工業英語能力検定試験

技術系分野で必要とされる英語の読解力、翻訳力、記述力などを測る試験です。技術者、研究者、翻訳者など、工業・技術系の英語を扱う人にとって重要な資格とされています。

試験レベル

工業英語能力検定試験は、以下の3つのレベルで実施されます。

難易度 主な対象者
1級 最も難しい 専門的な技術文書の作成・翻訳を行う技術者・翻訳者
2級 中級レベル 技術文書の正確な理解と記述が求められる技術者・学生
3級 基礎レベル 技術英語の基本を学ぶ学生・入門者

主催
(社)日本工業英語協会

受験資格と難易度

難易度とレベル別の特徴

工業英語能力検定試験は1級・2級・3級の3段階に分かれています。
級が上がるほど、技術文書の読解・翻訳・記述能力の要求レベルが高くなります

1級(最上級レベル)

  • 難易度: 非常に高い(上級者向け)
  • 対象者: 技術翻訳者、技術者、研究者、エンジニア、専門技術者
  • 求められるスキル:
    • 専門的な技術英語の理解力
    • 高度な翻訳スキル
    • 正確で自然な英語表現
  • 合格率: 低め(20~30%程度と推定)

2級(中級レベル)

  • 難易度: 中程度(技術英語に慣れている人向け)
  • 対象者: 技術職の社会人、大学生、技術英語を使う職種の人
  • 求められるスキル:
    • 技術文書の正確な読解力
    • 基礎的な翻訳能力
    • 基本的な技術英語表現
  • 合格率: 中程度(40~50%程度と推定)

3級(基礎レベル)

  • 難易度: 初級(工業英語の入門レベル)
  • 対象者: 工業英語を学び始めた学生、技術職志望者、基礎力をつけたい社会人
  • 求められるスキル:
    • 基本的な技術英語の単語・文法知識
    • 簡単な技術文書の理解
  • 合格率: 高め(60~70%程度と推定)

難易度別の比較表

難易度 主な対象者 出題内容 合格率(推定)
1級 ★★★★☆(難関) 技術翻訳者、専門技術者 技術論文翻訳、要約、専門文書記述 約20~30%
2級 ★★★☆☆(中級) 技術者、大学生 仕様書読解、一般技術文書翻訳、説明文記述 約40~50%
3級 ★★☆☆☆(初級) 初学者、学生、基礎学習者 簡単な技術英語読解、基礎翻訳 約60~70%

試験内容

1級・2級・3級に分かれ、それぞれ試験範囲や出題形式が異なります。
試験はすべて筆記試験であり、技術英語の読解・翻訳・記述力が問われます。

1級(最上級レベル)

試験内容

出題分野 内容
技術英語の読解 難解な技術論文・マニュアル・規格書を正確に読解する問題
翻訳(和訳・英訳) – 日本語の技術文書を英語に翻訳
– 英語の技術文書を日本語に翻訳
要約・説明(英作文) 技術的な内容を簡潔かつ正確に英語で説明する問題
文法・用語 技術用語の正確な使用、専門的な表現を問う問題

具体的な問題例

  1. 英語の技術論文の要約(200語程度)
  2. 専門的な技術文章の翻訳(日→英、英→日)
  3. 技術用語を用いた英作文
  4. 図表・データをもとにした英語での説明
  5. 誤った技術英語表現の修正

試験の特徴

  • 高度な専門用語精密な翻訳能力が求められる
  • 英語の技術論文・マニュアルを理解し、適切に翻訳・要約できるかが鍵
  • 記述式問題が中心で、選択問題はほぼない

2級(中級レベル)

出題分野 内容
技術英語の読解 技術マニュアル・仕様書・製品説明を読解する問題
翻訳(和訳・英訳) – 簡単な技術文書を日本語から英語へ翻訳
– 技術用語を含む英語文を日本語へ翻訳
技術レポート記述 指示されたテーマに沿って短文の英語技術レポートを書く
文法・技術用語 基本的な技術英語の文法、正しい表現を問う問題

具体的な問題例

  1. 技術マニュアルの抜粋を読んで内容を要約
  2. 英語→日本語 / 日本語→英語の翻訳問題
  3. 簡単な技術レポート作成(100~150語)
  4. 技術英語特有の表現を問う文法問題
  5. 誤った技術用語の訂正

試験の特徴

  • 実務レベルの技術英語の理解と翻訳力が問われる
  • 専門性の高い文書の読解・翻訳が必要
  • 記述問題が多く、選択問題は一部のみ

3級(基礎レベル)

出題分野 内容
技術英語の基礎読解 簡単な技術マニュアルや仕様書の読解
翻訳(和訳・英訳) – 短い技術文の英訳・和訳
– 基本的な技術用語の意味を理解する問題
短文記述(英作文) 簡単な技術的説明を英語で書く
文法・基本技術用語 基本的な技術英語表現の正しい使い方

具体的な問題例

  1. 簡単な技術文の読解問題
  2. 基本的な技術用語を使った英訳 / 和訳
  3. 短文の技術英語ライティング(50~100語)
  4. 技術英語の基本文法問題(選択式)
  5. 日常的な技術用語の意味を問う問題

試験の特徴

  • 技術英語の基礎を学ぶための入門試験
  • 選択問題が多め、記述問題もあるが短文
  • 基礎的な語彙・文法を身につけることが重要

級別の試験比較表

難易度 試験内容 主要スキル 記述式割合
1級 ★★★★☆(最難関) 技術論文読解・翻訳・要約・専門文書記述 高度な技術英語の理解・翻訳・執筆 ほぼ100%
2級 ★★★☆☆(中級) 技術文書読解・翻訳・短文技術レポート作成 実務レベルの技術英語理解・翻訳 約80%
3級 ★★☆☆☆(基礎) 簡単な技術英語読解・短文翻訳・基礎英作文 技術英語の基本知識 約50%

試験対策

全体的な試験対策のポイント

  1. 技術英語の基礎を固める
    • 技術英語特有の単語や表現を学ぶ
    • 文法や英作文の基本を強化する
  2. 過去問題を解く
    • 出題傾向を把握し、問題の解き方に慣れる
    • 時間配分の練習を行う
  3. 技術文書を読む習慣をつける
    • 英語の技術マニュアルや論文を読んで、実際の表現を学ぶ
  4. 翻訳練習を行う
    • 和訳・英訳両方の翻訳力を鍛える
    • 自然で正確な訳を意識する
  5. 記述力を向上させる
    • 技術的な内容を英語で簡潔に説明できるようにする

級別の試験対策

1級(最上級レベル)対策

  1. 技術論文・規格書を読む

    • IEEE、ScienceDirect、Natureなどの技術論文を読む
    • 英語のマニュアルや特許文書の読解を行う
    • 読んだ内容を要約する練習をする
  2. 高度な翻訳スキルを磨く

    • 専門的な技術文書を日→英・英→日で翻訳する
    • 翻訳例を比較し、より自然で適切な表現を学ぶ
    • 「直訳」ではなく、意味を正しく伝える意訳を意識する
  3. 英語で技術説明をする練習

    • 200語程度の技術説明文を書く練習をする
    • 簡潔かつ正確に説明するスキルを身につける
  4. 記述問題対策

    • 過去問や技術英語の模範解答を見ながら記述力を高める
    • 英語の技術文書を書いて添削を受ける(ネイティブチェック推奨)

2級(中級レベル)対策

  1. 技術マニュアル・仕様書の読解訓練

    • 実際のマニュアルを読む
    • 不明な単語や表現を辞書で調べながら、内容を理解する
  2. 翻訳演習(日→英・英→日)

    • 技術文書を選び、短い文章を和訳・英訳する練習を繰り返す
    • 専門用語を適切に使う
    • 自分の訳を他の模範訳と比較し、表現を修正する
  3. 技術レポート作成

    • シンプルで正確な技術レポートを書く練習をする
    • 主語+動詞の明確な文章を心掛ける
  4. 技術英語の文法強化

    • 技術文書でよく使われる「受動態」「関係代名詞」「時制」の復習
    • 文法ミスが減ると、記述の正確性が向上する

3級(基礎レベル)対策

  1. 基本的な技術単語を暗記

    • 「pressure(圧力)」「voltage(電圧)」「temperature(温度)」などの基本語彙を覚える
    • 技術用語辞典を活用して、頻出単語を整理する
  2. 短い技術文章の読解・翻訳

    • シンプルな技術文の和訳・英訳の練習を行う
  3. 簡単な技術レポートを書く練習

    • 例:「The function of a capacitor is to store electrical energy.」(コンデンサの機能は電気エネルギーを蓄えることです)
    • 短い英文を書く練習をして、正確な文法を身につける
  4. 文法の基礎固め

    • 技術英語に特有の「受動態」「時制」「比較級」の使い方をマスターする
    • 簡単な文を正確に書けるようにする

取得後に出来ること

技術職・エンジニアとしてのキャリアアップ

技術系企業での評価向上

  • グローバル企業や外資系企業での活躍

    • 技術英語のスキルを持つことで、海外企業との取引やプロジェクトで有利
    • 海外向けの技術仕様書やマニュアルの作成に携わることが可能。
  • 研究開発職での技術文書作成

    • 英語の論文や技術レポートを正確に作成できるスキルが評価される。
    • 特許申請書類の英語対応も可能になり、知財関連業務に貢献できる。
  • 製造・生産技術部門での応用

    • 英語の製品マニュアルや技術仕様書の理解が必要な業務で有利。
    • 海外工場やサプライヤーとの技術的なやり取りをスムーズに行える。

技術翻訳者としての仕事

専門技術翻訳の仕事が可能

  • 技術翻訳者として、工業・技術系の翻訳案件を受注できる。
  • 翻訳会社やフリーランスとしての活動が可能になる。

翻訳の主な分野

分野 仕事内容
技術マニュアル 製品の操作マニュアルや取扱説明書の翻訳
特許翻訳 特許申請書類の翻訳(技術分野によって高単価)
仕様書・設計書 機械・電気・電子工学の仕様書や設計書の翻訳
学術論文 研究論文の英訳・和訳
ソフトウェア・IT ソフトウェアの技術ドキュメントの翻訳

特に、1級を取得すると技術翻訳の仕事での評価が高まる。
2級でも実務翻訳の基礎があると見なされ、業務に活かしやすい。

技術英語講師・教育分野での活躍

  • 工業英語の指導者としての道

    • 大学・専門学校・企業研修の講師として活躍可能。
    • 工業英語を学ぶ技術者・学生に対して、専門的な指導ができる。
  • 技術英語ライティング指導

    • 企業の技術者向けに、英語レポートや論文作成のトレーニングを提供
    • 技術ライティングのノウハウを活かして、専門的な教材作成ができる。

海外留学・国際学会での活用

海外大学・大学院での研究

  • 技術英語の論文執筆スキルがあると、海外の大学や研究機関での留学・研究に有利
  • 1級レベルなら、英語での論文発表や学会参加がスムーズにできる

国際学会・技術会議での活躍

  • 英語でのプレゼンテーション能力を証明できる
  • 研究成果を発表する際に、技術英語の正確な表現を使える。

資格手当・昇進の可能性

企業によっては資格手当が支給される

  • 一部の企業では、技術英語能力が評価され、資格手当が支給されることがある。
  • 技術英語を活かす業務では、昇進や評価の対象になる。

海外企業とのビジネス交渉

  • 海外の取引先やパートナー企業との技術的なやり取りがスムーズになる。
  • 英語での仕様説明や交渉ができることで、海外展開を考えている企業での役割が増える

級別の活用ポイント

取得級 活用できる分野 具体的な活用例
1級 技術翻訳、研究開発、国際学会、講師 技術論文の執筆・翻訳、特許翻訳、英語プレゼン
2級 技術職、製造業、IT、翻訳業務 技術仕様書の翻訳、英語マニュアル作成、海外技術者との連携
3級 初級レベルの技術職、英語学習者 技術マニュアルの理解、簡単な英語での技術説明

語学系資格一覧

通訳案内士
翻訳実務士資格
JTFほんやく検定
知的財産翻訳検定
TOEIC Bridge
TOEIC
TOEIC Speaking & Writing
ケンブリッジESOL英語検定試験
TOPEC
工業英語能力検定試験
SST(スタンダードスピーキングテスト)
TSST
TEP TEST
TOEFL
ACT
SAT
GRE
GMAT
IELTS
全養協日本語教師検定
J-SHINE(小学校英語指導者資格)
日本語教育能力検定試験
中国語検定
ビジネス中国語検定
スコア式ビジネス中国語検定試験
新HSK(漢語水平考試)
世界韓国語認証試験(KLPT)
インドネシア語技能検定試験
タイ語検定試験(TAEC)
ハングル能力検定
実用タイ語検定試験
実用イタリア語検定
スペイン語技能検定
DELE(スペイン文部省認定証)
ドイツ語技能検定試験
フランス語能力認定試験(TEF)
実用フランス語技能検定
ロシア語能力検定
観光英語検定試験

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