自然環境の保全・再生・創造を行う専門資格です。開発によって失われた自然を再び取り戻すために、池、湿地、草原、林などの生態系を計画・施工・管理する知識と技術が求められます。
自然と人間が共存できる環境づくりを担う、環境保全分野のプロフェッショナルです。
■主催
(財)日本生態系協会
目次
受験資格と難易度
受験資格(等級別)
■ 2級ビオトープ管理士(計画部門・施工部門)
- 誰でも受験可能です(年齢・学歴・実務経験の制限なし)
- 環境系の初心者や学生、社会人でも受験できます
- 「計画部門」と「施工部門」は併願可能(試験日は別日)
■ 1級ビオトープ管理士
- 該当する2級資格の合格者であること(例:1級計画→2級計画の合格が必要)
- 実務経験が必要(公式には要年数の明記はないが、目安3年以上)
- 実務経験が証明できる書類(職務経歴書など)の提出が必要です
難易度の目安
■ 2級ビオトープ管理士
- 合格率:約30~50%(年度や部門によって変動)
- 選択式+記述式の問題構成
- 計画部門は「自然再生・生態系の理解」、施工部門は「工法・資材・安全管理」などが中心
- 内容はやや専門的だが、独学も十分可能
- 理系出身者や造園・環境・土木に関わる人は比較的有利
■ 1級ビオトープ管理士
- 合格率:20~30%程度とやや難関
- 記述問題中心で、設計・提案・法令知識・実務経験の応用が求められる
- 環境コンサルや公共事業における「環境配慮設計」の知識があると有利
- 経験と理論の両方をバランスよく求められます
試験内容
「2級」「1級」があり、それぞれに「計画部門」と「施工部門」があります。等級・部門ごとに試験内容が異なるため、以下に分けて詳しく解説します。
2級ビオトープ管理士
2級は、基礎的な知識と実践力を評価する試験です。計画部門は「自然再生の考え方」や「生態系の理解」が中心で、施工部門は「工法や安全管理」など現場知識が求められます。
試験形式(共通)
- 多肢選択式(択一式)+記述式
- 各部門、午前・午後の2部構成
- 試験時間:各部門 約3時間
計画部門の出題内容
- 生態学の基礎(遷移、食物連鎖、在来種・外来種)
- 自然再生の手法(湿地、森林、草地など)
- ビオトープの設計と管理方針
- 関連法令(自然公園法、景観法、生物多様性基本法など)
- 地域環境との調和・保全の視点
施工部門の出題内容
- 施工技術(整地、植栽、土壌・水管理など)
- ビオトープ施工図面の読解
- 材料・工法の選定
- 現場での安全管理
- 維持管理の考え方
1級ビオトープ管理士
1級は、計画・設計・提案・管理までを総合的に判断する上級資格です。応用力、論理性、現場経験が重視されます。
試験形式(共通)
- 記述式中心(短答+論述)
- 問題数は少ないが、1問あたりの回答ボリュームが多い
- 試験時間:約3時間
計画部門の出題内容
- 自然再生計画の立案・評価方法
- 調査手法(植生調査、水質調査など)
- ゾーニング・空間設計(利用と保全の両立)
- 地域住民との合意形成の手法
- 生物多様性と景観・法制度の統合
施工部門の出題内容
- 現場管理計画(工程・品質・安全のマネジメント)
- 資材・工法選定の根拠
- 生物・環境に配慮した施工方法
- 維持管理・モニタリングの設計
- 環境負荷の低減対策
試験日程と所要時間(2024年参考)
- 試験日:10月下旬ごろ(毎年)
- 申込期間:6月中旬~7月上旬
- 試験時間:1部門あたり約3時間
- 受験料:2級 約12,000円/1級 約16,000円(年度により変動)
試験対策
2級試験対策
基礎知識の習得が最優先
- 生態学、生物多様性、自然再生の基本を押さえる
- 公式テキスト『ビオトープ管理士資格試験公式テキスト』を通読
- 苦手分野(例:植物名、湿地特性)を重点的に復習
過去問題集を繰り返し解く
- 日本生態系協会公式の過去問題(過去3年分は公開)を活用
- 選択式だけでなく記述問題の構成にも慣れる
- 誤答の選択肢をすべて理由づけできるようにする
用語の暗記は図とセットで
- 食物連鎖、遷移、特定外来生物、レッドリストなどは図表と一緒に覚える
- イラストで構造や流れを理解すると記述力も向上する
法令・制度対策
- 自然公園法、生物多様性基本法、景観法などを要点で整理
- 目的・対象・許可内容などを簡単に言えるようにする
1級試験対策
論述力の強化がカギ
- 過去の記述問題例をもとに、構成(導入→理由→提案→結論)を意識して書く練習
- 記述テーマに対して「なぜそうするのか」を具体的に述べる力を養う
実務経験の振り返り
- 自分が関わった施工・調査・提案の経験を整理し、問題に応じて応用できるようにする
- 現場で得た知識がそのまま論述に活きるケースが多い
維持管理や合意形成も重点的に学習
- 単なる施工ではなく、施工後の管理計画やモニタリング手法も出題される
- 地域住民や行政との合意形成の手法についても準備が必要
部門別対策のポイント
計画部門
- 生態学・ランドスケープ設計・調査法(植生、水質など)を体系的に整理
- ゾーニング図や配置案の読み解き、設計意図の説明ができるようにする
施工部門
- 工法、資材、安全管理、施工計画など実践的な内容を重視
- 図面(平面図・断面図)の読み取り練習を行う
- 「現場での配慮」や「トラブル時の対応」も具体的に準備
取得後に出来ること
2級ビオトープ管理士の活用例
公共施設・緑地の維持管理
-
公園や学校敷地におけるビオトープの保守点検
-
生物の生息状況や植生のモニタリング
-
外来種の除去、在来種の植栽などの現場作業の実施
建設・造園・環境関連会社での現場担当
-
工事現場での緑地造成、施工アドバイス
-
ビオトープ施工に関わる協力会社との調整
-
設計者や上位職からの計画をもとにした現場管理
市民活動・NPOでの環境保全活動
- 地域の自然保護活動での技術支援
- 簡単なビオトープづくりワークショップの企画
- 市民観察会や小学校向け授業の補助スタッフ
1級ビオトープ管理士の活用例
ビオトープの計画・設計業務
- 地方自治体や民間企業のビオトープ整備計画の立案
- 公園・工場・学校などでの自然再生ゾーニングの設計
- 環境アセスメント・生物多様性配慮の提案書作成
環境コンサルタント・技術士補助業務
- 自然環境調査(動植物調査、水質、土壌など)の実施・分析
- 生態系保全型のまちづくりや開発計画への助言
- 官公庁や自治体との環境対話、住民説明資料の作成
研修・講習の講師活動
- 市民向け、行政職員向けの自然再生・ビオトープ設計に関する研修
- 専門学校・大学などでの非常勤講師
- 環境イベントや自治体主催セミナーでの講師登壇
就職・転職で有利になる業界
- 環境コンサルタント会社
- 建設コンサルタント、造園・土木会社
- 自治体(環境・都市計画・緑化部署)
- 公園・緑地管理財団、自然学校
- 生物多様性やSDGsに取り組む企業・団体
資格の信頼性と活用方法
- 自治体のビオトープ設置・保全業務の受託条件として認められることがある
- 企業の環境CSR活動の一環として、従業員が取得するケースも増加中
- 自分の名刺やプロフィール、講演紹介資料などに記載できる
その他資格一覧
準備中