キャリアコンサルティング技能士

「技能検定職種のひとつとして2008年に新たに追加され、実施される試験で、特定非 営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会はキャリア・コンサルティング職種 の指定試験機関として平成20年9月に厚生労働大臣から指定を受けました。

試験は、学科試験と実技試験で行われます。本試験はその技能と知識を問うもので、 試験に合格すると試験等級に応じて「キャリア・コンサルティング技能士」の称号が 付与されます。

主催
キャリア・コンサルティング協会

受験資格と難易度

1. 受験資格

【1級キャリアコンサルティング技能士】

  • 対象者: キャリアコンサルタントとしての高度な実務経験がある人
  • 主な受験資格条件:
    • 2級キャリアコンサルティング技能士取得後、5年以上の実務経験
    • または、10年以上のキャリアコンサルティング実務経験がある者
    • 教育・指導経験が求められる場合もあり(企業研修や指導実績)

【2級キャリアコンサルティング技能士】

  • 対象者: 実務経験があるキャリア支援従事者
  • 主な受験資格条件:
    • キャリアコンサルタント資格取得後、3年以上の実務経験
    • または、5年以上のキャリア支援実務経験がある者
    • 厚生労働大臣認定の講座修了者も受験可能

2. 難易度と合格率

キャリアコンサルティング技能士は、等級が上がるほど合格率が低くなり、難易度が上がります。

等級 合格率 難易度 特徴
1級 約15〜20% ★★★★★ 高度な実務経験と指導スキルが求められ、難易度が非常に高い。
2級 約30〜40% ★★★★☆ 実務経験があれば合格可能だが、論述・面接対策が重要。

【1級試験の難易度】

  • 試験内容: 高度なケーススタディ、実務指導力が問われる。
  • 面接試験: クライアント支援だけでなく、後輩指導や組織対応の力も評価対象。
  • 合格のポイント: 多様な相談事例を想定し、即時対応力を養うことが重要。

【2級試験の難易度】

  • 試験内容: 基本的なキャリア相談スキルと理論の理解が求められる。
  • 面接試験: クライアント対応の実践力が評価される。
  • 合格のポイント: 実務経験者は過去のケースに基づき、具体例を用いて対策。

試験内容

学科試験と実技試験の2つに分かれています。1級と2級で難易度や求められるレベルは異なりますが、試験の構成は共通です。以下に詳細を説明します。

1. 学科試験(筆記試験)

キャリアコンサルタントとして必要な理論や法令、職業情報などに関する知識を問う試験です。問題形式は選択式(マークシート方式)が中心で、一部記述問題が出題されることもあります。

主な出題範囲

  • キャリア理論:スーパー、ホランド、シャイン、クランボルツなど主要理論の理解
  • 職業能力開発の知識:職業訓練制度、人材開発支援の仕組み
  • 関係法令:労働基準法、雇用対策法、職業安定法、個人情報保護法など
  • 相談技法:カウンセリングの基本スキル、面談の進め方
  • 労働市場や職業情報:雇用動向、産業構造の変化、職業情報提供ツールの活用

合格基準
満点の60%以上が合格ラインです。

2. 実技試験

実技試験は「論述試験」と「面接試験(ロールプレイ+口頭試問)」の2つで構成されています。実際の相談場面を想定した実践力が問われます。

(1) 論述試験

  • 相談事例が提示され、それに基づいて相談者の課題や支援方針を記述します。
  • 評価ポイントは問題の正確な把握、課題整理の能力、具体的で現実的な支援計画が立てられるかどうかです。

(2) 面接試験(ロールプレイと口頭試問)

  • ロールプレイでは、受験者がキャリアコンサルタント役、試験官が相談者役を担当します。約15分間で相談対応を行い、相談者の話を正確に受け止め、適切な助言ができるかが評価されます。
  • ロールプレイ後の口頭試問では、対応中の意図や改善点について試験官から質問され、受験者がその理由や考えを説明します。

合格基準
論述試験およびロールプレイそれぞれで60%以上の得点が必要です。

試験対策

学科試験と実技試験に分けて詳しく説明します。効率的に勉強を進めるためのポイントやおすすめの学習方法も紹介します。

1. 学科試験対策

(1) 出題範囲の把握

学科試験は出題範囲が広いため、まずは試験要綱を確認し、出題傾向を把握しましょう。特に以下の分野は頻出です。

  • キャリア理論(スーパー、ホランド、シャイン、クランボルツなど)
  • 関係法令(労働基準法、職業安定法、雇用対策法など)
  • 職業能力開発制度や支援策
  • 労働市場や産業構造の基礎知識

(2) 効果的な勉強方法

  • 過去問題の活用:繰り返し解くことで出題傾向に慣れることができます。解説も熟読し、正しい知識を定着させましょう。
  • 参考書・テキストの活用:公式テキストや信頼できる市販の参考書を使い、基礎から応用まで網羅的に学びます。
  • まとめノート作成:重要ポイントを自分の言葉でまとめることで、記憶の定着が促進されます。
  • 法令の確認:法令問題は確実に得点源にできる分野なので、関連する最新情報を確認しながら理解を深めましょう。

(3) 学科試験直前の対策

  • 模擬試験を受け、時間配分の感覚をつかんでおきましょう。
  • 苦手分野に絞って短期間で集中的に復習するのが効果的です。
  • 法令や数字に関する問題は暗記力が問われるため、直前に再確認してください。

2. 実技試験対策

実技試験は「論述試験」と「面接試験(ロールプレイと口頭試問)」で構成されます。実務的なスキルが問われるため、理論だけでなく実践練習が重要です。

(1) 論述試験対策

  • 事例問題に慣れる:過去問題や練習問題を活用し、相談者の課題やニーズを正確に把握する練習をしましょう。
  • 支援計画の具体性:相談者の立場に立ち、現実的で具体的な支援方法を考えます。抽象的な表現は避け、実践的な提案を心がけましょう。
  • 時間内で書く練習:時間制限内で論述を完成させる練習を繰り返し行い、構成力とスピードを養います。

(2) 面接試験(ロールプレイと口頭試問)対策

  • ロールプレイの練習

    • キャリアコンサルタント役を実際に演じる練習を重ねましょう。友人や同僚に相談者役をお願いすると効果的です。
    • 相談者の話をしっかり「聴く」ことが基本です。相手の気持ちや考えを受け止め、共感を示す練習をしましょう。
    • 話の展開を焦らず、相談者が話しやすい雰囲気を意識してください。
  • 口頭試問の対策

    • ロールプレイ後に試験官から質問されることを想定し、ロールプレイ中の意図や改善点を自分で振り返る練習をしましょう。
    • なぜその質問をしたのか、どのような支援意図があったのかを明確に説明できるように準備します。

3. 試験までのスケジュール例

時期 対策内容
試験3か月前 出題範囲の確認、学科の基礎学習開始、過去問題に取り組む
試験2か月前 実技の基礎練習開始(ロールプレイや論述練習)、弱点分野の補強
試験1か月前 模擬試験の実施、時間配分の確認、実技試験の実践的練習
試験直前 苦手分野の最終確認、過去問題の解き直し、体調管理

取得後に出来ること

資格を取得すると、個人のキャリア形成支援や企業・教育機関での人材育成において、さまざまな場面で専門性を発揮できます。

等級(1級・2級)によって対応できる業務の範囲や役割が異なるため、それぞれの特徴もあわせて紹介します。

1. 取得後にできる主な業務

(1) 個人へのキャリア支援

  • 就職・転職相談
    求職者や転職希望者に対して、職業選択や応募書類の作成支援、面接対策を行えます。

  • キャリアプランの作成支援
    若年層から中高年まで、人生設計やキャリア形成に関する助言が可能です。

  • 職場でのキャリア相談
    企業内で従業員のキャリア開発や職場定着支援に携わることができます。

(2) 企業や団体での活動

  • 人材育成・研修の企画・実施
    社内研修やキャリア開発プログラムを企画し、従業員のスキル向上を支援します。

  • メンタルヘルス対応
    職場のストレスマネジメントや復職支援にも携わることが可能です。

  • 組織開発支援
    従業員のキャリア形成を通じて、企業の生産性向上や職場環境の改善に貢献できます。

(3) 教育機関での活動

  • 学生の進路指導
    高校や大学でのキャリアガイダンスや就職支援を担当できます。

  • キャリア教育の実施
    生徒・学生向けにキャリア形成に関する授業やワークショップを実施できます。

(4) 公共機関やハローワークでの支援

  • ハローワークや地方自治体で、求職者支援や職業訓練の相談員として活動可能です。
  • 職業紹介やキャリアカウンセリングを通じて、地域の雇用促進に貢献できます。

2. 1級と2級の違い

等級 できること 主な対象者
2級 個人へのキャリアコンサルティング、企業や教育機関での相談業務 実務経験を持つキャリアコンサルタント
1級 キャリア支援の指導・教育、他のコンサルタントへの指導、研修の企画運営 経験豊富な専門家・指導者レベル

2級は「現場のキャリア支援者」として実務に従事することが主ですが、1級はそれに加え、後進の指導や組織内での研修企画など、より高度な役割を担います。

3. 取得後のキャリアパス

(1) 企業内キャリアコンサルタント

  • 人事部門で従業員支援や人材開発を担当。
  • 離職防止や職場環境改善を目指す活動に携わることが可能です。

(2) フリーランス・独立開業

  • 個人でキャリア相談窓口を開設し、幅広い層への支援ができます。
  • セミナー講師や研修講師として活動の場を広げることも可能です。

(3) 公共機関やNPOでの活躍

  • ハローワークや地方自治体での就職支援事業に参加。
  • 若者、女性、中高年向けの支援プロジェクトに関与できます。

(4) 教育現場での進路指導担当

  • 学校でのキャリア教育担当や就職相談員として生徒の進路支援を担当。
  • キャリア講座やワークショップを実施して学生の意識向上に寄与します。

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)