土地や建物の位置関係・形状・面積などを正確に測定する専門家であり、測量業務を計画し、実施および管理できる国家資格です。測量結果は、土地登記、建築設計、土木工事、地図作成などに活用され、社会インフラ整備に欠かせない重要な業務です。
測量士の主な業務
測量計画と管理
- 測量の方法、手順、必要機材を計画
- 測量チームの指導と進捗管理
- 測量結果の精度確認とデータ整理
測量実務
- 基準点測量: 国土基準となるポイントを設定
- 地形測量: 建物や地形の高低差、形状を測定
- 用地測量: 土地境界確定、道路・建築計画用データ取得
- 水準測量: 高さや標高を測定
- 航空・衛星測量: ドローンや人工衛星を活用した広域測量
測量データの活用
- 地図作成、設計図面の作成
- 土地登記や不動産取引時の資料作成
- 道路・橋梁・トンネルなどのインフラ整備支援
■主催
国土交通省 国土地理院
目次
受験資格と難易度
測量士試験の受験資格と難易度
受験資格
測量士資格を取得する方法は、試験合格または実務経験による申請の2つがあります。
1. 測量士試験を受験する場合
- 受験資格に制限はありません。
- 学歴、年齢、性別、職歴などの制限なし
- 誰でも受験可能
2. 実務経験による測量士資格取得
- 測量士補資格を持つ場合
- 測量士補資格取得後、3年以上の実務経験で申請可能
- 指定測量教育機関の卒業生の場合
- 測量関連の指定教育機関(専門学校・大学の測量課程)卒業後、1〜2年の実務経験で申請可
難易度
測量士試験は、国家資格の中でも難易度が高い部類に入り、合格には幅広い専門知識と計算力が求められます。
合格率
- 合格率: 約15〜20%
- 難易度ランク: 中〜高レベル
難易度の特徴
1. 出題範囲の広さ
- 測量法規、測量計画、測量技術、データ処理と幅広い分野から出題されます。
- 実務経験がない場合、測量機器の操作や現場作業のイメージがつきにくく、難易度が上がります。
2. 計算問題の比重が大きい
- 基準点測量、地形測量、用地測量などで複雑な計算が必要です。
- 誤差計算や座標計算は慣れていないと時間がかかります。
3. 法規問題の暗記量が多い
- 測量法や関連法令の知識が必須。
- 頻繁に更新されるため、最新の法改正に対応する必要があります。
4. 実務経験者が有利
- 実務経験があると、測量方法や現場対応がイメージしやすく問題理解が深まります。
- 未経験者は計画的な勉強時間の確保が必須。
他の関連資格との難易度比較
資格名 | 合格率 | 難易度 | 特徴 |
---|---|---|---|
測量士 | 約15〜20% | 高い | 測量計画・実施の責任者として活動可 |
測量士補 | 約30〜40% | 中程度 | 測量士の補助業務を担当 |
土地家屋調査士 | 約10〜15% | 非常に高い | 登記業務専門、測量士より高度な法的知識が必要 |
技術士(建設部門) | 約10% | 非常に高い | 建設全般の高度な専門資格 |
試験内容
測量計画から法規、各種測量技術、データ処理に至るまで幅広くカバーされており、計算問題と法規問題が中心です。
試験概要
- 試験実施時期: 年1回(通常5月頃)
- 試験時間: 約4時間(午前・午後に分かれることもあり)
- 問題形式: 択一式(四肢択一)および計算問題
- 合格基準: 総合得点60%以上(科目別足切りあり)
- 問題数: 約50問
試験科目と詳細内容
1. 測量に関する法規
測量業務を行う上で必要な法律知識を問う科目です。
出題範囲
- 測量法: 測量業務の基本的な法律、測量標識の保護、測量成果の取扱い
- 測量士の責任: 業務上の義務と責任、報告義務、測量成果の品質保持
- 公共測量規則: 国土交通省が定める測量手続き
- 測量標準点の保護規定
2. 測量学の基礎
測量の基本的な理論や用語、誤差処理方法に関する問題が出題されます。
出題範囲
- 測量誤差の種類と処理: 偶然誤差、系統誤差、粗大誤差
- 測距法・測角法の原理
- 測量記録の取り扱い方法
- 距離・角度の計算問題
3. 測量計画
実務での測量作業計画の立案能力を問う科目です。
出題範囲
- 測量工程の計画立案: 作業手順と工程表作成
- 測量機器と作業方法の選択
- 安全管理計画: 現場での安全確保方法
- 測量精度と作業効率化のバランス
4. 各種測量技術
測量技術の理解と、実務的な応用能力が問われます。
出題範囲と内容
4.1. 基準点測量
- トータルステーション・GNSS測量の方法
- 座標計算と誤差調整
4.2. 地形測量
- 地形データ取得方法
- 等高線作成と高低差測定
4.3. 用地測量
- 土地境界確定測量手順
- 面積計算、筆界確認作業
4.4. 水準測量
- 標高測定、レベル測定手順
- 閉合差処理の計算問題
4.5. 写真測量・航空測量
- UAV(ドローン)を使用した測量技術
- 航空写真からの地形判読方法
4.6. 衛星測量
- GNSSを使った位置情報取得
- 測位誤差の原因とその補正方法
5. 測量機器の操作とデータ処理
測量機器の使用方法と取得データの整理・活用方法を問う科目です。
出題範囲
- トータルステーション、レベル、GNSS機器の使用方法
- 測量結果データの整理・保存方法
- 図面作成のためのデータ変換方法
- 測量専用ソフトの基礎知識
試験問題の傾向と例題
過去の頻出問題例
分野 | 問題例 | 解答ポイント |
---|---|---|
法規 | 測量標を故意に破損した場合の罰則は? | 測量法第38条を確認 |
測量学基礎 | 測距誤差の種類を選べ | 偶然誤差・系統誤差を理解 |
基準点測量 | 2地点間の距離を求めよ | 座標計算公式を使用 |
地形測量 | 高低差の計算問題 | 水準測量公式の適用 |
写真測量 | 航空写真から面積を求めよ | スケール換算の理解 |
機器操作 | GNSSの誤差原因は? | 電離層影響・マルチパスを選択 |
試験対策
試験対策ステップ
ステップ1: 基礎知識の習得(試験6〜4か月前)
学習ポイント
- 測量用語の理解と基本概念を習得
- 測量法規の重要部分を読み込み、概要を把握
- 測量技術や各種測量方法の基本構造を理解
効果的な学習法
- テキストと参考書の精読: 図解入りのものが理解しやすい
- 動画講座や現場見学: 測量機器の使い方を視覚的に理解
- 用語集作成: 自作の単語帳で隙間時間に暗記
ステップ2: 過去問題演習と応用力強化(試験4〜2か月前)
学習ポイント
- 過去10年分の問題を繰り返し解く
- 計算問題を重点的に練習し、スピードと正確性を強化
- 法規問題で頻出の罰則規定や条文を暗記
効果的な学習法
- 週3回の過去問演習: 1回2時間でまとめて取り組む
- 間違えた問題ノート作成: 解説を読んで理由を理解し再発防止
- 公式や計算手順の暗記カード作成: 毎日確認し定着を図る
ステップ3: 模擬試験と弱点補強(試験2〜1か月前)
学習ポイント
- 本試験と同じ条件で模擬試験を実施
- 解答時間を計測し、時間配分の最適化
- 苦手分野の集中復習
効果的な学習法
- 週1回の模試実施: 試験時間を守って実施し、実戦感覚を養う
- 模試後の分析と対策: 間違えた問題の原因を徹底分析
- 法規一問一答形式の復習: 短時間で効率的に知識を確認
ステップ4: 試験直前の総仕上げ(試験1か月前〜当日)
学習ポイント
- 最後の確認として頻出問題を総復習
- 法規暗記カードや計算問題集を繰り返す
- 体調管理と試験当日の持ち物確認
効果的な学習法
- 過去問の重要問題だけを再確認
- 計算問題を毎日1問解く習慣
- 試験会場までのルート確認と時間管理の準備
科目別対策方法
1. 測量に関する法規対策
出題傾向
- 測量法の基本ルール、罰則規定が頻出
- 公共測量規則や測量成果の取り扱いに関する問題が多い
勉強方法
- 法令集を常に手元に置く
- 重要条文をマーカーで色分け
- 罰則や期限に関する問題を優先的に暗記
2. 測量学の基礎対策
出題傾向
- 測距法、測角法の原理と誤差処理問題が中心
- 測量記録の取り扱いやデータ整理方法が問われる
勉強方法
- 測量公式の暗記と応用練習
- 誤差処理の計算問題を反復練習
- 実際の記録表を使って理解を深める
3. 測量計画対策
出題傾向
- 測量作業の工程計画や機器選定に関する問題が多い
- 安全管理や作業効率化に関する問題も出題
勉強方法
- 過去の計画問題を分析しパターンを把握
- 測量現場の写真や動画で具体的な作業イメージを掴む
- 測量工程表を自作して流れを理解
4. 各種測量技術対策
出題傾向
- 基準点測量や地形測量、水準測量の計算問題が中心
- UAV(ドローン)や衛星測量の基本的知識も問われる
勉強方法
- 座標計算や高低差計算の問題を重点的に練習
- 実務経験者にアドバイスをもらい、現場での具体例を学ぶ
- 測量機器の操作手順を動画で確認
5. 測量機器操作とデータ処理対策
出題傾向
- トータルステーションやGNSS機器の操作問題が多い
- データ整理や成果品作成の流れに関する問題が出題
勉強方法
- 実際の測量機器に触れる(実務経験がない場合は動画学習)
- データ処理ソフトの使い方を勉強
- 過去問で座標計算を徹底練習
おすすめの教材・ツール
- 過去問題集(10年分): 問題傾向を把握しやすく、最優先教材
- 法令集(最新版): 試験中の参照用に使い慣れておくことが重要
- 動画教材・アプリ: 測量機器操作や作業手順を視覚的に理解
- 模擬試験セット: 試験本番を想定した練習用に活用
取得後に出来ること
測量業務の計画・実施・管理が可能となり、国や地方自治体、建設会社、不動産業界などで幅広く活躍できます。土地や建物の測量は、社会インフラ整備や不動産取引において不可欠な業務であり、測量士は測量業務の責任者として重要な役割を担います。
測量士の主な業務内容
1. 測量業務の計画と実施
測量士が担当できる測量の種類
- 基準点測量: 国土や地域における基準点を設置
- 地形測量: 地表の起伏や地形を測定し、地図作成に活用
- 用地測量: 土地境界の確定、土地登記用データ取得
- 水準測量: 標高や高さ測定、建築・土木工事に活用
- 路線測量: 道路、鉄道、パイプラインのルート測定
- 航空・写真測量: UAV(ドローン)や航空機で広域を測量
測量業務の流れ
- 測量計画の立案と作業手順の作成
- 測量機器の選定と操作方法の確認
- 測量実施とデータ取得
- 測量データの解析・誤差修正
- 成果物作成(地形図、測量報告書、CADデータ)
2. 測量チームの管理・指導
測量業務のマネジメント
- 測量作業の工程管理と進捗確認
- 測量士補や技術者の指導・教育
- 測量結果の精度管理と品質チェック
3. 建築・土木プロジェクトへの関与
測量士が関わる建設・インフラ分野
- 建築物の敷地調査: 建築計画に必要な敷地の高さ・形状測量
- 道路・橋梁・トンネル工事: 施工前の地形測量と施工管理用測量
- 都市計画や公共施設整備: 都市計画図作成や土地利用計画に貢献
- 災害復旧・防災事業: 土砂災害や洪水後の現場測量
4. 土地登記や不動産関連業務
測量士が担当できる不動産業務
- 土地境界の確認・確定測量: 境界争い防止や土地売買に必要
- 土地分筆・合筆測量: 土地の分割や統合のための測量
- 登記申請の補助資料作成: 法務局への提出用測量図作成
関連業務での活躍
- 不動産開発プロジェクトの初期段階での測量担当
- 建物配置計画や宅地造成計画での測量支援
5. 公共事業・行政での業務
公共部門での役割
- 国土調査業務: 国土交通省や地方自治体からの受託業務
- 公共測量の成果管理: 国土基準点や測量標識の設置管理
- 災害復旧時の緊急測量: 被災地での迅速な測量支援
測量士資格取得後のキャリアパス
1. 独立・開業
- 測量業者登録を行い、自らの測量事務所を開設可能
- 民間企業や公共機関から直接受注できる
- 独立後の業務例:
- 土地売買用の境界確定測量
- 住宅メーカーとの専属契約で敷地調査担当
- 公共事業の測量請負
2. 企業・団体での就職・転職
活躍できる業界と職種
- 建設会社・ゼネコン: 土木・建築工事の測量管理者
- 不動産会社: 土地評価や登記用測量図作成担当
- 測量・設計事務所: 各種測量業務の実務担当
- 地方自治体・公共団体: 測量担当職員として採用
3. 専門分野への展開
測量士が目指せる専門分野
- GIS(地理情報システム)スペシャリスト: 空間データ解析
- UAV測量エンジニア: ドローンを活用した最新測量技術の導入
- 環境・都市計画コンサルタント: 測量データを活用した都市開発支援
測量士と関連資格との比較
資格名 | 取得後にできること | 特徴 |
---|---|---|
測量士 | 測量計画・実施・管理、測量チーム指導 | 測量業務の責任者として独立可能 |
測量士補 | 測量士の補助業務のみ | 測量士の指示が必須、独立不可 |
土地家屋調査士 | 登記測量・表示登記申請業務 | 測量士資格取得後の次のステップに有効 |
建築士 | 建物設計、工事監理 | 測量とは異なり、建物設計中心 |
おすすめの講習、教材
教材
講座
建築系資格一覧
一級建築士
二級建築士
木造建築士
構造設計一級建築士
設備設計一級建築士
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土木施工管理技士
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