ファイナンシャル・プランニング技能士

(社)金融財政事情研究会(きんざい)は、金融や財務に関する資格試験や研修を提供する団体で、「ファイナンシャル・プランニング技能士(FP技能士)」の試験を実施しています。

FP技能士は国家資格であり、以下の3つの級に分かれています。

1級FP技能士

  • 最上位資格で、FPとして高度な知識・実務経験が求められる
  • 試験は「学科試験」と「実技試験」があり、きんざいでは「資産相談業務」分野で実技試験を実施

2級FP技能士

  • 実務レベルでのFP知識を証明する資格
  • 受験資格として、3級合格者、実務経験2年以上、日本FP協会のAFP認定研修修了者などの条件がある
  • きんざいでは「個人資産相談業務」「中小事業主資産相談業務」の2分野で実技試験を実施

3級FP技能士

  • FPの基礎資格で、初心者向け
  • 受験資格に制限はなく、誰でも受験可能
  • きんざいでは「個人資産相談業務」の分野で実技試験を実施

試験は年に3回(5月・9月・1月)実施され、FPとして金融・保険・税務・不動産・年金・相続など幅広い分野の知識が問われます。きんざいの試験は、実務寄りの内容が多いのが特徴です。

興味がある場合、きんざいの公式サイトで最新の試験日程や受験要項を確認するのがおすすめです。

主催
(社)金融財政事情研究会

受験資格と難易度

FP技能士試験は「3級・2級・1級」の3つのレベルに分かれており、それぞれ受験資格が異なります。

3級FP技能士(初心者向け)

受験資格

  • 制限なし(誰でも受験可能)

難易度

  • 基礎的な内容が中心で、独学でも合格可能
  • 金融業界未経験者でも勉強すれば十分合格できるレベル

合格率(目安)

  • 学科試験:約80%
  • 実技試験:約90%

2級FP技能士(実務レベル)

受験資格(いずれかを満たせばOK)

  1. 3級FP技能士に合格している
  2. FP業務の実務経験が2年以上ある
  3. 日本FP協会のAFP認定研修を修了している

難易度

  • 3級より幅広い知識が求められ、計算問題も増える
  • 独学でも可能だが、実務経験がない場合は時間をかけてしっかり対策が必要

合格率(目安)

  • 学科試験:約40〜50%
  • 実技試験:約60〜70%

1級FP技能士(最上級資格)

受験資格(学科試験の受験資格)

  1. 2級FP技能士合格後、FP業務の実務経験が1年以上ある
  2. FP業務の実務経験が5年以上ある

受験資格(実技試験の受験資格)

  1. 学科試験の合格者
  2. 日本FP協会のCFP®認定者(CFP試験に合格していれば実技試験を受験可能)

難易度

  • 問題の難易度が高く、実務的なケーススタディが多い
  • 学科試験は非常に難しく、計算問題や実務知識が問われる
  • 独学では厳しいため、テキスト+問題集に加え、実務経験や講座受講が有効

合格率(目安)

  • 学科試験:約10〜15%
  • 実技試験(きんざい):約30〜40%

まとめ

資格 受験資格 難易度 合格率(目安)
3級FP技能士 誰でも受験可能 易しい 学科80%、実技90%
2級FP技能士 3級合格、実務経験2年以上、AFP認定研修修了のいずれか 普通 学科40〜50%、実技60〜70%
1級FP技能士 2級+実務1年以上 or 実務5年以上 難しい 学科10〜15%、実技30〜40%

FP試験は「3級→2級→1級」と段階的にレベルアップする仕組みなので、未経験者はまず3級から受験するのが一般的です。

特に1級は合格率が低く、難関資格なので、十分な対策が必要になります。

試験内容

FP技能士試験は、「学科試験」と「実技試験」の2つで構成されています。

学科試験(共通)

学科試験は全級共通で、以下の6分野について出題されます。

試験範囲(6分野)

  1. ライフプランニングと資金計画

    • ライフプランニングの手法
    • 社会保険(健康保険・年金など)
    • 公的年金制度(厚生年金・国民年金)
    • 住宅ローン、教育資金
    • 金融資産運用計画
  2. リスク管理

    • 生命保険・損害保険の仕組み
    • 保険商品の種類と特徴
    • 保険と税金
  3. 金融資産運用

    • 預貯金・株式・投資信託・債券
    • 金融市場の動向と投資理論
    • リスクとリターン
  4. タックスプランニング

    • 所得税の計算(給与所得・事業所得など)
    • 税額控除、ふるさと納税
    • 確定申告、青色申告
  5. 不動産

    • 不動産の評価方法
    • 不動産取引、賃貸・売買契約
    • 税制(固定資産税、不動産取得税など)
  6. 相続・事業承継

    • 相続税・贈与税の仕組み
    • 遺言、遺産分割、民法の基礎
    • 事業承継の対策

学科試験の形式

資格 出題形式 問題数 試験時間 合格基準
3級 マークシート(○×・3択) 60問 120分 36問以上正解(60%以上)
2級 マークシート(4択) 60問 120分 36問以上正解(60%以上)
1級 マークシート + 記述式 50問 180分 60%以上

3級・2級はすべて選択問題ですが、1級は一部記述式があり、難易度が高いです。

実技試験(きんざい・日本FP協会)

実技試験は「きんざい」と「日本FP協会」の2つの団体が実施しており、受験者はどちらかを選択します。

実技試験の形式

資格 きんざい(金融財政事情研究会) 日本FP協会
3級 個人資産相談業務 資産設計提案業務
2級 個人資産相談業務、中小事業主資産相談業務 資産設計提案業務
1級 資産相談業務 なし

きんざいは「金融機関向け」、日本FP協会は「一般向け」の傾向があります。

実技試験の内容

3級

  • きんざい(個人資産相談業務)

    • 事例に基づく○×問題と計算問題
    • 税金、保険、金融商品などに関する基礎的な知識
  • 日本FP協会(資産設計提案業務)

    • 与えられた条件で最適な金融プランを選択する問題
    • 6分野の基礎知識を活用

試験時間:60分(合格基準60%以上)

2級

  • きんざい(個人資産相談業務)

    • 事例に基づく記述式問題(税金計算・保険設計など)
    • 資産運用、不動産、相続の相談業務
  • きんざい(中小事業主資産相談業務)

    • 事業主向けの税務・資産管理に関する事例問題
  • 日本FP協会(資産設計提案業務)

    • 顧客のライフプランに基づく提案
    • 文章・グラフ・表から正しい回答を選択

試験時間:90分(合格基準60%以上)

1級

  • きんざい(資産相談業務)

    • 記述式(論述問題あり)
    • 顧客の詳細な相談事例を分析し、税務・資産運用・保険など総合的なプランを提案
  • 日本FP協会の実技試験なし

    • CFP資格を持っていれば、1級FP技能士の実技試験が免除される

試験時間:120分(合格基準60%以上)

試験の特徴と対策

  1. 3級は基礎的な知識が中心で、過去問演習が有効

    • 簡単な暗記が多いため、テキストと問題集で対策可能
  2. 2級は計算問題が増え、実務に即した問題が多い

    • 過去問を繰り返し解くことが重要
  3. 1級は記述問題や論述問題があり、実務経験がないと難しい

    • 1級対策講座やCFP取得を検討すると効率的

試験対策

1. 共通の試験対策

① 公式テキスト・問題集を活用する

  • きんざい公式テキスト(実技試験がきんざいの場合におすすめ)
  • 日本FP協会のテキスト(日本FP協会の実技試験向け)
  • 過去問題集(学科・実技どちらも必須)
    • 3年分の過去問を最低3回は繰り返す

② 過去問演習を徹底する

  • FP試験は過去問からの出題が多い
  • 直近3〜5年分の過去問を解き、出題傾向を把握する
  • 間違えた問題は必ず復習し、理解できるまで解説を読む

③ 試験範囲を6分野ごとに計画的に勉強

FP試験の範囲は広いため、1日1分野ずつ学習すると効率的。

学習スケジュール例(1ヶ月間)

  • 1週目:ライフプランニング・リスク管理
  • 2週目:金融資産運用・タックスプランニング
  • 3週目:不動産・相続・事業承継
  • 4週目:実技試験対策 + 過去問演習

2. 3級FP技能士の試験対策

学科試験対策

  • 基礎知識をしっかり固める

    • テキストを1回読み通す
    • 過去問を解いて出題パターンを覚える
  • 暗記が中心なので、頻出ポイントを抑える

    • ライフプラン、社会保険、公的年金の仕組み
    • 所得税の計算(給与所得控除・税額控除)
    • 生命保険・損害保険の特徴

実技試験対策

  • 3級は基本問題が多いため、過去問を解けば対応可能
  • 「個人資産相談業務(きんざい)」か「資産設計提案業務(日本FP協会)」を選ぶ
  • 簡単な計算問題(税金・ローン・保険料)に慣れる

目標学習時間

  • 30〜50時間(約1ヶ月の学習)
  • 過去問演習を3回以上行えば合格しやすい

3. 2級FP技能士の試験対策

学科試験対策

  • 3級と比べ、計算問題や応用問題が増える
  • 公式テキストを活用しながら、必ず過去問を解く
  • 頻出テーマを重点的に学習(以下が特に重要)
    • ライフプランと年金(厚生年金・国民年金の計算)
    • 所得税の控除・計算
    • 相続税・贈与税の計算
    • 不動産の評価と税金

実技試験対策

  • 計算問題の出題が増えるため、問題を解きながら学ぶ
  • きんざいの「個人資産相談業務」か「中小事業主資産相談業務」を選択
  • 具体的な数値を使った問題(ローン計算・税金計算・保険料計算)を練習する
  • 日本FP協会の「資産設計提案業務」では、総合的な提案力を求められる

目標学習時間

  • 100〜150時間(2〜3ヶ月の学習)
  • 過去問を最低3回繰り返し解く

4. 1級FP技能士の試験対策

学科試験対策

  • 記述問題があるため、計算と論述の両方を対策する
  • 実務経験が必要なため、過去問だけでは対応できない部分も多い
  • 重点的に学ぶべきテーマ
    • 高度な税務知識(相続税・贈与税・法人税)
    • 不動産評価(鑑定評価・収益還元法)
    • 金融商品のリスクとリターン計算

実技試験対策(きんざい)

  • 記述式の問題が多く、論述対策が必要
  • 事例に基づいた解答を作成する練習をする
  • 「資産相談業務」は、顧客の具体的な状況を分析し、最適な提案を記述する力が求められる
  • 過去問の模範解答を参考にしながら、記述の型を学ぶ

目標学習時間

  • 300時間以上(6ヶ月以上の学習)
  • 実務経験がない場合は独学では厳しく、講座受講やCFP試験を活用すると合格しやすい

5. 試験直前対策

① 1ヶ月前〜2週間前

  • すべての範囲を学習し終える
  • 過去問を重点的に解く(最低3回繰り返す)
  • 計算問題(税金・年金・ローン・保険料)はスムーズに解けるようにする

② 1週間前

  • 苦手分野の克服に集中する
  • 頻出ポイントを総復習
  • 実技試験の過去問を解いてシミュレーション

③ 試験前日

  • 新しいことは覚えず、これまでの復習をする
  • 試験当日の持ち物を準備(電卓・受験票・筆記用具)

取得後に出来ること

1. 3級FP技能士でできること

主な活用方法

  • 日常生活や自分の資産管理に活かせる

    • 家計の管理
    • 住宅ローンや保険の選び方
    • 税金や年金の基礎知識
  • 金融・保険・不動産業界の基礎資格

    • 就職・転職時に金融業界の基礎知識として評価される
    • 生命保険・損害保険の営業担当者が基礎知識を持つために活用
    • 銀行や証券会社の新入社員研修で取得を推奨されることが多い
  • 副業としての活用

    • 家計相談アドバイザー(副業)
    • ブログやSNSでお金に関する情報を発信

できる業務

  • 自分自身や身近な人へのアドバイス
  • FP業務の基礎知識を活かして、金融業界でのキャリアスタート

向いている人

  • お金に関する知識を身につけたい人
  • 金融業界へ就職・転職を考えている人
  • 家計の管理をしっかりしたい人

2. 2級FP技能士でできること

主な活用方法

  • 企業のFP業務に従事できる

    • 銀行・証券会社・保険会社のコンサルティング業務
    • 不動産業界での住宅ローンや資産運用のアドバイス
    • 税理士事務所や会計事務所での補助業務
  • 独立や副業としての活用

    • FP相談業務(ただし独占業務ではない)
    • 家計相談、ライフプランニングのアドバイザー
    • 保険・住宅ローン・資産運用の個別相談
  • 金融業界でのキャリアアップ

    • 銀行員・証券営業・保険代理店での専門知識を活用
    • 不動産業界での税金・ローン・相続の知識が役立つ

できる業務

  • 顧客のライフプランニング相談
  • 住宅ローンや資産運用のアドバイス
  • 企業内FPとして従事(金融・保険・不動産業界)
  • FP事務所での補助業務
  • 副業でのFP相談業務(ただし独立には1級やAFP・CFPが望ましい)

向いている人

  • 金融・保険・不動産業界でキャリアアップしたい人
  • 副業でFP業務を行いたい人
  • 家計管理や資産運用を専門的に学びたい人

3. 1級FP技能士でできること

主な活用方法

  • 独立してFPとして活動できる

    • FP事務所を開業し、コンサルティング業務を行う
    • 法人向けの資産運用や税務相談が可能
  • 企業の経営者・富裕層向けコンサルティング

    • 相続対策・事業承継アドバイス
    • 法人向けの資産運用や税務プランニング
    • 高額所得者向けのファイナンシャルプランニング
  • 金融・不動産業界での高度な業務

    • 銀行や証券会社の資産コンサルタント
    • 不動産投資アドバイザー
    • 企業の財務部門・経営企画部門での資産管理
  • AFP・CFPとの組み合わせでさらに活躍

    • FP協会のAFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)やCFP(国際ライセンス)を取得することで、より専門性の高い業務が可能
    • CFPを取得すれば「1級FP技能士の実技試験が免除」される

できる業務

  • 独立FPとしてコンサルティング
  • 富裕層・法人向けの資産運用・税務相談
  • 企業の財務アドバイザー
  • 金融業界のプロフェッショナルとして活動

向いている人

  • 独立してFP業務をしたい人
  • 企業の財務や経営相談に関わりたい人
  • 税務・相続・資産運用のプロフェッショナルになりたい人

4. どの業界で活かせるか

FP技能士の資格は、多くの業界で活かせます。

業界 活かせる業務 活かしやすいFP級
銀行・証券 投資信託、金融商品販売、資産運用コンサルティング 2級以上
保険業界 生命保険・損害保険の提案、ライフプラン相談 2級以上
不動産業界 住宅ローン相談、不動産投資アドバイス 2級以上
税理士・会計士補助 相続税・贈与税・所得税のアドバイス 2級・1級
企業の財務部門 会社の資産管理、税務戦略、投資戦略 1級
FP独立開業 家計相談、相続対策、法人コンサルティング 1級(CFPが望ましい)
教育・講師 FPスクールの講師、企業研修 2級・1級

5. FP資格だけで独立できるか?

FP技能士は**「独占業務がない資格」**なので、FP資格だけで独立するのは難しい場合があります。
独立を考えるなら、以下の資格と組み合わせると仕事の幅が広がります。

独立に役立つ資格

  • AFP・CFP(FP協会認定資格)
  • 税理士・社労士・行政書士
  • 宅地建物取引士(宅建)
  • 証券外務員・生命保険募集人資格

おすすめの講習、教材

教材

 講座

財務・経営系資格一覧

公認会計士
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簿記検定
ファイナンシャル・プランニング技能士
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簿記能力検定
建設業経理検定
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ファイナンシャル・プランナー
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マーケティング・ビジネス実務検定
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不動産証券化協会認定マスター
モーゲージプランナー
銀行業務検定試験
BATIC(国際会計検定)
CPA(米国公認会計士)
米国公認管理会計士
米国税理士(EA)
PMP試験
CISA(公認情報システム監査人)
CIRP(サーティファイド・IRプランナー)
シニアリスクコンサルタント
ITコーディネータ資格認定制度
ファイナンシャル・リスクマネージャ
アクチュアリー資格試験
二種外務員資格試験
CIA(公認内部監査人)
CFA(CFA協会認定証券アナリスト)
ホスピタリティ検定試験
イベント業務管理者
ファシリティマネージャー
PRプランナー資格認定制度
プロジェクトマネジメント資格
VEリーダー認定試験
販売士検定
セールススキル検定試験
セールスレップ資格認定制度
販路コーディネータ資格認定制度
交渉アナリスト
CISM(公認情報セキュリティマネージャー)

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