看護師

医療機関や福祉施設などで患者のケアを行う専門職である「看護師」になるために必要な国家資格です。

看護師は、医師の指示のもとで診療の補助を行い、患者の健康管理や療養生活を支援する重要な役割を担います。

主催
厚生労働省
(社)日本看護協会

受験資格と難易度

1. 受験資格

基本的な受験資格

看護師国家試験を受験するためには、文部科学省または厚生労働省が認定する養成課程を修了することが必要です。
具体的には、以下のいずれかのコースを修了する必要があります。

ルート 期間 取得学位・資格
看護大学(4年制) 4年間 学士(看護学)
看護短大(3年制) 3年間 短期大学士(看護)
看護専門学校(3年制) 3年間 専門士(看護)
高校の看護科+専攻科 5年間 看護師資格受験資格

特例措置

  • 准看護師(2年間の実務経験+2年間の進学コース)を経て、看護師国家試験の受験資格を取得するルートもある

2. 試験の難易度

合格率

  • 約90%前後(年度によって変動)
  • 看護大学・看護専門学校の卒業生は高い合格率(90~95%)
  • 准看護師からの受験者や独学受験者の合格率はやや低め

難易度のポイント

  1. 出題範囲が広い(人体の構造から社会保障制度まで幅広い知識が必要)
  2. 実践的な問題が多い(臨床現場での対応力を問われる)
  3. 事例問題(統合と実践)が難関(正確な判断力と根拠に基づく看護実践が求められる)

試験内容

1. 試験概要

項目 詳細
試験名 看護師国家試験
試験日 毎年2月(年1回)
試験形式 マークシート式(択一・複数選択)
試験時間 午前・午後(各120分)
合格基準 正答率60%以上(毎年変動)

出題数

  • 必修問題(50問):絶対に落とせない基本的な知識(合格基準:80%以上正答)
  • 一般問題(130問):基礎医学・臨床看護に関する知識
  • 状況設定問題(60問):事例に基づいた臨床判断問題

2. 試験科目と内容

① 基礎医学・基礎看護

科目 出題内容
人体の構造と機能 解剖学(臓器・骨・筋肉)、生理学(ホルモン、神経系)
疾病の成り立ちと回復の促進 病理学(炎症・がん)、免疫学、薬理学(薬の作用と副作用)
健康支援と社会保障制度 保健医療福祉、看護倫理、感染症対策

② 看護学(基礎・専門)

科目 出題内容
基礎看護学 バイタルサイン測定、与薬管理、感染予防
成人・老年看護学 内科・外科看護、慢性疾患(糖尿病・高血圧)、認知症ケア
小児・母性看護学 新生児・乳児ケア、小児感染症、妊娠・分娩・産後ケア
精神看護学 うつ病・統合失調症、認知行動療法、ストレスケア

③ 臨床判断(状況設定問題)

  • 事例問題(患者の状況を読み取り、適切な看護計画を考える問題)
  • 救急対応・急変時の看護(心肺蘇生、ショック対応)
  • 終末期ケア・緩和ケア(がん患者の疼痛管理、看取りケア)

試験対策

1. 試験全体の対策ポイント

試験区分 問題数 配点 重要度 対策ポイント
必修問題 50問 80%以上正答で合格 ★★★★★ 過去問を徹底的に解く
一般問題 130問 全体の60%以上正答 ★★★★☆ 基礎知識の暗記+応用
状況設定問題 60問 全体の60%以上正答 ★★★★★ 臨床判断力を養う

2. 必修問題対策(基礎知識を確実に習得)

① 必修問題の特徴

  • 基礎知識を問う問題が中心(生理学・病理学・看護技術)
  • 合格基準が80%以上と厳しい(40問以上正解しないと不合格)
  • 過去問と同じような出題が多い

② 勉強方法

  • 「必修問題集」を5年分以上解く
  • 間違えた問題は「必修ノート」にまとめて復習
  • 語呂合わせを活用し、暗記を効率化

③ よく出るテーマ

分野 よく出る内容
解剖生理学 心臓・肺・腎臓の働き、ホルモン
病理学 がん、感染症、糖尿病の病態
薬理学 インスリン、抗菌薬、鎮痛薬
看護技術 バイタルサイン測定、創傷処置
倫理・法律 インフォームドコンセント、看護師の役割

おすすめ教材:「必修問題集」「レビューブック(必修版)」

3. 一般問題対策(知識を応用する力をつける)

① 一般問題の特徴

  • 基礎医学・看護学の知識を問う(疾患・治療・ケア)
  • 単純暗記ではなく、知識を応用できるかが重要

② 勉強方法

  • 過去問5年分を解き、間違えた問題をノートにまとめる
  • 看護過程(アセスメント・計画・実施・評価)を理解する
  • 「この疾患の看護ケアは何か?」を意識して学習

③ よく出るテーマ

分野 よく出る内容
内科系疾患 糖尿病、高血圧、心不全
外科系疾患 骨折、術後ケア
小児看護 新生児ケア、先天性疾患
母性看護 妊娠・分娩・産後ケア
精神看護 うつ病、統合失調症

おすすめ教材:「クエスチョン・バンク」「レビューブック(一般問題)」

4. 状況設定問題対策(臨床判断力を鍛える)

① 状況設定問題の特徴

  • 患者の事例を読み、適切な対応を判断する問題
  • 単なる知識ではなく、「実際に看護師ならどう対応するか」が問われる
  • 事例問題(急変時対応・終末期ケア)が難関

② 勉強方法

  • 過去問の事例を分析し、ポイントを整理する
  • 「この場面ではどんなケアが適切か?」を考える習慣をつける
  • 臨床実習の経験を活かし、現場目線で学習

③ よく出るテーマ

分野 事例内容
救急看護 心肺蘇生(CPR)、ショック対応
終末期ケア 緩和ケア、疼痛管理
精神看護 患者とのコミュニケーション

おすすめ教材:「状況設定問題対策集」「模試形式の問題集」

5. 効果的な学習スケジュール

期間 学習内容
試験6ヶ月前 過去問演習スタート、基礎知識を固める
試験3ヶ月前 一般問題・状況設定問題を重点学習
試験1ヶ月前 模試を解き、時間配分を意識した演習
試験2週間前 必修問題の総復習、苦手分野を克服
試験前日 体調を整え、軽く復習(新しいことは学ばない)

模試を活用し、試験本番の時間配分を練習

取得後に出来ること

1. 病院・クリニックでの勤務

① 総合病院・大学病院

メリット デメリット
専門的な知識・技術を習得できる 夜勤があり体力的にハード
各診療科で幅広い経験を積める 業務量が多い

② クリニック・診療所

メリット デメリット
夜勤なし、比較的規則的な勤務 給与が病院より低い場合がある
患者とじっくり関われる 専門的な技術を学ぶ機会が少ない

③ 訪問看護ステーション

メリット デメリット
自宅で療養する患者を支援できる 1人での対応が多く、責任が大きい
働く時間を調整しやすい 体力的に負担が大きい

2. 看護師としてのキャリアアップ

① 認定看護師・専門看護師

キャリア 特徴
認定看護師(CN) 特定の分野で高度なスキルを持つ(救急・感染管理など)
専門看護師(CNS) 看護のスペシャリストとして教育・指導を行う(がん・精神など)

② 看護管理者(看護師長・看護部長)

メリット デメリット
マネジメントスキルが身につく 管理業務が増え、患者と接する機会が減る
給与アップが期待できる 責任が大きく、プレッシャーが強い

③ 助産師・保健師へのステップアップ

進路 取得方法
助産師 助産師養成課程(1年)を修了し、助産師国家試験に合格
保健師 保健師養成課程(1年)を修了し、保健師国家試験に合格

3. 美容・エステ・リラクゼーション分野

① 美容クリニック

メリット デメリット
高収入が期待できる(年収500万~700万円) 医療行為が少なく、技術の維持が難しい
夜勤なし・比較的自由な勤務体系 美容業界のトレンドに敏感である必要がある

② エステ・リラクゼーションサロン

メリット デメリット
自由な働き方ができる 看護師本来の業務から離れる
独立・開業がしやすい 保険適用外のため、安定収入が難しい

4. 海外での活躍

① 海外で看護師として働く

  • アメリカ(NCLEX-RN)・カナダ・オーストラリアなどでは追加試験を受けることで就職可能
  • 語学力が必要(TOEFL・IELTSなど)

② 国際医療支援(NGO・JICAなど)

活動内容 主な団体
災害支援・医療ボランティア 国境なき医師団(MSF)、JICA
開発途上国の医療支援 UNICEF、WHO

医療支援の経験を積むことで、日本でのキャリアにもプラスになる

5. フリーランス・独立

① 訪問看護ステーションの開業

メリット デメリット
自分のペースで働ける 経営スキルが必要
高収入が期待できる 保険制度の理解が必要

② フリーランス看護師

仕事の種類 特徴
イベントナース コンサートやスポーツ大会の救護スタッフ
ツアーナース 修学旅行や企業研修の同行看護
産業看護師 企業で働く従業員の健康管理

病院勤務に比べ、自由な働き方ができるが、収入が安定しにくい点に注意

6. 看護教育・研究分野

① 看護教員

メリット デメリット
教育に関わることで、看護業界全体を支えられる 授業準備や研究活動が必要
休日が比較的安定している 臨床の最前線から離れる

② 大学院進学(修士・博士課程)

進路 活かせる分野
看護学修士 大学教員・専門看護師(CNS)
看護学博士 研究職・大学教授

研究職を目指す場合、大学院進学が有利

7. 取得後の年収・給与相場

働き方 平均年収
病院勤務(一般) 約450万~600万円
クリニック勤務 約400万~550万円
訪問看護師 約500万~700万円
美容クリニック 約500万~800万円
認定・専門看護師 約550万~800万円
看護管理職(師長・部長) 約600万~900万円
フリーランス・開業 500万~1000万円以上も可能

 

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