電気通信主任技術者

電気通信事業法に基づく国家資格で、電気通信設備の運用・管理を担当するために必要です。

この資格を取得すると、電気通信事業者が設置しなければならない主任技術者としての職務に従事でき、通信インフラやネットワーク設備の維持管理において重要な役割を果たします。

資格の種類

電気通信主任技術者資格は、以下の2種類に分かれています。

(1) 伝送交換主任技術者

  • 主に通信設備の設計・施工・保守に関わる業務を担当
  • 対象設備: 電話交換機、インターネット中継設備、通信回線

(2) 線路主任技術者

  • 通信回線やネットワークケーブルの設置・維持管理を担当
  • 対象設備: 光ファイバー網、架空線、地中線、無線回線

主催
(財)日本データ通信協会

受験資格と難易度

1. 受験資格

電気通信主任技術者試験は年齢・学歴・実務経験に関係なく誰でも受験可能な国家資格です。

2. 難易度

電気通信主任技術者試験は、合格率が20〜40%と低めであり、通信工学やネットワーク技術に関する専門的な知識が必要なため、国家資格の中でも難関とされています。

特に、計算問題や設備管理の知識が問われるため、工学系出身者や実務経験がある方が有利です。

3. 難易度と合格率の比較

資格種別 難易度 合格率(目安) 特徴
伝送交換主任技術者 ★★★★☆ 約20〜30% 通信ネットワーク、信号処理、設備管理の専門知識が必要
線路主任技術者 ★★★☆☆ 約30〜40% 光ファイバー、無線通信、架空線・地中線の施工管理が中心
  • 伝送交換主任技術者: 交換機やデータ通信の知識が問われるため、IT・ネットワークエンジニア向け
  • 線路主任技術者: 光ファイバーや通信インフラの知識が必要なため、通信設備や工事管理者向け

総合難易度:

  • 法規科目(共通):比較的取り組みやすいが、条文の細かい理解が必要
  • 技術科目(専門):計算問題や設備管理に関する問題が多く、対策が必須

試験内容

共通科目選択科目の合計4科目で構成されます。資格は「伝送交換主任技術者」と「線路主任技術者」に分かれており、共通科目は両資格で同一内容ですが、選択科目は異なります。

1. 試験構成

科目分類 科目名 問題数 試験時間 出題形式
共通科目 法規 約20問 90分 択一式(四択)
電気通信システム 約20問 90分 択一式(四択)
選択科目 伝送交換設備管理(伝送交換主任技術者向け) 約20問 90分 択一式(四択)
線路設備管理(線路主任技術者向け) 約20問 90分 択一式(四択)

合格基準: 各科目で60%以上の正答率が必要

2. 科目別詳細内容

(1) 共通科目

a. 法規

電気通信事業に関する法律・規則を問う科目です。

  • 出題範囲:
    • 電気通信事業法
    • 電波法および関連省令
    • 労働安全衛生法、工事担任者に関する規則
    • 通信設備の設置・運用に関する法的義務
b. 電気通信システム

通信技術の基礎から最新のネットワーク技術までを問う科目です。

  • 出題範囲:
    • 通信回線の構成と動作原理
    • 信号伝送技術(アナログ・デジタル伝送)
    • パケット通信、VoIP、IPネットワークの基礎
    • インターネットプロトコル(IP、TCP、UDP)
    • 通信品質の管理方法(QoS、遅延対策)

(2) 選択科目(資格ごとに選択)

A. 伝送交換設備管理(伝送交換主任技術者向け)

伝送路や交換機設備の管理技術を問う科目です。

  • 出題範囲:
    • 伝送設備の構造と伝送方式(光ファイバー、無線、同軸ケーブル)
    • 音声通信設備(PBX、交換機)の運用管理
    • インターネットデータ伝送設備の管理
    • 光伝送技術とデジタル信号処理
    • 故障時の復旧手順と予防保守
B. 線路設備管理(線路主任技術者向け)

通信回線の設置や保守技術について問う科目です。

  • 出題範囲:
    • 架空線・地中線の施工技術
    • 光ファイバー敷設と接続技術
    • 無線通信路の構築・管理
    • 通信回線のトラブルシューティング
    • 施工における安全対策と法令遵守

3. 問題の傾向と特徴

(1) 法規科目の特徴

  • 法律条文の穴埋め問題
  • 実務上の適切な処理方法を問う問題

(2) 技術科目(電気通信システム・設備管理)の特徴

  • 設備構成図や配線図を基にした問題が頻出
  • 計算問題(伝送損失、距離計算、遅延時間計算)
  • 最新技術(5G、光通信技術)の問題も出題傾向あり

4. 合格基準と注意点

  • 各科目で60%以上の得点が必要
  • 1科目合格後は翌年度まで科目免除が可能
  • 伝送交換設備管理の方が計算問題が多く、難易度がやや高い

試験対策

1. 科目別の具体的な対策方法

(1) 法規科目対策

  • 電気通信事業法、電波法、関連省令に関する問題が出題
  • 細かい条文理解や法令の適用事例が問われる

対策方法:

  • 過去問演習: 過去3年分を最低3回繰り返す
  • 条文暗記: 重要な条文は書き写しながら暗記
  • 法改正確認: 最新の法改正ポイントを把握

(2) 電気通信システム対策

  • 通信方式、ネットワーク構造、信号処理などが出題
  • 設備構成図や通信フロー問題が多い

対策方法:

  • 用語理解: 通信プロトコル(TCP/IP、UDP、HTTP)を徹底学習
  • 図解学習: ネットワーク構成図を書いて理解を深める
  • 計算問題演習:
    • 伝送損失計算
    • データ伝送速度の計算
    • 信号遅延計算

(3) 選択科目対策

A. 伝送交換設備管理対策(伝送交換主任技術者向け)
  • 通信設備の構造、保守、管理が問われる
  • 計算問題が多い(伝送路の損失計算や距離計算など)

対策方法:

  • 設備構成理解: 交換機、ルーター、伝送機器の役割を把握
  • 計算問題: 毎日2〜3問取り組み、公式を暗記
  • トラブル事例学習: 故障時の対応方法を問題で確認
B. 線路設備管理対策(線路主任技術者向け)
  • 光ファイバー、無線設備、架空線の設置と保守に関する問題
  • 工事計画や安全管理問題も出題

対策方法:

  • 施工方法の理解: ケーブル敷設手順や工具の使い方を理解
  • 安全規則の暗記: 作業時の安全距離や保護具の選択問題に備える
  • 図面読解力強化: 工事計画書の読み取り問題を練習

取得後に出来ること

取得すると、通信インフラの運用・管理に関する責任者としての業務が可能になります。この資格は、電気通信事業者にとって法令上必須の資格であり、取得者は高い専門性を持つ技術者として評価されます。

1. 法的に求められる役割

(1) 主任技術者としての法的責任

  • 電気通信事業法に基づく必須資格:
    • 電気通信事業者は、電気通信主任技術者を選任することが義務付けられています。
  • 責任範囲:
    • 設備の運用・保守・安全管理
    • 工事計画の作成・施工管理
    • トラブル対応や緊急時の通信維持

2. 業務でできること

(1) 設備運用・管理業務

  • 電話・インターネット回線の監視・保守
  • データセンターのネットワーク機器管理
  • 通信障害発生時の原因特定・復旧対応

(2) 工事・施工監督

  • 光ファイバーや無線通信設備の施工計画作成
  • 工事現場での安全管理および技術指導
  • 設備変更時の監督と最終確認

(3) 法規制遵守業務

  • 通信設備の設置・改修に伴う届出書類作成
  • 電気通信事業法および関連法令の遵守確認

3. 活躍できる職場・業界

業界 職種・役割
電気通信事業者 主任技術者、ネットワークエンジニア、通信設備管理者
通信建設会社 工事監督者、施工管理責任者
IT企業・クラウド事業 データセンター運用管理者、インフラエンジニア
官公庁・自治体 公共インフラ管理担当、災害時通信維持の技術責任者
放送局・メディア 放送用通信設備の保守管理
製造業・物流企業 工場内ネットワーク設備管理、物流システム通信管理

4. 資格取得のメリット

(1) キャリアアップと昇進に有利

  • 主任技術者や管理職への昇進がしやすくなる
  • プロジェクトマネジメント業務を任される機会が増加

(2) 収入アップが期待できる

  • 資格手当の支給: 多くの企業で月額1万〜3万円程度の資格手当あり
  • 高単価案件への参画: 通信インフラ構築や大規模工事案件で高報酬が期待

(3) 転職・就職時の強力な武器

  • 通信業界では特に重宝される資格
  • 官公庁や大手企業での選考時に有利

5. フリーランスや独立での活用

  • 通信インフラ構築の請負案件が受注可能
  • 資格保持者としての信頼性が高く、営業活動で有利
  • 中小企業や自治体向けに通信設備の導入・保守サービスを提供可能

6. 取得後のキャリアパス

取得後の職種 業務内容
主任技術者 通信設備の総合管理・法規遵守確認
ネットワークエンジニア 通信回線の設計・保守、データ通信の品質向上
工事管理責任者 現場施工の監督、工事進捗管理、品質管理
インフラマネージャー 大規模通信プロジェクトのマネジメント
技術コンサルタント 企業向け通信システムの改善提案・導入支援

7. 公共・災害対応での活用

  • 災害時の通信維持責任者として緊急対応
  • 自治体・防災機関での通信設備保守・復旧業務

8. 将来性と活用範囲の広がり

(1) 最新技術対応

  • 5G通信網の構築や保守での活躍
  • IoTデバイス向け通信インフラ管理

(2) 海外展開やグローバル案件での評価

  • 国際通信インフラ構築プロジェクトへの参画

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