管理業務主任者

マンションの管理業務を適切に行うために必要な国家資格です。

管理会社が分譲マンションの管理を受託した際に、区分所有者(住民)への重要事項説明や管理契約に関する説明・交付書類作成などを担当します。

資格の根拠法令

  • マンション管理適正化法(マン管法)
  • 区分所有法・民法・建物の区分所有等に関する法律

取得の目的

  • マンション管理業務の適正化とトラブル防止
  • 管理組合との円滑なコミュニケーション確立
  • 法的根拠に基づく重要事項説明の実施

資格の特徴

  • マンション管理会社において法的に必須の有資格者
  • 管理会社が管理契約を受託する場合、30管理組合につき1名の専任配置が義務付けられている

主催
(社)高層住宅管理業協会

受験資格と難易度

受験資格

管理業務主任者試験は、年齢・学歴・職歴問わず誰でも受験可能な国家試験です。

  • 実務経験は不要
  • 制限なしで何度でも受験可能

受験資格のポイント

  • 社会人、学生、主婦など幅広い層が受験
  • 宅建士やマンション管理士資格保有者にも人気
  • 実務経験がなくても、独学や講座受講で十分合格を狙える

難易度

管理業務主任者試験は、合格率約20%前後の中難易度試験です。
法律系国家資格としてはやや難しいものの、計画的な学習で十分合格可能です。

合格率推移

年度 受験者数 合格者数 合格率
2021年 約19,000人 約3,800人 約20.0%
2022年 約18,500人 約3,700人 約20.1%
2023年 約18,000人 約3,600人 約20.0%
  • 例年20%前後で安定
  • 受験者の5人に1人が合格するレベル

試験構成と難易度の特徴

試験概要

試験内容 形式 問題数 試験時間 合格基準
学科試験 四肢択一式 50問 2時間 36問以上正解(約72%)

出題分野と難易度

分野 問題数 難易度 特徴
管理業務に関する法令 約20問 法律知識(区分所有法、民法、不動産登記法)中心
管理規約・契約書の内容 約10問 規約条項・契約実務問題
建築・設備に関する基礎知識 約8問 中〜高 建築構造・設備点検知識
会計・出納業務知識 約6問 管理費・修繕積立金の計算問題
その他(時事問題など) 約6問 低〜中 実務常識や時事問題

難易度の特徴

  • 法律分野が約40%以上を占めるため、法律が苦手だと難易度が高く感じる
  • 計算問題や実務問題は比較的得点源になる
  • 過去問演習が特に有効で、出題傾向が安定

試験内容

マンション管理業務に必要な法律知識・実務能力・会計・建物設備知識を総合的に問う国家試験です。
試験は四肢択一式(マークシート方式)で50問出題され、試験時間は2時間です。

試験概要

試験項目 内容 問題数 試験時間 合格基準
学科試験(全50問) 法令・規約・建物設備・会計・実務問題 50問 2時間 36問以上正解(約72%)

出題分野と詳細内容

管理業務主任者試験は、以下の5つの主要分野から出題されます。

1. 管理業務に関する法令(約20問)

この分野は出題数が最も多く、合格の鍵となる部分です。

  • 区分所有法(約8問):

    • 管理規約の作成・変更手続き
    • 総会・理事会の開催要件
    • 専有部分・共用部分の権利関係
  • マンション管理適正化法(約6問):

    • 管理会社の登録義務
    • 管理業務主任者の職務範囲
    • 重要事項説明の要件
  • 民法(約4問):

    • 契約成立・解除に関する規定
    • 債権・担保に関する基本知識
  • 不動産登記法(約2問):

    • 区分建物の登記手続き
    • 登記事項証明書の読み方

2. 管理規約・契約実務(約10問)

管理組合と管理会社間での契約に関する問題が出題されます。

  • 標準管理規約の内容:

    • 総会議事録の作成要件
    • 管理費と修繕積立金の使用規定
  • 管理委託契約書:

    • 業務範囲と契約期間
    • 重要事項説明書の記載項目

3. 建築・設備に関する基礎知識(約8問)

マンションの建築構造・設備維持管理に関する知識が問われます。

  • 建築分野:

    • 鉄筋コンクリート構造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC造)
    • 耐震基準や建物劣化の進行メカニズム
  • 設備分野:

    • 給排水・電気・消防設備の点検項目
    • エレベーターや防災設備の法定点検内容

4. 会計・出納業務(約6問)

管理組合の会計処理や財務諸表の読み取り問題が中心です。

  • 会計処理:

    • 管理費と修繕積立金の会計区分
    • 出納業務の基本フロー
  • 計算問題:

    • 修繕積立金の増額計算
    • 会計報告書の読解問題

5. その他(実務・時事問題など)(約6問)

最新のマンション管理に関する時事問題や実務的な対応方法が問われます。

  • 最新の建築基準法改正
  • 省エネ基準や環境対応策
  • 住民トラブル時の対応方法

合格基準

  • 全50問中36問以上正解で合格(正答率約72%)
  • 毎年ほぼ一定の基準点で、相対評価ではなく絶対評価。
注意事項
  • 1問2点の配点(50問×2点=100点満点中72点以上が合格目安)
  • 得点が均等でなく、法令分野は特に重視される傾向あり。

試験対策

分野別試験対策

1. 管理業務に関する法令(約20問)

対策ポイント
  • 区分所有法・管理適正化法で14問程度が出題されるため重点学習が必須。
  • 民法や不動産登記法は、宅建の知識があれば効率よく対策可能。
  • 条文を暗記するだけでなく、事例問題に対応できる理解力を養う。
効果的な学習法
  • 条文は声に出して読み、書き写して定着
  • 過去問10年分を3周以上実施
  • 事例問題は間違えた理由を分析して理解を深める

2. 管理規約・契約実務(約10問)

対策ポイント
  • 標準管理規約の条文暗記が最重要。
  • 契約書類はひな型を何度も書いて理解を深める。
  • 実務経験がなくても、問題演習で十分対策可能。
効果的な学習法
  • 管理規約は暗記カードで移動中も復習
  • 問題を解きながら条文を確認し関連付け
  • 管理委託契約書の重要項目は要チェック

3. 建築・設備に関する基礎知識(約8問)

対策ポイント
  • 設備の仕組みや建物構造はイラストや図を使って視覚的に理解。
  • 防災設備や給排水設備の維持管理基準を把握。
  • 建築基準法改正部分は最新情報を確認。
効果的な学習法
  • 図解付きテキストを活用し、毎日1項目ずつ復習
  • 過去問で出題されやすい設備問題を集中的に練習
  • 実物の写真や動画で設備の稼働イメージをつかむ

4. 会計・出納業務(約6問)

対策ポイント
  • 修繕積立金・管理費の計算問題は必ず出題される。
  • 複利計算や予算案作成問題も対策が必要。
効果的な学習法
  • 計算公式を暗記して毎日1問練習
  • 模擬会計報告書を使った問題演習
  • 過去問で計算問題のみを抽出し短時間で解答練習

5. その他(実務・時事問題)(約6問)

対策ポイント
  • 最近のマンション管理関連ニュースや法改正情報を確認。
  • 実務対応問題では、住民対応マナーや基本手順を覚える。
効果的な学習法
  • 公式サイトで最新情報を週1回確認
  • 実務問題はケーススタディで対応力を養う
  • 参考書の巻末資料も必ず目を通す

模擬試験と過去問の活用

模擬試験の重要性

  • 本番同様の環境で時間配分の練習ができる。
  • 合格ラインの36問を安定して超えることを目指す。

合格へのポイントまとめ

  • 法令分野(区分所有法・管理適正化法)で確実に得点
  • 管理規約・契約問題は暗記で高得点を目指す
  • 会計・設備問題で取りこぼしを防ぐ
  • 過去問10年分を3周以上解いて出題傾向を掴む
  • 模擬試験で本番環境に慣れ、時間管理を徹底

取得後に出来ること

取得すると、マンション管理業務において重要事項の説明や契約書の作成・交付を法的に担当できるようになります。
特に、管理組合(住民)との契約業務や修繕計画の支援、住民トラブルの解決サポートなど、現場で幅広く活躍できることが魅力です。

取得後に担当できる主な業務

1. 管理受託契約に関する重要事項説明

  • マンション管理会社が管理組合と契約を結ぶ際の重要事項説明を担当。
  • 住民に対して、契約内容や管理費の使途、修繕計画などをわかりやすく説明。
  • 法律により、資格保有者でなければ説明できない独占業務です。

2. 契約書類・重要事項説明書の作成および交付

  • 管理委託契約書や重要事項説明書を作成し、住民に交付。
  • 書類作成の正確性が求められ、住民の合意形成をサポート。

3. 管理規約の改定支援

  • 管理組合が管理規約を改定する際にアドバイスや手続きをサポート。
  • 総会での住民説明や規約案作成に関与し、スムーズな規約改正を実現。

4. 修繕計画の立案・実施支援

  • 大規模修繕や設備更新計画の立案をサポート。
  • 修繕積立金の適正額の提案や、工事計画に関する住民説明も担当。

5. 住民対応・トラブル解決支援

  • 住民間のトラブルやクレームへの対応を実施。
  • 専門知識を活かし、管理組合と住民間の橋渡し役を担う。

活躍できる業界と職種

業界 職種 資格取得後にできること
マンション管理会社 管理担当者、現場責任者 重要事項説明、修繕計画支援、住民対応
不動産会社 契約担当、物件管理担当 売買・賃貸契約時の管理事項説明補助
建設・リフォーム業 修繕アドバイザー 大規模修繕や改修時の住民説明・調整役
官公庁・自治体 住宅管理職員 公営住宅の管理業務や住民説明業務
独立コンサルタント マンション管理顧問 管理組合向けコンサルティング、規約改定支援

取得後のキャリアアップと収入向上

1. 企業内での昇進・昇格に有利

  • 管理会社の管理担当者から主任、課長への昇格条件になることが多い。
  • 重要事項説明責任者として管理部門の中核を担える。

2. 資格手当や年収アップ

  • 資格取得により月額5,000円〜15,000円程度の資格手当が支給されることが多い。
  • 年収ベースで50万円〜100万円の収入増加も可能。

3. 宅建士やマンション管理士とのダブルライセンスで活躍の場が拡大

  • 宅地建物取引士との併用で不動産取引に強くなる。
  • マンション管理士資格と合わせてコンサル業務への展開が可能。

4. 独立・フリーランスで高収入も実現可能

  • 管理組合向けに管理コンサルタントとして独立開業が可能。
  • 顧問契約で月額3万円〜10万円程度の収入を複数件獲得可能。

独立・フリーランスでの活躍

1. マンション管理コンサルタントとして活動

  • 管理組合と直接契約し、管理計画・修繕計画の立案支援。
  • 管理会社への業務評価や契約見直しのアドバイスも実施。

2. 高収入を狙える顧問契約

業務内容 顧問料の相場
修繕計画立案支援 月額5万円〜10万円
管理規約改定支援 1案件あたり10万円以上
トラブル解決アドバイザー 月額3万円〜8万円

3. コンサル業務のメリット

  • 自分のペースで案件を選べる
  • 経験を積むごとに高単価案件が増える
  • 柔軟な働き方でワークライフバランス向上

公共事業・行政でのメリット

1. 官公庁の住宅管理部門で活躍

  • 公営住宅やUR賃貸の管理支援業務に従事。
  • 住民説明や契約支援業務で社会貢献が可能。

2. 老朽化マンションの再生事業で活躍

  • 行政と連携し、建て替えや大規模改修に関わる。
  • 管理組合への助言や補助金申請サポートを担当。

資格取得後のキャリアパス

キャリア段階 取得後の役割 実務でできること
取得直後 管理担当者補助 契約書作成補助、住民説明補助
経験1〜3年 管理責任者、主任 重要事項説明責任者、修繕計画立案支援
経験5年以上 部門マネージャー 管理部門の統括、管理組合支援
独立後 管理コンサルタント 顧問契約受注、規約改定支援、トラブル解決

取得後の具体的なメリット

  • 管理会社や不動産会社での即戦力として高評価。
  • 資格手当や昇進で年収アップが可能。
  • 独立すれば高単価案件で高収入も実現可能。
  • 住民説明や管理組合支援を通じて社会貢献度が高い。

おすすめの講習、教材

教材

 講座

建築系資格一覧

一級建築士
二級建築士
木造建築士
構造設計一級建築士
設備設計一級建築士
建築施工管理技士
建築図面製作技能士
土木施工管理技士
ビル経営管理士
不動産鑑定士
測量士
宅地建物取引主任者
管理業務主任者
マンション管理士
土地家屋調査士
玉掛技能講習
環境計量士
管工事施工管理技士
建設機械施工技士
建築設備士
建築業経理士
コンクリート技士
CAD実務キャリア認定制度
CADトレース技能審査
建築CAD検定試験
Autodesk認定試験
3次元CAD利用技術者試験
マンションリフォームマネージャー
ダッソー・システムズ CATIA 認定資格
マンション維持修繕技術者
REセールスパーソンライセンス

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)