フランス商工会議所(CCIP)が実施するフランス語能力を評価する試験です。
フランスへの移住や留学、カナダ(ケベック州)への移住申請などで広く活用されています。
TEFの特徴
- フランス語を母国語としない人のフランス語能力を測定する試験
- 合否はなく、スコア制(120~900点)
- フランス語の CEFR(A1~C2) レベルに対応
- 試験結果の有効期限は2年間
- 受験回数に制限なし(ただし、同じ試験を30日以内に再受験できない場合あり)
- 世界各国で受験可能(日本でも実施)
■主催
日仏文化協会
受験資格と難易度
受験資格
TEFには特別な受験資格はなく、誰でも受験可能 です。
- 年齢・学歴・国籍に関係なく受験できる
- 事前の資格取得や受験回数の制限はなし
- 初級者から上級者まで、自由に試験を選択できる
ただし、同じ試験を30日以内に再受験することはできない というルールがあるため、連続受験を考えている場合は注意が必要です。
難易度の目安
TEFの試験はスコア制で、点数によってフランス語の習熟度が判定されます。
試験の難易度は CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠:A1~C2) に対応しています。
TEFスコア | CEFRレベル | 難易度の目安 | できることの例 |
---|---|---|---|
0~200点 | A1(入門) | フランス語を始めたばかり | 簡単な単語や挨拶ができる |
201~400点 | A2(初級) | 基礎的なフランス語が使える | 簡単な自己紹介や買い物ができる |
401~600点 | B1(中級) | 日常会話ができる | 旅行や仕事で基本的な会話が可能 |
601~800点 | B2(上級) | 複雑な会話ができる | 大学講義を理解し、議論できる |
801~900点 | C1~C2(最上級) | ネイティブレベル | 専門的な分野で活躍できる |
具体的な試験の難易度
TEF Canada / TEFAQ(カナダ移民用)は、一般的にB2以上が求められるため、中~上級者向けの試験。
TEF Naturalisation(フランス国籍取得)はB1レベルが必要で、中級程度の難易度。
TEF Études en France(フランス留学)はB2以上が求められることが多く、上級レベルの試験 となる。
試験内容
読解・リスニング・語彙・作文・口頭試験の5つのセクションで構成されています。
試験の種類(TEF Canada、TEFAQ、TEF Naturalisation など)によって、必須科目が異なります。
TEFの試験科目と構成
セクション | 問題数 | 試験時間 | 採点方式 | 評価基準(CEFRレベル) |
---|---|---|---|---|
読解(Compréhension écrite) | 50問 | 60分 | 0~699点 | A1~C2 |
リスニング(Compréhension orale) | 60問 | 40分 | 0~699点 | A1~C2 |
語彙・文法(Lexique et structure) | 40問 | 30分 | 0~699点 | A1~C2 |
作文(Expression écrite) | 2題 | 60分 | 0~450点 | A1~C2 |
口頭試験(Expression orale) | 2題(面接形式) | 15分 | 0~450点 | A1~C2 |
- TEF Canada / TEFAQ(ケベック移住) → リスニング・口頭試験が必須
- TEF Naturalisation(フランス国籍取得) → リスニング・口頭試験が必須(B1レベルが必要)
- TEF Études en France(フランス留学) → 読解・作文・リスニングが必須
科目別の詳しい試験内容
1. 読解(Compréhension écrite)
出題内容:
- 短い広告・案内文の理解
- Eメールや手紙の読解
- 新聞記事やエッセイの読解
- 文法的な穴埋め問題
リスニング(Compréhension orale)
出題内容:
- 日常会話(買い物・道案内・電話応対)
- 簡単なインタビューやラジオ番組の内容理解
- 会話の聞き取り(話し手の意図を判断する)
- ニュースの要点を把握する
語彙・文法(Lexique et structure)
出題内容:
- 文法問題(時制、動詞の活用、前置詞の使い方)
- 語彙問題(類義語・反意語・熟語)
- 文の並べ替え問題
作文(Expression écrite)
出題内容:
- 短いEメールの作成(依頼、謝罪、申請など)
- 200~250字のエッセイ(意見を述べる課題)
口頭試験(Expression orale)
試験形式:
- 試験官とマンツーマンで15分の面接
- 2つの課題が出題される
出題内容:
- 自己紹介(初級) → 自分の趣味や仕事について話す
- ロールプレイ(中級以上) → ある状況について試験官と会話
- 意見を述べる(上級) → 社会問題や時事について意見を述べる
試験の合格基準(目安)
TEFはスコア制(0~900点)で、合否はなく、取得した点数によってフランス語レベルが判定される。
TEFスコア | CEFRレベル | フランス語の習熟度 |
---|---|---|
0~200 | A1 | 初級(基本的な会話ができる) |
201~400 | A2 | 初級(簡単な文章が理解できる) |
401~600 | B1 | 中級(簡単な会話・文章作成ができる) |
601~800 | B2 | 上級(仕事や学業で使える) |
801~900 | C1~C2 | ネイティブに近いレベル |
試験対策
読解(Compréhension écrite)対策
試験内容
- 短文・Eメール・広告・案内文の読解(A1~B1)
- 新聞記事・エッセイの読解(B2~C1)
- 空所補充、文章の要点把握、筆者の意図を理解する問題
対策方法
-
短文の読解練習(A1~A2)
- 簡単なフランス語の広告や看板を読んで理解する
- フランス語の簡単なEメールを読み、要点をつかむ
-
長文の読解練習(B1~B2)
- フランスのニュース記事(Le Monde, Le Figaro, 20 Minutes)を読む
- 要点を箇条書きにまとめる
-
過去問や模試を解く
- TEF公式サイトやTEF対策書の問題を解き、出題形式に慣れる
リスニング(Compréhension orale)対策
試験内容
- 日常会話や短いアナウンスの理解(A1~B1)
- ラジオ・ニュース・インタビューの理解(B2~C1)
- 話し手の意図やニュアンスを判断する問題
対策方法
-
基本的なリスニング練習(A1~A2)
- 短いフランス語の会話を聞いて、何について話しているかを判断する
- フランス語アプリ(Duolingo、Frantastique) を活用
-
本格的なリスニング練習(B1~B2)
- RFI(Radio France Internationale) のニュースを毎日聞く
- TV5Mondeのリスニング教材 を活用し、速いフランス語に慣れる
-
シャドーイングをする
- フランス語の音声を聞きながら、同じタイミングで発音する練習をする
-
ディクテーション(書き取り)をする
- 聞こえた文章を書き取ることで、細かい音の違いに慣れる
語彙・文法(Lexique et structure)対策
試験内容
- 語彙(類義語・反意語・慣用表現)
- 文法(動詞の時制、冠詞、前置詞、接続詞の使い方)
- 文の並び替え、空所補充問題
対策方法
-
頻出単語・熟語を覚える
- 『フランス語基本単語2000』(単語帳)を活用
- フランス語の頻出表現やコロケーション(単語の組み合わせ)を学ぶ
-
時制・動詞の活用を徹底する
- 現在・過去・未来・条件法・接続法の活用を整理
- フランス語の活用表(Conjugaison)を確認
-
文法問題を毎日解く
- 『Grammaire progressive du français』を活用
作文(Expression écrite)対策
試験内容
- 短いEメールの作成(A1~A2)
- 200~250字のエッセイ(B1~B2)
対策方法
-
よく使うフレーズを覚える
- 意見を述べる表現(”À mon avis…”, “Je pense que…”)
- 理由を説明する表現(”C’est pourquoi…”, “En conséquence…”)
-
短い文章を書く練習をする
- 毎日フランス語で日記を書く
- 短いEメールや手紙のフォーマットを覚える
-
過去問を解き、添削を受ける
- フランス語の先生やオンライン添削サービスを活用する
口頭試験(Expression orale)対策
試験内容
- 自己紹介(A1~A2)
- 試験官とのロールプレイ(B1~B2)
- 社会問題について意見を述べる(B2~C1)
対策方法
-
フランス語で話す機会を作る
- 言語交換アプリ(Tandem, HelloTalk, iTalki)を利用する
- フランス語の先生と会話レッスンを受ける
-
意見を述べる練習をする
- よく出るテーマ(環境、教育、テクノロジー)について自分の意見をまとめる
-
録音して発音を確認する
- 自分の話すフランス語を録音し、発音や文法のミスをチェック
取得後に出来ること
フランス移住・国籍取得に活用
フランス国籍取得(TEF Naturalisation)
- フランス国籍を申請するためには、B1レベル以上のフランス語能力が必要
- TEF Naturalisationの リスニング・口頭試験 で基準を満たすことが求められる
フランス長期滞在許可証(Carte de résident)
- フランスで10年以上の在住者が取得できる「長期滞在許可証(10年カード)」の申請に A2レベル以上 が必要
活用例:
- フランスでの永住権を取得し、長期的に生活する
- フランスでの行政手続きや公的機関の利用がスムーズになる
カナダ移住・永住権申請(TEF Canada / TEFAQ)
カナダ政府(IRCC)が認定するフランス語試験として、TEF Canada / TEFAQ は移民申請時のポイント加算に使われる。
- カナダ永住権(Express Entry) → B2レベル以上で高得点
- ケベック州移住プログラム(ARRIMA) → TEFAQのスコアが必要
- カナダ市民権申請 → B1レベル以上が求められる場合あり
活用例:
- フランス語のスキルを証明し、カナダの移民審査で有利になる
- ケベック州の企業や学校で働く・学ぶ機会が広がる
フランス・フランス語圏の大学・専門学校へ留学(TEF Études en France)
フランスの大学やグランゼコール(高等教育機関)への入学要件として、フランス語能力を証明する必要がある。
- TEF Études en France の B2以上 で大学の入学要件を満たすことが多い
- 医学・法律・経済などの専門分野 では、C1レベル が求められる場合もある
活用例:
- フランスの大学で学士・修士・博士課程に進学
- フランス語圏(スイス・ベルギー・カナダ)の教育機関への進学
フランス語を活かした仕事に就く
フランス語が話せると、国際的な仕事のチャンスが広がる。特にB2以上のスコアがあれば、以下のような職種で活躍できる。
フランス語を活かせる職業
- 貿易・商社(フランス語圏との取引)
- 観光・ホテル業界(フランス人観光客対応)
- 航空業界(フランス語を話す乗客の対応)
- 外資系企業・国際機関(フランス本社やフランス語圏の支社で勤務)
- 翻訳・通訳(映画・書籍・ビジネス文書の翻訳)
- フランス語教師(語学学校・オンラインレッスン)
活用例:
- フランス系企業(LVMH、Total、Air France など)に就職
- フランス語を使う仕事(旅行ガイド、通訳、翻訳など)に転職
フランス語の公的資格・試験の受験資格を得る
TEFで一定レベルのフランス語能力を証明できると、さまざまな公的資格や試験の受験が可能になる。
活用例
- フランス語圏の大学院入試(特に文学・言語学・教育学)
- フランス語圏の医療・法律資格の取得(医師・弁護士資格)
- フランス政府の公務員試験の受験資格
フランス語での文化・趣味を深める
フランス語ができると、フランスの文化や芸術をより深く楽しむことができる。
活用例
- フランス語の本を原書で読む(ドストエフスキー、モリエール、サルトルなど)
- フランス映画・ドラマを字幕なしで楽しむ(Netflix, Canal+ など)
- フランスのニュース・政治を理解する(Le Monde, Le Figaro, France 24)
- フランス語でSNSやYouTubeを活用し、フランス人と交流する
旅行で役立つ
フランス語が話せると、フランスやフランス語圏の国々(ベルギー、スイス、カナダ、モロッコなど)での旅行が快適になる。
活用例
- フランスの地方都市や田舎でもスムーズに移動できる(英語が通じにくい地域で役立つ)
- レストランやホテルで現地の人とフランス語で会話できる
- 現地の人との交流がより深まり、旅行が充実する
語学系資格一覧
通訳案内士
翻訳実務士資格
JTFほんやく検定
知的財産翻訳検定
TOEIC Bridge
TOEIC
TOEIC Speaking & Writing
ケンブリッジESOL英語検定試験
TOPEC
工業英語能力検定試験
SST(スタンダードスピーキングテスト)
TSST
TEP TEST
TOEFL
ACT
SAT
GRE
GMAT
IELTS
全養協日本語教師検定
J-SHINE(小学校英語指導者資格)
日本語教育能力検定試験
中国語検定
ビジネス中国語検定
スコア式ビジネス中国語検定試験
新HSK(漢語水平考試)
世界韓国語認証試験(KLPT)
インドネシア語技能検定試験
タイ語検定試験(TAEC)
ハングル能力検定
実用タイ語検定試験
実用イタリア語検定
スペイン語技能検定
DELE(スペイン文部省認定証)
ドイツ語技能検定試験
フランス語能力認定試験(TEF)
実用フランス語技能検定
ロシア語能力検定
観光英語検定試験