オリエンテーリングインストラクタ

地図とコンパスで自然を楽しむ「ナビゲーションスポーツ」の指導者資格でオリエンテーリングとは、地図とコンパスを使って山野や公園などに設けられたチェックポイントを順に通過しながら、ゴールを目指すアウトドアスポーツです。

「ナビゲーションスキル」「自然とのふれあい」「体力・判断力の向上」が同時に求められる知的スポーツとして知られています。オリエンテーリングインストラクター資格は、こうした活動を安全・効果的に指導するためのスキルを証明する民間指導者資格です。

主催
(社)日本オリエンテーリング協会

受験資格と難易度

受験資格

誰でも受験可能(高校生以上)

オリエンテーリングインストラクター資格は、公益社団法人 日本オリエンテーリング協会(JOA)が認定する民間資格で、特別な学歴・経験・資格は不要です。

各級の受講条件:

資格区分 受験資格
C級(アシスタント) 高校生以上であれば誰でも受講可
B級(認定インストラクター) 高校生以上+一定の地図読解経験があるのが望ましい
A級(上級インストラクター) B級取得後、所定の実務経験と追加講習が必要

※C級とB級は「飛び級」可能で、最初からB級講習を受ける方も多くいます。

難易度

難易度は「やさしめ」〜「中程度」

資格試験というよりは講習会スタイルで実施され、講義・実技・理解度テストの3本立てです。 地図やコンパスに初めて触れる人でも、しっかり参加すれば高確率で合格

合格の目安:

  • 合格率:おおむね90%以上(講習受講+簡単な確認テスト)
  • 試験形式:選択式または記述式(30分程度)
  • 講師のフィードバックや実技参加態度も評価に含まれる

試験内容

試験の位置づけ

オリエンテーリングインストラクター資格は、講習型認定資格です。 いわゆる「厳しい試験」ではなく、2日間程度の講習会の中で知識・技術を学び、 その内容が理解できているかを確認する「修了テスト」によって認定されます。

試験の形式

項目 内容
実施方法 講習会の最終日に実施(座学+実技終了後)
試験時間 30分程度
出題形式 選択式・記述式・穴埋め式(C級は選択中心、B級は記述あり)
合格基準 おおむね70〜80%の正答+講習参加態度

出題範囲(C級・B級 共通)

① 地図読みの基礎知識

  • オリエンテーリング用地図の特徴(スケール、記号、等高線)
  • コンパスの使い方(整置・進行方向の設定)
  • 進むべき方向の確認方法・目印の見つけ方

② 安全管理・インストラクション技法

  • 初心者指導のポイント
  • 事前準備・服装・持ち物などの説明方法
  • 熱中症や道迷いを防ぐ安全配慮

③ イベント設計・指導運営

  • 体験会・講習会の流れ
  • コースの設計例(チェックポイント配置など)
  • グループ対応・振り返りの仕方

B級試験での追加内容

B級ではより実践的な内容が加わります:

  • 指導計画書の作成(簡単な指導案)
  • 地図読み+コンパス操作の指導実技(模擬指導)
  • 安全管理・リスク対応の記述問題

試験対策

試験対策の基本方針

この資格は講習修了型の認定試験であるため、合格には講習内容の理解が最も重要です。 試験対策=「講習内容の復習+実地での基本操作の習得」と考えましょう。

対策ポイント|分野別

① 地図読みの基本をおさえる

出るポイント:

  • 地図の縮尺の見方(例:1:10,000、1:5,000)
  • 等高線の意味と地形の読み取り(谷・尾根など)
  • オリエンテーリング地図特有の記号(白=走行可能林、黄=空地など)

対策方法: 講習中に配布される「地図の読み方資料」を何度も見直す 例題の地図を見て、地形や記号を読み取る練習をする 実際のオリエンテーリングマップに触れてみるのも効果的

② コンパス操作の確認

出るポイント:

  • コンパスの整置(地図の北と方位磁針の北を合わせる)
  • 目的地への進行方向の取り方
  • 方位角の概念(必要最低限でOK)

対策方法: 実際にコンパスを持って「整置→方向確認→歩く」を練習 講習中の実地演習で必ず自分で何度も操作してみる 可能であれば「自宅や近所の公園」で簡単な練習をする

③ 安全管理・初心者指導の基本

出るポイント:

  • 初心者に事前に伝えるべきこと(服装・熱中症対策など)
  • 迷ったときの対応(その場で止まる・ホイッスルなど)
  • グループ行動の注意点

対策方法: 講義の中で出てくる「安全マニュアル」は必ず復習 自分が初心者に教える立場になったつもりで要点をまとめてみる 「よくある質問と対応例」をメモしておくと記述対策に◎

④ イベント・講習の流れ

出るポイント:

  • 基本的な講習会の流れ(受付→説明→体験→振り返り)
  • 簡単なコース設計の考え方(チェックポイントの配置)

対策方法: 模擬指導の場面では「自分の言葉」で説明できるよう練習 イベント設計のワークシートがあれば事前に書いておく 講習の中で先輩インストラクターのやり方を観察する

直前対策|確認チェックリスト

講習会前〜当日に確認しておきたいこと: 地図記号の意味がわかる 地図の縮尺の違いが説明できる コンパスの整置・進行方向の設定が自分でできる 初心者が不安に感じる点を想像できる 自分が歩いたルートを地図上でトレースできる

記述・筆記問題のコツ

正解を覚えるよりも、「初心者にどう伝えるか」の視点でまとめる 「道に迷ったときの対応」「子どもへの声かけ」など、実際の場面をイメージ 難しい言葉は避け、シンプルで安全第一の説明を心がける

取得後に出来ること

1. 初心者向けのオリエンテーリング指導ができる

講習を修了すると、地図とコンパスの基本操作、安全なフィールドでの指導方法を身につけた「認定インストラクター」として活動できます。 主に以下のような対象者への指導が可能になります。

  • 小学生から中高年までの初級者
  • 自然体験を通じた教育プログラムの参加者
  • 学校授業や地域活動の一環としてのグループ

2. オリエンテーリングイベントや講習会の企画・運営ができる

インストラクターとして、小規模なオリエンテーリング体験会や指導付きウォークラリー、アウトドアイベントなどを企画・運営することができます。

  • 初心者向けのオリエンテーリング教室
  • 地域主催の野外レクリエーション活動
  • 自然観察や防災教育と連携した体験型イベント

B級資格以上を取得すると、指導責任者や実行委員としての活動範囲も広がります。

3. 学校・地域・福祉・観光分野で活用できる

オリエンテーリングの知識と指導技術は、教育現場や地域活動に幅広く応用できます。 特に以下のような場面で役立ちます。

  • 小中学校・高校での地理や保健体育授業の補助
  • 自然学校・キャンプ・林間学校などでの安全指導
  • 自治体主催の高齢者・親子向け野外イベント
  • エコツーリズムや地域活性のアクティビティプログラム

4. ステップアップや他資格との連携が可能

オリエンテーリングインストラクターは単体でも活動できますが、他のアウトドア・教育関連資格と組み合わせることで、活動の幅がさらに広がります。

  • キャンプインストラクター
  • 自然体験活動指導者(NEAL)
  • 防災士・生涯学習指導者
  • 教員・学童指導員・アウトドアガイドなど

5. 地域の安全教育・防災教育にも活用可能

オリエンテーリングの基本である「地図を読む」「現在地を知る」「自力で判断して行動する」力は、防災教育や自立支援にも活用されています。

  • 地域の子ども向け防災ウォークの企画
  • 避難経路を地図で確認するワークショップ
  • 高齢者向けの認知機能活性化プログラム

その他資格一覧

準備中

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)