文書管理やファイリングの専門知識を認定する資格です。企業や行政機関において、効率的な文書管理を実現するために必要なスキルを証明するものです。
ファイリングの基本から、電子文書管理や情報共有の方法まで幅広くカバーされています。
資格の概要
資格名称
- ファイリング・デザイナー検定
認定機関
- 公益社団法人 日本経営協会(NOMA)
目的
- 文書や情報を効率的に整理・管理するスキルを身につける
- 電子文書と紙媒体を適切に管理し、業務の効率化を図る
- 企業や行政機関での文書管理の専門家としてのスキルを証明する
■主催
社団法人 日本経営協会
目次
受験資格と難易度
受験資格
ファイリング・デザイナー検定は、3級から順番に受験する必要があります。資格の段階ごとに受験条件が異なります。
資格級 | 受験資格 |
---|---|
3級 | 受験資格なし(誰でも受験可能) |
2級 | 3級合格者 または 実務経験者 |
1級 | 2級合格者 または 相応の実務経験者 |
- 3級は基礎知識を問う試験のため、文書管理やファイリングの経験がなくても受験可能です。
- 2級は実務レベルの内容が含まれるため、3級の合格または文書管理業務の経験が求められます。
- 1級は専門家レベルであり、組織全体のファイリングシステム構築に関わる知識が必要なため、2級合格または相応の実務経験が求められます。
難易度
試験の難易度は、級ごとに大きく異なります。
資格級 | 難易度 | 合格率(目安) | 必要な学習時間 |
---|---|---|---|
3級 | 易しい | 70~80% | 20~30時間 |
2級 | やや難しい | 50~60% | 50~80時間 |
1級 | 難しい | 30~40% | 100時間以上 |
試験内容
3級・2級・1級の3段階に分かれており、それぞれ試験範囲や出題形式が異なります。以下に各級ごとの試験内容を詳しく解説します。
3級(基礎レベル)
試験の目的
3級はファイリングの基本知識を理解し、適切な文書管理の基礎を身につけることが目的です。
試験内容
出題範囲 | 内容 |
---|---|
文書管理の基本概念 | – 文書とは何か(文書・記録・情報の違い) – ファイリングの必要性(業務効率化・情報共有・リスク管理) |
文書のライフサイクル | – 文書の作成、分類、保管、活用、廃棄までの流れ |
ファイリングシステムの種類 | – アルファベット順、日付順、番号順、件名順など |
文書の分類方法 | – インデックス(索引)の作成 – 体系的な分類(大分類・小分類) |
保管方法とルール | – ファイリングキャビネットの使用方法 – 物理的な保管(フォルダー・バインダー管理) |
廃棄と保存期間 | – 文書の保存期間の設定(法的要件を考慮) – 文書の適切な廃棄(シュレッダー・リサイクル) |
電子文書管理の基本 | – 電子ファイリングの基礎知識(デジタルデータの整理) |
ファイリングの実務 | – 会社や職場での具体的なファイリング作業 |
出題形式
- 択一式(マークシート)
- 問題数:40問程度
- 試験時間:60分
- 合格基準:70%以上の正答率
2級(実務レベル)
試験の目的
2級は、実際の業務で文書管理を適切に行い、組織のファイリングシステムを構築・運用できる能力を証明するものです。
試験内容
出題範囲 | 内容 |
---|---|
業務における文書管理の役割 | – 業務効率化のためのファイリング手法 – 文書管理が組織にもたらす効果 |
組織のファイリングシステム | – 企業・行政機関の文書管理ポリシー – 業務プロセスの改善に向けたファイリング設計 |
文書の分類と検索 | – 効果的な分類方法と検索性の向上 – メタデータの活用(タグ付け) |
電子文書管理の実践 | – ペーパーレス化の進め方 – クラウドストレージやDMS(文書管理システム)の活用 |
保存・廃棄のルール策定 | – 法規制に基づく保存期間の設定(会社法・電子帳簿保存法) – 文書のリスク管理(改ざん・漏洩防止) |
ファイリング計画の立案 | – 社内文書管理の改善提案の作成 – 企業での文書管理の課題解決 |
情報セキュリティ | – 文書の機密性・完全性・可用性の確保 |
ケーススタディ(実務問題) | – 文書管理の課題を読み取り、解決策を提案 |
出題形式
- 択一式+記述式
- 問題数:50問程度
- 試験時間:90分
- 合格基準:60%以上の正答率
1級(専門家レベル)
試験の目的
1級は、企業や行政機関における文書管理の責任者として、組織全体のファイリング戦略を設計・運用できることを証明するものです。
試験内容
出題範囲 | 内容 |
---|---|
組織全体の文書管理戦略 | – 文書管理方針の策定(ガイドラインの作成) – DX(デジタル・トランスフォーメーション)との統合 |
文書管理システムの導入と運用 | – DMS(Document Management System)の選定・運用 – 文書管理のKPI設定(業務効率の指標化) |
リスクマネジメントとコンプライアンス | – 個人情報保護法・電子帳簿保存法の適用 – 文書改ざん防止策(ブロックチェーン技術など) |
クラウド・AI技術を活用したファイリング | – AIを用いた文書分類・検索システム – クラウドストレージのセキュリティ対策 |
実務課題の解決提案(ケーススタディ) | – 文書管理の改善策をレポート形式で提出 |
論述試験 | – 文書管理の未来とDXの影響について論述 |
出題形式
- 択一式+記述式+論述試験
- 試験時間:120分
- 面接試験が課される場合もある
- 合格基準:60%以上の正答率
試験内容まとめ
資格級 | 試験内容 | 出題形式 | 難易度 |
---|---|---|---|
3級 | 文書管理の基礎知識 | 択一式(マークシート) | 易しい |
2級 | 実務レベルのファイリング | 択一+記述式 | やや難しい |
1級 | 組織の文書管理戦略 | 択一+記述+論述試験 | 難しい |
試験対策
試験対策の基本戦略
効率的な学習ステップ
-
試験概要を把握する
- 各級の出題範囲と試験形式を理解する。
- 公式テキストを確認し、学習計画を立てる。
-
公式テキストを活用する
- 日本経営協会(NOMA)が発行する公式テキストを中心に学習する。
- 各章ごとにポイントを整理し、重要項目をまとめる。
-
過去問・模擬試験で実践練習
- 出題傾向を把握し、時間配分を意識して解く。
- 間違えた問題は、解説を読み込んで理解を深める。
-
実務を意識した学習(2級・1級)
- 実務経験がない場合は、ケーススタディ問題を多く解く。
- 文書管理のルールやファイリング手法を実務に当てはめて考える。
3級の試験対策(基礎レベル)
試験の特徴
- 合格率:70~80%
- 試験形式:択一式(マークシート)
- 勉強時間の目安:20~30時間
- 難易度:基礎知識レベル(独学可能)
重要ポイント
学習範囲 | 試験対策のポイント |
---|---|
文書管理の基本概念 | 文書・記録・情報の違いを整理する |
文書のライフサイクル | 文書の作成・分類・保管・廃棄の流れを覚える |
ファイリングの種類 | アルファベット順・日付順・番号順の違いを理解 |
保管と保存期間 | 文書の適切な保存期間(法的要件)をチェック |
電子文書管理 | 紙と電子の管理の違いを把握 |
学習方法
- 公式テキストを一周読む(基礎知識を習得)
- 章末問題を解きながら、重要ポイントをノートにまとめる
- 過去問を解く(最低3回)
合格のポイント
- キーワードを覚える(文書管理の基本用語)
- 試験直前に、誤答した問題を重点的に復習する
2級の試験対策(実務レベル)
試験の特徴
- 合格率:50~60%
- 試験形式:択一+記述式(実務問題あり)
- 勉強時間の目安:50~80時間
- 難易度:実務経験があると有利
重要ポイント
学習範囲 | 試験対策のポイント |
---|---|
文書管理システム | 文書のライフサイクルを業務に適用できるか |
電子文書管理 | DMS(文書管理システム)の特徴を理解する |
保管・廃棄ルール | 法規制に基づく保存期間の設定 |
ファイリング計画 | 効果的な文書分類方法を考える |
ケーススタディ | 文書管理の課題を解決する視点を持つ |
学習方法
- 公式テキスト+過去問を活用する
- 企業・行政の文書管理ルールを調べる(実務を意識)
- 記述問題の練習(論理的に説明できるようにする)
- ケーススタディ対策(文書管理の問題点→解決策を考える)
合格のポイント
- ファイリングの実務を意識して学ぶ
- 記述式問題は、簡潔かつ論理的に書く練習をする
- 電子文書管理の仕組みを理解する(クラウド・DMS)
1級の試験対策(専門家レベル)
試験の特徴
- 合格率:30~40%
- 試験形式:択一+記述+論述試験(面接試験の可能性あり)
- 勉強時間の目安:100時間以上
- 難易度:難しい(実務経験がないと厳しい)
重要ポイント
学習範囲 | 試験対策のポイント |
---|---|
文書管理戦略 | 企業の文書管理ポリシーを設計できるか |
DXと文書管理 | デジタル化・AI活用・ペーパーレスの知識 |
リスクマネジメント | コンプライアンス・法規制の適用 |
ケーススタディ | 文書管理の課題解決策を論理的に提案 |
論述試験 | 文書管理の未来についての考察 |
学習方法
- 公式テキスト+専門書で深く学ぶ
- 実際の企業・行政の文書管理事例を研究する
- 論述対策(課題解決型のレポート練習)
- 模擬試験で時間配分を確認する
合格のポイント
- 企業レベルでのファイリング戦略を考えられるか
- 論述問題は、実例を交えて具体的に書く
- DXや電子文書管理の最新動向を把握する
取得後に出来ること
取得すると、文書管理や情報整理のスキルを活かし、企業や行政機関で活躍できる機会が広がります。特にDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進や情報セキュリティの分野でも重要な役割を果たします。
就職・転職で有利になる職種
ファイリング・デザイナー資格は、以下のような職種で評価されます。
企業内での活用
職種 | 業務内容 | 資格の活かし方 |
---|---|---|
総務・事務職 | 社内文書の管理・整理 | ファイリングルールの策定・運用 |
経理・財務 | 契約書・会計書類の管理 | 法定保存期間の管理・電子化推進 |
人事・労務 | 従業員の個人情報・労務管理書類の整理 | 個人情報の適切な保存と管理 |
情報管理・DX推進 | ITシステムを活用したデータ管理 | クラウドストレージの運用・セキュリティ対策 |
行政・公共機関での活用
部門 | 業務内容 | 資格の活かし方 |
---|---|---|
市役所・県庁の文書管理課 | 行政文書の保存・公開 | 公文書管理法に基づく適切な保存 |
法務・コンプライアンス部門 | 文書の監査・規程作成 | 企業の情報管理ポリシー策定 |
図書館・アーカイブ管理 | 歴史的文書・研究資料の管理 | 文書分類・保存方法の設計 |
キャリアアップ・昇進のチャンス
資格を取得すると、企業の文書管理の専門家としてキャリアアップの道が開けます。
取得級 | 期待されるキャリア |
---|---|
3級(基礎レベル) | 事務職・アシスタントとして、文書整理を正しく実施できる |
2級(実務レベル) | 企業の文書管理担当者・DX推進担当として活躍できる |
1級(専門家レベル) | 文書管理責任者・DX推進リーダー・管理職として昇進 |
- 2級取得後 → 文書管理の改善プロジェクトに関わる
- 1級取得後 → 企業の文書管理ポリシー策定やDX推進を担当
企業の業務改善に貢献
文書管理の最適化
- 紙文書をデジタル化し、業務効率を向上
- 検索性を高め、情報共有をスムーズに
- 無駄な保管コストを削減し、コストカットを実現
DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進
- クラウドストレージの導入・運用を担当
- AIを活用した文書検索・分類の自動化
- 電子契約システム(DocuSign、クラウドサインなど)の活用
コンプライアンス強化
- 法律に準拠した文書保存(電子帳簿保存法、公文書管理法)
- 企業のリスク管理(改ざん防止・セキュリティ対策)
- ISO 9001(品質管理)・ISO 27001(情報セキュリティ)取得支援
独立・コンサルタントとしての活動
資格を活かして文書管理コンサルタントとして独立することも可能です。
コンサルティング業務
業務内容 | クライアント |
---|---|
企業の文書管理システムの構築支援 | 中小企業・大手企業 |
電子文書管理の導入サポート | 企業のDX推進担当 |
文書管理の監査・コンプライアンス指導 | 法務・監査部門 |
ファイリング研修の講師 | 企業研修・自治体職員向け |
- 特にDX推進と組み合わせると、高い需要が期待できる
- 中小企業向けに電子化支援サービスを提供するビジネスも可能
ファイリング・デザイナー資格の将来性
企業のDX推進と連携
企業では、紙ベースの文書管理からデジタル化への移行が進んでいます。
- クラウドストレージ(Google Drive, Dropbox, OneDrive)
- 文書管理システム(DMS, ECM)
- AIによる文書検索・分類の自動化
こうした変化の中で、ファイリングの専門知識を持った人材は企業にとって重要な存在になります。
コンプライアンス・ガバナンスの強化
近年、情報漏洩・データ管理不備による企業リスクが問題視されており、文書管理の適正化が求められています。
- 改ざん・不正アクセスの防止
- 契約書・財務資料の適正管理
- 公的機関の文書管理基準の強化
これらの課題に対応するため、ファイリング・デザイナー資格の価値は今後さらに高まると考えられます。
事務系資格一覧
秘書技能検定
ビジネス文書検定
日本漢字能力検定
ビジネス・キャリア検定
日本語コミュニケーション能力認定試験
速記技能検定
校正技能検定
校正士
書道
レタリング技能検定
賞状技法士
硬筆書写検定
文部科学省後援毛筆書写技能検定
ファイリング・デザイナー
米国秘書検定(CPS)
テープライター
電子化ファイリング検定
日商珠算能力検定試験
珠算検定
実用マナー検定
計算実務能力検定
電卓技能検定
ビジネス能力検定
ビジネス実務マナー検定
文書処理能力検定
日本語検定
トレース技能検定