全国日本語教師養成協議会(全養協)が主催する、日本語教師の専門知識と指導力を測る検定試験です。
この試験に合格すると、日本語教育の知識やスキルを持っていることの証明になり、日本語教師としてのキャリアに役立ちます。
試験の特徴
1. 日本語教師の基礎力を測る試験
この検定は、日本語教師として必要な基本知識や指導スキルを持っているかを確認するための試験です。
2. 民間資格だが、教育機関での評価が期待できる
全養協が認定する資格であり、公的資格ではありませんが、日本語教育機関での評価が期待できます。
3. 日本語教育能力検定試験の補助的な位置づけ
日本語教師の代表的な試験には「日本語教育能力検定試験」がありますが、それと比べると全養協日本語教師検定は基礎的な内容が中心で、これから日本語教師を目指す人にも受けやすい試験です。
目次
受験資格と難易度
受験資格
特別な受験資格はなく、誰でも受験可能です。
年齢・学歴・職歴などの制限はありません。
しかし、試験の内容は日本語教育に関する専門知識を問うものが多いため、次のような人が対象として適しています。
受験に向いている人
- 日本語教師を目指している人
- 日本語教師養成講座を受講・修了した人
- すでに日本語を教えているが、知識を深めたい人
- 日本語教育能力検定試験の前段階として試験を受けたい人
日本語教育の実務経験がなくても受験できますが、事前に基礎的な学習が必要になります。
試験の難易度
全養協日本語教師検定は、中級レベルの試験です。
- 日本語教育能力検定試験(文化庁が推奨する試験)よりは難易度が低い
- 日本語教師養成講座を修了していれば、比較的合格しやすい
試験名 | 難易度 | 特徴 |
---|---|---|
日本語教育能力検定試験 | 高い | 日本語教師の代表的な試験。合格率20~25%前後 |
全養協日本語教師検定 | 中程度 | 日本語教育の基礎を問う試験。養成講座修了レベル |
合格率
正式な合格率は公表されていませんが、日本語教育能力検定試験(合格率約20~25%)よりも高いと考えられます。
適切な対策をすれば、十分に合格できる試験です。
試験内容
筆記試験が中心で、選択問題(マーク式)と記述問題が含まれます。
試験科目と内容
試験は、大きく以下の4つの分野から出題されます。
① 日本語の知識(言語学・文法・音声学)
日本語の文法や音声、語彙などの言語学的な知識を問う問題が出題されます。
出題範囲
- 日本語の文法
- 自動詞・他動詞
- 助詞の使い方(「が」「を」「に」など)
- 敬語(尊敬語・謙譲語・丁寧語)
- 音声学・発音
- 母音・子音の特徴
- ピッチアクセント
- イントネーション
- 語彙・意味論
- 同義語・類義語の使い分け
- 外来語の取り入れ方
② 日本語教育の理論
日本語を教える上での基礎理論や、外国語としての日本語の学習過程についての問題が出題されます。
出題範囲
- 日本語教育の歴史(明治時代~現在の日本語教育の変遷)
- 言語習得理論(第二言語習得、インプット仮説、アウトプット仮説)
- 教授法の種類
- 文法訳読法(GT法)
- 直接法(オーラルメソッド)
- コミュニカティブ・アプローチ(CLT)
③ 指導方法(教授法・教案作成)
実際に授業を行う際の指導方法や、教材の使い方、授業計画(シラバス・カリキュラム作成)に関する問題が出題されます。
出題範囲
- 授業の進め方
- 初級・中級・上級レベルの指導法
- 語彙・文法・会話の指導法
- 教案作成
- 目標設定(Can-Doリストの活用)
- アクティビティの組み方
- 評価方法
- 成績評価の基準
- 日本語能力試験(JLPT)のレベル別特徴
④ 日本語教育の実践
日本語教師として、実際に授業を行う際の対応力や、学習者とのコミュニケーションスキルに関する問題が出題されます。
出題範囲
- 学習者の背景理解
- 初級者・中級者・上級者の違い
- 留学生・技能実習生・ビジネスパーソン向けの指導の違い
- 授業トラブル対応
- 学習者が理解できないときの対応
- 日本語を話せない学習者への指導法
試験の形式
- 選択問題(マーク式):日本語文法、教授法、教育理論に関する問題
- 記述問題:教案作成や指導方法の説明
試験時間は 2~3時間程度 で、筆記試験が中心です。
試験対策
出題範囲を把握する
試験は、以下の4つの分野から出題されます。
科目 | 内容 | 対策方法 |
---|---|---|
日本語の知識 | 文法・語彙・音声・敬語 | 文法書・問題集で反復学習 |
日本語教育の理論 | 言語習得理論・教授法 | 参考書を読み、過去問を解く |
指導方法 | 教案作成・授業運営 | 模擬授業を行い、教案を書く練習 |
日本語教育の実践 | 学習者対応・評価方法 | ケーススタディを学び、記述問題対策 |
基礎知識のインプット
① 日本語文法の復習
- 助詞(「が」「を」「に」など)の使い方
- 動詞の活用(自動詞・他動詞の違い)
- 敬語(尊敬語・謙譲語・丁寧語)
② 言語習得理論と教授法を学ぶ
- クラッシェンのインプット仮説
- コミュニカティブ・アプローチ(CLT)
- フォーカス・オン・フォーム(文法指導法)
過去問・模擬問題を解く
試験形式に慣れるため、過去問や模擬問題を解くことが重要です。
対策方法
- 時間を計って過去問を解く(本番の試験と同じ形式で練習)
- 間違えた問題は解説を読み、理解する
記述問題対策(教案作成・学習者対応)
記述式問題では、教案の作成や授業運営に関する内容が出題されます。
対策方法
- 模擬教案を作成する(授業の流れを考え、指導案を作る)
- 授業の進め方を練習する(「ウォームアップ→導入→練習→まとめ」の流れを意識)
- 学習者のトラブル対応を想定し、解決策を考える
取得後に出来ること
日本語教師として働く
国内の日本語学校で働く
応募の際のアピールポイントになる
→ 日本語教師としての基礎知識を証明できるため、日本語学校の採用時に有利になる
未経験でも日本語教育の基礎があることを示せる
→ 養成講座修了+本資格があれば、採用されやすくなる
ただし、日本語学校で常勤教師として働くためには、文化庁のガイドラインに基づく以下の条件を満たす必要があります。
必要な条件(いずれか) | 全養協日本語教師検定との関係 |
---|---|
① 大学で日本語教育を専攻・副専攻 | 別途、学位が必要 |
② 日本語教育能力検定試験の合格 | 他の試験を受験する必要あり |
③ 420時間の日本語教師養成講座修了 | 養成講座と併用すると効果的 |
本試験単体では、文化庁の「日本語教育機関の教師資格要件」には該当しませんが、養成講座と併用すれば、日本語学校での採用につながる可能性が高まります。
オンライン日本語教師として活動
- 日本語を学びたい外国人向けにレッスンを提供できる
- オンラインプラットフォームを活用し、フリーランスで働ける
オンライン日本語教師は、資格の制約が少なく、実力があればすぐに始められる仕事です。全養協日本語教師検定を取得すれば、指導の基礎知識があることを証明でき、初心者でも信頼を得やすくなります。
活用できるオンラインプラットフォーム
- italki(アイトーキ)
- Preply(プレプリー)
- Cafetalk(カフェトーク)
- Hello Sensei
日本語教育関連の仕事に活かす
1. 日本語教育の補助スタッフ
- 企業の日本語研修や自治体の日本語講座のサポート
- 地域の日本語教室で外国人向けの指導を担当
日本語教師の資格を持つことで、企業研修や地域の日本語支援活動でサポート役として活動する機会が増えます。
活躍できる場所
- 企業の外国人社員向け日本語研修
- NPO・自治体の日本語支援ボランティア
- 技能実習生向けの日本語研修
2. 児童向けの日本語教育
- 外国人の子ども向けの日本語指導ができる
- インターナショナルスクールや日本語補習校で働ける
特に、日本国内に住む外国人の子どもたちへの日本語教育のニーズが高まっており、日本語教師の知識が活かせます。
活用できる場面
- インターナショナルスクールの日本語クラス
- 日本語補習校(海外にある日本人向けの学校)
- 外国人向けの幼児教育・学習支援
日本語教育能力検定試験へのステップアップ
- 全養協日本語教師検定は、日本語教育能力検定試験(文化庁推奨)の基礎固めに最適
- 試験の出題範囲が重なるため、勉強した知識を活かして上位資格の取得が可能
資格 | 特徴 | 難易度 |
---|---|---|
全養協日本語教師検定 | 日本語教師の基礎レベル | 中級 |
日本語教育能力検定試験 | 文化庁が推奨する国家レベルの試験 | 高 |
最終的に日本語教育能力検定試験に合格すれば、日本語学校の常勤教師として働ける可能性が高まるため、キャリアアップの第一歩として本資格を活用できます。
海外での日本語教育に活かす
- 海外の日本語学校や企業での日本語研修講師として働く
- JETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)の応募時に有利
海外では、日本語教師の資格要件が国によって異なりますが、民間資格を持っていることが評価される場合が多いため、応募時のアピール材料になります。
活用できる場所
- 海外の日本語学校
- 海外企業の日本語研修
- JETプログラム(日本文化や言語を海外で教えるプログラム)
語学系資格一覧
通訳案内士
翻訳実務士資格
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全養協日本語教師検定
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日本語教育能力検定試験
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ビジネス中国語検定
スコア式ビジネス中国語検定試験
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世界韓国語認証試験(KLPT)
インドネシア語技能検定試験
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