ビジネスコンプライアンス検定

企業における法令遵守(コンプライアンス)と倫理的なビジネス行動に関する知識を証明する資格です。特に、企業の法務・総務・コンプライアンス担当者や、リスク管理に関わる人材向けの資格として評価されています。

コンプライアンス違反が企業の信用や経営に大きな影響を与える現代において、この資格を取得することで、組織内での法令遵守の重要性を理解し、適切な判断を下す力を養うことができます。

資格の目的と特徴

  • 企業の法令遵守(コンプライアンス)に関する基礎知識を身につける
  • 企業倫理・リスク管理・情報管理・ハラスメント防止など、幅広い分野をカバー
  • 不正行為の防止や、社内規程の策定・運用に活かせる
  • 業種・職種を問わず、あらゆるビジネスパーソンに役立つ資格

この資格は、法務部門やコンプライアンス担当者はもちろん、一般の社員や管理職にとっても重要な知識を得ることができる試験です。

試験の種類

ビジネスコンプライアンス検定には、「初級」「上級」の2つのレベルがあります。

レベル 対象者 内容 難易度
初級(ベーシックレベル) 新入社員・一般社員 コンプライアンスの基本知識 易しい
上級(アドバンストレベル) 管理職・経営層・法務・リスク管理担当 企業のリスク管理・内部統制 やや難しい

初級はコンプライアンスの基本を学ぶ試験、上級はより実務的なリスク管理や内部統制に関する試験です。

主催
サーティファイ コンプライアンス検定委員会

受験資格と難易度

1. 受験資格

ビジネスコンプライアンス検定には特別な受験資格はなく、誰でも受験可能です。

試験レベル 受験資格
初級(ベーシックレベル) 誰でも受験可能(学歴・職歴の制限なし)
上級(アドバンストレベル) 誰でも受験可能(ただし、初級合格後の受験が推奨される)

特に、以下のような人におすすめの試験です。

  • 企業の法務・コンプライアンス部門の担当者
  • 経営層・管理職としてリスク管理を学びたい人
  • 一般社員としてコンプライアンスの基礎を身につけたい人
  • 企業のコンプライアンス研修を担当する人

上級試験は、初級合格後の受験が推奨されるものの、必須ではありません。

2. 試験の難易度

ビジネスコンプライアンス検定の難易度は、初級(ベーシック)は比較的簡単、上級(アドバンスト)はやや難しいとされています。

試験レベル 出題内容 合格率(推定) 難易度
初級(ベーシックレベル) コンプライアンスの基礎、企業倫理、リスク管理 70~80% 易しい
上級(アドバンストレベル) 内部統制、リスクマネジメント、企業の危機管理 50~70% やや難しい

3. 難易度のポイント

① 初級(ベーシックレベル)の難易度

  • 基礎知識中心のため、テキストを学習すれば合格しやすい
  • 法律の詳細な解釈は問われず、基本的なビジネス倫理や法令順守の概念を理解すれば合格可能
  • 過去問を2~3回解けば合格できるレベル

合格率は70~80%と高めで、難易度は低い

② 上級(アドバンストレベル)の難易度

  • 内部統制、企業リスク管理、コーポレートガバナンスなど実務的な知識が必要
  • コンプライアンス違反の事例研究や、記述式問題も出題されることがある
  • 初級と比べて法律・規制の詳細な理解が求められるため、事前の学習が必要

合格率は50~70%程度で、実務知識があると合格しやすいが、勉強しないと難しく感じるレベル

試験内容

初級(ベーシック)と上級(アドバンスト)の2つのレベルがあり、それぞれ試験範囲や難易度が異なります。

1. 試験科目と出題範囲

① 初級(ベーシックレベル)

分野 出題内容
コンプライアンスの基礎 コンプライアンスの定義、企業倫理、法令遵守の重要性
企業の法的責任 企業の法的義務、取締役の責任、会社法の基礎
個人情報保護 個人情報保護法、GDPR、データ管理の基本
ハラスメント防止 パワハラ・セクハラ・マタハラの防止策、企業の対応義務
インサイダー取引防止 金融商品取引法、内部情報の管理
企業不祥事の事例 粉飾決算、談合、不正競争防止法の違反事例
内部通報制度 企業内の通報制度、公益通報者保護法
労働法・労働基準法 労働契約、時間外労働の規制、働き方改革関連法

「コンプライアンスとは何か?」を理解し、職場で適切な行動を取れるようになることが目的の試験です。

② 上級(アドバンストレベル)

分野 出題内容
リスクマネジメント 企業のリスク分析と対応策、危機管理の基本
内部統制・ガバナンス コーポレートガバナンス、取締役の責任、内部統制システム
金融・会計コンプライアンス 粉飾決算、会計不正、監査制度
反社会的勢力の排除 企業の危機管理、暴力団排除条項
競争法・独占禁止法 カルテル、談合、不正競争防止法
国際法・海外ビジネス GDPR、FCPA(海外贈収賄防止法)、OECDガイドライン
企業不祥事の事例分析 有名企業のコンプライアンス違反事例とその影響
危機管理・メディア対応 企業の不祥事発生時の広報対応、謝罪会見のポイント

「組織全体のコンプライアンスとリスク管理をどう行うか?」がテーマとなる実務的な試験です。

2. 試験形式と合格基準

試験レベル 形式 問題数 試験時間 合格基準
初級(ベーシック) 択一式(選択問題) 40~50問 60分 70%以上の正答率
上級(アドバンスト) 択一式+記述式 50~60問 90分 70%以上の正答率

初級はすべて選択式ですが、上級は記述式問題が含まれることがあるため、実務的な知識が必要です。

3. 各試験科目の詳細な出題内容

① コンプライアンスの基礎(初級・上級共通)

コンプライアンスの基本概念(企業の社会的責任、CSRとの関係)
法令違反が企業にもたらすリスク(信用失墜、罰則、倒産リスク)
企業倫理とリーダーシップ(経営層の責任)

② 企業の法的責任(初級・上級共通)

会社法における取締役の義務(善管注意義務、利益相反取引)
労働基準法(違法労働・過労死問題)
企業の情報開示義務(IR、財務報告の透明性)

③ 企業不祥事の事例研究(特に上級)

日本国内および海外の企業不祥事の事例(東芝の不正会計、日産のゴーン事件など)
企業が不祥事を防ぐために取るべき施策(内部統制の強化、監査機能の強化)
危機発生時の対応(メディア対応、謝罪会見のポイント)

④ 反社会的勢力の排除(特に上級)

企業が暴力団・反社会的勢力と関わらないための対策
取引先チェック(反社チェックの方法、契約書の工夫)
企業が脅迫や不当要求を受けた際の対応

⑤ 国際法・海外ビジネスのコンプライアンス(特に上級)

FCPA(米国海外腐敗行為防止法)、UK Bribery Act(英国贈収賄防止法)
GDPR(EU一般データ保護規則)と日本の個人情報保護法の比較
海外贈収賄リスクと内部監査の重要性

試験対策

1. 試験科目ごとの対策

ビジネスコンプライアンス検定には**「初級(ベーシック)」と「上級(アドバンスト)」の2つのレベル**があります。
それぞれの試験に向けた対策を詳しく解説します。

① 初級(ベーシックレベル)の対策

対策ポイント

  • コンプライアンスの基本概念を正しく理解する
  • 企業の法令遵守に関する基礎知識を押さえる
  • 企業の不祥事や法律違反の事例を学び、予防策を考える

学習方法

  • 公式テキストを熟読し、重要ポイントをノートにまとめる
  • 過去問を3回以上解き、出題パターンを把握する
  • 企業の不祥事ニュースを調べ、試験内容と関連付けて学習する

② 上級(アドバンストレベル)の対策

対策ポイント

  • 企業の内部統制やリスク管理の知識を強化する
  • 法務やコンプライアンスの実務対応を理解する
  • 企業不祥事の事例を分析し、再発防止策を考える

学習方法

  • 会社法、金融商品取引法、個人情報保護法などの主要法令を学ぶ
  • 過去の企業不祥事(東芝の粉飾決算、日産のガバナンス問題など)を研究する
  • 記述問題対策として、論理的な文章構成を練習する(結論 → 理由 → 具体例の流れ)

2. 試験対策の具体的な方法

① 公式テキストの活用

  • まずはテキストを一読し、試験範囲の全体像を把握する
  • 重要なポイントをノートにまとめ、暗記ではなく理解を深める

② 過去問を繰り返し解く

  • 最低3~5年分の過去問を解き、出題傾向を分析する
  • 解答の根拠を確認しながら、間違えた問題は繰り返し学習する

③ 記述問題の対策(上級のみ)

  • 簡潔かつ論理的に説明できるようにする(結論 → 理由 → 具体例)
  • 企業不祥事のニュースをもとに、再発防止策を考えるトレーニングを行う

④ 模擬試験の実施

  • 本番と同じ時間で問題を解き、時間配分を確認する(初級60分・上級90分)
  • 模擬試験を3回以上実施し、合格ライン(70%以上)をクリアできるようにする

取得後に出来ること

取得すると、企業の法令遵守(コンプライアンス)やリスク管理に関する知識を持つことが証明され、さまざまな業務で活かすことができます。

特に、法務・総務・経営企画・内部監査・リスク管理部門などでの評価が高まり、転職や昇進の際にも有利になります。

1. 企業のコンプライアンス管理業務に携わる

① 企業の法務・コンプライアンス部門での活躍

  • 社内のコンプライアンス研修の実施・教育担当
  • 法令改正(個人情報保護法、独占禁止法など)に対応した社内ルールの整備
  • 内部通報制度の運用・公益通報者保護制度の導入
  • 取引先のコンプライアンスリスクチェック

企業の法務部門では、企業のリスク管理や法令遵守に関する業務を担当するため、資格取得によって専門性が評価されます。

② リスク管理・内部統制の強化

  • 企業のリスクマネジメント体制の構築
  • 内部監査・コンプライアンス監査の実施
  • 反社会的勢力との関係遮断、企業倫理の遵守
  • 金融・会計コンプライアンス対応(粉飾決算、不正会計の防止)

企業の経営において、法令違反や不祥事を未然に防ぐために、リスク管理の知識が求められます。

③ 経営層・管理職としてのコンプライアンス意識向上

  • 企業のガバナンス強化(取締役・役員の責任、社内統制)
  • 企業不祥事発生時の危機管理・メディア対応
  • 企業のCSR(社会的責任)やSDGsの推進

経営層や管理職がコンプライアンスを理解することで、企業全体のリスク管理が強化され、組織の信頼性が向上します。

2. 転職市場での評価向上

ビジネスコンプライアンス検定の取得により、コンプライアンス管理のスキルが証明され、転職市場での価値が向上します。

転職に有利な業界・職種

業界 具体的な職種
IT・通信 情報セキュリティ管理者、個人情報保護担当
金融(銀行・証券・保険) コンプライアンス担当、内部監査
医療・福祉 医療コンプライアンス管理、リスクマネジメント
官公庁・自治体 公務員(法務・内部監査部門)
メーカー・商社 取引先コンプライアンスチェック、リスク管理
コンサルティング コンプライアンスアドバイザー、内部監査コンサルタント

コンプライアンスの重要性が高まる中、企業は専門知識を持つ人材を求めており、転職時の評価が向上します。

3. キャリアアップ・昇進に有利

① 社内評価の向上と昇進のチャンス

  • 法務・総務・リスク管理部門での昇進が期待できる
  • 企業のコンプライアンス責任者(CCO:Chief Compliance Officer)候補になれる
  • 管理職や役員として、組織のリスク管理に貢献できる

企業では、コンプライアンス管理の重要性が増しており、資格を取得することで昇進のチャンスが広がります。

4. コンサルタント・研修講師として活動可能

ビジネスコンプライアンス検定の知識を活かし、フリーランスやコンサルタントとして独立することも可能です。

コンプライアンスコンサルタントの業務例

  • 企業向けのコンプライアンス研修の実施
  • コンプライアンス違反のリスク診断・アドバイス
  • 企業不祥事の防止策の提案・内部監査支援

特に、中小企業ではコンプライアンス専門家が不足しているため、外部コンサルタントの需要が高まっています。

5. 他の資格と組み合わせて専門性を強化

ビジネスコンプライアンス検定は、他の資格と組み合わせることで、さらに専門性を高めることができます。

資格名 活用できる分野
情報セキュリティマネジメント試験(SG) IT企業の情報管理、セキュリティ対策
個人情報保護士 企業の個人情報保護・Pマーク運用
ISMS審査員補 ISMS(ISO 27001)の監査・審査業務
中小企業診断士 コンプライアンス+経営コンサルティング
CFE(公認不正検査士) 企業の不正会計・金融犯罪の調査

特に、IT・金融業界では、情報セキュリティ関連資格(SG、CFE)と組み合わせると市場価値が上がります。

6. 取得後にできることのまとめ

取得後のメリット 活用分野
企業のコンプライアンス管理業務に携わる 法務・総務・リスク管理・経営企画部門
リスクマネジメント・内部統制の強化 内部監査、社内規程の策定
経営層・管理職としての知識向上 コーポレートガバナンスの強化
転職市場での価値向上 コンプライアンス担当、リスクマネジメント
コンサルタント・フリーランスとして独立 企業研修、リスクアドバイザー
他の資格と組み合わせて専門性を強化 IT・金融・法務分野での活躍

企業の法令順守やリスク管理の重要性が高まる中、この資格を取得することで、コンプライアンスの専門家として活躍する機会が広がります。

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ビジネス実務法務検定
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貿易スペシャリスト認定試験
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認定プライバシーコンサルタント

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