釣り愛好家や釣り関係者に対して、海上での安全な釣行やマナー、環境保全などを指導・啓発する役割を持った資格者です。
特に、海釣りを行う際の事故防止やライフジャケットの着用義務など、海難事故を防ぐための正しい知識と行動を普及させることが目的です。
目次
受験資格と難易度
受験資格
フィッシング海上安全指導員資格を取得するための要件は、比較的シンプルです。
- 満18歳以上であること(※高校生は不可)
- 海釣りに関する基礎知識と実践経験を有していること
- 海上の安全啓発活動に意欲的に参加できること
- 協会が指定する講習会に参加できること
※特別な学歴や国家資格などは必要ありません。
難易度
この資格は啓発活動を目的とした民間資格であり、難易度は高くありません。
ポイント
- 講習は主に1日(座学中心)で完結
- テストがある場合も、講習内容を理解していれば問題なく合格可能
- 実技試験や厳しい筆記試験は基本的に行われません
そのため、海釣りの基本的な知識と、安全に対する意識があれば、初心者でも十分に合格が可能です。
合格率の目安
公式な合格率は公表されていませんが、ほぼ全員が認定を受けているとされています。
試験内容
「フィッシング海上安全指導員資格」は、筆記試験というよりも、講習の受講と修了によって資格認定を受ける形式です。講習は基本的に1日で完結し、以下のような内容が含まれます。
1. 海上での安全管理(座学)
- 海の気象・潮流の基本知識
- 海難事故の原因と対策
- 安全装備の種類と使い方(ライフジャケット、無線、灯火など)
- 出航前の安全確認事項
2. 釣りに関するルールとマナー
- 漁業権と釣りエリアの注意点
- 釣り人として守るべきマナーと法令
- 他の釣り人・漁業関係者とのトラブル防止
3. 環境保全と海洋ごみの問題
- 釣りにおけるごみの適切な処理方法
- プラスチックごみによる海洋生態系への影響
- 地域での環境保全活動への参加方法
4. 指導員としての心構えと啓発活動
- 地域イベントでの役割と対応例
- 初心者・子どもへの安全指導方法
- SNSや広報での情報発信のコツ
5. 確認テスト(実施される場合)
会場によっては、講習の最後に簡単な筆記テストが行われることもあります(10~20問程度の選択式)。
内容は講習で説明された範囲から出題されるため、復習していれば合格は難しくありません。
修了後の流れ
- 講習を最後まで受講し、理解度テストに合格(または出席確認)
- 後日「指導員認定証」や「ワッペン」「活動ガイドライン」が交付される
試験対策
対策のポイント
- 講習前に基本的な海の安全知識を確認しておく
- 海釣りに関する法律やマナーを事前に調べておく
- 海上保安庁や協会が公開している「安全啓発資料」を読んでおく
おすすめの事前学習内容
1. 海の気象と危険予測
- 天気図の見方、風・波・潮の基本
- 釣行前に確認すべき気象情報サイト(例:気象庁、海上保安庁)
2. 安全装備の知識
- ライフジャケットの種類と着用方法
- 携帯電話・無線機・救命浮環の使い方
- 船の装備義務(法令)
3. 釣りマナーと法令
- 漁業権の保護区域について
- 釣り禁止区域・立入禁止エリアの確認方法
- 他人の迷惑にならない釣行マナー
4. 海洋環境と釣りの関係
- 釣り糸・ルアーなどのごみ問題と対策
- 「キャッチ&リリース」の正しい方法
参考にすべき資料・サイト
取得後に出来ること
地域イベントでの安全指導
- 釣り大会や体験教室で、来場者に安全ルールを説明
- 子どもや初心者にライフジャケットの着用方法を指導
- 事故を未然に防ぐためのアドバイスを行う
講習会・ワークショップでの講師補助
- 協会主催の講習会で、指導補助や体験指導を担当
- 地域の釣りサークルや学校での出前講座に協力
SNSやブログでの情報発信
- 海釣りの安全に関する情報・注意喚起の発信
- ライフジャケット着用促進の投稿や活動報告
協会との連携活動に参加
- 公益財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会の活動にボランティア参加
- 他の指導員や団体とのネットワーク構築
自身の釣行への応用
- 天候判断、安全装備のチェックなどが習慣化
- 家族や仲間に対する安全配慮ができるようになる
- トラブル時の初期対応力が向上
資格の社会的意義
この資格は、単なる技術資格ではなく、「安全文化を広めるリーダー」としての認定です。
海釣りの人気が高まる中で、事故やトラブルを防ぐ「地域の安全リーダー」として期待されています。
資格の更新や継続について
- 基本的に資格更新は不要(現時点では)
- 協会の活動報告や安全啓発イベントには継続して参加可能
- 最新の情報を協会のメールマガジンやサイトで受け取れる
その他資格一覧
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