランティア(高齢者・障がい者支援など)
- 地域の子育て支援・メンタルヘルス講座のサポーター
- 電話相談・チャット相談などの社会貢献活動
「人の話をきちんと聴く」スキルが重視される今、 資格者の信頼性は地域社会でも高く評価されます。
4. 企業でのメンタルヘルス対応に活かす
- 社内カウンセラー補助や産業保健スタッフの一員として
- ハラスメント防止やストレスチェック後のフォロー対応
- 上司として部下のメンタルケア・指導法改善に
5. キャリアアップや副業・独立の基礎に
この資格単体で開業やカウンセラーとしての活動を行うことは難しいですが、 上位資格取得のステップとして、また心理支援活動の入り口として活用できます。
- 「メンタルケア心理専門士」などへのステップアップ
- 心理カウンセラー系の民間資格の併用
- 副業での傾聴サービス・相談業務のきっかけに
注意点(資格の性質)
- あくまで民間資格であり、国家資格(例:公認心理師、臨床心理士)ではない
- 医療行為(診断・治療)は不可
- 就職の「必須資格」ではないが、履歴書に書けるスキル証明として有効
その他医療系資格一覧
臨床心理士
精神対話士
生きがい情報士
認定心理カウンセラー
メンタルケア心理士認定試験
産業カウンセラー
メンタルヘルス・マネジメント検定試験
離婚カウンセラー
コンディショニングコーチ
肥満予防健康管理士
ヘルスケアアドバイザー
栄養情報担当者(NR)
運動療法士