玉掛技能講習

玉掛け技能講習資格は、クレーン作業において荷物を安全かつ正確に掛け外しする作業(玉掛け)を行うために必要な資格です。

荷物を吊り上げる際のワイヤーロープの取り付け、取り外し、合図など、クレーン作業の中でも最も基本的で重要な作業を担当します。

資格の根拠法令

  • 労働安全衛生法 第61条
  • 労働安全衛生規則 第20条
  • クレーン等安全規則 第219条

取得の目的

  • クレーン作業における安全確保
  • 作業員や周囲の第三者への事故防止
  • 効率的で正確な荷役作業の実現

玉掛け作業とは?

玉掛け作業は、クレーンやホイストに荷物を掛けたり外したりする作業のことです。

  • ワイヤーロープやチェーンの選定と取り付け
  • 荷物のバランス調整と安全確認
  • 作業クレーン運転者への合図や指示

主催
各都道府県の日本クレーン協会支部労働基準協会、教習所等

受験資格と難易度

受験資格

玉掛け技能講習は、誰でも受講可能な資格講習で、特別な学歴や職歴、年齢制限はありません。
ただし、年齢が18歳以上でなければ資格取得後に実際の作業は行えません。

受講区分と受講時間

玉掛け技能講習は、受講者の保有資格や実務経験によって講習時間が異なる場合があります。

受講対象者 受講時間 条件
初めて資格を取得する方 18時間 特に条件なし
小型移動式クレーン、床上操作式クレーン保持者 15時間 クレーン関連資格を所持
クレーン特別教育修了者(実務経験6ヶ月以上) 16時間 クレーン作業の実務経験が6ヶ月以上あること

ポイント

  • 未経験者でも講習を受ければ受験可能です。
  • 資格保有者や実務経験者は講習時間が短縮され、負担が軽くなります。
  • 講習終了後に実技・学科試験が実施されます。

難易度

玉掛け技能講習の難易度は、他の建設系資格と比較すると比較的易しい部類に入ります。
講習で学んだ内容をしっかり復習すれば、初心者でも高い確率で合格可能です。

合格率

年度 合格率(推定) 難易度評価
2021年 約95% 易しい
2022年 約96% 易しい
2023年 約97% 易しい
  • 講習に真剣に参加し、試験前に復習すればほぼ合格
  • 実技試験では安全確認の手順が重視されます。

試験構成と内容

試験区分 内容 合格基準
学科試験 玉掛けに関する基本知識・法規の選択問題 正答率60%以上
実技試験 ワイヤーの掛け方、荷物のバランス調整 採点基準を満たすこと

難易度の特徴

  • 学科試験:

    • 基礎知識と安全規則が中心で、テキストからの出題がほとんど
    • 過去問題を2〜3回解けば十分合格レベルに到達
  • 実技試験:

    • 正しい玉掛け手順を理解していれば難しくない
    • 荷物のバランス確認や合図の正確さが評価ポイント

試験内容

学科試験と実技試験の2つで構成されています。

  • 学科試験: 玉掛けに関する知識や法令、安全作業手順を問う
  • 実技試験: ワイヤーロープの正しい掛け方、荷物のバランス取り、合図の実技を評価

試験概要

試験区分 試験内容 出題形式 合格基準
学科試験 玉掛けの知識、法令、安全作業 選択式(四肢択一) 正答率60%以上
実技試験 ワイヤー掛け、合図操作 実技演習 評価基準を満たすこと

学科試験内容

出題範囲と問題構成

学科試験は約30問で構成され、以下の分野から出題されます。

出題分野 問題数の目安 主な内容
玉掛けの基礎知識 約10問 ワイヤー種類、荷重計算、選定方法
荷重と吊り具計算 約6問 吊り角度、ワイヤーロープの強度計算
関連法規 約7問 労働安全衛生法、クレーン規則
作業手順・安全対策 約7問 安全確認手順、合図方法、危険予知

主な出題内容

玉掛けの基礎知識
  • ワイヤーロープの種類と特徴
  • 玉掛け用具(シャックル、フック、アイボルト)の使用方法
  • 荷物のバランス確認方法
荷重計算問題
  • 吊り角度と安全荷重の関係計算
  • ワイヤー強度と使用本数の計算問題
  • 計算問題は正しい公式の理解が必要
関連法規
  • 労働安全衛生法に基づく作業者の義務
  • クレーン等安全規則の抜粋問題
  • 安全装置の設置基準や罰則規定
作業手順と安全対策
  • 作業開始前の点検項目
  • 合図者の位置取りと合図方法
  • 荷物が振れた場合の緊急対応策

実技試験内容

実技試験では、実際の玉掛け作業を行い、正しい手順や安全確認ができるかを評価されます。

実技試験の主な評価項目

評価項目 内容 評価ポイント
ワイヤー掛け作業 荷物への正しいワイヤーロープの取り付け 掛け位置の正確性、しめ具の適切な使用
荷物のバランス確認 吊り上げ時の荷物の安定性確認 バランスを崩さない掛け方ができているか
合図操作 クレーン運転者への合図 正しい合図方法とタイミング
安全確認の実施 作業前・作業中の安全確認 周囲確認、指差呼称の実施

実技試験の流れ

  1. 作業前点検:

    • ワイヤーやフックの損傷確認
    • 作業環境の安全確認
  2. ワイヤー掛け作業:

    • 適切なワイヤー選定
    • 荷物への正確な掛け方
  3. 合図作業:

    • クレーン運転手への正確な合図
    • 吊り上げ・停止の指示を適切に出す
  4. 荷物の吊り上げとバランス確認:

    • 荷物が傾かずに安定しているか確認
    • 作業後の取り外し作業を正確に実施

実技試験での注意点

よくあるミス 原因 対策
ワイヤー掛け位置のミス 荷物の重心を無視 荷物中心を確認し正しい位置に掛ける
合図の遅れ・誤り 指示内容の理解不足 合図の意味を事前に暗記・練習する
荷物のバランス崩れ ワイヤー長さの不均一 ワイヤー長さを均等に揃える
安全確認の省略 焦りや緊張 指差呼称を必ず実施

合格基準

試験区分 合格基準
学科試験 正答率60%以上(約18問以上)
実技試験 作業手順・安全確認を正確に実施すること
  • どちらの試験も合格しないと資格取得はできません。
  • 実技試験は特に安全意識と正確な作業手順が重視されます。

試験対策

1. 学科試験対策

学科試験は、安全作業の知識、法規、荷重計算が中心です。
正答率60%以上が合格ラインですが、余裕を持って70%以上を目指しましょう。

主な出題分野と対策方法

出題分野 頻出問題 対策方法
玉掛けの基礎知識 ワイヤーロープの種類と特徴 図で種類と用途を整理
荷重計算 吊り角度と安全荷重の計算 公式を暗記し、計算問題を反復練習
関連法規 労働安全衛生法・クレーン規則 数字や条件をカードで暗記
作業手順・安全確認 作業開始前の点検手順、安全確認方法 重要手順をメモし、声に出して復習

荷重計算対策

荷重計算の基本公式

荷重 (kg) = 使用荷重 ÷ (吊り角度による係数)

  • 吊り角度が大きくなるほど使用荷重が減少
  • 吊り角度と係数は必ず覚える
練習問題例
  • 問題: 500kgの荷物を2本吊りで、吊り角度が60°の場合の使用荷重を計算せよ。
  • 解答:
    • 吊り角度60°の係数 = 1.15
    • 使用荷重 = 500 ÷ 1.15 ≈ 434.78kg

関連法規対策

法令項目 覚えるべきポイント
労働安全衛生法 玉掛け作業に必要な資格条件
クレーン等安全規則 作業中の禁止事項、合図方法
安全装置の設置義務 適用基準と罰則規定

2. 実技試験対策

実技試験は、正しい手順・安全確認・合図の正確さが評価されます。
焦らず、確認を声に出して行うことが重要です。

実技試験の評価ポイント

評価項目 内容 対策方法
荷物の掛け方 正しい掛け位置と固定 ワイヤーの中心掛けを意識して練習
合図の正確さ クレーン運転者への指示 合図を大きくハッキリ出す練習
安全確認の実施 作業前後の周囲確認 指差呼称を必ず行い、確認漏れを防止
荷物のバランス確認 荷物の傾きや揺れ防止 ワイヤー長さを均等に掛ける練習を実施

実技試験の流れと練習ポイント

  1. 作業前確認:

    • ワイヤー・フックの損傷確認
    • 荷物の重心確認
    • 対策: 指差呼称を大きな声で実施
  2. ワイヤー掛け作業:

    • ワイヤーは荷物の中心に正確に掛ける
    • 緩みがないか確認
  3. 吊り上げと合図:

    • クレーン運転者に正しい合図を送る
    • 荷物が安定するまで手を出さない
  4. 荷物の下ろし・取り外し:

    • 荷物が完全に止まったことを確認
    • ワイヤーを安全に取り外す

模擬試験と過去問の活用

模擬試験の重要性

  • 本番前に1回は模擬試験を実施
  • 学科試験で時間配分を確認
  • 実技試験で作業手順を流れで確認

模擬試験活用法

  • 間違えた問題は原因を分析
  • 実技練習は本番同様の手順で実施

取得後に出来ること

講習を修了し資格を取得すると、クレーンを使用した荷物の吊り上げ作業において、荷掛け・荷外し作業を法的に担当できるようになります。

特に、1トン以上の荷物の玉掛け作業は資格保持者のみが実施可能です。

主な業務内容と役割

1. 荷物の玉掛け作業

  • クレーンで吊り上げる荷物にワイヤーロープや吊り具を取り付け、取り外す作業を担当
  • 重量物の移動や設置作業において、安全かつ正確な荷掛けが求められます。
  • 無資格者は1トン以上の玉掛け作業ができないため、現場で必須の資格です。

2. クレーン作業時の合図者として活躍

  • クレーン操作者へ正しい合図を送る業務が可能
  • 合図者は安全確保に直結するため、資格保持者のみが担当できます。

3. 荷役作業の安全管理

  • 現場での荷役計画立案や安全確認作業を担当
  • 作業開始前の機材点検や荷重確認など、安全責任者として現場管理ができます。

4. 現場内でのリーダー的ポジション

  • 玉掛け作業の中心人物として、現場での信頼性向上
  • 班長や現場リーダーへの昇格条件として要求されることが多いです。

活躍できる業界と職種

業界 職種 資格取得後にできること
建設業 玉掛け作業員、現場作業員 建材・資材の吊り作業、機材の搬入出
製造業 工場作業員、荷役担当者 製品・原料のクレーン運搬
物流・倉庫業 フォークリフト兼玉掛け担当 重量物の積み下ろし、クレーン作業補助
鉄鋼・造船業 クレーン補助員、設置作業員 大型鋼材や船体部品の吊り作業
プラント建設 重機作業補助員 設備据付作業時の玉掛けと安全確認

取得後のキャリアアップと収入向上

1. 就職・転職で有利

  • 建設業界や物流業界での採用時に即戦力として高評価
  • 未資格者よりも優先的に採用されやすくなります。

2. 資格手当や昇給のチャンス

  • 資格手当が支給される企業が多く、月額5,000円〜10,000円程度の収入アップ
  • 玉掛け資格を取得することで、年収ベースで50万円以上の増収も期待できます。

3. 現場リーダーや責任者への昇進

  • 玉掛け資格は昇進・昇格の条件として必須となることも
  • 作業班長や現場責任者として、安全管理と進行管理ができるようになります。

4. 他の建設関連資格へのステップアップ

  • 玉掛け資格取得後は、以下の資格への受験が有利になります。
    • 小型移動式クレーン運転技能講習
    • 床上操作式クレーン運転技能講習
    • フォークリフト運転技能講習

独立・フリーランスでの活躍

1. フリーランス作業員として活動可能

  • 個人事業主として建設現場や工場で玉掛け作業を請け負うことができます。
  • 日当ベースで1万〜2万円以上の報酬も可能。

2. 派遣・短期作業で高収入案件に参加

  • 玉掛け資格者は短期派遣やイベント設営現場での求人が豊富
  • 高単価の短期案件で効率的に収入を得られます。

公共事業・インフラ案件でのメリット

1. 公共工事現場での必須資格

  • 道路工事や橋梁建設、ダム工事など大型公共工事への参画が可能
  • 荷役作業の中心的な役割を担うことができます。

2. インフラ関連現場での活躍

  • 電力設備や鉄道関連工事での重量物吊り作業を担当
  • 安定的な長期案件に参加できるチャンスが拡大します。

資格取得後のキャリアパス

キャリア段階 取得後の役割 実務でできること
取得直後 玉掛け作業員 荷物の吊り作業、合図作業の補助
経験1〜2年 合図者、作業補助員 クレーン操作者への指示、安全確認
経験3年以上 班長、現場リーダー 荷役作業計画立案、現場安全管理
経験5年以上 現場責任者、工事主任 作業全体の統括、作業工程の改善
フリーランス 独立作業員、請負業者 個人で案件を請負い、自由な働き方を実現

取得後の具体的なメリット

安全管理スキルの向上

  • 正しい作業手順を身につけ、現場での事故防止に貢献
  • 自身や同僚の安全を守る責任ある立場に立てます。

現場での信頼と評価向上

  • クレーン作業の中心人物として現場で重宝される存在に
  • 複数の資格を併せ持つことで、さらに需要が高まります。

安定した収入と就業機会の拡大

  • 現場経験を積めば、高収入の現場リーダーや請負作業員に成長可能
  • 多様な現場で活躍でき、長期・短期問わず働き方の幅が広がります。

建築系資格一覧

一級建築士
二級建築士
木造建築士
構造設計一級建築士
設備設計一級建築士
建築施工管理技士
建築図面製作技能士
土木施工管理技士
ビル経営管理士
不動産鑑定士
測量士
宅地建物取引主任者
管理業務主任者
マンション管理士
土地家屋調査士
玉掛技能講習
環境計量士
管工事施工管理技士
建設機械施工技士
建築設備士
建築業経理士
コンクリート技士
CAD実務キャリア認定制度
CADトレース技能審査
建築CAD検定試験
Autodesk認定試験
3次元CAD利用技術者試験
マンションリフォームマネージャー
ダッソー・システムズ CATIA 認定資格
マンション維持修繕技術者
REセールスパーソンライセンス

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