一般社団法人日本キャリア開発協会(JCDA)が認定する民間資格で働く人のキャリア形成や職業選択を支援するキャリアカウンセラー(相談員)**としての専門的スキルを証明する資格です。
活動領域
- 企業内でのキャリア相談・人材開発
- ハローワークや人材紹介会社での職業相談・再就職支援
- 高校・大学・専門学校などでの進路指導や就職支援
- フリーランスのキャリアコンサルタントとして独立
■主催
日本キャリア開発協会
目次
受験資格と難易度
受験資格
CDA資格は、誰でも受講・受験が可能な民間資格で、特別な学歴や職歴の要件はありません。ただし、資格試験を受験するには、指定のCDA養成講座を修了することが必須条件です。
養成講座の受講資格
- 学歴・職歴・年齢制限なし
- キャリア支援やカウンセリングに興味のある方なら誰でも受講可能
- 社会人の受講者が大半で、異業種からのチャレンジも多い
資格試験の受験資格
-
JCDAが実施するCDA養成講座(約180時間)を修了していること
※講座を修了しないと、CDA試験(認定試験)を受けることはできません。
難易度
CDA試験は、「筆記試験」と「実技試験(ロールプレイ+口頭試問)」の2部構成です。しっかりと養成講座で学習・演習を行えば、初学者でも合格可能なレベルです。
筆記試験の難易度
- 合格率:約70〜80%
- 内容:キャリア理論、カウンセリング理論、労働市場・法制度の知識など
- 対策:養成講座のテキストと過去問の復習で十分対応可能
実技試験の難易度
- 合格率:約50〜60%(筆記よりやや難易度が高い)
- 内容:ロールプレイでの相談対応+口頭試問
- 評価:共感力、傾聴姿勢、クライエントへの寄り添い方、対応の一貫性
実技のポイント
- 型にはめた対応ではなく、対話を通じた“気づき”の支援ができるかが重要
- ロールプレイ練習の積み重ねが合否を分ける
難易度の総評
試験区分 | 合格率の目安 | 難易度 |
---|---|---|
筆記試験 | 約70〜80% | 中程度(基礎知識重視) |
実技試験 | 約50〜60% | やや高め(対話力・共感力重視) |
CDAは、理論だけでなく「人の話をどう聴くか」「どう支援するか」を評価される資格であり、
試験対策だけでなく“人との向き合い方”そのものが大切になります。
試験内容
試験の全体構成
CDA資格認定試験は、以下の2つで構成されています。
- 筆記試験(マークシート式)
- 実技試験(ロールプレイ+口頭試問)
どちらも日本キャリア開発協会(JCDA)のCDA養成講座を修了後に受験できます。
筆記試験の内容
筆記試験では、キャリア支援に関する理論や制度など、基礎知識が問われます。
試験形式
- マークシート方式(4択式)
- 問題数:50問前後(年度により変動あり)
- 試験時間:90分
主な出題範囲
-
キャリア理論
例:スーパー、ホランド、シャイン、クランボルツ、サビカス など -
カウンセリング理論
例:ロジャーズの来談者中心療法、認知行動療法、交流分析など -
コミュニケーション技法
傾聴、質問、フィードバック、共感、沈黙の使い方 など -
労働市場と雇用制度
雇用保険制度、職業能力開発制度、労働関連法など -
キャリア支援の倫理と実践
守秘義務、信頼関係の構築、非指示的支援、相談場面の展開法
実技試験の内容
実技試験では、キャリア面談のスキル(対話力・支援力)をロールプレイ形式で評価します。
試験構成
- ロールプレイ(面談場面の模擬演習)
- 口頭試問(面談の振り返り・解釈説明)
- 所要時間:約20分(ロールプレイ10分+口頭試問10分)
ロールプレイの流れ
- 試験官が「相談者(クライエント)」役を担当
- 受験者は「キャリア支援者(CDA)」として対応
- 相談内容は事前にケース資料として提供(例:転職希望、職場の悩みなど)
評価ポイント
- 傾聴姿勢:相手の話に丁寧に耳を傾けているか
- 共感的理解:相談者の感情に寄り添っているか
- 質問力:適切な問いかけで相手の自己理解を深めているか
- 構造化:面談の流れをつくり、支援の方向性を持たせているか
- 振り返り:自分の対応の意図を言語化できるか
1回の試験で問われる力
筆記試験:知識力(理論・制度・実践)
実技試験:対話力・観察力・支援力・自己理解力
この2つをバランスよく備えているかが合格の決め手となります。
試験対策
試験対策の全体方針
CDA試験は、知識(筆記)と対話力(実技)をバランスよく身につけることが重要です。筆記は養成講座の復習を丁寧に行い、実技はロールプレイの練習を重ねることで合格率が高まります。
筆記試験の対策
筆記試験は、講座で扱う理論・制度の基礎知識を中心に出題されます。
対策ポイント
- 養成講座のテキストを繰り返し読む(特に太字や図表)
- 出題傾向のある「キャリア理論」や「カウンセリング理論」を重点的に復習
- 用語や理論を「誰にでも説明できるように」整理して覚える
- 過去問または模擬問題で形式に慣れておく
効果的な勉強方法
- 理論は「人物名+特徴」をセットで記憶(例:スーパー=発達理論)
- オリジナルのまとめノートを作成し、論点を視覚化
- 学習グループで問題を出し合い、理解を深める
実技試験の対策
実技試験は、ロールプレイ+口頭試問による評価です。特に「傾聴姿勢」と「共感的理解」が重視されます。
対策ポイント
- ロールプレイはとにかく「回数を重ねて練習」する
- 養成講座の演習時間以外でも、自主練やグループ練習を行う
- 練習後に録音・録画して自己評価するのがおすすめ
ロールプレイ練習のコツ
- 無理に助言しようとせず、「相手の話を受け止める」ことに集中する
- 相づち・繰り返し・要約を効果的に使う
- 話の内容だけでなく「感情」に注目し、気づきを促す言葉を探す
口頭試問の対策
- 自分の対応を「なぜそうしたか」言語化できるように練習する
- 面談中に感じたクライエントの変化や、自分の意図を説明できるようにしておく
- 評価項目(共感・関係構築・展開力など)に基づいて自己分析する
取得後に出来ること
キャリア支援の専門家として活動できる
CDA資格は、キャリア相談・カウンセリングの専門家として、さまざまな分野・職場で活躍するための実践的な資格です。
活躍できる分野
- 企業(人事・人材育成部門)
- ハローワーク・ジョブカフェ・再就職支援機関
- 大学・高校・専門学校のキャリアセンター
- 人材紹介・転職エージェント
- 独立・フリーランスのキャリアコンサルタント
国家資格キャリアコンサルタントへのステップになる
CDA資格を取得することで、国家資格キャリアコンサルタントの受験資格を得られます。
国家資格との関係
- CDA養成講座の修了=国家試験の受験要件を満たす
- CDAで得た知識・スキルは国家資格の実技試験と重なる部分が多い
- 取得後に国家資格を取得することで、より広い職域で活動可能になる
キャリア支援スキルを生かした社内キャリアアップ
CDAは企業の中でも、人材マネジメントや従業員支援に活かすことができます。
社内での活用例
- 社員のキャリア面談・人事異動支援
- メンタルヘルスとの連携(EAP制度など)
- 若手社員の定着支援・自己理解サポート
- 研修講師・OJT担当としての役割強化
フリーランス・副業としての展開も可能
近年、CDAのスキルを活かして副業や個人開業を目指す人も増えています。
独立後の主な活動例
- キャリア相談(個人クライエント対応)
- 就活・転職支援セミナー講師
- 社会人向けキャリア研修の企画・運営
- 自治体・NPOとの連携による地域支援
教育・地域貢献活動でも活用できる
CDAの支援スキルは、地域・教育機関における進路指導・人生支援にも応用可能です。
活動の場の例
- 高校・大学でのキャリア授業のサポート
- 就労移行支援事業所・福祉施設での面談対応
- 公民館や図書館でのライフプラン相談イベント
- 終活や定年後のキャリア支援活動への参画
CDA資格の信頼性
- 一般社団法人日本キャリア開発協会(JCDA)が認定
- 認定後も「継続学習(スーパービジョン、事例検討)」を通じてスキル向上を支援
- 約2万人が登録しており、キャリア支援の現場で幅広く活用されている実績あり
その他資格一覧
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