情報処理技術者能力認定試験

サーティファイ(Certify) 情報処理能力認定委員会が実施する民間の認定試験でIT分野の基礎知識やプログラミング、システム設計に関するスキルを証明するものです。

試験の特徴

  • 情報処理技術者としての基礎知識と実務スキルを評価
  • プログラミング能力やアルゴリズムの理解が重要
  • 学習の成果を証明する資格として、就職活動やスキルアップに活用可能
  • 初級から上級までレベルが分かれている

主催
サーティファイ ソフトウェア活用能力検定委員会

受験資格と難易度

受験資格

受験資格の制限はありません。年齢や学歴、職業に関係なく、誰でも受験できます。

ただし、多くの専門学校や職業訓練校で学習の一環として実施されることが多いため、受験者の多くは学生や初学者です。

難易度(級ごとのレベル)

試験は1級・2級・3級に分かれており、それぞれ難易度が異なります。

難易度 試験内容 目安レベル
1級 ★★★★☆(難しい) システム開発・設計、データベース、ネットワーク ITエンジニア・上級者向け
2級 ★★★☆☆(中級) アルゴリズム、プログラミング、データ構造 基本情報技術者試験レベル
3級 ★★☆☆☆(やや易しい) ITの基礎知識、プログラミングの基本 初学者・高校生向け

試験内容

各級の試験内容

試験範囲 出題形式 目安レベル
1級(上級) システム開発、アルゴリズム、データベース、ネットワーク 記述式・選択式 応用情報技術者レベル
2級(中級) アルゴリズム、データ構造、プログラミング 記述式・選択式 基本情報技術者レベル
3級(初級) IT基礎、簡単なプログラミング 選択式・マークシート ITパスポートレベル

試験範囲(共通)

試験の範囲は以下の5つの分野に分類されます。

① コンピュータの基礎知識

  • ハードウェア(CPU、メモリ、ストレージ)
  • ソフトウェア(OS、アプリケーションの基本)
  • ネットワーク(LAN、インターネットの基礎)
  • データベース(リレーショナルデータベース、SQLの基礎)
  • セキュリティ(基本的な暗号技術、アクセス制御)

② プログラミング

  • プログラムの基本(変数、データ型、制御構造)
  • 関数とモジュール化(関数の活用、オブジェクト指向の基礎)
  • データ構造(配列、リスト、スタック、キュー)
  • アルゴリズム(ソート・検索、再帰処理)
  • 対象言語:C言語、Java、Python など

③ システム開発

  • ソフトウェア開発の流れ(要件定義、設計、実装、テスト)
  • UML(ユースケース図、クラス図、シーケンス図)
  • 開発手法(ウォーターフォールモデル、アジャイル開発)
  • バージョン管理(Gitの基本)

④ データベース

  • データベース設計(正規化、ER図)
  • SQL(SELECT、INSERT、UPDATE、DELETE)
  • トランザクション管理(ACID特性、ロック)

⑤ ネットワークとセキュリティ

  • TCP/IPの基本
  • IPアドレスとサブネットマスク
  • HTTPとHTTPSの違い
  • ファイアウォールとVPN
  • 情報セキュリティ(マルウェア対策、暗号技術)

級ごとの詳細な出題内容

3級(初級)

対象者:IT初心者、高校生、専門学校生向け
出題範囲

  • ITの基礎(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークの基礎)
  • プログラムの基本(変数、制御構造、簡単な関数)
  • 簡単なアルゴリズム(順次処理、条件分岐、ループ)
  • データベースの基本(リレーショナルデータベース、SQLの基本) 試験形式選択式・マークシート(基礎知識を問う問題が中心)

2級(中級)

対象者:基本情報技術者試験レベルを目指す人、情報系の学生
出題範囲

  • プログラミングの応用(関数、クラス、オブジェクト指向の基礎)
  • データ構造(配列、リスト、スタック、キュー)
  • アルゴリズム(ソート・検索、再帰処理)
  • 簡単なシステム設計(要件定義、設計)
  • データベースの基礎(SQLの応用) 試験形式選択式+一部記述式(アルゴリズムやSQLの記述問題あり)

1級(上級)

対象者:システム開発者、ITエンジニア、情報処理試験(応用情報)レベルのスキルを持つ人
出題範囲

  • システム開発全般(要件定義、設計、実装、テスト)
  • データ構造とアルゴリズム(より高度な最適化手法)
  • データベース管理(正規化、SQLの最適化)
  • ネットワーク(ルーティング、VPN、セキュリティ技術)
  • システムの運用管理(障害対応、バックアップ計画) 試験形式記述式+選択式(実際の開発に近い問題が出題される)

試験対策

共通の試験対策

  • 公式の過去問題集を解く
    試験の出題傾向を把握し、繰り返し解くことで得点力をアップさせる。
  • プログラミングの実践練習
    C言語・Java・Python などの主要言語で実際にコードを書く練習をする。
  • 用語の暗記と理解
    ハードウェア・ソフトウェア・ネットワーク・データベース などの基礎用語を理解する。
  • アルゴリズムとデータ構造の理解
    ソート(バブルソート、クイックソート)、探索(線形探索、二分探索)を実装できるようにする。
  • SQLの練習(特に2級・1級受験者向け)
    SELECT, INSERT, UPDATE, DELETE などの基本操作を習得する。

級ごとの具体的な対策

3級(初級)対策

目標レベル:IT初心者・高校生向け(ITパスポート試験レベル)
勉強ポイント

  • ITの基礎知識(コンピュータの仕組み、OS、ネットワーク、データベースの基本)
  • 簡単なプログラミング(変数・条件分岐・ループ処理を理解)
  • 基本的なアルゴリズム(順次処理・条件分岐・繰り返し構造)

おすすめの勉強法

  1. ITの基礎用語を暗記(「コンピュータとは?」から始める)
  2. 簡単なプログラムを書いて実行(PythonやJavaを使う)
  3. 過去問を解いて、出題傾向をつかむ

学習時間の目安
30〜50時間(1〜2か月程度の学習がおすすめ)

2級(中級)対策

目標レベル:基本情報技術者試験レベル(専門学校生向け)
勉強ポイント

  • アルゴリズムとデータ構造を理解(ソート・探索・再帰処理)
  • プログラミングの応用(関数、オブジェクト指向の基礎)
  • データベースとSQLの基本操作(SELECT, JOIN, サブクエリ)
  • 基本的なシステム開発の流れを学ぶ(要件定義→設計→実装)

おすすめの勉強法

  1. アルゴリズムの学習(ソート・検索を実際にプログラムで書く)
  2. データベース操作を学ぶ(SQLの基礎を身につける)
  3. システム開発の流れを理解(UMLや開発手法について学ぶ)
  4. 過去問を解いて試験の形式に慣れる

学習時間の目安
50〜80時間(2〜3か月程度の学習が望ましい)

1級(上級)対策

目標レベル:応用情報技術者試験レベル(ITエンジニア向け)
勉強ポイント

  • システム開発全般の知識を習得(設計→開発→運用)
  • オブジェクト指向プログラミングの理解(設計パターン、MVCモデル)
  • データベース設計と最適化(正規化、インデックスの活用)
  • ネットワークとセキュリティの知識(ルーティング、ファイアウォール、暗号化)

おすすめの勉強法

  1. 業務システムの開発フローを理解(要件定義→設計→実装→テスト)
  2. データベース設計を実際にやってみる(ER図を作成し、SQLでデータ操作)
  3. プログラミングで実際のシステムを作る(MVCモデルを意識したアプリ開発)
  4. ネットワークとセキュリティを学ぶ(セキュリティ対策、ネットワーク設計)

学習時間の目安
80〜120時間以上(3〜6か月の準備期間が理想)

取得後に出来ること

就職・転職での活用

この資格は、特にIT業界や事務職での就職活動時にアピール材料として活用できます。

取得級ごとの活用範囲

取得級 活かせる職種・業務 期待されるスキル
1級(上級) システムエンジニア(SE)、プログラマー、ITコンサルタント システム設計・開発、データベース管理、ネットワーク構築
2級(中級) プログラマー、社内SE、データベースエンジニア プログラミング、SQL、システム開発の基礎
3級(初級) ITサポート、事務職、ヘルプデスク 基本的なIT知識、簡単なプログラム作成
就職活動での活用ポイント
  • 履歴書やエントリーシートに記載可能(「資格・スキル」欄に記入)
  • IT未経験でも基礎スキルを持っている証明になる
  • 基本情報技術者試験などの国家資格の勉強前のステップとして活用できる

特にIT業界では、「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」と比べると認知度がやや低いですが、専門学校や職業訓練校で学習したスキルの証明として評価されることが多いです。

ITスキルの証明・業務への活用

資格取得後、以下のような業務で活かせます。

  • プログラミング業務(C言語・Java・Pythonを使った開発)
  • システム開発の基本設計・実装(特に1級・2級)
  • データベース管理・SQLの活用(社内データの管理・分析)
  • ITサポート業務(PC設定、簡単なシステムトラブル対応)
  • ネットワーク管理(社内LANの運用・保守)

特に、1級を取得すると「システム開発経験がある」とみなされることもあり、企業によっては評価が高くなる場合があります。

資格を活かせる具体的な職種

取得した級によって、以下のような職種で活かせます。

職種 必要な級 活かせるスキル
プログラマー 2級・1級 Java、C言語、Pythonのプログラミングスキル
システムエンジニア(SE) 1級 システム設計、データベース設計、SQL
社内SE 2級・1級 システム管理、ネットワーク管理
データベースエンジニア 1級 SQL、リレーショナルデータベースの管理
ITサポート(ヘルプデスク) 3級・2級 基本的なITサポート業務、PC設定、ネットワーク管理
事務職(IT活用) 3級 Excelのマクロ活用、データ入力

特にIT未経験者の場合、3級や2級を取得しておくと、「ITの基礎がある」と判断され、事務職やサポート職でも有利になることがあります。

他の資格へのステップアップ

この資格を取得すると、より上位の資格取得の準備として活用できます。

次に目指せる資格

ステップアップ資格 情報処理技術者能力認定試験との関連性
ITパスポート試験(国家資格) 3級の学習範囲が重なるため、次のステップに最適
基本情報技術者試験(国家資格) 2級・1級で学ぶ内容と一部共通
応用情報技術者試験(国家資格) 1級の内容をさらに発展させた内容
MOS(Microsoft Office Specialist) 3級レベルのITスキルと事務スキルの組み合わせ
Pythonエンジニア認定試験 プログラミングスキルを深めるのに役立つ

特に、基本情報技術者試験を目指す人にとっては、2級・1級の学習内容がそのまま役立つため、良いステップアップになります。

企業での評価

企業によっては、社内のIT研修や評価制度の一環として、この資格を取得することを推奨している場合があります。

企業での評価ポイント

  • IT初心者でも基礎スキルがある証明になる
  • プログラミングやデータベースの知識を実務に活かせる
  • 研修期間を短縮できる可能性がある(特に2級・1級取得者)
  • 資格手当が支給される場合もある(企業による)

取得後にやるべきこと

資格を取得した後、より実務で活かせるようにするためには、以下のような取り組みをすると効果的です。

  1. プログラミングの実践

    • 小規模なアプリやツールを作成し、実際にコードを書いてスキルを定着させる
    • GitHubなどでポートフォリオを作成し、実績として公開する
  2. IT関連の実務経験を積む

    • IT関連のアルバイトやインターンに参加
    • 社内でIT関連の業務を手伝い、実務スキルを身につける
  3. 他の資格取得を目指す

    • 基本情報技術者試験やITパスポート試験など、より認知度の高い資格を取得

コンピューター系資格一覧

応用情報技術者試験
基本情報技術者
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
ITストラテジスト試験
システムアーキテクト試験
システム監査技術者
ITサービスマネージャ試験
ITパスポート試験
ネットワークスペシャリスト試験
プロジェクトマネージャ
情報処理安全確保支援士試験(RISS)
データベーススペシャリスト試験
Accessビジネスデータベース技能認定試験
Excel表計算処理技能認定試験
Word文書処理技能認定試験
PowerPointプレゼンテーション技能認定試験
Javaプログラミング能力認定試験
COBOLプログラミング能力認定試験
パソコン検定(P検)
C言語プログラミング能力認定試験
情報処理技術者能力認定試験
VisualBasicプログラミング能力認定試験
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
VBAエキスパート
IC3
ワードプロセッサ技能認定試験
パソコン技能検定Ⅱ種試験
EC(電子商取引)実践能力検定
OracleApplication認定コンサルタント
CAD利用技術者試験
ORACLE MASTER(オラクルマスター)
会計ソフト実務能力試験
Server+
A+
コンピュータサービス技能評価試験
J検(情報検定)
Linux+
Network+
UBA能力検定
マイクロソフト認定トレーナー(MCT)
マイクロソフト認定資格プログラム
Linux技術者認定試験
情報セキュリティ検定試験
UMLモデリング技能認定試験
Oracle Certified Java Programmer(OCJP)
CGエンジニア検定
画像処理エンジニア検定
シスコ技術者認定
インターネット検定 .com Master
Cisco技術者認定資格(CCIE)
Turbo-CE/Pro/CI
CIW
RHCE(Red Hat認定エンジニア)
Oracle Solaris 11 System Administrator
PostgreSQL CE
情報ネットワーク施工プロフェッショナル(INIP)
Zend PHP 5 Certification
商PC検定試験

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