応用情報技術者試験

日本の情報処理技術者試験の一つで、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格です。基本情報技術者試験(FE試験)の上位に位置し、ITエンジニアやシステム管理者としての実践的な知識とスキルが求められます。

主催
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)

受験資格と難易度

受験資格

応用情報技術者試験(AP試験)は、受験資格に制限がなく、誰でも受験可能です。
学生、社会人、未経験者でも受験できますが、試験範囲が広いため、ITの基礎知識があると有利です。

受験におすすめの人

  • 基本情報技術者試験(FE試験)を合格した人
    • 基礎知識があるため、応用情報の勉強がスムーズになる
  • ITエンジニアやシステム管理者
    • 実務経験があると、午後試験の記述問題に対応しやすい
  • 情報系の大学生・専門学生
    • 大学や専門学校で学んだ知識を活かせる

未経験者の注意点

  • ITの知識がゼロの状態では、難易度が高く感じることが多い
  • ITパスポートや基本情報技術者試験(FE試験)を先に取得すると、理解しやすくなる

難易度

応用情報技術者試験は、ITエンジニアの中級レベルの試験とされ、基本情報技術者試験(FE試験)より難しく、高度情報処理技術者試験よりは簡単なレベルです。

合格率

  • 約20~25%(年度によって変動)
  • 基本情報技術者試験(約25~30%)よりやや低め
  • 高度情報処理技術者試験(約10~15%)よりは高め
試験 難易度 合格率
ITパスポート(IP) 初級レベル 約50%
基本情報技術者試験(FE) 初級~中級 約25~30%
応用情報技術者試験(AP) 中級レベル 約20~25%
高度情報処理技術者試験(NW、DBなど) 上級レベル 約10~15%

試験の難しさ(午前と午後の違い)

試験 特徴 難易度
午前試験(択一式) 基本情報技術者試験と似た形式で、過去問を解けば対策しやすい やや易
午後試験(記述式) 記述式のため、論理的に説明する力が必要。問題の選択次第で難易度が変わる 難しい
  • 午前試験は過去問演習が有効で、繰り返し解くことで得点しやすくなる
  • 午後試験は記述式であり、論理的な説明力や実務的な知識が必要なため、対策をしないと難しい

試験内容

1. 午前試験(多肢選択式・四肢択一)

概要

項目 内容
試験時間 9:30~12:00(2時間30分)
問題数 80問(すべて必須)
出題形式 四肢択一(マークシート方式)
配点 100点満点(1問あたり1.25点)
合格基準 60点以上

出題範囲

午前試験では、「テクノロジ系」「マネジメント系」「ストラテジ系」の3分野から出題されます。

① テクノロジ系(50問)

ITの技術に関する問題が多く、基本情報技術者試験(FE試験)よりもやや応用的な内容が出題されます。

  • 基礎理論(離散数学、アルゴリズム、データ構造、計算理論)
  • コンピュータ構成要素(CPU、メモリ、ストレージ、I/O)
  • システム構成(OS、ネットワーク、データベース、クラウド技術)
  • ソフトウェア開発(プログラミング、オブジェクト指向、ソフトウェア設計)
  • セキュリティ(暗号化、認証、ファイアウォール、脆弱性対策)
② マネジメント系(10問)

ITを活用したプロジェクト管理やシステム運用に関する知識を問われます。

  • プロジェクトマネジメント(WBS、EVM、リスク管理)
  • サービスマネジメント(ITIL、SLA、インシデント管理)
  • システム監査(監査手法、内部統制、リスク管理)
③ ストラテジ系(20問)

企業経営やIT戦略に関する知識が問われます。

  • 企業と法務(知的財産権、個人情報保護、労働関連法)
  • 経営戦略(SWOT分析、マーケティング、経営分析)
  • システム戦略(DX、IT投資評価、業務プロセス改善)

午前試験の特徴

  • 過去問の類似問題が多いため、過去問演習が有効
  • 基礎知識が問われるため、広く浅く勉強することが重要
  • 応用情報レベルの数学的知識(離散数学・統計)が必要な場合もある

2. 午後試験(記述式)

概要

項目 内容
試験時間 13:00~15:30(2時間30分)
問題数 11問中5問を選択して解答
出題形式 記述式(マークシートなし)
配点 100点満点
合格基準 60点以上

出題範囲

午後試験は、午前試験の内容をより深く掘り下げた問題が出題され、記述形式での解答が求められます。
また、「情報セキュリティ」は必須問題で、残りの4問は選択式です。

分野 出題数 解答数 主な出題内容
情報セキュリティ(必須) 1問 1問 セキュリティリスク、暗号技術、認証、脆弱性対応
ネットワーク 1問 任意選択 TCP/IP、ルーティング、VPN、クラウドネットワーク
データベース 1問 任意選択 SQL、正規化、トランザクション管理
組込みシステム開発 1問 任意選択 IoT、リアルタイムOS、制御システム
情報システム開発 1問 任意選択 要件定義、システム設計、開発手法(ウォーターフォール、アジャイル)
プロジェクトマネジメント 1問 任意選択 PMBOK、進捗管理、リスク管理
サービスマネジメント 1問 任意選択 ITIL、ITサービス運用、インシデント管理
システム監査 1問 任意選択 内部統制、監査手法、リスク評価

午後試験の特徴

  • 情報セキュリティは必須なので、確実に対策が必要
  • 記述式のため、単語ではなく文章で説明できる能力が求められる
  • 問題の選択によって難易度が変わるため、自分の得意分野を選ぶことが重要
  • 過去問演習を通じて、記述の仕方や論理的な説明のコツをつかむことが必要

試験対策

1. 午前試験対策(四肢択一)

特徴

  • 80問すべて必須解答
  • 過去問の類似問題が多い(傾向が安定している)
  • 暗記と理解のバランスが重要

対策方法

① 過去問を繰り返し解く
  • 5~10年分の過去問を解くことで、出題傾向を把握
  • 過去問の解説をしっかり読む(答えを覚えるのではなく、なぜその答えになるのかを理解する)
  • 間違えた問題をノートにまとめて復習(苦手分野を重点的に対策)
② 頻出分野を重点的に学習
分野 重要度 内容
情報セキュリティ ★★★★☆ 暗号技術、認証、脆弱性、攻撃手法
ネットワーク ★★★☆☆ TCP/IP、ルーティング、VPN、クラウド技術
データベース ★★★☆☆ SQL、正規化、トランザクション管理
アルゴリズム・プログラミング ★★★★☆ ソート・探索、計算量、データ構造
プロジェクトマネジメント ★★★☆☆ WBS、EVM、リスク管理
ストラテジ系(経営・法務) ★★☆☆☆ 知的財産権、SWOT分析、マーケティング
③ 用語や概念をしっかり理解
  • 「なぜその答えになるのか?」を考えながら学習する
  • 単なる暗記ではなく、概念を理解することで応用問題にも対応できる
④ スキマ時間を活用
  • スマホアプリや参考書を使って、移動時間や空き時間に勉強する
  • IT用語集を作成し、定期的に見直す

2. 午後試験対策(記述式)

特徴

  • 11問中5問を選択して解答(情報セキュリティは必須)
  • 記述式のため、論理的な説明力が必要
  • 選択問題の分野によって難易度が変わる

対策方法

① 記述問題の解答パターンを学ぶ
  • 過去問を使い、模範解答を参考にしながら解答を作成する
  • 文章の書き方を練習する(簡潔かつ的確に説明することを意識)
  • 主語と述語を明確にし、論理的な説明を心がける
② 得意分野を決めて重点的に対策

午後試験は選択問題があるため、自分の得意な分野を決めて対策するのが効果的です。

分野 特徴 難易度
情報セキュリティ(必須) セキュリティリスク、暗号技術、認証、脆弱性対応 やや難
ネットワーク TCP/IP、ルーティング、VPN、クラウド技術 普通
データベース SQL、正規化、トランザクション管理 普通
組込みシステム開発 IoT、リアルタイムOS、制御システム やや難
情報システム開発 要件定義、システム設計、開発手法 普通
プロジェクトマネジメント PMBOK、進捗管理、リスク管理 やや難
サービスマネジメント ITIL、ITサービス運用、インシデント管理 普通
システム監査 内部統制、監査手法、リスク評価 やや難
③ 情報セキュリティは確実に対策
  • 午後試験で必須出題されるため、確実に得点できるように準備
  • 暗号技術、認証方式、セキュリティリスクの対策方法を理解
  • 実際のサイバー攻撃事例などを調べ、実務的な知識をつける
④ 過去問を解きながら時間配分を意識
  • 本番と同じ時間で過去問を解き、時間内に解答できるように練習
  • どの問題を選ぶか、どのくらいの時間をかけるかを事前に決めておく

3. おすすめの勉強法

① 参考書と問題集を活用

書籍 特徴
応用情報技術者試験 午前問題集 過去問を効率的に学べる
応用情報技術者試験 午後対策テキスト 記述式の解答例が豊富
重点対策 応用情報技術者試験 午前・午後の両方をカバー

② 過去問を活用

  • IPA公式サイトで過去問をダウンロードし、繰り返し解く
  • 特に午後試験は解答例を参考にしながら、記述の仕方を学ぶ

③ IT関連のニュースや事例をチェック

  • 最新のIT技術やセキュリティインシデントを把握し、試験での応用力を高める
  • IT関連のニュースサイトやIPAの公式情報を活用

④ 計画的に学習を進める

期間 学習内容
試験3ヶ月前 過去問を解きながら、苦手分野を把握
試験2ヶ月前 午前試験の頻出問題を重点的に学習
試験1ヶ月前 午後試験の記述対策を本格的に開始
試験2週間前 模試や時間を測った演習を行い、実戦形式で対策

取得後に出来ること

1. ITエンジニアとしてのスキル証明

応用情報技術者試験は国家資格であり、ITエンジニアとしての中級レベルの知識とスキルを持っていることの証明になります。

  • 企業内での評価向上
    • IT企業やシステム開発会社では、資格取得を評価する企業が多い
    • 昇進・昇給の条件として設定されている企業もある
  • クライアントや取引先への信頼性向上
    • プロジェクトリーダーやITコンサルタントを目指す際の強みになる

2. 転職・就職で有利になる

応用情報技術者試験の取得により、転職や就職活動において有利になることが期待されます。

ITエンジニア職で有利になるポイント

  • IT業界の企業では、「応用情報技術者試験」を持っていると評価されやすい
  • システムエンジニア(SE)、プログラマー(PG)、インフラエンジニアなど幅広い職種で有利
  • IT未経験者でも、「基本情報+応用情報」を持っていると知識があることの証明になる

有利になる職種

職種 メリット
システムエンジニア(SE) 要件定義・設計の知識を証明できる
ネットワークエンジニア ネットワーク・セキュリティ知識が評価される
データベースエンジニア SQLや正規化の知識が活かせる
ITコンサルタント IT戦略や経営知識を活かせる
セキュリティエンジニア セキュリティの専門知識が証明できる

就職・転職に活かせる具体例

  • 公務員(IT系)
    • 応用情報技術者試験の資格を持っていると、一部の自治体では採用試験で優遇されることがある
  • 未経験からIT業界へ転職する際のアピール材料
    • 「基本情報」と「応用情報」を取得していると、IT知識の基礎があるとみなされやすい
  • 社内のIT部門への異動・キャリアチェンジ
    • IT未経験の職種から社内SEや情報システム部門に異動する際に有利

3. 資格手当・報奨金がもらえる

企業によっては、応用情報技術者試験の資格を取得すると、資格手当報奨金が支給される場合があります。

具体例

  • 資格手当:毎月5,000円~10,000円程度の支給
  • 報奨金:資格取得時に一時金として10,000円~50,000円の支給

※支給額は企業によって異なるため、社内の資格制度を確認することをおすすめします。

4. 高度情報処理技術者試験の午前試験が一部免除

応用情報技術者試験に合格すると、一部の高度情報処理技術者試験の午前I試験が免除されます。
これにより、さらに上位の資格取得がしやすくなります。

午前試験免除の対象となる試験

高度試験 試験の特徴
ネットワークスペシャリスト(NW) ネットワーク設計・運用の専門資格
データベーススペシャリスト(DB) データベース設計・管理の専門資格
システムアーキテクト(SA) システム設計の上級資格
プロジェクトマネージャ(PM) ITプロジェクト管理の専門資格
情報処理安全確保支援士(SC) セキュリティエンジニア向けの資格

※応用情報合格後 2年間は午前I試験が免除 されるため、この期間内に高度試験を受けるのが効率的。

5. フリーランス・副業に活かせる

応用情報技術者試験を取得すると、フリーランスや副業での仕事獲得にも役立ちます

活かせる仕事

  • クラウドソーシングでの案件獲得
    • 「応用情報技術者試験 合格者」としてプロフィールに記載すると、信頼度が上がる
  • ITコンサルタントとしての独立
    • IT戦略やシステム設計の知識を活かして、企業向けのコンサルティングを行うことができる
  • 講師・執筆活動
    • ITスクールの講師や、技術書・ブログ執筆などの活動がしやすくなる

6. 大学の単位認定・入試優遇

応用情報技術者試験を取得していると、一部の大学・専門学校で単位認定や入試優遇が受けられることがあります。

単位認定の例

  • 情報系の大学・専門学校では、「応用情報技術者試験」を取得していると 一部の単位が免除 される場合がある
  • 入試優遇:情報系の学部・大学院で、入試の際に「資格取得者優遇制度」が適用されることがある

おすすめの講習、教材

教材

 講座

コンピューター系資格一覧

応用情報技術者試験
基本情報技術者
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
ITストラテジスト試験
システムアーキテクト試験
システム監査技術者
ITサービスマネージャ試験
ITパスポート試験
ネットワークスペシャリスト試験
プロジェクトマネージャ
情報処理安全確保支援士試験(RISS)
データベーススペシャリスト試験
Accessビジネスデータベース技能認定試験
Excel表計算処理技能認定試験
Word文書処理技能認定試験
PowerPointプレゼンテーション技能認定試験
Javaプログラミング能力認定試験
COBOLプログラミング能力認定試験
パソコン検定(P検)
C言語プログラミング能力認定試験
情報処理技術者能力認定試験
VisualBasicプログラミング能力認定試験
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
VBAエキスパート
IC3
ワードプロセッサ技能認定試験
パソコン技能検定Ⅱ種試験
EC(電子商取引)実践能力検定
OracleApplication認定コンサルタント
CAD利用技術者試験
ORACLE MASTER(オラクルマスター)
会計ソフト実務能力試験
Server+
A+
コンピュータサービス技能評価試験
J検(情報検定)
Linux+
Network+
UBA能力検定
マイクロソフト認定トレーナー(MCT)
マイクロソフト認定資格プログラム
Linux技術者認定試験
情報セキュリティ検定試験
UMLモデリング技能認定試験
Oracle Certified Java Programmer(OCJP)
CGエンジニア検定
画像処理エンジニア検定
シスコ技術者認定
インターネット検定 .com Master
Cisco技術者認定資格(CCIE)
Turbo-CE/Pro/CI
CIW
RHCE(Red Hat認定エンジニア)
Oracle Solaris 11 System Administrator
PostgreSQL CE
情報ネットワーク施工プロフェッショナル(INIP)
Zend PHP 5 Certification
商PC検定試験

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