マンション維持修繕技術者

一般社団法人 日本建築防災協会(JSHI)が認定する資格で、マンションの維持管理・修繕に関する専門知識を持つことを証明する資格です。

マンションの長期修繕計画の作成や改修工事の管理、劣化診断などの業務に関わる技術者向けの資格です。

資格の目的と役割

  • マンションの劣化診断を行い、適切な修繕計画を立案できる
  • 長期修繕計画の作成・改定をサポートし、適切な工事を提案できる
  • 管理組合やマンションオーナーに対し、維持管理のアドバイスを行う
  • 施工会社・設計事務所・管理会社と連携し、工事の品質管理を行う

この資格は、マンションの修繕や維持管理の専門知識を持つ技術者としての役割を担い、適切な改修計画を提案できるスキルを証明する資格です。

主催
(社)高層住宅管理業協会

受験資格と難易度

受験資格

マンション維持修繕技術者試験には受験資格の制限があり、一定の実務経験が必要です。

受験資格要件(以下のいずれかを満たすこと)

受験資格 必要な実務経験年数
1級建築士・2級建築士 不要
1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士 不要
高専・大学・専門学校で建築系の学科を卒業 3年以上
建築・不動産・管理業務の実務経験を持つ者 5年以上

ポイント

  • 建築士・施工管理技士の資格を持っている場合は、実務経験不要で受験可能
  • 学歴のみでは受験不可で、3年以上の実務経験が必要
  • 建築やマンション管理の実務経験が5年以上ある場合、学歴や資格がなくても受験可能

試験の難易度と合格率

マンション維持修繕技術者試験の**合格率は50~60%**で、難易度は中程度です。
特に、実務経験がある人にとっては比較的取りやすい資格ですが、未経験者にはやや難しい内容です。

試験形式 試験時間 合格基準 合格率 難易度(目安)
択一式(マークシート方式) 120分 70%以上の正答率 50~60% 普通(実務経験者向け)

難易度の目安

  • 実務経験がある人(建築士・施工管理技士など)は、2~3か月の学習で合格可能
  • 未経験者(独学の人・建築業界未経験者)は、4~6か月の学習期間を確保するのが望ましい
  • 建築士や施工管理技士の知識があると、法規や施工管理分野の学習負担が軽減できるため有利

試験内容

試験は筆記試験(択一式・マークシート方式)で行われ、マンションの建築構造・劣化診断・修繕工事・法規・資金計画などが出題されます。

試験形式と概要

試験区分 出題形式 試験時間 出題内容
筆記試験 択一式(マークシート) 120分 マンションの構造・設備、維持管理、修繕計画、法規、施工管理、資金計画
  • 試験時間は120分で、幅広い知識が求められる
  • **全問マークシート方式(選択式)**で、計算問題はほぼなし。
  • 建築・設備・施工管理・資金計画・法律の5分野から出題
  • 合格基準は70%以上の正答率

試験科目と詳細な出題内容

マンションの構造・設備(建築・設備の基礎知識)

マンション特有の構造や設備に関する知識を問う。

  • 建築構造(鉄筋コンクリート(RC)、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC))
  • 劣化の種類と診断方法(コンクリートの中性化・鉄筋腐食・外壁タイルの剥離)
  • 耐震改修・補強工法(耐震診断の基本、耐震補強工事の種類)
  • 給排水設備の維持管理(共用配管・専有配管の更新・更生工法)
  • 電気設備・空調設備・防犯設備の点検・更新基準

維持管理と長期修繕計画(修繕計画の立案)

マンションの維持管理や修繕計画の作成方法を問う。

  • 修繕工事の種類と周期(大規模修繕・部分修繕・計画的修繕の違い)
  • 長期修繕計画の立案・改定の手順
  • 劣化診断の方法(目視調査・打診調査・非破壊検査など)
  • 外壁・屋根・バルコニーの修繕ポイント
  • 防水工事(シート防水・塗膜防水・アスファルト防水の特性)

マンション管理と法規(管理組合との調整・法規制)

マンションの維持修繕に関わる法律や管理規約について問う。

  • マンション標準管理規約の理解(管理組合の合意形成・修繕積立金の管理)
  • 区分所有法(共用部分と専有部分の違い)
  • 建築基準法(耐火性能・避難経路の確保・バリアフリー基準)
  • 消防法(避難ハッチ・非常用設備の設置基準)
  • 省エネ改修・バリアフリー改修の制度(助成金・補助金の活用)

修繕工事の施工と管理(施工管理の基礎知識)

修繕工事の適切な施工管理方法を問う。

  • 修繕工事の工程管理・品質管理の基本
  • 工事業者の選定基準(見積書の比較方法・工事契約のポイント)
  • 施工中の安全管理(仮設足場・防音・防塵対策)
  • クレーム対応(住民トラブル・騒音・工期遅延)
  • アフターメンテナンス(保証期間・定期点検の実施)

資金計画と助成制度(費用・補助金の基礎知識)

修繕工事の資金計画や助成制度に関する知識を問う。

  • 修繕積立金の適正額の算出方法(計画修繕と一時金徴収の違い)
  • 国や自治体の助成制度(耐震改修補助金・バリアフリー改修補助金)
  • 工事費のコストダウン方法(相見積もり・VE提案)
  • リフォームローン・金融機関の融資制度

試験対策

公式テキストと過去問を活用する

公式テキストを基に、各分野の基礎知識を固めることが重要です。

  • 「マンション維持修繕技術者試験 公式テキスト」(JSHI発行)
    • 基礎知識を網羅しており、試験範囲を学ぶのに最適。
  • 過去問題集(筆記試験対策)
    • 実際の試験形式に慣れるため、3~5年分の過去問を解く。

ポイント

  • 基礎知識を身につけたら、すぐに過去問を解くことが重要
  • 解説を読みながら理解し、間違えた問題を重点的に復習する
  • 長期修繕計画・施工管理・管理規約の分野は重点的に学習する

マンション管理規約・法規の学習

マンションの維持管理では、法規や管理規約の理解が不可欠です。

重点的に学ぶべき法規

  • マンション標準管理規約(修繕積立金の管理、管理組合の役割)
  • 区分所有法(専有部分と共用部分の違い、管理組合の合意形成)
  • 建築基準法(耐火性能・避難経路の確保)
  • 消防法(防火管理・避難設備の基準)

長期修繕計画・劣化診断の学習

長期修繕計画の立案・改定方法を理解し、試験での得点を狙う

学習すべき内容

  • 修繕周期の目安(外壁改修・屋上防水・配管更新の適正時期)
  • 劣化診断の種類(目視・打診・非破壊検査)
  • 修繕積立金の適正額の計算方法

施工管理・品質管理の学習

修繕工事の施工管理の基本や工事の安全管理について理解する

学習すべき内容

  • 工事工程管理(スケジュール作成・工期の調整)
  • 品質管理(仕上がり検査・施工精度のチェック)
  • 安全管理(仮設足場の管理・防音・防塵対策)

資金計画・補助金制度の学習

修繕工事の資金計画や助成制度を理解し、管理組合への提案ができるようにする。

学習すべき内容

  • 修繕積立金の運用・見直し方法
  • 耐震改修・省エネ改修の補助金制度
  • 工事費のコストダウン方法(VE提案・相見積もり)

取得後に出来ること

活躍できる職種・業務

1. マンションの修繕計画・維持管理コンサルタント

マンションの劣化診断を行い、適切な修繕計画を立案する業務を担当できます。

  • 長期修繕計画の作成・見直しのアドバイス
  • マンションの劣化診断・適切な修繕工事の提案
  • 住民説明会の実施・管理組合への助言

活躍できる業界

  • マンション管理会社
  • 建築コンサルタント会社
  • リフォーム・修繕専門の設計事務所

2. 施工管理・品質管理業務

マンションの修繕工事や改修工事の施工管理を担当し、適切な工事監理・品質管理を行う

  • 大規模修繕工事の工程管理・品質管理
  • 工事業者の選定・見積もりチェック・コスト管理
  • 施工後のアフターサービス・定期点検業務

活躍できる業界

  • ゼネコン・建設会社
  • マンション修繕工事会社
  • 建築施工管理会社

3. マンション管理業務(管理会社・管理組合向け業務)

マンション管理会社や管理組合において、修繕計画の立案や助言を行う業務ができます。

  • 管理組合向けの修繕計画コンサルティング
  • 修繕積立金の適正運用アドバイス
  • マンションの維持管理計画の策定

活躍できる業界

  • マンション管理会社
  • 不動産管理会社
  • 建築設計・コンサルティング会社

4. 不動産業界での活用(資産価値向上の提案)

不動産業界において、中古マンションの維持管理・修繕の提案や価値向上に関わる業務が可能になります。

  • 中古マンションの資産価値向上のための修繕提案
  • リノベーション計画の立案と施工管理
  • マンション購入者向けの維持管理アドバイス

活躍できる業界

  • 不動産管理会社
  • リノベーション専門会社
  • デベロッパー(マンション開発会社)

5. フリーランス・独立開業(修繕コンサルタント)

マンション修繕の専門家として、独立してコンサルティング業務を行うことも可能です。

  • 管理組合向けの修繕計画アドバイス
  • 施工業者の選定・見積もり精査のサポート
  • 耐震改修・バリアフリー改修の助成金申請サポート

独立後の業務の例

  • 管理組合向けのリフォーム相談業務
  • マンション修繕計画のアドバイザー
  • 建築士事務所と提携し、修繕コンサルタントとして活動

資格取得のメリット

1. 転職・キャリアアップに有利

  • マンション管理会社、建設業界、施工管理業界などでの採用時に評価される
  • マンションの修繕・維持管理の専門家としてのポジションを確立できる
  • 建築士や施工管理技士の資格と併用すると、より高い専門性をアピールできる

2. 資格手当や昇給の可能性

  • 管理会社や施工会社で、資格手当が支給される可能性がある(月5,000円~30,000円程度)
  • 修繕計画や工事監理の専門家として、昇進・昇給のチャンスが広がる

3. フリーランス・副業の選択肢が広がる

  • 管理組合向けの修繕計画アドバイスを個人で請け負うことができる
  • クラウドソーシングや専門サイトで修繕コンサルティングの案件を受注可能

4. 上位資格へのステップアップが可能

  • 建築士(1級・2級)、施工管理技士、マンション管理士などの上位資格を取得する際に役立つ
  • BIM(Building Information Modeling)や耐震診断技術者の資格と併せると、より専門性が高まる

資格取得後のキャリアパス

現在の業務 取得後の活用例 目指せるキャリア
マンション管理会社勤務 修繕計画のアドバイスができる 修繕コンサルタント、管理責任者
建築士・施工管理技士 大規模修繕の監理が可能 施工管理責任者、品質管理責任者
リフォーム・修繕会社勤務 施工計画・コスト管理に活かせる 施工管理、品質管理
不動産営業 マンションの維持管理を考慮した提案が可能 不動産+修繕アドバイザー
独立希望者 修繕計画のコンサルティング業務ができる フリーランス・独立開業

建築系資格一覧

一級建築士
二級建築士
木造建築士
構造設計一級建築士
設備設計一級建築士
建築施工管理技士
建築図面製作技能士
土木施工管理技士
ビル経営管理士
不動産鑑定士
測量士
宅地建物取引主任者
管理業務主任者
マンション管理士
土地家屋調査士
玉掛技能講習
環境計量士
管工事施工管理技士
建設機械施工技士
建築設備士
建築業経理士
コンクリート技士
CAD実務キャリア認定制度
CADトレース技能審査
建築CAD検定試験
Autodesk認定試験
3次元CAD利用技術者試験
マンションリフォームマネージャー
ダッソー・システムズ CATIA 認定資格
マンション維持修繕技術者
REセールスパーソンライセンス

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