中国政府(国家語言文字工作委員会・中国国家漢弁)が主催する中国語の語学検定試験です。
中国語を母語としない人を対象に、中国語の実用能力(リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング)を測定する国際的な試験として世界各国で実施されています。
2010年に試験制度が改定され、「HSK」から「新HSK」へ変更されました。さらに、2021年から新たな改定(新HSK 3.0)が導入され、レベルや試験内容に変更が加えられています。
新HSKの特徴
- 世界中で認知されている中国語の公式資格試験(日本、中国、欧米など多くの国で実施)
- 中国の大学入学、奨学金申請、就職活動で活用できる
- 筆記試験とスピーキング試験(HSKK)があり、総合的な中国語力を測定
■主催
HSK日本実施委員会
受験資格と難易度
受験資格
新HSK(漢語水平考試)は、中国語を母語としない人を対象とした試験ですが、受験資格に制限はありません。
- 年齢・国籍・学歴に関係なく、誰でも受験可能
- どの級からでも受験可能(飛び級もOK)
- 筆記試験(HSK)とスピーキング試験(HSKK)は別々に受験可能
- 同じ日に複数の級を受験することも可能(試験時間が重ならない場合)
難易度(レベル別の目安)
(1)HSKの難易度とCEFR基準(新HSK 3.0)
新HSKは9段階に分かれており、各級の難易度は**CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)**に対応しています。
HSK級 | CEFR基準 | 必要な語彙数(目安) | 難易度 | 中国語の運用レベル |
---|---|---|---|---|
1級(初級) | A1 | 300語 | ★☆☆☆☆(非常に簡単) | 挨拶・簡単な会話ができる |
2級(初級) | A2 | 600語 | ★★☆☆☆(簡単) | 日常生活の会話ができる |
3級(初中級) | B1 | 1,200語 | ★★★☆☆(普通) | 短い文章の読解・簡単な業務対応ができる |
4級(中級) | B2 | 2,500語 | ★★★★☆(やや難しい) | 仕事や大学での会話が可能 |
5級(中上級) | C1 | 5,000語 | ★★★★★(難しい) | 新聞やニュースを読める |
6級(上級) | C2 | 10,000語 | ★★★★★★(非常に難しい) | 専門的な文章を理解し議論できる |
7級(最上級) | C2+ | 11,000語 | ★★★★★★★(超難関) | 高度なビジネス・学術レベル |
8級(最上級) | C2++ | 12,000語 | ★★★★★★★(超難関) | 中国語を専門的に活用できる |
9級(最上級) | C2+++ | 13,000語 | ★★★★★★★★(最高難度) | ネイティブ並みの言語運用能力 |
※HSK 7級~9級は、2021年以降に新設された最上級レベルで、高度な専門知識やビジネス・学術分野での使用を想定しています。
(2)各級の試験内容と難易度の詳細
【HSK 1級~3級(基礎レベル)】
対象者:初心者・初級者
試験内容:リスニング、リーディング
ライティング(作文)なし
級 | 語彙数 | 試験時間 | 難易度 | できること |
---|---|---|---|---|
1級 | 300語 | 約35分 | ★☆☆☆☆(非常に簡単) | 簡単な挨拶・自己紹介ができる |
2級 | 600語 | 約50分 | ★★☆☆☆(簡単) | 日常生活の会話ができる |
3級 | 1,200語 | 約90分 | ★★★☆☆(普通) | 簡単な業務・旅行会話ができる |
【HSK 4級~6級(中級~上級)】
対象者:ビジネス・大学進学を目指す人
試験内容:リスニング、リーディング、ライティング
級 | 語彙数 | 試験時間 | 難易度 | できること |
---|---|---|---|---|
4級 | 2,500語 | 約105分 | ★★★★☆(やや難しい) | 仕事や大学生活で中国語が使える |
5級 | 5,000語 | 約120分 | ★★★★★(難しい) | 新聞・ニュースを理解できる |
6級 | 10,000語 | 約135分 | ★★★★★★(非常に難しい) | 複雑な議論・専門書の読解ができる |
【HSK 7級~9級(最上級)】
対象者:高度なビジネス・学術レベルの中国語を目指す人
試験内容:リスニング、リーディング、ライティング、翻訳(中国語⇔母国語)
級 | 語彙数 | 試験時間 | 難易度 | できること |
---|---|---|---|---|
7級 | 11,000語 | 約180分 | ★★★★★★★(超難関) | 高度なビジネス中国語を使える |
8級 | 12,000語 | 約180分 | ★★★★★★★(超難関) | 中国語を専門的に活用できる |
9級 | 13,000語 | 約180分 | ★★★★★★★★(最高難度) | ネイティブ並みの運用能力 |
HSKの合格基準
HSKはスコア制で、一定の点数以上を取ると合格になります。
級 | 合格基準(点数) |
---|---|
1級 | 120 / 200点 |
2級 | 120 / 200点 |
3級 | 180 / 300点 |
4級 | 180 / 300点 |
5級 | 180 / 300点 |
6級 | 180 / 300点 |
7級~9級 | 総合評価(スコア制) |
HSK 7級~9級は、試験の結果に応じて級が決まる形式(スコア制)となっています。
試験内容
試験の構成(筆記試験+スピーキング試験)
(1)筆記試験(HSK 1級~9級)
新HSKの筆記試験は、級によって「リスニング」「リーディング」「ライティング」の3分野から出題されます。
級 | 試験内容 | 試験時間 | 配点 |
---|---|---|---|
HSK 1級 | リスニング・リーディング | 約35分 | 200点満点 |
HSK 2級 | リスニング・リーディング | 約50分 | 200点満点 |
HSK 3級 | リスニング・リーディング | 約90分 | 300点満点 |
HSK 4級 | リスニング・リーディング・ライティング | 約105分 | 300点満点 |
HSK 5級 | リスニング・リーディング・ライティング | 約120分 | 300点満点 |
HSK 6級 | リスニング・リーディング・ライティング | 約135分 | 300点満点 |
HSK 7~9級 | リスニング・リーディング・ライティング・翻訳 | 約180分 | スコア評価 |
- 1級~3級はリスニング・リーディングのみ(ライティングなし)
- 4級以上はライティング(作文)も含まれる
- 7級以上は翻訳問題も出題される
スピーキング試験(HSKK)
HSKには、**口頭試験(HSKK:汉语水平口语考试)**があり、会話能力を評価します。HSK筆記試験とは別の試験ですが、スピーキング能力を証明したい場合に受験を推奨されます。
HSKK級 | 対象レベル | 試験時間 | 内容 |
---|---|---|---|
初級(HSKK 初级) | HSK 1~3級 | 約17分 | 単語発音、短文復唱、簡単な質問に回答 |
中級(HSKK 中级) | HSK 4~6級 | 約21分 | 短い会話の聞き取り、説明、意見を述べる |
上級(HSKK 高级) | HSK 6級以上 | 約25分 | 専門的なトピックについて議論・スピーチ |
- 筆記試験とスピーキング試験(HSKK)は別々に受験可能
- 企業や大学によっては、HSKKも評価対象になる場合がある
各級の試験内容の詳細(筆記試験)
(1)HSK 1級・2級(初級)
試験内容:リスニング・リーディング(ライティングなし)
項目 | HSK 1級 | HSK 2級 |
---|---|---|
語彙数 | 300語 | 600語 |
リスニング | 短い会話・日常表現の理解 | 基本的な会話・指示を聞き取る |
リーディング | 簡単な単語・フレーズの理解 | 短文の読解 |
- 試験時間が短く、初心者向けの内容
(2)HSK 3級・4級(初中級~中級)
試験内容:リスニング・リーディング(4級からライティング追加)
項目 | HSK 3級 | HSK 4級 |
---|---|---|
語彙数 | 1,200語 | 2,500語 |
リスニング | 日常会話の理解 | 仕事や学校での会話が理解できる |
リーディング | 短文・会話文の読解 | 文章の要点を把握する |
ライティング | なし | 短い作文問題あり |
- 3級は簡単な日常会話レベル、4級はビジネス会話レベルに相当
(3)HSK 5級・6級(中上級~上級)
試験内容:リスニング・リーディング・ライティング
項目 | HSK 5級 | HSK 6級 |
---|---|---|
語彙数 | 5,000語 | 10,000語 |
リスニング | 長めの会話・ニュースの理解 | 専門的な講義や討論を理解できる |
リーディング | 長文読解・論説文の理解 | 高度な文章を速読できる |
ライティング | 文章要約・短文作成 | 文章を読んで論述・意見を述べる |
- 5級はビジネスや大学生活での運用レベル
- 6級はニュース・専門書の理解が必要なレベル
(4)HSK 7級~9級(最上級)
試験内容:リスニング・リーディング・ライティング・翻訳
項目 | HSK 7級~9級 |
---|---|
語彙数 | 11,000語以上 |
リスニング | 専門的な討論・講演を正確に理解 |
リーディング | 学術論文・ビジネス文書の読解 |
ライティング | 複雑なテーマについて論述 |
翻訳 | 中国語⇔母国語の翻訳問題 |
- プロの通訳・翻訳者向けのレベル
- ネイティブ並みの言語運用能力が求められる
試験対策
効果的な試験対策のポイント
(1)語彙・単語対策
新HSKでは、各級で習得すべき語彙数が決まっています。語彙力が不足していると、リスニング・リーディング・ライティングすべてのセクションで苦戦するため、まずは単語力を強化することが最優先です。
【語彙数の目安】
HSK級 | 必要な語彙数 |
---|---|
1級 | 300語 |
2級 | 600語 |
3級 | 1,200語 |
4級 | 2,500語 |
5級 | 5,000語 |
6級 | 10,000語 |
7級~9級 | 11,000~13,000語 |
- 頻出単語を優先して覚える(HSK公式単語リストを活用)
- アプリや単語帳を活用(Anki、Quizlet、Plecoなど)
- 例文と一緒に単語を覚える(文章の中で学ぶと記憶に残りやすい)
- 漢字の構造を理解する(部首や成り立ちを学ぶと覚えやすい)
(2)リスニング対策
リスニング試験では、単語の聞き取りだけでなく、会話の流れや文脈を理解する力が求められます。級が上がるにつれ、スピードが速くなり、内容も複雑になります。
- 毎日中国語の音声を聞く習慣をつける(ニュース・ドラマ・ポッドキャストなど)
- スクリプト付きの教材を活用し、聞き取れなかった部分を確認
- シャドーイング(音声を聞いて即座に発音)でリスニング力を鍛える
- 問題形式に慣れるため、過去問や模擬試験を活用
(3)リーディング対策
リーディング試験では、語彙力・文法力・速読力が問われます。級が上がるにつれ、文章が長くなり、ニュース・論説文・ビジネス文書などの内容が増えていきます。
- 短文から長文へと段階的に学習
- スキミング(大まかに読む)とスキャニング(特定の情報を探す)を使い分ける
- 過去問や模擬試験を解き、試験形式に慣れる
- 中国のニュースサイトやコラムを読んで実践練習
(4)ライティング対策(4級以上)
HSK 4級以上では、ライティング(作文)試験があります。文法の正確さ・適切な語彙の使用・文章構成力が求められます。
- 短文を書く練習から始め、徐々に長文へと発展
- 日記を中国語で書く習慣をつける
- よく使われる接続詞や表現を覚える(例如、因此、虽然…但是… など)
- HSKの作文問題を解き、添削してもらう(オンライン学習サービスなどを活用)
(5)スピーキング対策(HSKK)
HSKK(口頭試験)では、発音・流暢さ・表現の正確さが評価されます。
- 毎日声に出して中国語を話す(オンライン会話レッスンやAIアプリを活用)
- HSKKの過去問を使い、実際の試験形式に慣れる
- 録音して自分の発音や流暢さをチェックする
- HSK 5級以上を目指すなら、中国語でディスカッションできる力をつける
取得後に出来ること
履歴書や就職活動でアピールできる
新HSKの資格は、中国語を使う仕事や企業への就職・転職に有利になります。特にHSK 5級以上を取得すると、実務レベルの中国語能力があると判断され、評価が高くなります。
有利になる業界・職種
- 貿易・商社(中国との取引がある企業)
- 外資系企業(中国企業の日本支社や合弁企業など)
- 観光・ホテル業界(中国人観光客対応)
- 航空業界(CA・空港グランドスタッフ)
- 接客・販売(中国人向けの店舗、免税店、百貨店など)
- 通訳・翻訳(企業の通訳・フリーランス翻訳業務)
- 教育関係(中国語講師、留学アドバイザー)
企業が求めるHSKレベルの目安
HSK級 | 活用できる場面 |
---|---|
3級~4級 | 販売・接客業務での中国語対応 |
5級 | ビジネスでの会話やメール対応ができる |
6級 | 高度な交渉・契約書の読解・報告書作成ができる |
7級~9級 | プロの通訳・翻訳者、学術研究、専門職 |
給料アップや資格手当をもらえる可能性がある
企業によっては、外国語資格を取得すると「語学手当」が支給される場合があります。
- HSK 5級以上:月5,000円~20,000円程度の手当
- HSK 6級以上:昇進・昇給の対象になる場合も
特に、中国市場と関わりの深い企業では、HSK 5級以上を持っていると給与アップや手当の対象になりやすいです。
中国の大学への留学・奨学金申請に活用できる
中国の大学に留学する場合、HSK 4級以上が求められることが多く、大学院ではHSK 5級~6級が必要になることが一般的です。
- HSK 4級以上:学部(本科)入学の最低条件
- HSK 5級以上:大学での専門課程を受講できるレベル
- HSK 6級以上:大学院や研究機関での学術研究に対応できるレベル
また、中国政府が提供する奨学金(孔子学院奨学金など)を申請する際にも、HSKのスコアが重要な基準となります。
就労ビザや永住権の申請に有利
中国で働くための**就労ビザ(Zビザ)や、長期滞在するための永住権(中国グリーンカード)**の申請には、中国語能力が考慮されることがあります。
- HSK 5級以上があると、中国での就労ビザ取得がスムーズになる場合がある
- HSK 6級以上があると、永住権(中国グリーンカード)申請時に評価されることがある
特に、中国政府の「外国人高度人材」優遇制度では、HSKの高スコアを持つ外国人が優遇対象となることがあります。
中国での生活やビジネスで活用できる
- 中国の現地企業とスムーズにやり取りができる
- 商談やプレゼンで中国語を活用できる(HSK 5級以上)
- 契約書・ビジネスメールを理解し、交渉ができる(HSK 6級以上)
- 現地のニュースや政策を中国語で正確に把握できる(HSK 6級以上)
特に、中国で起業を考えている場合、HSK 6級以上を持っていると現地の法律や経済情報を直接理解できるため、大きな強みになります。
中国旅行をより楽しめる
HSKを取得すると、中国旅行でのコミュニケーションがスムーズになります。
- ホテルやレストランでの会話がスムーズにできる
- 現地の人と会話し、文化交流ができる
- 観光地以外のローカルなエリアにも行きやすくなる
HSK級 | 旅行時の活用レベル |
---|---|
1級~2級 | 簡単な挨拶や買い物での会話ができる |
3級~4級 | 交通機関やレストランでの会話ができる |
5級以上 | 現地の人と自然に会話ができる |
中国語メディア(映画・ニュース・書籍)を理解できる
- 中国のニュースや新聞を読めるようになる(HSK 5級以上)
- 中国映画やドラマを字幕なしで理解できる(HSK 6級以上)
- 中国の文学や専門書を原文で読める(HSK 7級以上)
特に、HSK 5級以上を取得すると、中国のニュースサイトやSNSの投稿を理解できるようになり、よりリアルな情報を得ることが可能になります。
通訳・翻訳の仕事ができる
- HSK 6級以上を取得すると、通訳・翻訳の仕事に挑戦できる
- HSK 7級以上なら、専門的な通訳・翻訳が可能
特に、日中貿易や国際会議の通訳、ビジネス契約書の翻訳などの仕事では、HSK 6級以上の取得が求められることが多いです。
中国語を教える仕事ができる
- 中国語講師として働くことが可能(HSK 6級以上推奨)
- オンラインレッスンで中国語を教える副業も可能
- 企業研修の講師として活躍できる
中国語学習者が増えているため、HSK 6級以上を取得すると、語学スクールやオンライン講師として活動する機会も増えます。
副業やSNSで中国語を活かした活動ができる
- YouTubeやブログで中国語学習コンテンツを発信
- 中国語の翻訳・通訳のフリーランスとして活動
- 中国のSNS(Weibo・WeChat)で情報発信
中国語を活かした副業やSNS活動を通じて、新たなキャリアの可能性も広がります。
語学系資格一覧
通訳案内士
翻訳実務士資格
JTFほんやく検定
知的財産翻訳検定
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TOEIC Speaking & Writing
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TOPEC
工業英語能力検定試験
SST(スタンダードスピーキングテスト)
TSST
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全養協日本語教師検定
J-SHINE(小学校英語指導者資格)
日本語教育能力検定試験
中国語検定
ビジネス中国語検定
スコア式ビジネス中国語検定試験
新HSK(漢語水平考試)
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インドネシア語技能検定試験
タイ語検定試験(TAEC)
ハングル能力検定
実用タイ語検定試験
実用イタリア語検定
スペイン語技能検定
DELE(スペイン文部省認定証)
ドイツ語技能検定試験
フランス語能力認定試験(TEF)
実用フランス語技能検定
ロシア語能力検定
観光英語検定試験