液化石油ガス(LPガス)の供給設備の設計・施工・維持管理を行うために必要な国家資格です。
LPガスは家庭用・業務用・工業用として広く使用されていますが、取り扱いを誤ると火災や爆発事故につながる危険性があるため、法律で専門資格者による施工が義務付けられています。
資格の目的
- LPガス供給設備の安全施工と維持管理の確保
- 使用者へのガス供給安全指導
資格取得でできること
- LPガスの供給設備工事(設計、施工、点検、修理)
- ガスメーターや調整器の取付け・交換作業
- LPガス設備の点検や緊急時対応業務
■主催
高圧ガス保安協会
目次
受験資格と難易度
1. 受験資格
液化石油ガス設備士資格は、LPガスの供給設備工事を行うために必要な国家資格です。受験資格には以下の条件があります。
受験資格の条件
- 18歳以上であること
- 以下のいずれかに該当すること:
- LPガス関連の実務経験が1年以上あること
- 例: ガス供給設備の設置、点検、修理作業に従事
- 所定の講習を修了していること
- 実務経験がない場合でも、講習を受けることで受験資格を得られる
- LPガス関連の実務経験が1年以上あること
講習を受ける場合の流れ
- 指定講習機関で約3〜5日間の講習を受講
- 修了証明書を取得
- 修了証明をもって試験に申し込み
2. 難易度と合格率
液化石油ガス設備士試験は、学科試験と実技試験の両方に合格する必要があります。
試験区分 | 合格率 | 難易度の特徴 |
---|---|---|
学科試験 | 約60〜70% | 法令やガスの基礎知識が中心で、過去問対策で比較的対応可能。 |
実技試験 | 約50〜60% | 作業手順の正確さと安全確認が求められ、実務経験者に有利。 |
難易度の特徴
学科試験の難易度ポイント
- 高圧ガス保安法、液石法などの**法令問題が約40%**を占める。
- ガスの性質や取扱方法については基礎知識があれば解きやすい問題が中心。
- 数字に関する問題(検査周期、報告義務期限など)の暗記が重要。
実技試験の難易度ポイント
- 施工手順の正確さと漏洩検査の正しい実施が評価対象。
- 実務経験がない場合は、事前講習でしっかり手順を習得する必要がある。
- 試験中は、**作業中の声掛け(確認動作の声出し)**が減点防止につながる。
試験内容
学科試験と実技試験の2つの試験で構成されています。学科試験での基礎知識と実技試験での施工技術や安全管理能力が問われます。
1. 試験の概要
試験区分 | 試験内容 | 時間 | 合格基準 |
---|---|---|---|
学科試験 | 法令、基礎知識、設備知識、安全管理 | 約2時間 | 60%以上の正答率 |
実技試験 | 配管作業、器具取付、漏洩検査 | 約2時間 | 合格基準に沿った作業実演 |
2. 学科試験の内容
2.1 科目と出題範囲
科目 | 主な出題内容 | ポイント |
---|---|---|
高圧ガス保安法・液石法 | 供給設備の基準、事故報告義務、罰則規定 | 数字(報告期限、距離基準)問題が頻出 |
ガスの基礎知識 | ガスの性質(比重、燃焼範囲、発火点)、圧力・温度関係 | LPガスの特性を暗記し、実用的な問題に備える |
設備に関する知識 | 配管材料、継手の種類、ガスメーター構造 | 作業手順をイメージしながら学習 |
安全管理と災害対応 | 漏洩防止策、初動対応、避難誘導 | 安全確認のフローを理解する |
2.2 学科試験対策ポイント
-
法令問題:
- 高圧ガス保安法・液石法の罰則、報告期限、検査基準は頻出。
- 数字問題は暗記カードで繰り返し確認。
-
ガスの性質:
- 比重、燃焼範囲、有毒性のガスごとの違いを表にまとめて暗記。
-
設備知識:
- 配管作業で使用される材料や部品を写真と一緒に覚えると効果的。
-
安全管理:
- 災害発生時の行動手順をフロー図にして整理。
3. 実技試験の内容
実技試験では、LPガス設備工事に必要な作業技能と安全確認の実演が求められます。
3.1 実技試験の主な課題
実技課題 | 内容 | 評価ポイント |
---|---|---|
配管作業 | 配管の切断・接続、圧力確認 | 作業手順、正確さ、安全確認動作 |
器具取付作業 | ガスメーター、調整器の設置 | 作業中の確認声掛けと正しい取付方法 |
漏洩検査 | 検査器具使用、漏れ確認手順 | 適切な器具使用と漏洩箇所特定 |
緊急対応演習 | 漏洩発生時の初動対応 | 安全確保→報告→処置の流れ実演 |
3.2 実技試験での流れとポイント
-
作業前確認
- 使用器具の点検、作業手順確認
- ポイント: 作業開始前に周囲安全確認を声に出す
-
配管接続作業
- 指定された長さで配管を切断し、接続
- ポイント: 切断面のバリ取り忘れに注意
-
器具取付作業
- メーター・調整器の取り付け、接続確認
- ポイント: 緩み防止で2回確認する
-
漏洩検査
- 検査器具を用い、漏れ箇所確認
- ポイント: ガス漏れがないことを声に出して確認
-
緊急時対応
- 漏洩を想定し、迅速な避難誘導と報告手順を実演
- ポイント: 焦らず確実な動作を心がける
試験対策
1. 試験全体の対策ポイント
- 学科試験: 法令、ガスの性質、設備知識、安全管理が中心。
- 実技試験: 配管作業、器具取付、漏洩検査、緊急時対応の実演が求められる。
- 共通対策:
- 安全確認の声掛けや確認動作を徹底。
- 過去問を繰り返し解き、出題傾向を把握。
- 実技は手順の正確さとスムーズな動きが重要。
2. 学科試験対策
2.1 出題分野別対策
分野 | 出題傾向 | 対策方法 |
---|---|---|
高圧ガス保安法・液石法 | 罰則、報告義務、容器管理 | 数字問題を重点的に暗記。問題集を何度も解く。 |
ガスの基礎知識 | 燃焼範囲、比重、発火点 | 比較表を作り視覚的に覚える。 |
設備知識 | 配管材料、メーターの構造 | 作業現場を動画で確認し、イメージ学習。 |
安全管理 | 緊急時対応フロー、災害防止策 | 実務想定の問題を解いて実践的な理解を深める。 |
2.2 効率的な学習法
-
法令問題対策:
- 数字暗記カードを作り、スキマ時間に繰り返し確認。
- 罰則・期限は語呂合わせで覚えると忘れにくい。
-
ガスの性質対策:
- ガスの比重、燃焼範囲を 表にまとめて比較暗記。
- 実務例や動画で実際のガス使用シーンを確認。
-
設備・安全管理対策:
- 過去問演習で出題パターンを把握。
- 災害発生時の行動手順はフロー図で整理。
3. 実技試験対策
3.1 実技試験の主な課題と対策
課題 | 出題内容 | 対策ポイント |
---|---|---|
配管作業 | 切断、接続、圧力確認 | 作業手順を暗記し、何度も練習。 |
器具取付作業 | メーター・調整器設置 | 接続部の緩み確認を2回実施。 |
漏洩検査 | 検査器具を使った漏れ確認 | 検査手順と器具の使い方を練習。 |
緊急対応演習 | 漏洩発見時の初動対応 | 声掛けと行動フローを体で覚える。 |
3.2 実技試験成功のためのコツ
-
声掛けの徹底:
作業中は「接続確認します」「圧力確認完了」など、確認動作を声に出す。 -
作業手順の暗記:
配管接続や器具取付は 順番を間違えると減点。手順カードを作成し毎日確認。 -
漏洩検査練習:
実際の検査器具を使った練習が理想。無理な場合は動画で使用方法を確認。 -
緊急時対応の流れ:
安全確認 → 火気遮断 → 通報 → 漏洩箇所特定 → 対処 の流れを声に出して練習。
4. 効果的な勉強スケジュール(4週間プラン)
週 | 学習内容 | 目標 |
---|---|---|
1週目 | 法令・ガス基礎知識暗記 | 数字問題の80%正答 |
2週目 | 設備知識+実技作業手順確認 | 配管作業の基本習得 |
3週目 | 過去問・模擬問題演習 | 学科試験で80%以上正答 |
4週目 | 実技総復習+模擬試験 | 実技試験で減点ゼロを目指す |
まとめ
- 学科は数字問題、実技は手順と安全確認が合否のカギ。
- 声掛け練習と過去問演習を徹底して実力アップ。
- 実技は「焦らない」「声を出す」「順番を守る」ことが重要。
- 直前期は苦手分野に集中し、合格ライン突破を目指す。
取得後に出来ること
LPガス(液化石油ガス)の供給設備の設計、施工、点検、保守ができるようになります。
この資格は、法律で一定規模のLPガス工事や保守業務に必須とされており、資格を持つことで幅広い業務に従事できるようになります。
1. 主な業務内容
① LPガス供給設備の設計・施工
- LPガスの供給設備に関する 設計図作成や施工業務を担当。
- 配管工事、ガスメーターの取り付け、圧力調整器の設置作業が可能。
② LPガス設備の保守・点検
- ガス設備の 年次点検、漏洩検査、機器の機能確認を実施。
- 法令で定められた 定期的な保守業務の責任者として活動。
③ 器具の取り付け・修理作業
- 家庭用・業務用のガス機器(給湯器、コンロなど)の設置や交換が可能。
- ガス漏れや機器不具合発生時の修理作業も担当。
④ 緊急対応・安全指導
- ガス漏洩や火災発生時に 現場責任者として初動対応。
- 顧客への 安全使用方法の指導や啓発活動を実施。
2. 活躍できる職場・業種
職場・業種 | 具体的な業務内容 |
---|---|
ガス会社 | LPガス供給設備の設計・施工・保守管理 |
設備工事会社 | 配管作業、ガス器具の設置・修理 |
建設業 | 新築物件へのガス設備施工、リフォーム工事のガス対応 |
メーカー | ガス機器の据付・メンテナンス |
住宅管理業 | 入居前点検、ガス安全確認、漏洩調査 |
3. 取得後のメリット
① 昇進・キャリアアップに直結
- LPガスを取り扱う会社で 主任技術者や現場責任者に昇進可能。
- ガス供給設備の保安責任者として現場管理に携われる。
② 資格手当・給与アップ
- 多くの企業で 月5,000〜15,000円程度の資格手当が支給。
- 年間で 60,000〜180,000円程度の収入増が期待できる。
③ 転職・就職が有利に
- LPガス関連業界や建設業界で 採用時の大きなアドバンテージ。
- 法令上必要な資格のため、特に地方では高い需要がある。
④ 独立・開業も可能
- 経験を積めば ガス設備工事会社を立ち上げることも可能。
- 自営業で安定的な収入を得られる場合も。
4. 実際の業務事例
事例1: 新築住宅へのLPガス設備施工
- ガスメーターや調整器、供給配管の設計と施工を担当。
- 工事完了後に漏洩検査を行い、安全な供給ができるか確認。
事例2: 飲食店の厨房機器交換
- 古いガスコンロを新しい業務用コンロに交換。
- 使用者に正しい操作方法と注意点を説明。
事例3: ガス漏洩対応業務
- ガス漏洩通報を受けて現場に急行。
- 漏洩箇所を特定して安全確保後に修理対応。
5. 他の資格との併用メリット
併用資格 | メリット |
---|---|
高圧ガス製造保安責任者 | ガス製造・供給両方を担当でき、業務範囲が拡大。 |
消防設備士 | 火災対策とガス安全対策を一貫して担当可能。 |
電気工事士 | ガス機器設置時の電気配線作業も一緒に担当可能。 |
危険物取扱者(乙種4類) | 可燃性ガスに関する知識が強化され安全性向上。 |
安全管理系資格一覧
危険物取扱者
消防設備士
火薬類保安責任者
高圧室内作業主任者
高圧ガス製造保安責任者
液化石油ガス設備士
高圧ガス販売主任者
警備員等の検定
酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者
第一種、第二種衛生管理者
臭気判定士
毒物劇物取扱責任者
有機溶剤作業主任者
ガス主任技術者
消防設備点検資格者
廃棄物処理施設技術管理者
防火管理者
放射線取扱主任者