消費生活アドバイザーは、消費者の立場に立って、商品やサービス、消費に関する知識や情報を提供・助言する専門家です。企業の消費者対応部門や、地方自治体の消費生活センターなどで活躍しています。
般財団法人 日本産業協会が実施・認定している経済産業大臣認定の公的資格で、消費者の立場に立って企業・行政との橋渡しを行う、非常に信頼性の高い資格です。
■主催
(財)日本産業協会
目次
受験資格と難易度
受験資格
制限なし
- 年齢、学歴、職歴などに一切制限はありません。
- 誰でも受験可能(高校生・大学生・社会人・主婦・シニアまでOK)。
- ただし、試験範囲が広く実務に関連した内容も多いため、社会経験があると学習がスムーズです。
難易度
合格率の目安
年度 | 一次試験合格率 | 最終合格率(一次+二次) |
---|---|---|
2022年 | 約35.8% | 約23.4% |
2021年 | 約36.7% | 約25.6% |
2020年 | 約33.5% | 約22.1% |
※年度によって若干変動します。
試験の難しさの理由
- 一次試験は7科目(法律、経済、生活知識など)の広範な分野から出題される。
- 時事問題や消費者トラブルなど、最新情報も問われる。
- 二次試験ではプレゼン力、説明力、対応力など実務的なスキルが必要。
試験内容
一次試験(筆記試験)
試験方式
- マークシート式(一部記述あり)
- 試験時間:約3時間30分(午前・午後に分かれて実施)
出題科目(全7科目)
-
消費者問題
- 消費者被害、消費者運動、過去の判例など
- 消費者の権利と責任、現代の消費社会における課題
-
消費者保護・支援制度
- 消費者基本法、特定商取引法、製造物責任法(PL法)など
- 行政機関・消費生活センターの役割
-
製品・サービスとその安全性
- 製品の表示、JIS規格、食品表示法など
- サービスの安全性とその確保手段
-
取引・契約と消費者
- 契約法、民法(2020年改正対応)、クーリングオフ制度
- 消費者契約法、電子商取引、詐欺的商法の対策
-
生活基礎知識(衣・食・住・金融・医療など)
- 衣食住の知識、ライフスタイルと健康
- 家計管理、金融商品、保険、医療制度の基本
-
経済一般
- 景気、物価、経済指標、雇用、財政
- 国際経済やSDGs(持続可能な開発目標)も出題範囲に含む
-
企業活動と消費者対応
- 企業の社会的責任(CSR)、顧客満足(CS)
- 企業のクレーム対応、品質管理、苦情処理の基本
合格基準
- 総得点の60%以上
- 各科目で40%以上の得点が必要(いずれかが40%未満だと不合格)
二次試験(面接試験)
試験方式
- 個別面接(1人ずつ)
- 時間:15~20分程度
- 面接官:2~3名
内容と評価ポイント
- プレゼンテーション(事前に与えられた課題に対し、口頭で説明)
- 質疑応答(プレゼン内容・消費者対応に関する応用力を問う)
評価の観点
- 消費者への説明能力
- 実務的な対応力
- コミュニケーション力
- 倫理的判断力や態度
試験実施スケジュール(例年)
項目 | 実施時期 |
---|---|
一次試験 | 毎年10月頃(全国複数会場) |
一次合格発表 | 11月下旬頃 |
二次試験 | 12月〜翌年1月 |
最終合格発表 | 翌年3月上旬 |
試験対策
一次試験(筆記)対策
公式テキストを使った学習
- 日本産業協会が発行している**公式テキスト(全3巻)**は試験範囲を完全に網羅しており、必須の教材です。
- 科目ごとに分かれており、順番に丁寧に読み進めるのが基本です。
- 難しい用語には必ず注釈があるので、初心者でも理解しやすく設計されています。
過去問題・模擬問題の活用
- 過去問を使ったアウトプット学習は非常に重要です。
- 公式問題集や市販の「過去問題集」で、本試験に近い形式に慣れておくと安心です。
- 解いた後は必ず解説を読んで、間違えた部分を理解・復習しましょう。
時事対策
- 法改正や最新の消費者トラブル、社会的トピックも出題されます。
- 新聞や経済系ニュースサイト(NHK、日経電子版など)で「消費者」「契約」「製品事故」などの話題をチェックしましょう。
学習時間とスケジュール
- 初学者なら300〜400時間程度の学習が目安です。
- 週10時間のペースなら約半年で準備可能。
学習計画の立て方
-
1〜2か月目:公式テキストのインプット
-
3〜4か月目:過去問演習+復習
-
5〜6か月目:模試+時事対策+苦手克服
-
二次試験(面接)対策
プレゼンテーション練習
- 二次試験では、与えられたテーマに対して5分程度のプレゼンを行います。
- 時間内に要点をまとめ、わかりやすく説明できるように練習しましょう。
- 書き出した原稿を音読し、自然に話せるようにしておくと安心です。
模擬面接・ロールプレイ
- 家族や友人に面接官役をお願いして、模擬面接を行うのがおすすめです。
- 実際に声に出して話すことで、表現力や緊張への対応力が身につきます。
想定される質問
- 「消費生活アドバイザーとして心がけたいことは?」
- 「苦情対応で大切にすべきことは何ですか?」
論理的な話し方の訓練
- PREP法(Point→Reason→Example→Point)などの話し方を意識して練習すると、説得力が増します。
- 面接官が理解しやすいように、簡潔で明確に話すのがポイントです。
学習方法の選択肢
独学
- 公式テキストと問題集を使って自宅学習
- 費用を抑えたい方におすすめ
- 自己管理が苦手な方にはやや不向き
通信講座
- ユーキャン、LECなどが通信講座を提供
- 添削指導・質問サポート付きで安心
- 費用は3〜5万円程度
通学講座(対面)
- 学習のペース管理ができる
- 他の受験生と交流できるのもメリット
- 地域によっては開講していないこともあり
取得後に出来ること
企業でのキャリアアップ
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お客様相談室・カスタマーサポート部門で活躍
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クレーム対応や顧客満足向上(CS)の専門家として信頼されます。
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コンプライアンスや品質管理部門にも強み
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商品やサービスに関する苦情・トラブル対応に資格が活きます。
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広報・マーケティングでの信頼性アップ
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消費者目線を活かした戦略立案に貢献できます。
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行政や公的機関での活動
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消費生活センター(市区町村など)で相談員として勤務可能
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地域住民からの相談受付や消費者啓発の講師として活動できます。
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地方自治体での非常勤・臨時職員としての採用例もあり
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相談対応の経験が積め、再就職や転職にも有利です。
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フリーランス・講師としての活動
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セミナー講師や講演活動
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高齢者向け・学生向けなどに消費者教育の講演が可能です。
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執筆・監修など情報発信
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消費者トラブルや生活情報に関する記事を執筆できます。
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相談員としての独立も視野に
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キャリアを積めば、フリーでの相談業務も可能です。
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関連資格との組み合わせで広がる可能性
消費生活相談員(国家資格)
- 「消費生活アドバイザー」合格者は、消費生活相談員資格の特定資格として認定されます。
- 国・自治体の相談窓口で働きやすくなります。
ファイナンシャル・プランナー(FP)
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お金や保険、家計に強くなり、生活全般のアドバイスが可能になります。
宅地建物取引士・行政書士・社会保険労務士など
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法律や契約の知識を組み合わせることで、より幅広い相談対応が可能になります。
活躍している例
- 大手家電メーカーのCS部門で顧客満足度向上に貢献
- 地方自治体の消費生活センターで相談業務
- 主婦から講師業へ転身し、教育講座で講演
- 定年後に資格を取得し、地域でのボランティア相談員として活躍
その他ビジネス系資格一覧
GCDF-Japanキャリアカウンセラー
キャリアコンサルタント(JPC)
キャリア・デベロップ・アドバイアー
NLPプラクティショナー
プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー
プロフェッショナル人材コーディネーター
SCC認定コーチ
(米国NLP協会)NLPプラクティショナー
福利厚生管理士(EBアドバイアー)
接客サービスマナー検定
消費生活アドバイザー
消費生活コンサルタント
消費生活専門相談員
IATA-FIATAディプロマ(国際航空貨物取扱士)
葬祭ディレクター技能審査