マンションの管理組合や区分所有者に対して、管理運営に関する専門的なアドバイスや支援を行う専門資格です。主に、管理規約の作成・改定、管理組合の運営サポート、建物の維持管理に関する相談業務を担当します。
目的
マンションの適切な管理と快適な居住環境を維持することが目的です。専門知識をもつマンション管理士が、住民の意見調整や管理会社との交渉をサポートすることで、トラブルの防止や解決を図ります。
目次
受験資格と難易度
受験資格
マンション管理士試験には、特別な受験資格はありません。
年齢、学歴、実務経験、国籍に関係なく誰でも受験が可能です。
ポイント
- 学生から社会人まで幅広い層が受験しています。
- 不動産業界や建築業界の経験がなくても挑戦可能です。
- 他の不動産関連資格を持っていなくても問題ありません。
難易度
マンション管理士試験は、国家資格の中でも難易度が高い部類に入ります。
合格率
- 例年の合格率: 約8〜10%
- 50問中約35問以上の正答が合格ライン(年度により調整あり)
難易度の理由
- 法律分野の出題が多く、専門用語や条文理解が必須
- 幅広い知識が求められる(民法、区分所有法、建築関連法規、会計知識など)
- 問題文が長く、読解力も必要
他資格との比較
資格名 | 合格率 | 難易度の特徴 |
---|---|---|
マンション管理士 | 約8〜10% | 法律・管理知識の総合力が問われる |
管理業務主任者 | 約20〜25% | 実務寄りで比較的取りやすい資格 |
宅地建物取引士(宅建) | 約15〜17% | 法律問題が多いが難易度は中程度 |
試験内容
試験概要
- 試験形式: マークシート方式(四肢択一式)
- 出題数: 50問
- 試験時間: 2時間30分
- 合格基準: おおむね70%前後の正答率(約35問以上の正解が目安)
- 試験実施時期: 毎年11月下旬頃
出題範囲と内容詳細
マンション管理士試験では、以下の5つの主要分野から出題されます。
1. マンション管理に関する法令(約20問)
マンションの管理運営に関わる法律が中心です。法律の条文理解だけでなく、適用場面や事例問題も出題されます。
主な出題法令
- 区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)
- 管理規約・使用細則
- 集会の開催方法や決議要件
- 修繕・建替えの手続き
- 民法
- 契約や債務不履行の基本ルール
- 物権や相続に関する規定
- マンション管理適正化法
- 管理組合・管理業者の義務
- 管理者の選任や業務範囲
- 建築基準法、消防法、都市計画法
- 避難経路・耐震基準
- 建物用途・建蔽率・容積率の規定
2. マンションの建物・設備に関する知識(約10問)
マンションの維持管理や修繕に必要な建築・設備知識が問われます。技術的な用語や工法に関する問題が出題されます。
出題内容
- 建築構造(鉄筋コンクリート造、耐震構造)
- 給排水・電気・ガス設備の仕組み
- 外壁や屋上防水の補修方法
- 長期修繕計画の立案ポイント
3. 管理組合の会計・財務に関する知識(約5問)
管理組合の財務運営に必要な会計知識が問われます。数字や計算問題も出題されることがあります。
出題内容
- 管理費・修繕積立金の会計処理
- 財務諸表(収支計算書・貸借対照表)の読み方
- 会計監査のポイント
- 積立金の適正水準
4. マンション管理実務(約10問)
管理組合や住民への実務的な支援内容が問われ、実際のトラブル解決や手続きに関する実践問題が多いです。
出題内容
- 総会・理事会の運営支援
- 管理規約の見直し・改正手順
- クレーム対応と住民間トラブル解決方法
- 管理委託契約のチェックポイント
5. その他関連分野(約5問)
マンション管理に間接的に関わる知識として、最新の法改正や関連する社会問題が出題されます。
出題内容
- 高齢化対応やバリアフリー設計
- 環境配慮(省エネ・防災計画)
- 防犯対策や防災設備の導入方法
試験対策
分野別対策方法
1. 法律分野(区分所有法・民法・マンション管理適正化法など)
対策ポイント
- 条文の趣旨を理解: 単なる暗記ではなく、条文が適用される具体的場面をイメージする
- 過去問で頻出テーマを確認: 特に区分所有法は出題率が高く、10年以上の過去問分析が有効
- 図表を活用: 民法の権利関係や区分所有法の関係性は、図示することで理解しやすくなる
おすすめ勉強法
- 毎日1〜2条ずつ条文を読み、具体例を考える
- 過去問で「集会の決議要件」「管理規約改正」などを重点的に演習
2. 建物・設備の維持管理分野
対策ポイント
- 建築用語と設備機器の名称を覚える
- 長期修繕計画の立案に関する知識を習得
- イラスト付き教材で視覚的に理解
おすすめ勉強法
- 実際のマンション設備の写真や図面を見てイメージを掴む
- 過去問で「給排水設備」「防水工法」「耐震改修」問題を繰り返し解く
3. 会計・財務分野
対策ポイント
- 管理組合会計の基本用語と仕組みを理解
- 修繕積立金や管理費の使途を把握
- 計算問題への慣れが必要
おすすめ勉強法
- 財務諸表(収支報告書・貸借対照表)の読み取り練習
- 模擬問題で積立金の計算練習
4. 管理実務とトラブル対応
対策ポイント
- 実務的なケーススタディを学ぶ
- 住民間トラブル事例問題を重点的に学習
- 管理規約改正手続きや総会運営の流れを理解
おすすめ勉強法
- 過去問の事例問題を集中的に解き、問題文を読んだらまず「登場人物と問題点」を整理する
- 総会運営のフローを図にまとめて暗記
おすすめ学習法別対策
独学の場合
- 使用教材: 市販のテキスト、過去問集
- 学習方法:
- 朝や寝る前に短時間でも毎日勉強
- 過去問は最低でも5年分を繰り返し解く
- メリット: 自分のペースで進められる
- デメリット: 疑問点が解決しづらい
通信講座・予備校を利用する場合
- 使用教材: 映像授業、模擬試験、質問サポート付き教材
- 学習方法:
- 毎週決まった時間に講義を受講
- 不明点は講師に質問
- メリット: モチベーション維持と最新情報の入手が可能
- デメリット: 費用がかかる
過去問の重要性
過去問は試験対策の中心です。
- 出題傾向を把握できる
- 頻出問題を効率的に対策できる
- 問題形式に慣れることができる
過去問活用法
- 1回目: 時間を気にせず解いて理解を重視
- 2回目: 制限時間内で解いて実戦感覚を養う
- 3回目以降: 間違えた問題だけを繰り返し解く
模擬試験の活用
模試は本番直前の実力確認に最適です。
- 時間配分の確認
- 緊張感を持った実践練習
- 得点の推移で弱点発見
模試を受けるタイミング
- 試験の2か月前から定期的に受験
- 本番前の最終1か月は週に1回ペースで模試を解く
取得後に出来ること
取得すると、マンションの管理や運営に関する幅広い業務が可能になります。管理組合や区分所有者を専門的に支援できる立場として、多様な働き方や業務の選択肢が広がります。
1. 管理組合向けのコンサルティング業務
マンション管理士は、管理組合や区分所有者の立場からアドバイスや支援を提供できます。
主な業務内容
- 管理規約の作成・改正支援
- 法令改正やマンションの実情に合わせた管理規約の見直し
- 総会や理事会の運営サポート
- 議案作成、議事録作成、議事進行支援
- 住民トラブルの解決支援
- 騒音問題や共用部分の利用に関する住民間トラブルの調整
- 管理会社との契約見直し・交渉支援
- 適正な管理委託契約のアドバイス
- 長期修繕計画の見直し支援
- 修繕積立金の適正額や改修計画のアドバイス
2. 独立・開業が可能
マンション管理士は国家資格であり、独立してコンサルタント業務を行うことが可能です。
独立後の働き方
- 個人事務所を開設し、管理組合と直接契約
- セミナー講師として管理運営に関する講義を実施
- 顧問契約で継続的なサポートを提供
独立のメリット
- 自由な働き方ができる
- 複数の管理組合と契約して安定収入を確保
- 専門家として地域コミュニティに貢献
3. 企業内でのキャリアアップ
不動産会社や建設会社で勤務している場合、資格取得により社内での評価が向上し、昇進や給与アップが期待できます。
活かせる業界
- 不動産管理会社: 管理業務の専門担当者として活躍
- 建設・デベロッパー: マンション再開発や建替え事業で専門知識を活用
- 保険会社や金融機関: 不動産担保評価や融資審査での活用
4. マンション建替え・再生事業への参画
老朽化マンションの建替えや耐震改修に関する支援が求められています。
できること
- 建替え計画の立案支援
- 所有者間の意見調整や説明会の実施
- 行政や建設会社との協議サポート
5. 他資格との併用で業務拡大
マンション管理士は他の不動産関連資格と組み合わせることで、業務の幅を広げられます。
組み合わせ資格 | できること |
---|---|
管理業務主任者 | 管理会社での契約業務・重要事項説明が可能 |
宅地建物取引士 | 不動産売買や賃貸契約の仲介が可能 |
建築士 | 修繕や改修の技術的助言や図面作成が可能 |
ファイナンシャルプランナー | 修繕積立金計画や住民向け資金相談が可能 |
6. セミナー講師・執筆活動
資格取得後、専門家としての知見を活かして、以下のような活動が可能です。
- 地域住民向けの管理セミナー講師
- マンション管理に関する書籍や記事の執筆
- マスコミ出演や講演で専門知識を広める
7. 収入の目安
年収イメージ
- 独立開業の場合: 年収300万〜800万円(契約件数・内容により異なる)
- 企業勤務の場合: 年収400万〜600万円(資格手当・昇給に反映)
収入を増やすポイント
- 管理組合との顧問契約を複数持つ
- セミナー講師や執筆で副収入を得る
- 他資格を併せて幅広い業務を請け負う
8. 社会的な役割とやりがい
- 住民の安心と快適な住環境を守る専門家としての貢献
- マンションの資産価値向上に寄与できるやりがい
- 地域コミュニティ形成を支える重要な役割
おすすめの講習、教材
教材
講座
建築系資格一覧
一級建築士
二級建築士
木造建築士
構造設計一級建築士
設備設計一級建築士
建築施工管理技士
建築図面製作技能士
土木施工管理技士
ビル経営管理士
不動産鑑定士
測量士
宅地建物取引主任者
管理業務主任者
マンション管理士
土地家屋調査士
玉掛技能講習
環境計量士
管工事施工管理技士
建設機械施工技士
建築設備士
建築業経理士
コンクリート技士
CAD実務キャリア認定制度
CADトレース技能審査
建築CAD検定試験
Autodesk認定試験
3次元CAD利用技術者試験
マンションリフォームマネージャー
ダッソー・システムズ CATIA 認定資格
マンション維持修繕技術者
REセールスパーソンライセンス