土地や建物の調査・測量を行い、不動産登記に関する書類作成や申請代理を行う国家資格です。
不動産の正確な表示と所有権保護を目的として、主に以下の業務を担当します。
- 土地の境界確定調査
- 建物の新築・増築・取り壊しに伴う登記申請代理
- 不動産の現況調査と測量
資格の根拠法令
- 土地家屋調査士法
- 不動産登記法
取得の目的
- 土地・建物の所有権保護と取引の安全確保
- 境界トラブルの未然防止
- 不動産登記に関する専門的な支援提供
目次
受験資格と難易度
受験資格
土地家屋調査士試験は、年齢・学歴・職歴を問わず、誰でも受験可能な国家資格試験です。
- 実務経験は不要
- 制限なしで何度でも受験可能
受験資格のポイント
- 日本国内に居住していれば受験可能
- 未経験者でも基礎知識があれば合格を目指せる
- 学生や異業種からのキャリアチェンジにも適している
試験概要
試験項目 | 内容 | 実施時期 |
---|---|---|
第一次試験(筆記試験) | 択一式・記述式問題 | 年1回(10月頃) |
第二次試験(口述試験) | 実務知識・法律知識の口述試験 | 翌年1月頃(筆記合格者のみ) |
難易度
合格率
土地家屋調査士試験は、法律系国家資格の中でも難易度が高い試験に位置付けられています。
年度 | 筆記試験合格率 | 口述試験合格率 | 最終合格率 |
---|---|---|---|
2021年 | 約8.7% | 約88.0% | 約7.6% |
2022年 | 約8.3% | 約87.5% | 約7.2% |
2023年 | 約8.0% | 約88.5% | 約7.1% |
- 筆記試験が最大の関門で、最終的な合格率は約7%前後
- 口述試験は筆記通過者のほとんどが合格
試験難易度の特徴
難易度の高いポイント
- 不動産登記法・民法などの法律知識が必要
- 測量・計算問題の出題もあり、理系知識も問われる
- 記述式問題での文章作成力も重要
比較的得点しやすい分野
- 法令暗記や基本的な測量計算は対策で克服可能
- 過去問題演習が有効で、出題傾向が一定
試験内容
第一次試験(筆記試験)と第二次試験(口述試験)**の2段階で実施されます。
- 第一次試験(筆記): 択一式・記述式で構成され、知識と実務能力を問う
- 第二次試験(口述): 実務的な知識と申請手続きに関する質疑応答
第一次試験(筆記試験)
筆記試験は択一式試験と記述式試験の2つのセクションで実施されます。
試験概要
試験内容 | 形式 | 問題数 | 試験時間 | 合格基準 |
---|---|---|---|---|
択一式試験 | 四肢択一式 | 40問 | 2時間 | 約70%以上の正答率 |
記述式試験 | 記述・作図問題 | 2問 | 3時間 | 約60%以上の正答率 |
択一式試験の内容
1. 不動産登記法(20問程度)
- 土地・建物の登記事項と登記手続き
- 登記申請の種類(表題登記・変更登記・滅失登記)
- 登記申請書の記載内容
2. 民法(8問程度)
- 所有権、相隣関係、地役権、共有の規定
- 不動産取引に関連する権利関係
3. 土地家屋調査士法・その他法規(4問程度)
- 土地家屋調査士の職務・倫理
- 関連法令(測量法・国土調査法)
4. 測量・計算問題(8問程度)
- 三斜法、トラバース計算、面積計算
- 地積測量図作成に必要な計算問題
記述式試験の内容
記述式試験は2問出題され、主に以下の内容が問われます。
1. 登記申請書の作成問題
- 表題登記、変更登記、分筆登記に関する書類作成
- 申請内容の適法性や必要書類の確認
2. 作図・測量問題
- 地積測量図や建物図面の作成
- トラバース計算や面積計算の結果を図面に反映
第一次試験の合格基準
- 択一式・記述式の両方に合格することが必須
- 択一式: 正答率70%以上
- 記述式: 60%以上の得点が目安
第二次試験(口述試験)
筆記試験の合格者のみが口述試験に進めます。
- 不動産登記手続きに関する質疑応答形式
- 測量・登記実務の対応力と即答力が評価されます。
試験概要
試験項目 | 内容 | 時間 |
---|---|---|
法律知識確認 | 登記法・民法・関連法規の質疑応答 | 約15分 |
測量実務知識 | 測量計画や計算方法の説明 | 約10分 |
実務対応力 | トラブル対応や顧客説明の模擬質問 | 約10分 |
口述試験での主な質問例
- 表題登記と所有権移転登記の違いは?
- 地積測量図作成時の誤差調整方法を説明してください。
- 隣地所有者が境界確認を拒否した場合の対応策は?
第二次試験の合格基準
- 試験官との質疑応答において即答性と論理的説明力が評価基準
- 合格率は約88%で、筆記合格者の大半が突破
試験対策
分野別対策方法
1. 択一式試験対策(40問)
① 不動産登記法対策(20問)
- 条文理解が最重要。過去問から頻出条文を把握。
- 出題傾向: 登記申請手続き、登記事項、添付書類
- 対策法:
- 条文を音読+暗記カードで反復復習
- 過去10年分の問題を最低3周解く
② 民法対策(8問)
- 相隣関係・所有権・地役権問題が中心
- 事例問題が多く、具体的な判例理解が必要
- 対策法:
- 毎日1問ずつ事例問題を解く
- 判例集を活用し、実際のケースで理解を深める
③ 土地家屋調査士法・関連法規(4問)
- 職務規定や懲戒事由の暗記が得点源
- 対策法:
- 法令部分は短時間で繰り返し復習
- 問題形式に慣れるために過去問を反復
④ 測量計算問題(8問)
- トラバース計算、座標計算、面積計算が頻出
- 計算ミス防止が最重要。公式の意味を理解。
- 対策法:
- 毎日1問の計算練習でスピード強化
- 測量公式を暗記し、解法パターンを定着させる
2. 記述式試験対策(2問)
① 登記申請書作成問題
- 表題登記、変更登記、滅失登記の申請書を作成
- 誤字・脱字は減点対象。丁寧さが求められる。
- 対策法:
- 週に2回は申請書作成練習
- 模範解答を確認して記載パターンを覚える
② 作図・測量問題
- 地積測量図、建物図面作成問題が出題。
- 制限時間内に正確な作図が求められる。
- 対策法:
- 毎日1問作図練習し、時間内完成を目指す
- 作図後はチェックリストで誤記確認
3. 口述試験対策
試験内容
- 登記法・民法・測量法の基礎知識
- 測量計画や登記手続きの説明
対策方法
- 模擬面接を繰り返し実施
- 過去の口述試験の質問パターンを暗記
- 質問に対して簡潔かつ正確に答える練習
模擬試験の活用
模擬試験実施のメリット
- 本番形式で時間配分の感覚を養う
- 問題選択の優先順位を確認
- 苦手分野の再確認
取得後に出来ること
取得すると、不動産登記に関する調査・測量・申請代理業務を法的に独占して実施できるようになります。
これは不動産の正確な表示や所有権保護を目的とした重要な業務で、土地や建物の現況調査、登記書類作成、登記申請の代理が可能です。
主な業務内容と権限
1. 不動産表示に関する登記の申請代理
土地家屋調査士は、不動産登記の表示部に関する申請を代理で行うことができます。
これは土地家屋調査士の独占業務で、他の資格者は実施できません。
対応可能な登記業務
-
土地登記:
- 地目変更登記
- 分筆登記、合筆登記
- 地積更正登記
-
建物登記:
- 表題登記(新築時)
- 表題変更登記(増築・用途変更時)
- 滅失登記(取り壊し時)
-
登記申請書類の作成と提出代理
2. 土地・建物の調査・測量業務
土地家屋調査士は、土地や建物の現況を調査し、登記用図面を作成できます。
-
土地測量:
- 境界確定測量
- 面積測定・地積測量
- 現況測量・高低測量
-
建物調査:
- 建物の位置確認
- 建物図面・各階平面図の作成
測量業務の特徴
- 隣接地との境界確認・トラブル防止に貢献
- 公共事業や不動産取引において欠かせない業務
3. 境界確定業務と立会い業務
土地家屋調査士は、土地所有者と隣接地所有者の立会いを行い、境界を確定します。
業務の流れ
- 土地の現況調査
- 境界標の設置と測量
- 隣接地所有者への説明と立会い実施
- 境界確認書の作成と提出
境界確定業務の重要性
- 境界トラブルを未然に防ぐ
- 公共工事や土地取引時の円滑な進行に貢献
4. 登記手続きの代理と顧客支援
- クライアント(個人・法人)の代理人として登記申請を実施
- 不動産会社、建設会社、個人所有者への登記手続きサポート
- 建物の新築・解体・用途変更に伴う登記変更支援
活躍できる業界と職種
業界 | 職種 | 資格取得後にできること |
---|---|---|
不動産業 | 登記担当、用地調査担当 | 土地建物の登記申請、現況確認 |
建設業 | 測量士補、用地交渉担当 | 工事前の測量や境界確認 |
法律事務所 | 法務アドバイザー | 不動産トラブル時の測量・登記相談 |
官公庁・自治体 | 技術職、用地取得担当 | 公共用地取得のための測量・登記業務 |
独立開業 | 土地家屋調査士事務所代表 | 個人・法人の案件請負、顧客対応全般 |
取得後のキャリアアップと収入向上
1. 独立開業が可能
- 資格取得後は自分の事務所を設立でき、顧客から直接案件を受注可能。
- 独立後は案件の獲得次第で、年収1,000万円以上も可能。
2. 企業内での昇進・昇格
- 測量会社や建設会社で管理職・現場責任者への昇格に有利。
- 登記事務や測量部門のリーダーとして活躍。
3. 資格手当や年収増加
- 企業勤務でも月2万円〜5万円程度の資格手当が支給されることが多い。
- 年収が50万円〜100万円アップするケースも。
4. 他の資格との相乗効果
- 司法書士、行政書士とのダブルライセンスで業務拡大。
- 不動産関係のコンサルタント業務も展開可能。
独立・フリーランスでの活躍
1. 個人事務所設立で案件請負
- 土地家屋調査士資格があれば、独立して登記・測量業務を直接請け負うことができます。
- 地域密着型で個人顧客や不動産会社からの依頼が安定。
2. 公共事業や大手企業案件で安定収入
- 官公庁や自治体からの測量委託案件も多い。
- 公共インフラ整備のプロジェクトに関与可能。
3. 報酬相場(独立時の目安)
業務内容 | 報酬相場 |
---|---|
土地分筆登記 | 10万円〜30万円 |
建物表題登記 | 8万円〜20万円 |
境界確定測量 | 20万円〜50万円 |
公共測量・委託案件 | 1件あたり30万円以上 |
公共事業・行政でのメリット
1. 公共用地取得業務への参画
- 道路建設・鉄道工事・公共施設建設に必要な用地測量業務を担当。
- 公共事業案件は安定収入源として魅力的。
2. 地域の境界問題解決に貢献
- 隣地トラブル解決の専門家として地域社会に貢献。
- 土地所有者間の紛争防止で地域の秩序維持に寄与。
資格取得後のキャリアパス
キャリア段階 | 取得後の役割 | 実務でできること |
---|---|---|
取得直後 | 測量補助、登記事務担当 | 測量補助、申請書類作成補助 |
経験1〜3年 | 登記申請代理担当 | 登記申請書類作成、現場調査、顧客対応 |
経験5年以上 | 独立開業、事務所代表 | 個人案件受注、事務所経営 |
経験10年以上 | 法人化、講師・研修担当 | 調査士法人経営、後進育成、セミナー講師 |
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