モータースポーツの健全な運営と発展のために、公認審判員(オフィシャル)制度を設けています。
この資格は、モータースポーツ大会での安全確保や競技運営を行うための公式な認定です。
■主催
(社)日本自動車連盟
受験資格と難易度
JAF公認審判員資格の受験資格
JAF審判員資格は、主に**C級 → B級 → A級 → 国際審判員(FIA)
と段階的に上がっていきます。それぞれの受験資格(取得条件)**は以下の通りです。
1. C級審判員(初級)
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誰でも取得可能(年齢・性別・経験不問)
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自動車免許の有無も不要
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モータースポーツ未経験者でも可
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JAF公認の講習会に1日参加するだけで取得可能
このC級が、すべての審判員資格のスタートラインになります。
2. B級審判員(中級)
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C級取得後、実地での審判経験が一定回数必要
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所属するモータースポーツクラブや主催者からの推薦状
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JAFが実施するB級審判員講習会を受講し、試験に合格
※B級になると、より公式性の高い大会(全日本選手権など)でも活動可能に
3. A級審判員(上級)
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B級として数年の活動実績と複数の大会経験が必要
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指導的立場や責任あるポジション(審判長、主任オフィシャル)を任される
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JAF本部による選考や推薦が必要
4. 国際審判員(FIAライセンス)
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A級審判員としての豊富な実績
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FIA指定の国際講習の受講・試験合格が必要
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**英語力(ルール理解・コミュニケーション)**が必須
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F1やWRCなどの国際イベントでの活動歴が推奨される
JAF公認審判員資格の難易度
審判員資格の
難易度はレベルによって大きく異なります。
C級審判員(難易度:★☆☆☆☆)
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座学中心の講習(約4〜6時間)を1日受ければ取得可能
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試験があっても確認テスト程度
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モータースポーツ初心者でも安心して参加できる
B級審判員(難易度:★★☆☆☆)
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審判経験の積み重ねとクラブからの推薦が必要
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実技・現場での対応力が求められる
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JAF主催の講習と試験に合格する必要あり(やや専門的)
A級審判員(難易度:★★★☆☆〜★★★★☆)
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大規模大会の運営経験、他の審判員からの信頼が必要
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書類選考・講習・試験を経て、JAFによる最終認定
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実務力とリーダーシップが問われる
国際審判員(難易度:★★★★★)
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審判キャリアの集大成レベル
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FIAによる試験、語学力(英語)試験、世界基準の審判スキルが必要
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合格者は全国でもごくわずか
試験内容
C級審判員の試験内容(初級)
受講形式
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**1日講習(約4〜6時間)**を受ければ取得できる
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座学中心の構成で、実技や筆記試験は基本的になしまたは確認テストのみ
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講習後にJAFからC級審判員ライセンスが交付される
講習内容の概要
項目 |
内容 |
JAFとモータースポーツの概要 |
審判員制度の目的と役割、モータースポーツの種類 |
安全管理の基本 |
旗の使い方、緊急時の対応、基本的な危険予測 |
審判員の種類と役割 |
コースオフィシャル、スタート係、タイムキーパーなど |
競技規則の基礎 |
国内競技規則書(JAF公認ルール)の基礎知識 |
実例紹介 |
映像を使ったケーススタディ(実際のレースでの判断例など) |
B級審判員の試験内容(中級)
受講資格
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C級資格保有者で、一定の現場活動実績が必要
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所属クラブやオーガナイザーからの推薦が必要
試験・講習の内容
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座学+筆記試験(40〜60分)
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一部では簡単な実技確認が行われる場合もある
項目 |
内容 |
審判行動規範 |
中立性、公平性、判断の一貫性 |
詳細な競技規則 |
スタート手順、車両検査基準、フラッグシグナルの詳細など |
ケーススタディ |
実際のトラブル事例から正しい対応を問う問題 |
筆記試験 |
択一・記述形式で、合否判定あり(60点程度が合格ライン) |
※B級以上は「試験に合格しなければ取得できない」ため、
一定の難易度があります。
A級審判員の試験内容(上級)
受講資格
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B級として複数年の実績+推薦が必要
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審判長・主任オフィシャルなど責任ある立場での経験が求められる
講習・試験の特徴
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高度な実務知識と判断力が問われる
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指導的立場としてのリーダーシップや対人対応も評価対象
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筆記試験(記述中心)+面接やケース発表などが課される場合もあり
項目 |
内容 |
競技運営全体の理解 |
タイムスケジュール作成、緊急対応マニュアル |
トラブル対応能力 |
抗議処理、事故発生時の対応判断 |
部下指導の基本 |
若手審判の育成、指示の伝え方 |
論述・記述問題 |
「特定状況においてどう判断すべきか」を書いて説明する問題など |
試験対策
C級審判員の試験対策(初心者向け)
前提として「試験」はない場合が多い
- C級は1日講習を受けるだけで取得可能
- 形式的な「確認テスト」がある場合でも、講習内容を聞いていれば問題なく合格
講習前のおすすめ準備
対策項目 |
内容 |
モータースポーツの基本理解 |
ラリー、ジムカーナ、カートなど競技種目の特徴をざっくり把握 |
旗(フラッグ)の意味 |
黄色=注意/赤=中止/青=追い越され注意 など基本ルールを覚える |
安全意識の理解 |
競技中の行動基準、安全確保の役割など |
おすすめ資料
- JAF公式サイト内「審判員講習会案内」にある配布資料や講習動画
- 過去の講習会レポート(JAF地方支部のブログなど)
B級審判員の試験対策(中級者向け)
筆記試験対策(規則理解)
- JAF国内競技規則(JAF競技規則書)を熟読
- スタート手順、フラッグの詳細、抗議手続きなどを重点的に
- 「国内競技車両規則」や「一般競技規則」などが中心
- 想定問題の例:
- 「赤旗が出された際の審判員の対応として正しいのはどれか?」
- 「走行中にオフィシャルが目視で確認すべき安全項目は?」
実務経験の整理
- これまでの審判活動での経験内容をまとめておく
- どんな役割を担当したか(コース係、ピット係など)
- トラブル時の対応内容と、その理由
おすすめ対策方法
対策法 |
内容 |
過去の大会参加記録を振り返る |
自分の役割・判断が問われた場面を整理 |
模擬問題を作ってみる |
実際のルールをもとに、出題されそうな問題を想像 |
現場の先輩に質問 |
経験者のリアルな判断基準を聞くと実践力が上がる |
A級審判員の試験対策(上級者向け)
記述式・論述問題の対策
- 「このケースでどのように判断し、なぜそう判断したか」などが問われる
- 審判長や主任としての判断力・説明力が重視される
例題(論述):
- 「車両火災発生時、先にすべき行動を順に説明し、理由を述べよ」
- 「他の審判員と判断が分かれた場合、どのように統一するか」
指導者としての視点
- 若手審判への教育・指示方法についても問われる場合あり
- 「部下への的確な伝達力」や「現場統率力」も評価される
準備方法
対策法 |
内容 |
過去の重大トラブルを検証 |
自分がどのように判断したかを整理しておく |
指導経験をまとめる |
若手への指導内容や注意点を記録しておく |
JAFのA級講習資料を読み込む |
安全規程・責任分担の詳細などを再確認 |
共通のおすすめ対策資料・ツール
資料 |
内容 |
JAF国内競技規則書(最新版) |
審判に必要なルール全般が記載されている最重要資料 |
過去の講習会資料(JAF地方支部) |
各支部の公式サイトにPDFや開催レポートが掲載されている |
オフィシャル向け動画教材(JAF公式YouTube) |
実際の旗の振り方、危険対応などが視覚的に学べる |
先輩審判との交流 |
実地での判断や対応は、現場経験者の話が一番役立つ |
取得後に出来ること
C級審判員を取得後にできること
モータースポーツイベントに審判員として参加
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ジムカーナ、ダートトライアル、ラリー、カートなどの地方・草レースレベルの大会で審判として活動可能
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具体的な業務:
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コース係(旗を使った合図、安全確認など)
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車検補助(安全装備・ヘルメットのチェックなど)
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タイム係、スタート係、ゴール係
イベント現場での実務経験を積む
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他の上級審判の指導を受けながら、審判の基本動作やルールを実践的に学べる
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B級・A級へ昇格するための実績作りとなる
B級審判員を取得後にできること
より規模の大きな大会での審判業務
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全日本選手権クラスの公式競技にも参加可能
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特定の専門役割(例:スターター、テクニカルオフィシャル)として現場責任を担うことも可能
主任クラスの審判業務
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一部の大会では、チーム内の**主任オフィシャル(部門責任者)**としても活動可能
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配置調整や、下位審判への指示・指導を任されるケースもある
A級審判員を取得後にできること
審判長・審判主任などの指導的立場
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JAF公認大会における審判長やチーフオフィシャルとして、審判チームを統括
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イベントのルール遵守、抗議対応、最終判断を行う責任者の役割
後進の指導・講習会講師
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C級やB級講習の講師・指導員として活動可能
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若手審判へのアドバイスやフィードバックを通じて、モータースポーツの審判文化を支える立場に
国際審判員(FIAライセンス)取得後にできること
FIA公認国際大会での審判活動
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F1日本グランプリ、WRCラリージャパンなどの世界的な大会に公式審判員として参加可能
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国際審判チームと連携し、英語での対応も求められる
日本のモータースポーツを国際的に支える存在へ
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国外イベントでの視察・活動経験を、日本国内の審判教育や大会運営に還元
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モータースポーツ文化のグローバル化に貢献
全体としてのキャリア展望
資格ランク |
活動の場 |
担える役割 |
C級 |
地方大会・草レース |
基本審判(旗係・計測係など) |
B級 |
地区・全国大会 |
部門リーダー・専門職(スターターなど) |
A級 |
全国規模の公式大会 |
審判長・講師・育成担当 |
国際 |
FIA大会(F1など) |
国際審判、グローバルな交流活動 |
その他の可能性
主催団体・クラブ運営スタッフとしての参加
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審判経験を活かして、**大会運営サイド(オーガナイザー)**として活動する人も多数
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自身でクラブを立ち上げ、イベント主催や講習会開催を行うことも可能
モータースポーツ普及・教育活動
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地域イベントや体験会で、安全教育や審判の役割を伝える活動
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将来的には、学校・地域団体との連携によるモータースポーツの普及にも関われる
その他スポーツ系資格一覧
スポーツプログラマー
(FTP認定)ピラティスインストラクター
(BASI認定)ピラティスインストラクター
ヨガインストラクター
エアロビックダンスエクササイズ
プロボウラー
アスレティックトレーナー
公認スポーツ指導者
プロ野球審判員
JAF公認審判員
日本ラグビーフットボール協会公認レフリー
陸上競技審判員
健康運動実践指導者