企業の法務業務に必要な知識を体系的に学び、実務に活かすことを目的とした資格です。
特に、契約・取引、労務、知的財産、企業コンプライアンス、債権管理などの法律知識を幅広く学べるため、法務・総務・営業・管理部門の担当者や、法律知識を身につけたいビジネスパーソンに適した資格です。
この検定は、東京商工会議所(東商)が主催しており、3級・2級・1級の3つのレベルがあります。
資格の目的と特徴
- 企業活動における基本的な法律知識を習得できる
- 法務部門だけでなく、営業・管理・人事・経理など、幅広い職種で活用できる
- 契約やリスク管理の基礎を学び、トラブルを未然に防ぐ知識を身につける
- 転職や昇進時に、法務知識を持つ証明として活用できる
試験の種類とレベル
ビジネス実務法務検定には、3級・2級・1級の3つのレベルがあります。
レベル | 対象者 | 内容 | 難易度 |
---|---|---|---|
3級 | 初学者、一般社員 | ビジネス法務の基本 | 易しい |
2級 | 法務担当者、管理職 | 企業法務の実務知識 | やや難しい |
1級 | 法務部門の専門職 | 企業法務の応用・戦略 | 難しい |
■主催
東京商工会議所
受験資格と難易度
1. 受験資格
ビジネス実務法務検定には3級・2級・1級の3つのレベルがあります。
試験レベル | 受験資格 |
---|---|
3級 | 誰でも受験可能(学歴・職歴の制限なし) |
2級 | 誰でも受験可能(3級合格は必須ではない) |
1級 | 2級合格者のみ受験可能 |
3級・2級は、特別な受験資格がなく誰でも受験可能ですが、1級は2級合格が必須となります。
2. 試験の難易度
ビジネス実務法務検定の難易度は、3級は基礎レベル、2級は実務レベル、1級は法務専門職向けの高度なレベルです。
試験レベル | 出題内容 | 合格率(推定) | 難易度 |
---|---|---|---|
3級 | 契約・取引、労働法、消費者保護法などの基礎 | 70~80% | 易しい |
2級 | 企業法務、契約書の実務、リスク管理 | 50~60% | やや難しい |
1級 | 企業戦略法務、M&A、国際法務 | 10~20% | 難しい |
3. 難易度のポイント
① 3級(基礎レベル)の難易度
- 基礎知識が中心で、法律の専門的な理解は不要
- ビジネスでよく使われる法律用語を理解していれば合格しやすい
- 過去問を3回以上解けば、独学でも合格可能なレベル
▶ 合格率は70~80%と高めで、難易度は低い
② 2級(実務レベル)の難易度
- 契約書の条文や企業法務の実務的な知識が必要
- 3級よりも法律の理解が深く求められる(特に会社法・独占禁止法・知的財産法)
- 選択肢の中に紛らわしいものがあり、正確な知識が求められる
▶ 合格率は50~60%程度で、実務経験があると合格しやすいが、勉強しないと難しく感じるレベル
③ 1級(専門レベル)の難易度
- 法務の専門職向けで、試験範囲が広く、深い理解が必要
- 記述式問題が含まれ、法律の適用や解釈を論理的に説明する能力が必要
- 経営判断や企業戦略に関わる高度な法律知識が求められる
▶ 合格率は10~20%程度と低く、合格には相当な準備が必要な難関試験
試験内容
試験は3級・2級・1級の3つのレベルがあり、それぞれ試験範囲や難易度が異なります。
1. 試験科目と出題範囲
① 3級(基礎レベル)
試験の目的
- ビジネスパーソンが最低限知っておくべき法律知識を学ぶ
- 企業の取引や契約の基本ルールを理解し、リスクを回避する
試験範囲
分野 | 出題内容 |
---|---|
契約の基本 | 契約の成立、契約書の作成、契約違反時の対応 |
企業取引のルール | 売買契約、請負契約、代理制度 |
債権の管理と回収 | 債権の消滅、時効、保証制度 |
会社法の基礎 | 株式会社の仕組み、取締役・株主の権利義務 |
労働法 | 労働契約、就業規則、解雇のルール |
消費者保護法 | クーリングオフ制度、特定商取引法 |
② 2級(実務レベル)
試験の目的
- 企業の法務担当者が、契約書のチェックや法的リスク管理ができるようになる
- 実務で必要な法律知識を身につけ、社内外のトラブルを防ぐ
試験範囲
分野 | 出題内容 |
---|---|
契約の実務 | 契約条項の詳細、リスク管理、重要契約条項のチェック |
会社法 | 取締役の義務、株主総会、企業の内部統制 |
知的財産権 | 特許、商標、著作権の管理、ライセンス契約 |
独占禁止法・競争法 | カルテル、不正競争防止法 |
個人情報保護法 | GDPRとの違い、企業のデータ管理の基礎 |
国際取引法 | 海外との契約、貿易関連法、輸出管理 |
③ 1級(専門レベル)
試験の目的
- 企業の法務責任者や専門職として、戦略法務を実践できるようになる
- 経営判断に必要な高度な法律知識を身につける
試験範囲
分野 | 出題内容 |
---|---|
企業戦略法務 | M&A、企業統治(コーポレートガバナンス) |
金融・証券法務 | 金融商品取引法、インサイダー取引 |
国際法務 | 海外子会社の法務管理、国際仲裁、国際取引契約 |
リスクマネジメント | 企業不祥事の対応、内部統制の強化 |
労務管理 | 労働組合法、就業規則の適正化、労務トラブル対応 |
▶ 「法務のプロフェッショナルを目指す試験」で、実務経験がある人向け。記述式問題も含まれる。2. 試験形式と合格基準
試験レベル | 形式 | 問題数 | 試験時間 | 合格基準 |
---|---|---|---|---|
3級 | 択一式(選択問題) | 40問 | 90分 | 70%以上の正答率 |
2級 | 択一式(選択問題) | 40問 | 90分 | 70%以上の正答率 |
1級 | 記述式(論述問題) | – | 120分 | 60%以上の正答率 |
3級・2級は選択式ですが、1級は記述式問題が含まれるため、難易度が高くなります。
試験対策
1. 試験科目ごとの対策
① 3級(基礎レベル)対策
対策ポイント
- 契約の基本ルールを理解し、日常業務でトラブルを防ぐ力をつける
- 企業の取引に関する基本的な法律知識を習得する
学習方法
- 公式テキストを熟読し、重要用語を覚える(例:債権、保証、代理)
- 過去問を3回以上解き、選択肢のパターンを把握する
- 契約書の基本構成(契約の成立条件、債務不履行時の対応)を学ぶ
② 2級(実務レベル)対策
対策ポイント
- 企業の契約実務を理解し、契約書のリスクを管理できるようにする
- 会社法、知的財産法、労働法など、企業活動に関わる法律を深く学ぶ
学習方法
- 契約書の条文を読み、リスク管理の視点で考える
- 企業不祥事の事例を調べ、法務の観点から対応策を考える
- 法律用語の意味を正確に理解し、引っかけ問題に注意する
③ 1級(専門レベル)対策
対策ポイント
- 企業の戦略法務(M&A、コーポレートガバナンス)を理解し、経営判断に活かせるようにする
- 法律の適用・解釈を論理的に説明できるようにする
学習方法
- 過去の企業訴訟事例を研究し、リスク管理の視点を養う
- 記述式問題の練習を行い、論理的に説明できるようにする
- 最新の法改正(労働基準法、金融商品取引法など)に対応する
2. 試験対策の具体的な方法
① 公式テキストを活用する
- 試験範囲の全体像を把握し、各章の重要ポイントをノートにまとめる
- 条文の内容を理解し、問題に応じて適用できるようにする
② 過去問を繰り返し解く
- 3~5年分の過去問を解き、出題傾向を分析する
- 解答の根拠を確認しながら、間違えた問題は繰り返し復習する
③ 記述式問題の対策(1級のみ)
- 結論 → 理由 → 具体例の流れで論理的に記述する練習を行う
- 企業の実際の法務トラブルを調べ、再発防止策を考える
④ 模擬試験の実施
- 本番と同じ時間で問題を解き、時間配分を確認する
- 模擬試験を3回以上実施し、合格ライン(70%以上)をクリアできるようにする
3. 重要ポイントのまとめ
試験レベル | 重点対策 |
---|---|
3級 | 契約の基礎、労働法、債権管理、消費者保護法 |
2級 | 契約書のリスク管理、会社法、知的財産権、競争法 |
1級 | M&A、金融・証券法務、国際法務、企業のリスクマネジメント |
取得後に出来ること
取得すると、企業の法務・総務・経営企画・コンプライアンス・リスク管理部門での業務に活かすことができ、転職や昇進の際にも有利になります。
特に、契約管理、取引リスクの回避、労務管理、知的財産管理、企業コンプライアンス対応など、幅広い業務に活用可能です。
1. 企業の法務・コンプライアンス業務に携わる
① 法務部門での活躍
- 契約書の作成・審査(売買契約・業務委託契約・秘密保持契約など)
- 取引リスクの管理(契約違反時の対応、損害賠償請求の準備)
- 企業の内部統制・ガバナンスの強化
2級以上を取得すると、法務部門での専門的な業務に携わる機会が増えます。
② コンプライアンス・リスク管理業務
- 社内コンプライアンス研修の企画・実施
- 企業不祥事の防止策の立案(内部通報制度の整備、内部監査の実施)
- 独占禁止法、個人情報保護法、下請法などの遵守状況の監査
企業のコンプライアンス強化が求められる中で、法的リスクを理解し、適切な対応ができる人材の需要が高まっています。
③ 労務管理・人事業務の強化
- 労働契約書の作成・チェック(雇用契約、就業規則の整備)
- 解雇・残業問題などのトラブル対応(労働基準法の適用)
- ハラスメント防止策の策定と研修の実施
2級を取得すると、企業の人事・労務部門での実務にも活かすことができます。
④ 知的財産・ブランド管理
- 特許・商標・著作権の管理(知的財産権の侵害防止)
- ライセンス契約の管理(使用許諾契約の審査)
- 企業ブランドの保護(商標権の出願・維持)
IT・製造・クリエイティブ業界では、知的財産管理のスキルが評価されるため、資格取得がキャリアアップにつながります。
2. 転職市場での評価向上
ビジネス実務法務検定の取得により、法務・コンプライアンスのスキルが証明され、転職市場での価値が向上します。
転職に有利な業界・職種
業界 | 具体的な職種 |
---|---|
法律事務所・企業法務 | 法務担当、契約管理 |
金融・証券・保険 | コンプライアンス、リスク管理 |
IT・通信 | 知的財産管理、個人情報保護担当 |
メーカー・商社 | 国際契約、貿易法務、知財管理 |
医療・福祉 | 労務管理、個人情報保護 |
官公庁・自治体 | 法務・コンプライアンス担当、公務員試験の法務対策 |
企業がコンプライアンス体制を強化する中、法務知識を持つ人材の需要が高まっており、転職時の評価が向上します。
3. キャリアアップ・昇進に有利
① 社内評価の向上と昇進のチャンス
- 法務・総務・コンプライアンス・リスク管理部門での昇進が期待できる
- 企業のコンプライアンス責任者(CCO:Chief Compliance Officer)候補になれる
- 契約管理・法務対応ができる管理職としての評価が上がる
企業では、コンプライアンス意識の高い人材の需要が増えているため、資格を取得すると昇進のチャンスが広がります。
4. コンサルタント・研修講師として活動可能
① 法務コンサルタントとして独立
- 企業向けの契約リスク診断・アドバイス
- コンプライアンス研修の実施(パワハラ・セクハラ対策、個人情報保護対応)
- 中小企業向けの法務顧問業務(契約書作成支援)
特に、中小企業では法務の専門家が不足しているため、コンサルタントの需要が高まっています。
5. 他の資格と組み合わせて専門性を強化
ビジネス実務法務検定は、他の資格と組み合わせることで、さらに専門性を高めることができます。
資格名 | 活用できる分野 |
---|---|
行政書士 | 企業の契約書作成、法務アドバイザー業務 |
知的財産管理技能検定 | 知財管理、特許・商標管理 |
個人情報保護士 | 企業の個人情報保護・Pマーク運用 |
社会保険労務士(社労士) | 労務管理、就業規則の作成 |
中小企業診断士 | 法務+経営コンサルティング |
CFE(公認不正検査士) | 企業の不正防止、監査業務 |
特に、行政書士・社労士・知的財産管理技能検定と組み合わせると、市場価値が上がります。
6. 取得後にできることのまとめ
取得後のメリット | 活用分野 |
---|---|
企業の法務・コンプライアンス業務に携わる | 法務部、総務部、コンプライアンス部 |
契約書の作成・チェックができる | 企業法務、営業管理、契約審査 |
労務管理・リスク管理に活かせる | 人事・労務、ハラスメント対策 |
転職市場での価値向上 | 法務担当、コンプライアンス、リスク管理 |
コンサルタント・研修講師として独立 | 企業研修、契約アドバイザー |
他の資格と組み合わせて専門性を強化 | 行政書士、社労士、知財管理技能検定 |
企業の法務・コンプライアンスの重要性が増す中、この資格を取得することで、法務知識を持つビジネスパーソンとして活躍の場が広がります。
おすすめの講習、教材
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