公益財団法人 日本ビルヂング経営センターが認定する資格で、不動産管理やビルメンテナンス、テナント対応などの業務に必要な知識を証明するものです。
主にオフィスビルや商業施設などの経営・管理に携わる人が取得を目指します。
この資格は、不動産管理業界において高く評価されており、特にビルのオーナーや管理会社の信頼性向上に寄与する資格とされています。
ビル経営管理士の役割
ビル経営管理士は、主に以下のような業務を担当します。
- ビルの経営計画立案:収益性や運営コストを考慮し、ビルの価値を向上させる戦略を立てる。
- テナント管理:テナント誘致・契約・更新交渉などの対応。
- 設備・維持管理:ビルの設備の点検や修繕計画の策定。
- 法令遵守(コンプライアンス):建築基準法や消防法などの関連法規の遵守。
- リスク管理:防災・防犯対策や保険の適用など。
目次
受験資格と難易度
受験資格
ビル経営管理士の試験を受けるには、一定の実務経験が必要です。以下のいずれかの条件を満たすことで受験できます。
-
ビルの経営管理業務に5年以上の実務経験があること。
- 不動産管理業務、ビルメンテナンス、テナント対応などの業務経験が対象。
-
「不動産・建築関連の資格」を持ち、実務経験が3年以上あること。
- 以下の資格のいずれかを取得している場合、3年以上の実務経験で受験可能。
- 宅地建物取引士(宅建士)
- 管理業務主任者
- 賃貸不動産経営管理士
- 一級・二級建築士
- 設備管理関連資格(建築設備士など)
- 以下の資格のいずれかを取得している場合、3年以上の実務経験で受験可能。
-
大学や専門学校で不動産・建築関連の課程を修了し、実務経験が3年以上あること。
- 大学・短大・専門学校などで不動産、建築、施設管理関連の学科を卒業している場合。
試験の難易度
ビル経営管理士の試験は、「そこまで難関ではないが、油断すると落ちる」レベルと言われています。
合格率
- 約50%前後(年度によって多少変動あり)
- 2人に1人は合格する計算ですが、しっかり勉強しないと合格は難しいです。
難易度のポイント
専門知識が問われる
→ ビル管理の実務経験がないと理解しにくい内容が多い。
法令や財務の知識が必要
→ 宅建や管理業務主任者の知識があると有利。
過去問対策が重要
→ 過去問と同じような問題が出る傾向があるため、しっかり対策すれば合格率UP。
試験内容
試験科目と出題範囲
科目 | 内容 |
---|---|
① ビル経営管理総論 | ビルの経営・管理に関する基本概念、関連法規、リスク管理 |
② テナント管理 | テナント誘致・賃貸借契約・契約更新・退去時対応など |
③ 建築設備管理 | 建物・設備の維持管理、修繕計画、環境対応、エネルギー管理 |
④ 財務・経営管理 | 収益管理、コスト管理、リスクマネジメント、ビル経営戦略 |
① ビル経営管理総論
この科目では、ビルの運営に関する総合的な知識が求められます。
出題内容
- ビル経営の基本概念(プロパティマネジメント・ファシリティマネジメントの違いなど)
- 関連法規(建築基準法、消防法、宅地建物取引業法など)
- リスク管理(地震・火災などの災害対策、保険の活用)
- 資産価値向上のための戦略(リニューアル・コンバージョンなど)
② テナント管理
ビルの収益性に直結する、テナント誘致・管理に関する知識が問われます。
出題内容
- テナント誘致の方法(マーケティング、立地分析)
- 賃貸借契約の種類と特徴(普通借家契約・定期借家契約の違いなど)
- テナントとのトラブル対応(家賃滞納・設備トラブルの対応策)
- 契約更新・解約時のポイント(原状回復義務、敷金・保証金の精算)
③ 建築設備管理
ビルの維持管理に関する知識が問われる科目で、技術的な内容が多いのが特徴です。
出題内容
- 建築物の構造と管理(鉄筋コンクリート造・鉄骨造の特徴など)
- 設備管理の基本(電気・空調・給排水・エレベーターなどの設備維持)
- 定期点検の必要性(法定点検、定期検査報告制度)
- 環境対応・エネルギー管理(省エネ対策、ZEB(ゼロ・エネルギービル))
④ 財務・経営管理
ビル経営に必要な財務知識・経営戦略を問う科目です。
出題内容
- ビルの収支管理(収入・支出のバランス、修繕積立金の管理)
- 財務諸表の読み方(損益計算書、貸借対照表)
- コスト削減の方法(メンテナンス費用の削減、共益費の最適化)
- リスクマネジメント(倒産リスク、天災リスクへの備え)
試験形式
- 試験方式:マークシート方式(選択式)
- 出題数:4科目合計で約80問程度
- 試験時間:2時間30分
- 合格基準:各科目ごとに60%以上の正答率が必要
試験対策
科目別の対策方法
ビル経営管理総論(基礎知識・法規)
- 建築基準法、消防法、宅地建物取引業法などの法規を重点的に勉強
- プロパティマネジメントとファシリティマネジメントの違いを理解
- 過去問でよく出題されるリスク管理(災害対策、保険)を重点的に復習
テナント管理(賃貸借契約・管理)
- 普通借家契約・定期借家契約の違いを明確にする
- テナントとのトラブル事例を学び、解決方法を理解
- 退去時の原状回復や敷金・保証金の精算ルールを覚える
建築設備管理(設備・維持管理)
- 電気・空調・給排水設備の基本構造を学ぶ
- 法定点検や定期検査報告制度を理解する
- 環境対策(省エネ、ZEBなど)についての基礎知識を押さえる
財務・経営管理(収支管理・コスト管理)
- 損益計算書、貸借対照表の基礎を学ぶ
- ビルの収益構造(賃料収入、管理費、修繕積立金など)を理解する
- コスト削減の方法(メンテナンス費の最適化など)を押さえる
効果的な勉強法
1. 公式テキストを活用する
ビル経営管理士試験の公式テキスト(日本ビルヂング経営センター発行)をしっかり読み込み、試験の基礎知識を習得することが重要です。
2. 過去問を徹底的に解く
- 過去問は最低3年分解く(同じような問題が繰り返し出題されるため)
- 間違えた問題をノートにまとめて復習
3. 法律・財務の基本を押さえる
- 宅建のテキストや管理業務主任者の参考書を活用すると、法令・財務の理解が深まる
- 計算問題(収支管理、財務諸表など)も練習しておく
4. 模擬試験を実施する
- 試験時間(2時間30分)に合わせて模擬試験を解くことで、本番の時間配分に慣れる
- 時間内に解けるように、問題を解くスピードを意識する
よく出る重要ポイントまとめ
- ビル管理に関する法律(建築基準法、消防法、宅建業法)
- 普通借家契約・定期借家契約の違い
- ビルの設備管理(法定点検の内容、定期検査報告制度)
- 財務諸表の基礎(損益計算書、貸借対照表の読み方)
- 収益構造とコスト管理(修繕費、管理費、テナント賃料)
取得後に出来ること
キャリアアップ・転職に有利
不動産・ビル管理業界での評価向上
ビル経営管理士は、ビルの管理・運営に関する専門知識を持つ証明となるため、不動産管理会社やビルオーナーからの評価が高まります。
管理職・専門職への昇進の可能性
- 不動産管理会社での 管理職(部長・課長) への昇進
- ビルメンテナンス会社での 専門職(設備管理責任者など) へのステップアップ
- デベロッパーや不動産ファンドでの アセットマネジメント担当 への道
転職市場での価値向上
- プロパティマネジメント(PM)会社(ビル管理・運営)
- ファシリティマネジメント(FM)会社(建物・設備管理)
- 不動産ファンド・REIT関連企業(資産運用管理)
- 不動産コンサルティング会社(経営戦略立案)
特に、宅建士や管理業務主任者などの資格と併せて持っていると、転職市場での価値が大幅に向上します。
独立・起業の可能性
ビル管理会社の設立
ビル経営管理士の知識を活かして、ビル管理業務を請け負う会社を設立することも可能です。
- テナント管理
- 設備メンテナンスの管理業務
- ビルの経営コンサルティング
不動産投資・ビル経営に活用
資格取得により、不動産投資やビル経営に関する知識が深まるため、自分でビルを所有・運営する際にも役立ちます。
- 収益性の高い物件選定ができる
- テナント管理や賃貸借契約の知識が活かせる
- 経費削減やコスト管理のノウハウが身につく
業務の幅が広がる(できる仕事の例)
ビル経営に関する業務
- テナント誘致・賃貸借契約の管理(テナントとの契約交渉、賃料設定)
- ビルの経営計画の立案(コスト管理、収益性向上の戦略)
- 建物の維持管理業務(設備点検の計画策定、修繕工事の実施)
- 法令遵守・リスク管理(建築基準法・消防法の対応、防災計画の策定)
財務・コスト管理業務
- ビルの収支管理(家賃収入、管理費、修繕費のバランス調整)
- 経営戦略の策定(ビルの資産価値向上のためのリニューアル計画など)
- 投資分析・不動産評価(不動産の市場価値、収益性の分析)
関連資格との組み合わせで更に活躍
宅地建物取引士(宅建士)との併用
- 不動産取引の知識+ビル管理の知識で、不動産業界での業務範囲が拡大
- 不動産売買・賃貸仲介とビル管理の両方ができるようになる
管理業務主任者との併用
- マンション管理とビル管理の両方の知識を持つことで、管理会社での評価が向上
- マンション管理組合との交渉・運営サポートも可能
賃貸不動産経営管理士との併用
- 賃貸住宅の管理業務とビル管理の両方の業務ができる
- 賃貸経営のコンサルティング業務にも役立つ
企業からの信頼性向上
ビル経営管理士の資格を持つことで、管理会社やオーナーからの信頼が向上し、ビル管理業務の受注が増える可能性があります。
- 取引先との交渉時に「資格保有者」としての信頼を得られる
- 国や自治体の入札案件で「資格保持者」が求められるケースがある
建築系資格一覧
一級建築士
二級建築士
木造建築士
構造設計一級建築士
設備設計一級建築士
建築施工管理技士
建築図面製作技能士
土木施工管理技士
ビル経営管理士
不動産鑑定士
測量士
宅地建物取引主任者
管理業務主任者
マンション管理士
土地家屋調査士
玉掛技能講習
環境計量士
管工事施工管理技士
建設機械施工技士
建築設備士
建築業経理士
コンクリート技士
CAD実務キャリア認定制度
CADトレース技能審査
建築CAD検定試験
Autodesk認定試験
3次元CAD利用技術者試験
マンションリフォームマネージャー
ダッソー・システムズ CATIA 認定資格
マンション維持修繕技術者
REセールスパーソンライセンス