古物商

日本で古物(中古品)を売買、交換、貸出を行う事業を行うために必要な資格です。

この資格を取得することで、古物の取引が法的に認められます。古物商の業務は「古物営業法」によって規定されており、無許可で古物取引を行うと罰則が科せられます。

古物商が扱う「古物」の定義

古物営業法では、古物は「一度使用された物品、または使用されなくても取引されたことがある物品」と定義されています。主な古物の分類は以下の通りです。

  1. 美術品類(絵画、彫刻など)
  2. 衣類(中古の服やバッグ)
  3. 時計・宝飾品
  4. 自動車・自動二輪車およびその部品
  5. 書籍
  6. 家具・家電
  7. 楽器
  8. 工具
  9. 玩具・ゲーム類

古物商資格が必要なケース

以下のような場合に古物商資格が必要です。

  • 中古品を仕入れて販売する場合(フリマアプリで継続的に販売する場合も含む)
  • リサイクルショップを開業する場合
  • 中古車販売業を行う場合
  • 古物を買い取って修理・再販売する場合

例外: 個人的に使用していた物を不定期に売る場合や、贈与・処分目的で販売する場合は資格不要です。

受験資格と難易度

受験資格

古物商資格を取得するためには、特別な学歴や試験は必要ありません。しかし、古物営業法に基づき、以下の条件を満たしていることが必要です。

受験(申請)資格の主な条件

  1. 年齢制限:

    • 申請者は 20歳以上 であること。
  2. 欠格事由がないこと:
    以下のいずれかに該当する場合、申請はできません。

    • 禁錮以上の刑を受けてから5年以内の者
    • 暴力団関係者またはその関係が疑われる者
    • 古物営業の許可を取り消されてから5年以内の者
    • 心身の故障により業務遂行が困難な場合
  3. 営業所の確保:
    日本国内に実体のある営業所が必要です。自宅でも問題ありませんが、実際に事業が行われることが条件です。

  4. 法人の場合:

    • 代表者・役員全員が上記の欠格事由に該当しないこと。
    • 定款の目的に「古物営業」が含まれていること。

難易度について

試験の有無

古物商資格取得に試験はありません。申請書類の提出と警察による審査で許可が下りる仕組みです。

難易度の実情

  • 取得の難易度:
    正しい書類を用意し、欠格事由に該当しなければほとんどの人が取得できます。
  • 主な難関:
    • 必要書類の準備(不備があると審査が遅れる)
    • 住民票や身分証明書の取得時の細かい条件(本籍記載・マイナンバー除外など)
    • 営業所の確保(実体のないバーチャルオフィス不可)

審査期間

通常、申請から許可まで30日程度かかります。申請に不備がなければスムーズに進みますが、書類不備があると再提出になり、期間が延びます。

試験内容

古物商許可を取得する際には、試験はありません。

古物商資格は「申請制」であり、学力テストや筆記試験、実技試験を受ける必要はありません。取得のためには、必要な書類を提出し、警察署の審査を受けるのみです。

審査で確認される主なポイント

試験はありませんが、申請後の審査で以下のポイントが確認されます。

1. 欠格事由の有無

申請者(個人・法人役員)が以下に該当しないかを審査します。

  • 過去5年以内に禁錮以上の刑罰を受けたことがあるか
  • 暴力団関係者でないか
  • 過去に古物商許可を取り消されていないか
  • 営業能力や事業遂行能力に支障がないか

2. 営業所の実態確認

  • 営業所が実在し、古物取引を実施できる環境であることを確認。
  • バーチャルオフィスやレンタル住所のみでは不可。

3. 必要書類の正確性

  • 提出書類に虚偽がないか確認。
  • 住民票や身分証明書、登記簿謄本の内容が正しいか。

古物営業法に関する知識の必要性

試験はないものの、古物営業法の知識は重要です。
古物商許可取得後は、以下の法律やルールを遵守する必要があります。

必須知識項目

  • 古物台帳への記録義務
  • 顧客の本人確認方法(特に10万円以上の取引時)
  • 許可証の携帯義務(出張買取時など)
  • 標識掲示のルール
  • 警察からの要請への対応方法

試験対策

取得する際には試験はありませんが、許可取得後に法律を遵守して営業するために、古物営業法の知識が必須です。

営業中に法律違反があると、行政処分や罰則を受ける可能性があるため、試験はないものの自主的な学習が重要です。

古物営業法に関する必須知識と対策

1. 古物台帳の記載ルール

  • 記載義務: 古物を買い取る際は、取引内容を「古物台帳」に記録する必要があります。
  • 記載内容:
    • 買い取った日時
    • 商品の詳細(種類・特徴)
    • 相手方の氏名・住所
    • 確認した身分証明書の種類と番号

対策:

  • 古物営業法の条文を確認しておき、台帳の記載例を参照する。
  • 警察署や業界団体が提供するサンプル台帳で練習する。

2. 本人確認義務の理解

  • 10万円以上の現金取引では、顧客の本人確認が必須です。
  • 本人確認方法: 運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどの提示を受けること。

対策:

  • 確認対象となる取引額や身分証明書の種類を覚える。
  • 実際の確認フローをイメージして、顧客対応時に迷わないようにする。

3. 標識掲示義務のポイント

  • 営業所には「古物商標識」を掲示する必要があります。
  • 標識には許可番号・氏名(または会社名)・許可を出した公安委員会名が記載されます。

対策:

  • 標識の掲示場所(顧客が見やすい位置)や作成方法を確認。

4. 許可証の携帯と提示義務

  • 出張買取や移動販売時には、許可証を携帯し求めがあれば提示する義務があります。

対策:

  • 許可証携帯義務のある場面を確認し、外出時のルールを把握する。

5. 盗品防止のための対応

  • 警察から盗難品の照会があった場合、迅速に対応する必要があります。
  • 不審な商品や顧客からの取引依頼は断ることが重要です。

対策:

  • 商品仕入れ時の確認ポイントをまとめ、不審取引への対応例を考えておく。

取得後に出来ること

取得すると、日本国内で合法的に中古品(古物)の取引を事業として行うことが可能になります。この許可は、買い取り、販売、交換、レンタルといったさまざまな形態の古物取引に対応しています。

1. 中古品の買い取りと販売

出来ること

  • 中古品を仕入れて販売

    • 個人や企業から中古品を買い取り、店頭やオンラインで販売が可能。
    • フリマアプリで継続的に販売する場合も許可が必要。
  • リサイクルショップの運営

    • 中古家具、衣類、家電などを取り扱う店舗を開業できる。
  • ネットオークションやECサイトでの販売

    • Amazon、楽天、ヤフオク、メルカリなどでの中古品販売が可能。

許可がないとできないこと

  • 営利目的で中古品を仕入れて販売する行為。
  • 定期的にフリマアプリで中古品を販売すること(無許可は違法)。

2. 中古品の交換・レンタル事業

  • 古物の交換事業

    • 中古品同士の交換サービスを運営できる。
  • レンタル業務

    • 買い取った古物をレンタル用として提供できる。
    • 例:中古家電や工具のレンタルサービス。

3. 出張買取・宅配買取サービス

  • 顧客の自宅を訪問して中古品を買い取るサービスが可能。
  • 宅配で送ってもらった商品を査定し、買取するビジネスも許可内で実施できる。

4. 古物市場(オークション)への参加

  • 古物商のみが参加できる業者専用オークションに参加可能。
  • より安価で仕入れができ、仕入れ先の選択肢が広がる。

5. 中古品の輸出入(条件付き)

  • 古物商許可を持つことで、中古品の海外輸出・輸入が可能。
  • 注意: 国によっては輸入規制や許可が別途必要。

6. 委託販売や代理販売

  • 他人から預かった中古品を代わりに販売することが可能。
  • 古物商として信頼性が高まり、委託ビジネスも展開しやすくなる。

7. ブランド品や貴金属の取り扱い

  • 高額なブランドバッグ、時計、貴金属などの中古品取引が可能。
  • 適正な本人確認を行うことで、高額取引も安全に実施できる。

8. 自動車やバイクの中古販売

  • 車両系古物の取扱い:
    • 中古自動車・オートバイを買い取り、販売が可能。
    • 別途、陸運局での手続きが必要な場合もある。

古物商許可を取得してもできないこと(注意事項)

  • 新品のみの販売には不要:
    新品商品のみを取り扱う場合は古物商許可は不要。
  • 違法な商品の取引:
    偽ブランド品、盗品、著作権侵害商品は厳禁。
  • 不正な本人確認の省略:
    一定額以上の取引では顧客の身元確認が必須。

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