ビジネスマナーや一般常識、コミュニケーション能力、文書作成能力などを測る資格試験です。秘書業務に必要なスキルだけでなく、社会人としての基本的なビジネスマナーを習得することを目的としています。
目次
秘書検定の級と試験内容
秘書検定は、以下の3つの級で実施されています。
級 | 試験の特徴 |
---|---|
3級 | 初級レベルの試験。社会人としての基本的なマナーや敬語の使い方を学ぶ。高校生や就職活動前の学生におすすめ。 |
2級 | 実務レベルの試験。ビジネスシーンで求められるマナーや文書作成、対人対応のスキルを問われる。就職活動や一般事務職の仕事に役立つ。 |
準1級 | 2級の内容に加え、実際の職場での判断力や応用力が求められる。面接試験あり。管理職の補佐や秘書業務を行う人向け。 |
1級 | 高度な秘書業務をこなすための知識と実務能力を問う。面接試験あり。管理職や企業の役員を補佐するレベルのスキルを習得。 |
■主催
(財)実務技能検定協会
受験資格と難易度
受験資格
秘書技能検定(秘書検定)には受験資格の制限はありません。
年齢・学歴・職歴を問わず、誰でも受験可能です。そのため、高校生・大学生・社会人・主婦など幅広い層が受験しています。
ただし、準1級と1級には面接試験があるため、ある程度の実務経験や応用力が求められます。
各級の難易度
秘書検定は3級、2級、準1級、1級の4段階に分かれており、上級になるほど実践的なスキルや高度な判断力が求められます。
級 | 合格率(目安) | 難易度 | 試験内容の特徴 |
---|---|---|---|
3級 | 約70~80% | ★☆☆☆☆(易しい) | ・基本的なビジネスマナー(敬語、電話応対、来客対応) ・社会人の基本的な心構え |
2級 | 約50~60% | ★★☆☆☆(普通) | ・実務で必要なビジネスマナー(接客対応、文書作成) ・会社組織や経営の基礎知識 |
準1級 | 約30~40% | ★★★★☆(やや難しい) | ・職場での判断力や応用力 ・面接試験あり(実技試験) |
1級 | 約10~20% | ★★★★★(難しい) | ・高度な秘書業務のスキル ・経営者の補佐役としての判断力 ・面接試験あり(実技試験) |
試験内容
筆記試験(全級共通)と、面接試験(準1級・1級のみ)の2種類があります。
筆記試験は「理論分野」と「実技分野」に分かれており、秘書業務やビジネスマナーの知識だけでなく、実際の職場での対応力も問われます。
筆記試験(3級・2級・準1級・1級 共通)
① 理論分野
出題分野 | 内容 |
---|---|
必要とされる資質 | – 秘書の役割と心構え – 企業人としての基本的な姿勢 |
職務知識 | – 会社の組織構造や業務の流れ – 企業の経営管理(上司のスケジュール管理、来客対応など) |
一般知識 | – 経済・経営・労務に関する基本知識 – 会社のルール(社内規則、コンプライアンス) |
② 実技分野
出題分野 | 内容 |
---|---|
マナー・接遇 | – 言葉遣い(敬語、クッション言葉) – 服装や身だしなみ – 来客応対、電話対応、席次 |
技能 | – 文書作成(ビジネスメール、社内文書、報告書) – スケジュール管理(上司の予定調整) – ファイリングの方法 |
筆記試験の出題形式
筆記試験は「選択問題(マークシート)」と「記述問題」で構成されます。
級によって出題形式や記述問題の難易度が異なります。
級 | 選択問題(マーク式) | 記述問題 |
---|---|---|
3級 | 〇(○×、適切な選択肢を選ぶ) | ×(なし) |
2級 | 〇(4択問題) | 〇(短文記述) |
準1級 | 〇(4択問題) | 〇(状況判断の記述) |
1級 | 〇(4択問題) | 〇(長文記述、実務対応の記述) |
面接試験(準1級・1級のみ)
準1級と1級には、筆記試験合格者を対象にした**面接試験(実技試験)**があります。
面接試験では、言葉遣いやビジネスマナー、対応力などが評価されます。
① 面接試験の流れ
-
入室・挨拶の実技
- 面接官の前でノックをし、正しい敬語を使って挨拶。
- 入退室のマナーが採点対象になる。
-
ロールプレイング(シミュレーション)
- 「来客対応」や「電話応対」などの場面を想定し、適切な対応を求められる。
-
質疑応答
- 秘書としての心構えや、適切な判断ができるかを問われる。
② 面接試験の評価基準
評価項目 | 内容 |
---|---|
敬語・言葉遣い | 正しい敬語やビジネス用語が使えているか |
表情・態度 | 丁寧な態度、落ち着いた話し方ができているか |
状況対応能力 | 実際の職場で起こるケースに対して適切な判断ができるか |
③ 準1級と1級の違い
級 | 面接試験の難易度 | 特徴 |
---|---|---|
準1級 | ★★★☆☆(やや難しい) | 基本的な応対マナーと敬語が中心。 |
1級 | ★★★★★(難しい) | 高度な判断力と秘書としての応用力が求められる。 |
試験対策
試験対策の基本方針
- 過去問や公式テキストを活用し、出題傾向を把握する
- 敬語やマナーを実際に使ってみる(アウトプット重視)
- 準1級・1級は面接試験の練習を行う
級別の勉強方法
① 3級(基礎レベル)
勉強ポイント
- 基本的な敬語やビジネスマナーを暗記する
- マークシート対策として、選択肢のパターンを把握する
具体的な対策
敬語・言葉遣いを重点的に学ぶ
- 「尊敬語・謙譲語・丁寧語」の違いを整理する
ビジネスマナーを理解する
- 身だしなみ、挨拶、来客対応、電話応対の基本を押さえる
- 席次(上座・下座)や名刺交換のマナーを学ぶ
過去問を繰り返し解く
- 3級は選択問題が中心なので、過去問を繰り返し解けば合格率が高まる
② 2級(実務レベル)
勉強ポイント
- 3級の基礎に加えて、実務的な対応が問われる
- 選択問題だけでなく記述問題も出るので、アウトプットを意識する
具体的な対策
敬語・ビジネス用語の正しい使い方をマスターする
文書作成の練習をする
- メールや社内文書の正しい書き方を覚える
状況判断問題に慣れる
- 適切な選択肢を選ぶ練習をする
③ 準1級(応用レベル)
勉強ポイント
- 筆記試験+面接試験(実技)があるため、対応力が重要
- 正しい敬語・接遇マナーに加えて、状況判断力が必要
具体的な対策
面接試験のロールプレイング練習をする
- 「来客対応」「電話応対」の場面を想定して練習
状況判断問題を深く考える
- 「上司のスケジュールが急に変更になったとき、どのように調整するか?」
- 自分で文章を書いてアウトプットする練習をする
面接試験対策として、模擬面接を実施
- 丁寧な言葉遣い、正しい姿勢、落ち着いた話し方を意識する
④ 1級(高度レベル)
勉強ポイント
- 秘書業務の高度な対応力・判断力を身につける
- 筆記試験の記述問題・面接試験のロールプレイが難易度高め
具体的な対策
実務レベルのケーススタディを練習する
上級レベルの敬語・接遇マナーを完璧にする
面接試験の実践的な練習を行う
- 表情、声のトーン、話し方を意識する
- 模擬面接を繰り返し練習し、本番に備える
試験直前対策
- 過去問を3回以上解く
- 間違えた問題を復習し、理解を深める
- 敬語・ビジネスマナーを総復習
- 間違えやすい敬語や言葉遣いを重点的に確認
- 面接試験対策(準1級・1級)
- 鏡の前でロールプレイングをして、表情や姿勢をチェック
- 試験時間の配分を確認
- 時間内にすべての問題を解けるよう、解答スピードを意識する
取得後に出来ること
取得すると、ビジネスマナーやコミュニケーションスキルの証明になり、就職・転職の際に有利になります。また、職場での対応力が向上し、業務の幅が広がるメリットがあります。
就職・転職で有利になる
① 事務職・秘書職の採用で評価される
秘書検定を持っていると、企業の採用担当者に「ビジネスマナーや接遇スキルが身についている」と評価され、事務職・秘書職・受付業務などの採用で有利になります。
特に2級以上は、オフィスワークを希望する人にとって強いアピールポイントになります。
活かせる職種
- 秘書(役員秘書・社長秘書・弁護士秘書など)
- 一般事務・営業事務(企業のオフィスワーク全般)
- 受付・コンシェルジュ(ホテル・企業のフロント業務)
- 人事・総務(社内の事務手続きや社内対応を行う職種)
② 公務員試験の加点対象になることがある
自治体によっては、秘書検定2級以上を持っていると、公務員試験で「資格加点」される場合があります。
また、市役所や官公庁での事務職においても、秘書検定取得者は評価されやすくなります。
職場で役立つスキルが身につく
秘書検定の取得後は、日々の業務においてより円滑な対応ができるようになり、周囲からの評価も上がります。
① ビジネスマナーが向上し、上司や同僚との関係が良くなる
- 適切な敬語が使えるため、社内外の人との会話がスムーズになる
- 電話対応やメールの書き方が丁寧になり、社内の信頼が高まる
- 会議の準備やスケジュール管理が適切にできるようになり、上司のサポート能力が向上する
② 接客スキルが向上し、来客対応がスムーズになる
- 来客の出迎え・お茶出し・案内のマナーを実践できる
- クレーム対応や急な予定変更にも冷静に対応できる判断力がつく
③ 文書作成・ビジネスメールの質が上がる
- 正しい社内文書・報告書の書き方を理解できる
- お礼メールや日程調整メールを適切に書けるようになる
キャリアアップ・昇進のチャンスが増える
① 管理職補佐としての役割を担える
- 秘書検定準1級・1級を持っていると、上司の補佐としての業務ができるようになる
- 役員や経営者のスケジュール管理・出張手配・会議資料準備などを任される機会が増える
② 秘書検定1級でエグゼクティブ秘書を目指せる
- 企業の社長や役員をサポートする「エグゼクティブ秘書」や「国際秘書」などのキャリアに進める
- 外資系企業での秘書業務や、グローバルなビジネスシーンでも活躍可能
他の資格との組み合わせでさらに有利
秘書検定を取得した後、以下の資格を併せて取得すると、さらにキャリアの選択肢が広がります。
資格名 | 組み合わせのメリット |
---|---|
日商簿記(3級以上) | 経理や財務の知識も身につき、事務職での活躍の幅が広がる |
TOEIC(600点以上) | 外資系企業や国際秘書を目指せる |
ビジネス実務マナー検定 | より高度なビジネスマナーを学べる |
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS) | Word・Excel・PowerPointのスキルを証明し、事務職に強くなる |
事務系資格一覧
秘書技能検定
ビジネス文書検定
日本漢字能力検定
ビジネス・キャリア検定
日本語コミュニケーション能力認定試験
速記技能検定
校正技能検定
校正士
書道
レタリング技能検定
賞状技法士
硬筆書写検定
文部科学省後援毛筆書写技能検定
ファイリング・デザイナー
米国秘書検定(CPS)
テープライター
電子化ファイリング検定
日商珠算能力検定試験
珠算検定
実用マナー検定
計算実務能力検定
電卓技能検定
ビジネス能力検定
ビジネス実務マナー検定
文書処理能力検定
日本語検定
トレース技能検定