樹木の調査・研究、診断・治療、公園緑地の計画・設計・設計監理などを通して、樹木の保護・育成・管理や、落枝や倒木等による人的・物損被害の抑制、後継樹の育成、樹木に関する知識の普及・指導などを行う専門家のことです。
■主催
日本樹医会
受験資格と難易度
受験資格（想定される基準）
日本樹医会の「樹木医師」資格は、国家試験のような明確な受験制度はなく、研修や講習、活動実績による認定方式であると考えられます。公式情報が非常に限られているため、以下は一般的な傾向と想定です。
- 樹木の診断・管理・保護などに関する実務経験がある人
- 植物学・林学・造園・園芸などの専門知識を学んだ人
- 日本樹医会が主催する講座・研修・活動への参加経験がある人
- 地域の緑化活動や樹木保護に貢献している人
- 一定の年数にわたる観察・診断・調査実績がある人
※ 公開されている正式な受験ガイドラインは存在しないため、関係者からの推薦や実績評価をもとに認定されるケースが多いと見られます。
難易度
「樹木医師」は筆記試験・実技試験のような選抜方式を採っていないため、学術的な難易度は高くないとされていますが、以下のような要素が求められます。
- 長期にわたる実務・活動実績
- 基本的な樹木生理や病害虫などの専門知識
- 講義や研修での参加態度・提出レポートなどの実績
- 自然環境保全・地域貢献への意識と姿勢
つまり、難易度は「試験の合否で決まる」というよりも、総合的な人物評価と継続的な学び・活動の実績が重要となります。
試験内容
講習・研修・レポート提出・継続的な参加実績などが、実質的な試験内容となっていると考えられます。
想定される「試験内容・認定プロセス」
※以下は、民間の専門団体における一般的な認定方式を参考にした構成です。
1. 研修・講習の受講
- 樹木の生理（成長、光合成、水分吸収、年輪形成など）
- 樹木の病害虫（害虫の種類、病気の症状と対処法）
- 剪定・土壌改良・樹勢回復などの基本的な治療技術
- 名木・古木・文化財樹木の保護と管理
- 地域の緑化・自然保護活動の意義と実例
→ これらの講義や現地見学会に参加することが、受講者としての評価対象になります。
2. レポート提出や発表
- 研修内容に基づく考察レポートや課題の提出
- 自分の関わってきた樹木診断・管理事例の発表
- 地域での保全活動・観察活動などの報告書
→ 筆記試験の代わりに、理解度・実践力を測る手段として活用されます。
3. 実地活動・フィールドワーク
- 観察会や樹木調査への同行・補助
- 地域の名木・古木の診断実習
- 樹木マップ作成、樹木台帳整理、標本づくりなど
→ 専門家の指導のもと、実際のフィールド活動に参加することで技術を学び、評価される形式です。
4. 面談・推薦・審査
- 日本樹医会の上位資格者や運営委員による審査
- 所定の研修回数や参加実績、提出物の内容をもとに認定
- 必要に応じて、面談や口頭試問が行われる場合もあり
試験対策
基本知識の学習（独学・文献）
- 樹木の生理（光合成、水分移動、成長の仕組み）
- 病害虫の種類と症状（てんぐ巣病、カミキリムシなど）
- 剪定・土壌改良・病気治療など基本的な管理技術
- 名木・古木の保全と文化財との関係
日本樹医会の研修・講座に参加
日本樹医会が主催する次のような活動に、継続的に参加することが最も重要な対策です。
- 樹木診断講習会
- 樹木観察会・保全現地研修
- 座学講義（病害虫、診断法、保全手法など）
- 年次大会や研究発表会
ポイント：
参加状況や提出課題が、認定の際の評価対象になる可能性があります。
実地経験を積む
- 地域の緑化活動に参加（ボランティアでも可）
- 自治体や造園会社などでの現場観察や診断補助
- 樹木台帳作成、倒木リスク調査など実務に近い体験
記録を残すことが大切です。
写真・日誌・レポートなどにまとめておくと、講習後の課題や報告に使えます。
自分の経験を整理・言語化
- 自分が対応した事例（剪定・調査・病害処置など）を時系列で記録
- なぜその処置を選んだか、結果はどうだったかを振り返る
- 提出レポートのベースになります
推薦や紹介が必要な場合に備える
日本樹医会の中には、既存会員による紹介・推薦を要するケースもあるとされています。
そのため、活動を通じて信頼関係を築き、継続的に関わることが重要です。
認定後の継続学習の意識も大切
- 認定後も観察会・勉強会への参加を継続する姿勢が求められます
- 学術・実務両面で、学び続ける意思を持つことが評価されます
取得後に出来ること
地域の樹木保全活動への参加
- 古木・名木・街路樹などの診断や保全アドバイス
- 倒木リスクの観察・調査の補助
- 樹木保全に関する市民団体・NPOとの協力
市民向け自然観察・学習活動の講師
- 子どもや一般市民向けの樹木観察会の企画・ガイド
- 環境教育イベントでの講話・指導
- 学校や地域センターでの自然と樹木に関する講習会
講習会・研修会での補助・指導役
- 日本樹医会が主催する講座や勉強会の講師補助
- 後進育成（準会員や一般向け）への技術支援
- 学習プログラムの立案や資料作成協力
樹木に関する研究・調査活動への参加
- 地域の樹木台帳づくり、データ収集活動
- 保全対象の樹齢推定や環境記録調査
- 他会員と協力した樹木に関する論考・報告書の執筆
肩書きとしての活用
- 「日本樹医会認定 樹木医師」の肩書を名刺や紹介文に記載可能
- 自己紹介・講師紹介・講演資料等で信頼性を高める要素として使える
- 造園・植物関係の仕事をしている場合、知識の証明として活かせる
注意点（できないこと）
- 自治体や公共事業での「公的資格」としての使用は不可
- 「樹木医（日本緑化センター認定）」が必要な業務（入札・法定管理など）には使えない
- 国家資格ではないため、資格単体での業務独占権はありません
活動フィールドの例
- 地域の緑化・保全団体（NPO、町内会、ボランティア）
- 自然学校や子ども向け環境教育団体
- 自治体の市民講座・学習センターなどの講師依頼
- 日本樹医会の内部研究会・観察会での技術提供
その他資格一覧
準備中
