日本エディタースクールが主催する、文章や印刷物の誤字脱字、表記の誤りをチェックする技能を認定する検定試験です。
この検定は、初級・中級・上級の3段階に分かれています。初級は、日本エディタースクールや他の教育機関で所定のコースを修了することで認定されます。中級と上級は、実技試験と学科試験によって評価されます。
■主催
日本エディタースクール
目次
受験資格と難易度
受験資格
校正技能検定には 初級・中級・上級 の3つのレベルがあり、それぞれ受験資格が異なります。
初級
- 受験資格:特になし
- 取得方法:日本エディタースクールやその他の教育機関で所定のコースを修了すると認定される
中級
- 受験資格:以下のいずれかに該当する者
- 日本エディタースクールの「校正実務講座」修了者
- 校正の実務経験を有する者
- 日本エディタースクールが認めた者
上級
- 受験資格:中級合格者のみ
- 中級合格後にさらに高度な校正スキルを身につける必要がある
難易度
各級の試験難易度は、校正の知識や実務経験によって大きく異なります。
初級(基礎レベル)
- 難易度:低め(実務未経験者でも取得可能)
- 受験方式:筆記試験なし、所定のコース修了で取得可能
- 必要知識:誤字脱字のチェック、基本的な表記の統一ルール
- 合格率:公式データなし(講座修了で認定)
中級(実務レベル)
- 難易度:中程度(基礎知識があれば独学も可能)
- 試験内容:学科試験+実技試験
- 学科試験:校正記号、表記ルール、日本語の誤用チェックなど
- 実技試験:誤字脱字の発見、校正記号の適用、文章の修正指示
- 合格率:約 31.3%
- 比較的難易度が高く、しっかりとした準備が必要
上級(専門レベル)
- 難易度:高い(実務経験や深い知識が必要)
- 試験内容:学科試験+実技試験(より高度な内容)
- 学科試験:高度な校正知識、業界のルール、文章表現の深い理解
- 実技試験:文章の精度を高める高度な修正技術が求められる
- 合格率:約 26.6%
- 日本語の精密な運用能力が求められるため、受験者の間でも難関とされる
試験内容
学科試験 と 実技試験 で構成されています。
中級試験の内容
対象者:基礎的な校正スキルを習得した者(実務経験者、または所定の講座修了者)
(1) 学科試験
試験時間:約 60分
出題形式:選択式・記述式(〇×、穴埋め、短答など)
出題範囲
-
校正記号
- JIS規格に基づく校正記号の意味と使い方
- 原稿やゲラ(試し刷り)での具体的な使用例
-
日本語の表記・文法
- 正しい表記(送り仮名、漢字の使い分けなど)
- 文法の誤りの識別(例:「ら抜き言葉」「二重否定」)
-
用字用語の統一
- 「漢字かな交じり文」のルール
- 常用漢字の使い方
- 同義語・類義語の統一
-
誤字脱字の検出
- 文中の誤字脱字を見つける
- 文章の流れを崩さないように修正する
-
出版・印刷に関する基礎知識
- 出版業界の校正工程
- 書籍や雑誌の制作フロー
- 文字組みやフォントの基本知識
(2) 実技試験
試験時間:約 90分
出題形式:実際の原稿やゲラを校正し、修正指示を記入する
出題範囲
-
誤字・脱字・誤用の発見
- 文章内にある意図的なミスを発見し、修正する
-
校正記号の適用
- 指定された方法で校正記号を使用し、適切に訂正指示を書く
-
表記統一
- 指定された基準に沿って、表記の統一を行う
-
文章の論理的整合性
- 文意を損なわずに分かりやすい形に修正する
-
印刷レイアウトの確認
- 文字サイズ、段落構成、改行位置のチェック
上級試験の内容
対象者:中級合格者で、より高度な校正スキルを持つ者
(1) 学科試験
試験時間:約 90分
出題形式:記述式・論述式(長文記述あり)
出題範囲
-
高度な校正記号の使用
- より複雑な校正記号の理解と適用
-
文章の論理性と一貫性
- 文章の意味を保ちながら、適切に推敲する力
- 句読点や助詞の適正配置
-
専門的な用語の適用
- 技術書や法律文書など、専門分野の文書校正
-
出版・印刷業界の専門知識
- 文字組み、DTP、フォント選定、レイアウトの適用
-
編集・校閲との違い
- 校正の範囲と編集・校閲の役割を理解する
(2) 実技試験
試験時間:約 120分
出題形式:より高度な実務レベルの校正作業を行う
出題範囲
-
高度な文章校正
- 細かいニュアンスの調整
- 読みやすさを向上させる推敲
-
誤字脱字・表記統一の厳密な適用
- 専門用語・業界用語のチェック
- 言葉の誤用防止
-
デザイン・レイアウトチェック
- 文字組み、改行位置、余白の調整
- 版面の適切な構成確認
-
実務に即した校正対応
- 指定された「クライアントの要望」に沿った校正作業
試験対策
試験対策の基本方針
校正技能検定は 学科試験(知識)と 実技試験(実践力)の2つの能力を問う試験です。そのため、効果的な対策には 基礎知識の習得 と 実践練習の繰り返し の両方が必要です。
- 中級対策:校正記号、誤字脱字、表記の統一を確実に習得
- 上級対策:文章の論理性・推敲スキルを強化し、実践的な校正力を磨く
中級試験の対策
(1) 学科試験対策
対策ポイント
- 校正記号(JIS規格)の意味と使い方を完璧に覚える
- 日本語の表記ルール(漢字・送り仮名・仮名遣いなど)を理解する
- よくある誤用を把握し、正しい表現を身につける
おすすめの学習方法
-
JIS規格の校正記号を完全暗記
- 『校正記号の使い方』(日本エディタースクール) を活用
- 実際の文章を用いて 校正記号を書く練習 をする
- 例:「◯◯を削除」「◯◯に変更」「改行を入れる」などを指示する練習
-
誤用・表記ミスの問題演習
- 「ら抜き言葉」「二重否定」「助詞の誤り」「敬語の誤用」などを重点的に学習
- 例題:「お金を もらえる ことになりました」→「お金を いただける ことになりました」
-
出版・印刷業界の基礎知識を学ぶ
- 出版業界での校正の流れ(初校・再校・念校)
- 書籍や雑誌の制作プロセス
- 参考書:『校正のこころ』(鷗来堂)
(2) 実技試験対策
対策ポイント
- 誤字脱字を確実に発見できるようにする
- 校正記号を使いこなし、適切な指示を書けるようにする
- 表記の統一を適用できるようになる
おすすめの学習方法
-
誤字脱字のチェック力を鍛える
- 新聞・雑誌・ウェブ記事の文章を自分で校正する
- 誤字・脱字・表記ミスを見つけたら 校正記号を使って修正指示を書く
-
実際の試験問題を解く
- 日本エディタースクールの模擬問題や過去問を活用
- 出版社のゲラ(試し刷り)を用いた実践練習を行う
-
表記統一の基準を理解する
- 「ひらがな・カタカナの使い分け」「常用漢字のルール」などを習得
- 例:「こと・事」「する・為る」などの統一ルールを把握
上級試験の対策
(1) 学科試験対策
対策ポイント
- 文章の論理性を重視し、推敲の力を高める
- 校正だけでなく 校閲・編集の知識 も強化する
- 専門的な出版用語、DTP(組版・フォント)の知識を身につける
おすすめの学習方法
-
論理的な文章校正の訓練
- 文章の「ねじれ」「曖昧な表現」「主語・述語の不一致」を修正する練習
- 例:「彼は、昨日の会議で、課題について話した。」→「彼は昨日の会議で課題について説明した。」
-
出版業界の専門知識を習得
- DTP・フォント・組版ルールを学ぶ
- 書籍・雑誌・ウェブの違いを理解する
- 参考書:『DTP&印刷スーパーしくみ事典』
-
校正・校閲・編集の違いを理解する
- 校正:「誤字脱字・表記統一のチェック」
- 校閲:「事実関係・データの正確性の確認」
- 編集:「文章の構成や表現を改善」
(2) 実技試験対策
対策ポイント
- 文章の精度を向上させる推敲力を身につける
- 実際の出版物と同じレベルで校正できるようにする
- 出版社やクライアントの要求に合わせた校正ができるようにする
おすすめの学習方法
-
高度な文章校正のトレーニング
- 文章の冗長表現を簡潔にする練習
- 例:「このようなことが考えられると思います。」→「このようなことが考えられます。」
-
専門的な校正案件のシミュレーション
- 実際の書籍・新聞・専門誌のゲラを校正する
- 法律文書、論文、報告書などの校正も経験する
-
試験対策講座の受講
- 日本エディタースクールなどの専門講座を利用する
取得後に出来ること
取得すると、出版業界だけでなく、多くのビジネス分野で活躍する道が開けます。
就職・転職に活かせる職種
校正技能検定を取得すると、特に以下の業界・職種で役立ちます。
(1) 出版・印刷業界
校正のスキルは、書籍・雑誌・新聞・ウェブメディアの制作に欠かせません。資格を持っていると 採用時に有利 になりやすいです。
主な職種
- 校正者(プロフェッショナル校正)
→ 書籍、雑誌、論文、新聞などの誤字脱字、表記ミスを修正 - 校閲者(ファクトチェックも含む)
→ 文章の誤りだけでなく、事実関係・データの正確性を確認 - 編集者(校正スキルがあると有利)
→ 企画立案、執筆依頼、原稿整理、校正チェックを行う - DTPオペレーター(レイアウト調整を伴う校正)
→ 書籍や雑誌の 文字組み・レイアウト・デザイン校正 を担当
活かせる業界
- 出版社(書籍、雑誌、コミック)
- 新聞社
- 印刷会社
- フリーランスの編集プロダクション
(2) 広告・マーケティング業界
企業の広告・マーケティング資料に 誤字脱字 があると信用を損なうため、校正スキルが求められます。
主な職種
- コピーライター(広告文やキャッチコピーの誤りチェック)
- コンテンツディレクター(SNS・ブログ記事・ニュース記事の校正)
- マーケティング担当者(パンフレットやプレゼン資料の校正)
活かせる業界
- 広告代理店
- 企業のマーケティング部門
- PR会社
- ウェブメディア運営企業
(3) 企業のビジネス文書チェック
一般企業でも、社内文書・プレゼン資料・契約書 などの校正は重要です。誤字脱字があると 企業の信頼性に影響するため、校正のプロが重宝されます。
主な職種
- 事務職(総務・秘書)(文書作成・報告書の校正)
- 法務・契約担当者(契約書・法律文書のチェック)
- 企業広報・PR担当者(プレスリリースや広報資料の校正)
活かせる業界
- 大手企業の広報・マーケティング部門
- コンサルティング会社
- IT企業(ウェブサイト・アプリの校正)
フリーランス・副業としての活躍
校正技能検定を取得すると、 在宅・フリーランス での仕事の幅も広がります。
(1) フリーランス校正者
出版社や企業と契約し、 リモートで校正の仕事を受注 できます。
特に ウェブメディアや電子書籍市場が拡大 しているため、需要が高まっています。
主な案件
- 書籍・雑誌・論文の校正
- ウェブ記事・ブログの校正
- 広告・販促資料のチェック
仕事の獲得方法
- クラウドソーシング(ランサーズ、クラウドワークス)
- 出版社や編集プロダクションと直接契約
- SNSやブログで実績をアピール
(2) ライター・編集者として活動
校正スキルを活かして ライターや編集者 としても活躍できます。
特に 校正+ライティングができる人材 は重宝されます。
主な仕事
- コラム・記事執筆(ウェブメディア、雑誌)
- 編集ディレクション(書籍・ブログ運営)
- 企業コンテンツの制作(ホワイトペーパー、広告文章)
メリット
- 校正+ライティングスキルを活かせるため、仕事の幅が広がる
- 高単価案件につながる(編集者やディレクターへステップアップ)
(3) YouTubeやSNSコンテンツの校正
近年、YouTubeやTikTokなどの 字幕・テロップの誤字脱字 が問題視されることが増えています。
企業案件では プロの校正者が字幕チェックを担当 することもあります。
主な案件
- YouTubeの字幕・テロップの誤字脱字修正
- SNSの投稿文章チェック
- 動画スクリプトの推敲・校正
今後の展望
- 動画市場の成長 により、字幕・テロップ校正の需要が増加
- 海外向けコンテンツのローカライズ(翻訳+校正)で高単価案件もあり
校正スキルを活かせるその他の分野
分野 | 具体的な仕事内容 |
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学術・研究機関 | 研究論文・学術書の校正・編集 |
法律・契約書関連 | 法律文書・契約書の誤記チェック |
公務員・官公庁 | 公報・政策資料の校正 |
教育・学習教材 | 教科書・問題集の校正 |
事務系資格一覧
秘書技能検定
ビジネス文書検定
日本漢字能力検定
ビジネス・キャリア検定
日本語コミュニケーション能力認定試験
速記技能検定
校正技能検定
校正士
書道
レタリング技能検定
賞状技法士
硬筆書写検定
文部科学省後援毛筆書写技能検定
ファイリング・デザイナー
米国秘書検定(CPS)
テープライター
電子化ファイリング検定
日商珠算能力検定試験
珠算検定
実用マナー検定
計算実務能力検定
電卓技能検定
ビジネス能力検定
ビジネス実務マナー検定
文書処理能力検定
日本語検定
トレース技能検定