数学・統計学・確率論を駆使して、保険や年金、リスク管理などの分野で数理的な分析を行う専門職です。
日本では、公益社団法人 日本アクチュアリー会(The Institute of Actuaries of Japan, IAJ)が資格試験を実施しています。
目次
受験資格と難易度
受験資格
受験資格に制限はなく、誰でも受験可能。
- 学歴・年齢・職歴の制限なし
- 試験科目ごとの受験順序の制限もなし(例えば数学を飛ばして生保数理から受験することも可能)
そのため、アクチュアリー試験は誰でも受けられるが、合格には高度な数学知識が求められるため、理系の大学(数学・統計・経済・工学系)出身者が多く受験する。
難易度(合格率・勉強時間)
1次試験(短期試験)の難易度
1次試験は5科目あり、各科目ごとに受験・合格できる。
科目別合格率(目安)
科目 | 合格率(平均) | 難易度 |
---|---|---|
数学 | 10〜20% | 非常に難しい |
生保数理 | 10〜20% | 難しい |
損保数理 | 20〜30% | 普通〜やや難 |
年金数理 | 20〜30% | 普通〜やや難 |
会計・経済・投資理論 | 30〜40% | やや簡単 |
必要な勉強時間(目安)
1科目につき 300〜500時間 必要とされることが多い。
5科目すべて合格するには、合計1,500〜2,500時間の勉強時間が必要になる。
2次試験(正会員試験)の難易度
1次試験合格後に受験可能で、以下の3つから1つを選択。
- 生命保険コース
- 損害保険コース
- 年金コース
合格率:20〜40%
勉強時間目安:1,000時間以上
論述式試験のため、より深い専門知識と実務的な理解が必要。
どれくらい難しいのか(試験合格までの平均年数)
平均的な合格までの期間
取得ステップ | 期間(目安) |
---|---|
1次試験(全5科目合格) | 3〜5年 |
2次試験(正会員試験) | 1〜2年 |
実務経験(3年以上) | 3年以上 |
正会員認定までの総期間 | 7〜10年 |
最短でも5年程度、平均で7〜10年かかる。
数学の得意・不得意が合格スピードに影響する。
試験内容
1次試験(短期試験)
1次試験は基礎的な数学や保険・年金に関する数理を問う試験で、5科目に分かれている。各科目は独立しており、順不同で受験可能。
試験科目と内容
科目 | 試験内容 |
---|---|
数学 | 微積分、線形代数、確率・統計、応用数学(ファイナンス関連の数学含む) |
生保数理 | 生命保険に関する数理、死亡率・生存率の計算、保険料・責任準備金の計算 |
損保数理 | 損害保険に関する数理、リスクモデル、損害分布、保険料率の決定 |
年金数理 | 企業年金制度、公的年金、年金財政、年金の数理計算 |
会計・経済・投資理論 | 財務会計・管理会計、金融工学、投資理論、経済学(ミクロ・マクロ) |
試験形式
- 試験時間:各科目2時間
- 問題形式:記述式・選択式の併用
- 合格基準:各科目ごとに60点以上(相対評価の影響あり)
- 試験実施:毎年12月
2次試験(正会員試験)
1次試験全科目合格後、受験できる論述試験。受験者は以下の3つのコースから1つを選択する。
試験科目と内容
コース | 試験内容 |
---|---|
生命保険 | 生命保険商品の設計・評価、保険負債の管理、再保険、リスク管理 |
損害保険 | 損害保険のリスクモデリング、収支分析、準備金評価、データ解析 |
年金 | 企業年金の設計・運用、年金制度の財政、リスク評価、アクチュアリー報告書の作成 |
試験形式
- 試験時間:3時間
- 問題形式:論述式(専門的な知識と実務的な応用力を問う)
- 合格基準:採点基準は非公表だが、概ね60%以上の得点が必要
- 試験実施:毎年11月
試験対策
1次試験対策
1次試験は5科目あり、それぞれ独立して受験可能。数学が特に難関であり、合格には十分な準備が必要。
数学
対策ポイント
- 微積分・線形代数・確率統計を中心に基礎を固める
- 過去問を繰り返し解き、応用問題に慣れる
- 大学数学レベルの問題集(特に確率統計分野)を活用
おすすめ教材
- 『マセマシリーズ(微分積分・線形代数・確率統計)』
- 『確率統計(東京大学出版会)』
- 過去問(日本アクチュアリー会公式サイト)
生保数理・損保数理・年金数理
対策ポイント
- 生命保険や年金の基本的な仕組みを理解する
- モデル問題を解きながら計算力を強化する
- 実際の保険商品や年金制度についての知識を深める
おすすめ教材
- 『アクチュアリー数学(日本アクチュアリー会発行)』
- 『生命保険数学・損害保険数学(日本アクチュアリー会発行)』
- 過去問(公式サイト)
会計・経済・投資理論
対策ポイント
- 基本的な会計知識(財務会計・管理会計)を学ぶ
- 経済学の基礎(ミクロ・マクロ経済)を押さえる
- 金融工学や投資理論の基本を理解する
おすすめ教材
- 『日商簿記2級・3級のテキスト』
- 『マンキュー経済学』
- 『現代ファイナンス理論』
共通対策
- 過去問を徹底的に解く(最低5年分)
- 計算スピードを上げるため、手計算を重視
- 数学的な証明問題にも対応できるようにする
2次試験対策
2次試験は論述式のため、記述力や実務的な理解が求められる。
対策ポイント
- 生命保険・損害保険・年金の専門知識を深める
- 過去の出題傾向を分析し、論述の練習をする
- 実務での応用例を学ぶため、実際のレポートを読む
おすすめ教材
- 『アクチュアリー会の公式テキスト』
- 『生命保険総論』『損害保険総論』など業界専門書
- 過去の論述試験問題(日本アクチュアリー会公式サイト)
取得後に出来ること
金融・保険業界での専門職として活躍
アクチュアリー資格を取得すると、特に生命保険・損害保険・年金・金融業界で高く評価され、以下のような業務に携わることができる。
生命保険会社・損害保険会社
- 保険商品の設計・開発(リスク評価を基にした適正な保険料の設定)
- 責任準備金の計算(将来の保険金支払いに備えた資金管理)
- リスク管理(再保険の活用、自然災害リスクの分析)
- ソルベンシー規制対応(保険会社の財務健全性の管理)
年金・企業年金基金
- 企業年金制度の設計・運用
- 年金財政の評価(将来の給付見通しを分析し、適正な掛金率を決定)
- アクチュアリー報告書の作成(企業の年金会計に必要な計算を担当)
銀行・投資機関・コンサルティング会社
- 金融商品のリスク評価(デリバティブや証券化商品の分析)
- 資産運用リスクの分析(ポートフォリオのリスク管理)
- M&Aや事業リスク分析(企業価値評価や経営リスクの算定)
公的機関・大学・研究機関
- 公的年金制度の財政分析(年金改革のシミュレーション)
- 金融庁・厚生労働省などの政策立案に関与
- 大学・研究機関での数理リスク研究
キャリアの広がり
- 年収の向上(アクチュアリーは高給職であり、正会員になると年収1000万円以上も可能)
- 海外での活躍(国際アクチュアリー資格と互換性があり、海外勤務の機会もある)
- 独立・フリーランス(コンサルタントとして企業のリスク管理を支援)
おすすめの講習、教材
教材
講座
財務・経営系資格一覧
公認会計士
税理士
中小企業診断士
簿記検定
ファイナンシャル・プランニング技能士
証券アナリスト
簿記能力検定
建設業経理検定
経営士
ファイナンシャル・プランナー
実用数学技能検定
DCプランナー
DCアドバイザー
マーケティング・ビジネス実務検定
MBA
不動産証券化協会認定マスター
モーゲージプランナー
銀行業務検定試験
BATIC(国際会計検定)
CPA(米国公認会計士)
米国公認管理会計士
米国税理士(EA)
PMP試験
CISA(公認情報システム監査人)
CIRP(サーティファイド・IRプランナー)
シニアリスクコンサルタント
ITコーディネータ資格認定制度
ファイナンシャル・リスクマネージャ
アクチュアリー資格試験
二種外務員資格試験
CIA(公認内部監査人)
CFA(CFA協会認定証券アナリスト)
ホスピタリティ検定試験
イベント業務管理者
ファシリティマネージャー
PRプランナー資格認定制度
プロジェクトマネジメント資格
VEリーダー認定試験
販売士検定
セールススキル検定試験
セールスレップ資格認定制度
販路コーディネータ資格認定制度
交渉アナリスト
CISM(公認情報セキュリティマネージャー)