情報セキュリティスペシャリスト試験(SC)は、2017年に「情報処理安全確保支援士試験(RISS)」に名称変更されました。
試験内容は基本的に変わっておらず、情報セキュリティ分野の専門家を証明する国家資格(高度情報処理技術者試験・レベル4)です。
サイバー攻撃・情報漏えい・アクセス管理・暗号技術・セキュリティポリシー策定など、企業の情報セキュリティを守るための高度な知識と実践力が求められます。
受験資格と難易度
1. 受験資格
情報処理安全確保支援士試験(RISS)は、受験資格の制限がなく、誰でも受験可能 な国家試験です。
- 学歴・職歴・年齢の制限なし
- 他の情報処理技術者試験(基本情報・応用情報)の合格がなくても受験可能
- セキュリティエンジニア、ネットワークエンジニア、IT管理者向けの試験
2. 試験の難易度と合格率
情報処理安全確保支援士試験の合格率は約15%前後で、高度情報処理技術者試験(レベル4)の中でも難関 とされています。
年度 | 受験者数 | 合格率 | 合格者数 |
---|---|---|---|
2023年(春) | 約12,500人 | 14.5% | 約1,800人 |
2022年(秋) | 約11,800人 | 14.0% | 約1,700人 |
2021年(春) | 約11,500人 | 13.8% | 約1,600人 |
試験の難易度のポイント
- 午前Ⅰ(選択式)は過去問対策が有効で、対策しやすい
- 午前Ⅱ(選択式)はセキュリティ技術・ネットワーク・暗号技術の知識が必要
- 午後Ⅰ(記述式)はサイバー攻撃対策・脆弱性診断・セキュリティインシデント対応の知識が求められる
- 午後Ⅱ(論述式)はセキュリティポリシー策定・リスク管理の視点で論述する必要がある
試験内容
1. 試験の概要
試験区分 | 試験時間 | 出題形式 | 配点 |
---|---|---|---|
午前Ⅰ | 50分 | 多肢選択式(四肢択一) | 100点満点(基準点60%) |
午前Ⅱ | 40分 | 多肢選択式(四肢択一) | 100点満点(基準点60%) |
午後Ⅰ | 90分 | 記述式(2問解答) | 100点満点(基準点60%) |
午後Ⅱ | 120分 | 論述式(1問解答) | 100点満点(基準点60%) |
合格基準
- 各試験区分ごとに60%以上の得点が必要(1つでも60%未満だと不合格)
- 全体で60%以上の得点を獲得する必要がある
2. 午前試験(選択式)
午前試験は「午前Ⅰ」と「午前Ⅱ」に分かれ、それぞれ多肢選択式(マークシート方式) です。
午前Ⅰ(IT基礎知識:四肢択一 30問 50分)
午前Ⅰは、他の高度試験と共通問題 のため、セキュリティ以外のIT知識も問われます。
出題範囲
- 情報セキュリティ(暗号技術・アクセス制御・認証)
- ネットワーク(TCP/IP・VPN・ファイアウォール)
- データベース(SQL・正規化・トランザクション管理)
- システム開発(ウォーターフォール・アジャイル・DevOps)
午前Ⅱ(情報セキュリティ専門知識:四肢択一 25問 40分)
午前Ⅱは情報セキュリティに特化した専門問題 が出題されます。
出題範囲
- 暗号技術(AES・RSA・SHA・ハッシュ関数)
- 認証技術(多要素認証・PKI・デジタル署名)
- サイバー攻撃(DDoS・SQLインジェクション・ゼロデイ攻撃)
- ネットワークセキュリティ(IDS/IPS・WAF・ゼロトラスト)
- セキュリティポリシー・ISMS(ISO27001)
3. 午後Ⅰ試験(記述式:90分)
午後Ⅰ試験は事例をもとに、セキュリティ設計・運用・脆弱性管理の対応策を記述する問題 が出題されます。
出題範囲
- サイバー攻撃の検知・防御(IDS・SIEM・EDRの活用)
- セキュリティインシデント対応(CSIRT・フォレンジック)
- アクセス制御(RBAC・ゼロトラスト・IAM管理)
- クラウドセキュリティ(AWS・Azureのセキュリティ設定)
4. 午後Ⅱ試験(論述式:120分)
午後Ⅱ試験は情報セキュリティに関するテーマについて、600~1,200字の論文を書く問題 です。
出題範囲
- 企業のセキュリティポリシー策定(ISMS・ISO27001)
- ゼロトラストネットワークの導入と課題
- セキュリティリスク管理(リスクアセスメント・BCP・DR対策)
- インシデント対応(CSIRT・フォレンジック調査の手順)
論述の流れ(テンプレート)
- 序論(課題の背景・重要性を説明)
- 本論(セキュリティ対策の適用、具体的な対応策を提示)
- 結論(今後の展望・企業のメリット)
試験対策
1. 科目別の試験対策
① 午前Ⅰ(IT基礎知識)対策
午前Ⅰは、他の高度試験と共通 であり、過去問演習が有効です。
出題範囲
- 情報セキュリティ(暗号技術・アクセス制御・認証)
- ネットワーク(TCP/IP・VPN・ファイアウォール)
- データベース(SQL・正規化・トランザクション管理)
- システム開発(ウォーターフォール・アジャイル・DevOps)
対策方法
- 過去5年分の問題を解き、頻出分野を重点的に学習
- 応用情報技術者試験の参考書を活用し、基礎を復習
② 午前Ⅱ(情報セキュリティ専門知識)対策
午前Ⅱは情報セキュリティに特化した専門問題 が出題されます。
対策方法
- 暗号技術・ネットワーク攻撃の手法と防御策を学ぶ
- 過去問の類似問題が多いため、午前Ⅱの過去問演習を徹底
- 最新のセキュリティ技術(ゼロトラスト・クラウドセキュリティ)を理解する
③ 午後Ⅰ(記述式)対策
午後Ⅰは事例をもとに、セキュリティ設計・運用・脆弱性管理の対応策を記述する問題 が出題されます。
対策方法
- 過去3年分の記述問題を解き、設計・運用の視点を身につける
- セキュリティ機器(ファイアウォール・IPS/IDS・WAF)の役割を理解する
- インシデント対応フローを学び、適切な対応策を記述できるようにする
④ 午後Ⅱ(論述式)対策
午後Ⅱは情報セキュリティに関するテーマについて、600~1,200字の論文を書く問題 です。
対策方法
- 論述のテンプレートを作成し、実際に600~1,200字の文章を書く練習をする
- ゼロトラスト・クラウドセキュリティ・インシデント対応の事例を整理する
- 過去問の論述例を分析し、高評価の答案の書き方を学ぶ
2. 試験直前の対策ポイント
- 最新の出題傾向をチェック(シラバス改訂がある場合は注意)
- セキュリティ関連ニュースを確認し、最新の技術トレンドを学ぶ
- セキュリティ機器の役割や、インシデント対応フローを再確認する
- 試験直前は難しい問題よりも、基本問題の復習を優先
3. 試験対策まとめ(合格のポイント)
試験区分 | 内容 | 対策 |
---|---|---|
午前Ⅰ(50分) | IT基礎知識(他の高度試験と共通) | 過去5年分の過去問を解く |
午前Ⅱ(40分) | セキュリティの専門知識 | 暗号技術・サイバー攻撃対策・ゼロトラストを学習 |
午後Ⅰ(90分) | 事例問題(記述式) | セキュリティ設計・インシデント対応の知識を深める |
午後Ⅱ(120分) | 論述式(600~1,200字) | 論述のテンプレートを作成し、練習する |
取得後に出来ること
1. 情報処理安全確保支援士としての主な業務
① サイバーセキュリティ対策の設計・運用
- ファイアウォール・IDS/IPS・WAFの導入・設定・管理
- ゼロトラストネットワークの設計・運用
- クラウドセキュリティ(AWS・Azure・Google Cloud)の強化
- EDR(Endpoint Detection and Response)・SOC(Security Operation Center)の運用
② セキュリティインシデント対応(CSIRT・SOC業務)
- サイバー攻撃の検知・防御・インシデント対応
- フォレンジック調査(マルウェア解析・侵入経路特定)
- CSIRT(Computer Security Incident Response Team)の運営・対応計画策定
- SOC(Security Operation Center)でのリアルタイム監視
③ 情報セキュリティのリスク管理・ポリシー策定
- ISMS(ISO27001)の運用・監査対応
- 企業のセキュリティポリシー策定・セキュリティ教育
- リスクアセスメント・脆弱性診断・ペネトレーションテスト
- GDPR・個人情報保護法などの法規制対応
④ ITコンサルタント・セキュリティアドバイザー業務
- 企業向けのセキュリティアドバイザリー業務
- DX(デジタルトランスフォーメーション)推進におけるセキュリティ戦略策定
- クラウド環境のセキュリティ設計・ガイドライン策定
2. 活躍できる職種・業界
① セキュリティエンジニア・SOCアナリスト
- SOC(セキュリティオペレーションセンター)での監視業務
- ペネトレーションテスト・脆弱性診断・セキュリティ監査
② ネットワークエンジニア(セキュリティ特化)
- ゼロトラストネットワークの設計・導入
- VPN・暗号化通信の設計・運用
③ ITコンサルタント・CISO(最高情報セキュリティ責任者)
- 企業のセキュリティポリシー策定・監査対応
- ISO27001・NIST CSFの導入支援
④ 官公庁・金融機関・大手企業のセキュリティ部門
- 警察・防衛関連のサイバーセキュリティ対策業務
- 大手銀行・保険会社の情報セキュリティ管理
3. 情報処理安全確保支援士(登録制度)について
情報処理安全確保支援士試験に合格すると、「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」として、IPA(情報処理推進機構)に登録 できます。
(登録には、維持費用(年間1.5万円)と3年ごとの継続的な講習受講が必要 です。)
項目 | 内容 |
---|---|
登録資格 | RISS試験合格者 |
登録費用 | 年間1.5万円(維持費用) |
継続条件 | 3年ごとの講習受講(最新のセキュリティ動向を学ぶ) |
登録のメリット | 国家資格としての正式な証明、IPAサイトへの登録、セキュリティ業務での優遇 |
登録のメリット
- 公的な「国家資格」として認定され、信頼性が向上
- 官公庁・金融機関・大手企業のセキュリティ業務で評価される
- CISO(最高情報セキュリティ責任者)などの役職に就く際に有利
5. キャリアアップの可能性(関連資格との組み合わせ)
情報処理安全確保支援士試験の取得後、以下の資格を取得するとさらに市場価値が高まります。
資格 | 難易度 | 主な対象者 |
---|---|---|
CISSP(Certified Information Systems Security Professional) | ★★★★★ | セキュリティマネージャー・ITコンサルタント |
CEH(Certified Ethical Hacker) | ★★★★☆ | ホワイトハッカー・ペネトレーションテスター |
AWS Certified Security – Specialty | ★★★★☆ | クラウドセキュリティエンジニア |
CCSP(Certified Cloud Security Professional) | ★★★★★ | クラウドセキュリティの専門家 |
キャリアパスの例
- セキュリティエンジニア → SOCアナリスト → CISO(最高情報セキュリティ責任者)
- クラウドエンジニア → クラウドセキュリティアーキテクト → ITコンサルタント
- ネットワークエンジニア → ゼロトラストアーキテクト → DX推進担当
コンピューター系資格一覧
応用情報技術者試験
基本情報技術者
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
ITストラテジスト試験
システムアーキテクト試験
システム監査技術者
ITサービスマネージャ試験
ITパスポート試験
ネットワークスペシャリスト試験
プロジェクトマネージャ
情報処理安全確保支援士試験(RISS)
データベーススペシャリスト試験
Accessビジネスデータベース技能認定試験
Excel表計算処理技能認定試験
Word文書処理技能認定試験
PowerPointプレゼンテーション技能認定試験
Javaプログラミング能力認定試験
COBOLプログラミング能力認定試験
パソコン検定(P検)
C言語プログラミング能力認定試験
情報処理技術者能力認定試験
VisualBasicプログラミング能力認定試験
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
VBAエキスパート
IC3
ワードプロセッサ技能認定試験
パソコン技能検定Ⅱ種試験
EC(電子商取引)実践能力検定
OracleApplication認定コンサルタント
CAD利用技術者試験
ORACLE MASTER(オラクルマスター)
会計ソフト実務能力試験
Server+
A+
コンピュータサービス技能評価試験
J検(情報検定)
Linux+
Network+
UBA能力検定
マイクロソフト認定トレーナー(MCT)
マイクロソフト認定資格プログラム
Linux技術者認定試験
情報セキュリティ検定試験
UMLモデリング技能認定試験
Oracle Certified Java Programmer(OCJP)
CGエンジニア検定
画像処理エンジニア検定
シスコ技術者認定
インターネット検定 .com Master
Cisco技術者認定資格(CCIE)
Turbo-CE/Pro/CI
CIW
RHCE(Red Hat認定エンジニア)
Oracle Solaris 11 System Administrator
PostgreSQL CE
情報ネットワーク施工プロフェッショナル(INIP)
Zend PHP 5 Certification
商PC検定試験