運動による健康づくりを支援する専門家です。個人やグループに対して、適切な運動プログラムを提供し、健康の維持・増進を目的とした指導を行います。
目次
受験資格と難易度
受験(受講)資格
健康運動実践指導者になるには、まず養成講習会の受講資格を満たすことが前提となります。養成講習会の受講条件(いずれかを満たすこと)
- 体育・運動系の学科を有する短期大学、専門学校を卒業(見込み含む)
- 3年以上の運動指導経験を有する者(勤務証明書が必要)
- 以下のいずれかの関連資格を保有している者
- 健康運動指導士(旧制度)
- スポーツ指導者資格(JSPO等)
- 看護師、理学療法士、柔道整復師 などの国家資格
- 小・中・高校教諭免許(保健体育・養護など)
年齢・学歴制限
- 高卒以上が基本
- 年齢上限なし(社会人・中高年の取得者も多い)
難易度
試験内容
- 試験形式:マークシートによる多肢選択式(60問)
- 試験時間:90分
- 主な出題分野:
- 運動生理学
- 健康づくりに関する法律・制度
- 運動プログラムの設計・実施
- 高齢者・生活習慣病患者への運動指導など
合格基準
- 全体で60%以上の正答率が目安
- 年度によるが、合格率は概ね70〜80%台とされ、適切な学習で十分合格可能な水準
難易度の特徴
- 出題範囲が広く、基礎知識を幅広くバランスよく理解していることが重要
- 実技はなく、筆記試験(知識確認)で合否が決まる
- 養成講習で配布される公式テキスト・資料からの出題が中心のため、講習内容をしっかり理解しておけば合格可能
試験内容
試験構成
健康運動実践指導者の認定試験は、以下の2つの試験で構成されています:- 筆記試験(CBT方式)
- 指導実技試験
筆記試験(CBT方式)
試験形式
- 方式:パソコンを使用した五肢択一式
- 試験時間:90分
- 出題数:60問程度
- 合格基準:各分野で60%以上の正答率
主な出題分野
- 健康づくり施策概論
- 運動生理学
- 機能解剖学とバイオメカニクス
- 栄養摂取と運動
- 体力測定と評価
- 健康づくりと運動プログラム
- 運動指導の心理学的基礎
- 運動障害と予防・救急処置
指導実技試験
試験形式
- 対象者:4〜5名の被指導者
- 選択種目:陸上運動または水中運動のいずれかを選択
- 実施内容:
- レジスタンストレーニング(筋力トレーニング):2分以内
- 有酸素性運動(ウォーキングやジョギングなど):3分以内
評価ポイント
- 運動の特徴や注意点についての明確な指導ができているか
- わかりやすい説明を行っているか
- ハキハキと聞きやすい声で話しているか
- 自ら見本を示せる実技能力があるか
試験実施時期と会場
- 実施時期:年2回(前期:2月〜3月、後期:8月)
- 試験会場:東京・大阪・福岡など
合格率と難易度
- 合格率:70〜80%程度
- 難易度:講習会や養成校での学習内容をしっかりと理解し、適切な準備を行えば、十分に合格可能な水準
試験対策
健康運動実践指導者 試験対策ガイド
本資格の試験は、筆記試験(CBT方式)と実技試験で構成されており、出題範囲が広いため、戦略的な学習が必要です。筆記試験対策
出題科目のポイントと学習方法
分野 | 対策ポイント |
---|---|
運動生理学 | 酸素摂取、エネルギー代謝、筋収縮の仕組みを図とともに理解する |
機能解剖学・バイオメカニクス | 主な関節・筋肉の働き、動作時の筋活動の知識を強化 |
栄養と運動 | 三大栄養素、エネルギー収支、運動前後の栄養補給に関する基礎知識 |
運動プログラム | 高齢者・肥満・高血圧などの対象別に、適切な運動処方を覚える |
体力測定と評価 | 代表的な体力テスト(握力、6分間歩行など)の実施基準と解釈方法 |
使用すべき教材
- 公益財団法人発行の養成講習テキスト
- 市販の問題集:『健康運動実践指導者試験 筆記対策分野別&模擬問題集』など
- 過去受験者のブログやSNSで紹介されているよく出る問題リスト
学習の進め方
- 分野ごとのインプット(テキスト読解)
- アウトプット(問題演習)で弱点の把握
- 苦手分野をノート化して短時間復習に活用
- 試験1週間前から模擬問題を集中演習
指導実技試験対策
種目の選択
- 陸上運動 or 水中運動から1種目を選択(多くの受験者は陸上を選択)
実技内容
- レジスタンストレーニング(例:スクワット、ダンベル運動)
- 有酸素運動(例:その場マーチ、軽いエアロビ系の動作)
指導練習のポイント
- わかりやすく簡潔な説明(専門用語の多用は避ける)
- 自ら実演できる動作の正確性と丁寧さ
- 「誰に」「何のために」「どうやって」を伝える意識
練習法
- 鏡やスマホ動画を使って自分の指導動作を確認
- 模擬被験者(家族・友人)を相手に指導ロールプレイ
- 声の大きさ、語尾、動作のテンポを一定にする練習
取得後に出来ること
厚生労働省の指導要領にも準拠した公的性格の強い資格であり、医療・介護・スポーツ・行政など幅広い領域で活動できます。1. 健康・運動指導の現場で活動
フィットネスクラブ・スポーツ施設での運動指導
- 一般成人や高齢者を対象にした健康づくり運動の提供
- ウォーキング、筋トレ、ストレッチ、バランス運動などの指導
- 個別の体力評価や運動プログラム作成にも対応
地域・自治体の健康増進事業への参加
- 自治体主催の特定保健指導、介護予防教室、健康講座での講師
- 保健センター・市民センターでの集団体操・運動啓発活動
2. 医療・福祉分野での連携支援
医療機関での運動支援スタッフ
- 医師の指示のもとでの運動処方の補助・再発予防トレーニング
- 生活習慣病患者・高齢者などへの運動介入プログラムの実施
- リハビリ後の維持期運動支援として機能することも可能
高齢者福祉施設での機能訓練
- デイサービス、特養、グループホームなどでの体力維持体操の提供
- 転倒予防や歩行訓練などの身体機能維持プログラムの実施
3. 健康増進施設での常勤・専任指導者
厚生労働大臣認定「健康増進施設」への配置
- 健康運動実践指導者は、配置義務のある資格者として扱われる
- 医療連携型フィットネスクラブや指定運動療法施設での就職に有利
常勤・契約職員としての採用実績あり
- 健康保険組合、病院、健診センター等が運営する施設での指導業務
- 一部では月給20万〜30万円、時給1500〜2500円前後の待遇例も
4. 教育・企業向けの健康支援
企業フィットネス・健康経営支援
- 企業の福利厚生として行われる従業員向け運動指導
- 健康診断後のフォローやストレス軽減の運動介入プログラムの企画・実施
学校教育支援・出前講座講師
- 小中高・大学での健康教育プログラムの一環として指導
- スポーツ系専門学校での講師登壇(非常勤)
5. 独立・副業としての活用
フリーランスインストラクターとして活動
- 自主開催の運動教室・ストレッチ教室を展開
- オンライン運動指導(Zoom・YouTube等)でも活用可能
他資格との組み合わせで活動幅を拡大
-
例)
- 健康運動指導士+実践指導者 → より高度な医療連携も可能
- 管理栄養士+実践指導者 → 食事+運動の複合指導
- 整体師・ヨガインストラクターとのコラボ事業展開
活動先の具体例(実際の求人傾向)
分野 | 主な職場 | 活動内容 |
---|---|---|
フィットネス | スポーツクラブ、温浴施設 | 健康体操、有酸素運動、個別メニュー作成 |
医療・福祉 | 病院、リハビリ施設、デイサービス | 運動支援、身体機能訓練 |
公共・行政 | 市区町村、保健所、健康センター | 地域健康教室、予防講座 |
教育・企業 | 学校法人、企業健保組合 | 出前講座、企業内フィットネス |
独立開業 | パーソナルジム、レンタルスタジオ | 自主開催教室、オンライン指導 |
その他スポーツ系資格一覧
スポーツプログラマー
(FTP認定)ピラティスインストラクター
(BASI認定)ピラティスインストラクター
ヨガインストラクター
エアロビックダンスエクササイズ
プロボウラー
アスレティックトレーナー
公認スポーツ指導者
プロ野球審判員
JAF公認審判員
日本ラグビーフットボール協会公認レフリー
陸上競技審判員
健康運動実践指導者