ビジネスや日常で必要な文書作成スキルを評価する資格試験です。ワープロ(日本語文書作成)や表計算ソフト(Excel)を用いた業務スキルを測定します。
文書処理能力検定試験には、大きく分けて以下の2つの部門があります。
- ワープロ部門(日本語文書作成)
- 表計算部門(Excel等を使用)
どちらも1級から4級までのレベルがあり、級が上がるほど試験の難易度が高くなります。
目次
受験資格と難易度
受験資格
- 制限なし(誰でも受験可能)
- 学生・社会人問わず受験できる
- 個人での申し込みは不可(学校や団体を通じて受験)
難易度
文書処理能力検定はワープロ部門(日本語文書作成)と表計算部門(Excel等を使用)の2つに分かれ、それぞれ1級~4級のレベルがあります。
ワープロ部門(日本語文書作成)
級 | 難易度 | 試験内容 |
---|---|---|
1級 | ★★★★★(最難関) | 高度なビジネス文書の作成、書式設定、差し込み印刷、段組み、脚注、索引作成、図表の挿入 |
2級 | ★★★★☆(やや難) | 一般的なビジネス文書作成(報告書・契約書・案内文)、表や画像の挿入、スタイル適用 |
3級 | ★★★☆☆(普通) | 基本的なビジネス文書の作成(社内通知・議事録)、簡単な表の作成、段落設定 |
4級 | ★★☆☆☆(易しい) | 文字入力、簡単な文書作成(社内メモ、簡単な案内文)、基本的な書式設定 |
- 1級では複雑な編集操作や自動化機能を活用する必要があるため、高度なWordスキルが求められる。
- 4級は初心者向けで、基本的なタイピングと文章作成スキルがあれば対応可能。
表計算部門(Excel等を使用)
級 | 難易度 | 試験内容 |
---|---|---|
1級 | ★★★★★(最難関) | 高度な関数(IF、VLOOKUP、ピボットテーブル、マクロ)、条件付き書式、データ分析 |
2級 | ★★★★☆(やや難) | 関数(SUM、AVERAGE、COUNTIF)、グラフ作成、データフィルター、条件付き書式 |
3級 | ★★★☆☆(普通) | 簡単な数式(四則演算)、基本的な関数(SUM、AVERAGE)、表の作成 |
4級 | ★★☆☆☆(易しい) | 表の作成、簡単な数式入力、基本的なデータ入力 |
- 1級では、データの整理や分析のスキルが必須であり、業務レベルでExcelを活用できる能力が求められる。
- 4級は、初めてExcelを触る人向けで、基本的な操作ができれば合格可能。
試験内容
試験の種類
文書処理能力検定試験は、以下の2つの部門に分かれています。
-
ワープロ部門(日本語文書作成)
- 主にMicrosoft Wordなどのワープロソフトを使用
- 文書作成スキル、レイアウト、書式設定、編集操作が問われる
-
表計算部門(Excel等を使用)
- Microsoft Excelなどの表計算ソフトを使用
- 数値計算、関数の活用、データ処理、グラフ作成などのスキルが問われる
ワープロ部門(日本語文書作成)試験内容
1級(最上級)
- 高度なビジネス文書の作成
- 報告書、契約書、通知文、プレゼン資料の作成
- 編集機能の活用
- 目次、索引、脚注、段組み、セクション分割
- 差し込み印刷
- 宛名データの差し込み
- 表の作成
- 複雑な表の作成、セルの結合・分割、データ整理
- 高度な書式設定
- スタイルの適用、テーマの設定、ヘッダー・フッターの挿入
- マクロの活用
- 簡単な自動化操作
2級
- 一般的なビジネス文書作成
- ビジネスレター、案内状、報告書
- 表や画像の挿入
- 簡単な表作成、画像・図形の配置
- スタイル設定
- 見出しの適用、段落書式の設定
- 文章校正
- 文字の置換、スペルチェック
- ページレイアウト
- ページ番号の設定、ヘッダー・フッター
3級
- 基本的なビジネス文書作成
- 社内通知、議事録
- 簡単な書式設定
- フォント変更、行間調整、インデント
- 基本的な表作成
- 簡単な表の挿入、セルの結合
- 基本的な文章編集
- コピー・ペースト、文字修正、箇条書き
4級
- 文字入力
- 文章の入力速度と正確性
- 簡単な文書作成
- 社内メモ、簡単な案内文
- 基本的な書式設定
- 太字、斜体、下線
- ファイル保存
- 名前を付けて保存、印刷設定
表計算部門(Excel等を使用)試験内容
1級(最上級)
- 高度な関数
- IF、VLOOKUP、HLOOKUP、COUNTIF、MATCH、INDEX
- ピボットテーブル
- 集計・分析機能の活用
- マクロの活用
- VBAを使用した自動化
- データ分析
- 条件付き書式、データベース機能、統計関数
- 高度なグラフ作成
- 複合グラフ、データラベル、カスタム設定
2級
- 一般的な関数
- SUM、AVERAGE、COUNTIF、ROUND
- データ管理
- フィルター・並べ替え
- グラフ作成
- 棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフ
- 条件付き書式
- セルの色分け
- データ入力規則
- 入力制限、リスト作成
3級
- 基本的な数式
- 四則演算(+、-、*、/)
- 簡単な関数
- SUM、AVERAGE
- データの並べ替え
- 昇順・降順の設定
- 簡単なグラフ作成
- 棒グラフ、折れ線グラフ
- 基本的な表の作成
- セル結合、罫線の設定
4級
- データ入力
- 数字・文字の入力
- 簡単な計算
- 足し算・引き算
- 表の作成
- 罫線の設定、セルの結合
- 基本的な保存操作
- 名前を付けて保存、印刷
試験対策
ワープロ部門(日本語文書作成)対策
共通対策
-
タイピング速度と正確性を向上させる
- 1分間に 80~100文字以上入力できる ことを目標に練習。
- 無料のタイピング練習サイト(e-typing、寿司打など)を活用。
-
文章作成の基礎を学ぶ
- 過去問のビジネス文書(報告書、通知文)を見て書き方を確認。
- 文書の構成(タイトル、宛名、本文、締め)を意識する。
-
基本的なワープロ操作を習得
- フォント変更、段落設定、罫線、インデント、箇条書き
- ページ設定(余白、ヘッダー・フッター)
- 表の挿入と書式設定
級別の対策
1級対策
- 実務レベルの文書を模倣し、完成度を高める。
- 段組み・スタイル・表作成を使いこなす。
- 差し込み印刷の練習(Excelでデータを作り、Wordに取り込む)。
2級対策
- 過去問のビジネス文書を再現して練習。
- 表や画像を適切に挿入・配置する練習を行う。
- フォント・余白・ページレイアウトを調整する練習。
3級対策
- 文章の打ち込みを速く正確に行う練習。
- 箇条書きやインデントの設定をスムーズに行えるようにする。
- 太字・斜体・下線などの書式変更を素早くできるようにする。
4級対策
- タイピング練習を毎日5~10分行う。
- 基本的な文書作成の流れを理解し、シンプルな文章を作る。
- 「ファイル保存」「印刷設定」の手順を確認する。
表計算部門(Excel等を使用)対策
共通対策
-
関数の使い方をマスター
- 主要な関数(SUM、AVERAGE、IF、COUNTIF、VLOOKUP)を覚える。
- 実際にExcelで関数を入力し、動作を確認。
-
表の作成・書式設定をスムーズに
- 罫線、セル結合、背景色、文字揃えを調整する練習を行う。
-
データ入力と計算の練習
- 指定された数値を正確に入力し、計算を行うスピードを上げる。
級別の対策
1級対策
- VLOOKUPやIF関数を使ったデータ処理を繰り返し練習する。
- ピボットテーブルの作成・データ集計の練習を行う。
- マクロの記録機能を活用し、自動化を試す。
2級対策
- 過去問を使って関数の練習を行う。
- フィルターや並べ替えをスムーズに行えるようにする。
- グラフ作成の方法を理解し、視覚的にわかりやすい表現を作る。
3級対策
-
数式の入力練習(=A1+B1 など)を繰り返す。
- SUMやAVERAGEの関数を使って合計・平均を計算する。
- 簡単な棒グラフを作成し、視覚的な表現を理解する。
4級対策
- Excelの基本操作(セル選択、入力、削除)をマスターする。
- 簡単な表を作成し、罫線や背景色を設定する練習をする。
取得後に出来ること
取得することで、業務効率の向上やキャリアアップに役立つスキルを証明できます。以下に、取得後にできることを詳細に説明します。
事務職・オフィスワークで即戦力になる
文書作成や表計算のスキルは、事務職やオフィスワークに必須です。特に以下のような業務で活用できます。
-
ワープロ部門(Word)
- 社内文書(報告書・通知文・議事録)の作成
- 契約書やマニュアルの編集・整備
- 差し込み印刷を使った大量文書の作成(案内状・請求書など)
-
表計算部門(Excel)
- 売上データの集計・分析(SUM、AVERAGE、VLOOKUP関数の活用)
- 財務・経理の計算処理(関数を使った自動計算)
- ピボットテーブルを使ったデータ管理
就職・転職で有利になる
文書処理能力検定は、特に以下の職種においてPCスキルの証明として有利に働きます。
- 一般事務・営業事務
- 文書作成やデータ処理スキルが求められるため、2級以上を持っていると評価が高い
- 経理・財務
- 表計算スキルが必要なため、Excelの資格(特に1級・2級)が役立つ
- 総務・人事
- 社内報告書やデータ整理の業務があるため、資格を活かせる
- 公務員
- 役所や自治体の業務でも文書作成やデータ管理が求められる
特に、未経験からの事務職転職を考えている人にとって、履歴書でアピールできる資格の一つになります。
業務効率の向上
日常業務でPCを活用する場面が多い場合、文書処理能力検定のスキルが以下のような形で役立ちます。
- 文書作成の時間短縮
- 書式設定を適切に行い、視認性の高い文書を素早く作成
- データ整理の効率化
- Excelのフィルターや並べ替えを活用してデータ管理がスムーズに
- 関数を活用した計算の自動化
- 手作業での集計を減らし、正確な数値処理が可能に
- マクロを使った業務の自動化(1級レベル)
- 単純作業を自動化し、作業時間を削減
資格手当・昇給の対象になる場合がある
企業によっては、PCスキルを証明する資格として資格手当の対象になることがあります。特に以下のような企業では評価されることが多いです。
- IT・システム関連企業
- 文書やデータ管理のスキルが業務で活かせる
- 製造・販売・流通業
- 在庫管理や売上管理で表計算スキルが重要視される
- 金融・保険業
- 数値管理や顧客情報の整理でExcelスキルが必須
他のIT系資格の基礎になる
文書処理能力検定でPCスキルを身につけることで、より上位の資格取得にも挑戦しやすくなります。
- MOS(Microsoft Office Specialist)
- Word・Excelのより高度なスキルを証明する資格
- 日商PC検定
- ビジネス文書作成やデータ分析に特化した資格
- ITパスポート
- 基本的なIT知識を証明する国家資格
これらの資格と組み合わせることで、さらに市場価値の高いスキルセットを持つことができます。
事務系資格一覧
秘書技能検定
ビジネス文書検定
日本漢字能力検定
ビジネス・キャリア検定
日本語コミュニケーション能力認定試験
速記技能検定
校正技能検定
校正士
書道
レタリング技能検定
賞状技法士
硬筆書写検定
文部科学省後援毛筆書写技能検定
ファイリング・デザイナー
米国秘書検定(CPS)
テープライター
電子化ファイリング検定
日商珠算能力検定試験
珠算検定
実用マナー検定
計算実務能力検定
電卓技能検定
ビジネス能力検定
ビジネス実務マナー検定
文書処理能力検定
日本語検定
トレース技能検定