ワインを中心とする飲料全般の専門知識とサービス技術を持ったプロフェッショナルを認定する資格です。
日本ソムリエ協会(J.S.A.)が実施している、日本国内で最も権威あるワイン資格のひとつです。
飲食業界やワイン業界でのキャリアアップを目指す方、あるいは本格的にワインを学びたい愛好家にも人気があります。
■主催
(社)日本ソムリエ協会
受験資格と難易度
ソムリエ資格の受験資格(2024年度時点)
基本条件(すべて満たす必要があります)
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年齢:20歳以上(試験年度内に満20歳)
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アルコール飲料を扱う業務に通算3年以上の実務経験があること
該当する職種の例
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レストラン、バー、ホテルなどでのワイン提供・接客
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ワイン販売(百貨店、酒販店、ワインショップ)
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ワイン輸入・卸業、飲料系の営業職
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ワイン講師、ソムリエスクールの指導者 など
補足
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実務経験は**「勤務証明書」の提出**により証明が必要です。
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ワインの知識があるだけでは受験できません。
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一般愛好家の方は、「ワインエキスパート資格」の受験が可能です(こちらは実務経験不要)。
難易度の目安
合格率(過去の実績)
試験区分 |
合格率(目安) |
ソムリエ |
約30〜40% |
ワインエキスパート |
約40〜50% |
難易度の特徴
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出題範囲が非常に広い(フランスを中心とした世界各国のワイン法、ブドウ品種、醸造技術、その他飲料など)
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テイスティング力が問われる(訓練が必要)
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サービス実技(ソムリエのみ)では、接客やワイン提供の流れを体で覚える必要あり
勉強量の目安
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約3〜6か月の学習期間が一般的
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毎日1〜2時間の学習+テイスティングの練習が推奨されます
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独学でも合格可能ですが、通信講座や対策セミナーの活用が効果的
試験内容
1. 第一次試験(CBT方式:知識試験)
試験形式
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CBT方式(Computer Based Testing)
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全国の試験会場(パソコン使用)で個別に受験
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4択式の選択問題(マーク式)
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約60問/試験時間:約90分
出題範囲(広範囲です)
分野 |
内容の例 |
ワイン概論 |
醸造方法、発酵、熟成、栽培、土壌、気候など |
世界のワイン |
フランス、イタリア、スペイン、ドイツ、アメリカ、日本ほか |
ワイン法 |
AOC、DOCG、VDPなど各国の品質分類制度 |
ブドウ品種 |
赤・白の主要品種(ピノ・ノワール、シャルドネなど) |
その他の酒類 |
ビール、日本酒、ウイスキー、焼酎、カクテルなど |
料理との相性 |
ワインと食のペアリング理論 |
サービス |
ワイン提供時のマナー・手順・温度管理など |
ワイン用語 |
テイスティング表現、専門用語など |
2. 第二次試験(テイスティング)
試験形式
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ブラインド・テイスティング(白1種、赤1種)
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グラスに注がれたワインの外観・香り・味わいを分析
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品種・産地・ヴィンテージ・製法などを記述式で回答
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選択式問題も一部あり(年度により異なる)
評価ポイント
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香りや味わいを言語化する能力
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論理的なコメント力(決めつけではなく、根拠をもとに判断)
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品種の特徴を正確に把握しているか
3. 第三次試験(実技:ソムリエのみ)
試験形式
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面接形式でのワインサービス実技
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模擬レストランを想定し、試験官の前でサービスを実演
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所要時間:約10分〜15分
実技内容の例
内容 |
詳細 |
スパークリングワインのサービス |
セイバリング(抜栓)、グラスサービス |
ワインのデカンタージュ |
赤ワインのデカンタージュ手順と説明 |
質問対応 |
お客様役の試験官からの質問に適切に答える(例:料理との相性) |
接客マナー |
身だしなみ、姿勢、話し方、目線なども評価対象 |
ワインエキスパートとの違い
項目 |
ソムリエ |
ワインエキスパート |
実技試験 |
あり(第三次試験) |
なし |
対象者 |
実務経験がある人 |
一般の愛好家でも可 |
資格の用途 |
飲食・販売業での活用 |
趣味・教養、ワインライター等で活用可 |
試験対策
第一次試験(CBT方式:知識試験)対策
1. 出題範囲の特徴
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世界各国のワイン(フランス中心にヨーロッパ、アメリカ、日本など)
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ブドウ品種、醸造法、気候・土壌、ワイン法(AOC, DOCG など)
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サービス・マナー、料理との相性、その他酒類(ビール、ウイスキー等)
2. 対策ポイント
方法 |
内容 |
公式教本の熟読 |
日本ソムリエ協会の最新の教本は必須(毎年内容更新あり) |
問題集・過去問 |
市販の問題集(J.S.A.受験対策本)やアプリを活用して反復練習 |
地図・品種・用語の暗記 |
地理問題(ブルゴーニュ・ボルドーなど)、主要ブドウ品種、ワイン法を整理 |
ゴロや語呂合わせ活用 |
暗記量が多いため、語呂合わせや表にして整理すると効果的 |
3. おすすめ教材
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J.S.A.発行『ソムリエ・ワインエキスパート教本』
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『ソムリエ試験対策ワイン問題集』(ワインスクール発行)
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スマホアプリ:Wine-Link、ワイン受験.comなど
第二次試験(テイスティング)対策
試験内容
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白ワイン・赤ワインのブラインドテイスティング
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香り・味・品種・産地・ヴィンテージなどを記述式で推定
対策ポイント
対策 |
内容 |
ワインテイスティングの反復 |
市販のワインを使って実際に飲み比べながら練習 |
テイスティングコメントの練習 |
視覚・香り・味わいを用語で的確に表現する力を磨く |
品種ごとの特徴整理 |
主要ブドウ(ピノ・ノワール、シャルドネなど)の典型的な香りと味を暗記 |
友人や仲間と練習会をする |
複数人でのテイスティングは記憶と比較に効果的 |
おすすめ教材・練習方法
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ワインスクールのテイスティング講座(例:アカデミー・デュ・ヴァン)
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YouTubeで「JSA テイスティング講座」を検索
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記録ノート(ワインジャーナル)を作成して反復
第三次試験(ソムリエのみ:サービス実技)対策
試験内容
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グラスサービス(スパークリングワイン)
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デカンタージュ(赤ワイン)
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お客様への説明・提案、接客マナーなど
対策ポイント
対策 |
内容 |
サービスの一連の流れを反復練習 |
グラス準備、温度管理、抜栓、注ぎ方、デカンタ手順 |
実技動画を見てフォームを確認 |
スクールやJ.S.A.公式動画を参考にする |
ロールプレイ練習 |
試験官役とお客様役に分かれての模擬練習が効果的 |
身だしなみ・姿勢・声のトーンなど |
プロとしての立ち居振る舞いも評価対象になります |
取得後に出来ること
飲食業界でのキャリアアップ・就職・転職に活かせる
ワインの専門家として現場で活躍
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高級レストラン、ホテル、ワインバーでソムリエ業務を担当
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ワインの提案、ワインリストの作成、ペアリングの提案などで接客の質を高められる
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有資格者として昇格・評価対象となるケースが多い
信頼の証として履歴書・職務経歴書に記載できる
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飲食業の求人では「ソムリエ資格保有者優遇」とされることもあり
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プロとしての信頼性が高まる
ワイン販売・流通・ビジネスシーンでの活用
ワイン小売や営業職での専門性をアピール
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酒販店、百貨店、輸入商社での販売・バイヤー業務
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顧客へのワイン提案やプロモーション活動に信頼性をプラス
ワインイベントやセミナーでの登壇・解説
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試飲会、ワインフェアでの案内役・解説者として活動
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一般向けワイン講座の講師・アドバイザーも可能
独立・副業・フリーランスとしての展開も可能
フリーでの活動がしやすい資格
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飲食店向けのワインコンサルティング
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オリジナル講座、出張テイスティングサービスの開催
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ワイン×料理、ワイン×音楽などテーマ性のある企画も自由に展開できる
自分の店舗を開業
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ワインバー、ビストロ、ワインショップの独立開業
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ソムリエ資格を活かしたイベント型カフェやバーの運営も可能
情報発信・クリエイティブ活動での活用
SNS・YouTube・ブログなどでの発信活動
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ソムリエ資格を持っていることで説得力あるワイン解説が可能
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自作コンテンツの信頼性アップ(レシピ動画、ペアリング提案、紹介レビューなど)
書籍・メディアでの執筆や連載
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ワイン専門誌や飲食系メディアでの執筆活動
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ワイン初心者向けの書籍出版や電子書籍の展開も視野に入る
上位資格や国際資格へのステップアップ
さらなる専門性を目指すための土台となる
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J.S.A.シニアソムリエへの受験資格を得られる
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国際資格「WSET Level 3・Diploma」「CMS(Court of Master Sommeliers)」への挑戦にも役立つ
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海外ワイナリーとのビジネスや通訳としての活動にも活かせる
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教材
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