米国公認管理会計士

アメリカ管理会計士協会(IMA: Institute of Management Accountants)が認定する会計および財務管理の専門資格です。CMA資格は、特に企業内での会計、財務、戦略的管理に関する専門知識を証明するものとして、国際的に評価されています。

受験資格と難易度

受験資格

  1. 学歴要件(Education Requirement)

    • 4年制大学の学士号(学士卒以上)が必要
    • 学位は米国以外の大学でも認められる(ただし、IMAが認定する機関の評価を受ける必要あり)
    • 短大卒の場合は、追加の実務経験や資格が必要
  2. 実務経験要件(Experience Requirement)

    • 2年以上の管理会計または財務管理の実務経験が必要
    • 受験前に経験がなくても、合格後7年以内に経験を積めば認定可能
  3. IMA(Institute of Management Accountants)への入会

    • CMA試験を受験するには、IMA(米国管理会計士協会)の会員になる必要がある
  4. 倫理規定の遵守

    • IMAの倫理規定(Statement of Ethical Professional Practice)に同意する必要がある

2. CMAの試験内容と難易度

CMA試験は、2つのパート(Part1・Part2)に分かれており、会計・財務・戦略管理の知識が問われる。

試験科目

Part 1: 財務計画、パフォーマンス、および分析
  • 外部財務報告(15%)
  • 計画・予算・予測(20%)
  • パフォーマンス管理(20%)
  • コスト管理(15%)
  • 内部統制(15%)
  • テクノロジーと分析(15%)
Part 2: 戦略的財務管理
  • 財務諸表分析(20%)
  • 企業財務(20%)
  • 意思決定分析(25%)
  • リスク管理(10%)
  • 投資決定(10%)
  • プロフェッショナル倫理(15%)

試験形式

  • 選択式問題(MCQ)100問 + 記述問題(Essay)2問
  • 各パート4時間(MCQ3時間 + Essay1時間)
  • 合格ライン:360点(500点満点)
  • 試験は英語のみ

CMA試験の難易度

CMA試験の合格率は以下の通り

  • Part 1 合格率:約45%
  • Part 2 合格率:約50%
  • 全体の合格率:約50%前後

他の資格と比較すると以下のようになる

資格名 試験科目数 合格率 特徴
CMA(米国公認管理会計士) 2科目 約50% 管理会計・財務管理に特化、グローバルで活躍可能
USCPA(米国公認会計士) 4科目 約45% 財務会計・監査・税務など広範囲の知識
簿記1級(日本) 2科目 約10% 会計・管理会計に特化、日本国内での評価が高い

CMAは特に企業の財務部門、管理会計、FP&A(財務計画&分析)の職種を目指す人向けの資格で、CPA(公認会計士)よりも経営戦略寄りの知識が求められる。

3. 受験スケジュールと費用

CMA試験は年に3回(1月/5月/9月)の試験期間がある。

受験費用(2024年時点)

項目 費用(米ドル)
IMA会員登録(年会費) $295(一般)/$45(学生)
CMA認定申請料 $300
試験料(1科目ごと) $495

合計:約$1,500(約22万円)(一般会員の場合)

試験内容

CMA試験は**2つのパート(Part 1・Part 2)**に分かれており、それぞれが企業経営における財務・会計・管理の重要な要素をカバーしています。

試験概要

  • 試験形式
    • 選択式問題(Multiple-Choice Questions, MCQ)100問
    • 記述式問題(Essay Questions)2問(それぞれ複数の小問を含む)
  • 試験時間:4時間(MCQ 3時間 + 記述問題 1時間)
  • 合格基準:500点満点中360点以上
  • 試験言語:英語のみ

Part 1: 財務計画、パフォーマンス、および分析(Financial Planning, Performance, and Analytics)

このパートでは、管理会計の基礎、財務管理、内部統制、コスト管理、データ分析に関する知識が問われます。

試験範囲と出題割合

分野 出題割合
1. 外部財務報告(External Financial Reporting) 15%
2. 計画・予算・予測(Planning, Budgeting, and Forecasting) 20%
3. パフォーマンス管理(Performance Management) 20%
4. コスト管理(Cost Management) 15%
5. 内部統制(Internal Controls) 15%
6. テクノロジーと分析(Technology and Analytics) 15%

各分野の詳細

1. 外部財務報告(15%)
  • 財務諸表の作成・分析(GAAP/IFRS基準)
  • 財務諸表の構成(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)
  • 収益認識、減価償却、引当金の計上
2. 計画・予算・予測(20%)
  • 予算編成の種類(増分予算、ゼロベース予算、ローリング予算)
  • 財務予測の手法(回帰分析、時系列分析、確率シミュレーション)
  • 戦略計画(Strategic Planning)とKPI(重要業績評価指標)
3. パフォーマンス管理(20%)
  • 変動費・固定費の管理
  • 業績評価の指標(ROE、ROI、ROA、EVA)
  • バランス・スコアカード(BSC)とパフォーマンス測定
4. コスト管理(15%)
  • 原価計算(標準原価計算、直接原価計算、活動基準原価計算)
  • 目標原価計算(Target Costing)、ライフサイクルコスト(LCC)
  • コスト分析と利益率管理
5. 内部統制(15%)
  • SOX法(Sarbanes-Oxley Act)
  • リスクマネジメントとコンプライアンス
  • 詐欺防止と企業倫理
6. テクノロジーと分析(15%)
  • データ分析(データマイニング、機械学習)
  • ビッグデータと財務分析への応用
  • ERPシステムと財務報告

Part 2: 戦略的財務管理(Strategic Financial Management)

このパートでは、財務諸表分析、企業財務、リスク管理、投資判断、意思決定分析に関する内容が問われます。

試験範囲と出題割合

分野 出題割合
1. 財務諸表分析(Financial Statement Analysis) 20%
2. 企業財務(Corporate Finance) 20%
3. 意思決定分析(Decision Analysis) 25%
4. リスク管理(Risk Management) 10%
5. 投資決定(Investment Decisions) 10%
6. プロフェッショナル倫理(Professional Ethics) 15%

各分野の詳細

1. 財務諸表分析(20%)
  • 損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書の分析
  • 財務比率(流動比率、負債比率、利益率、EBITDA)
  • 企業価値評価(DCF法、PER、PBR)
2. 企業財務(20%)
  • 資本コスト(WACC)と資本構成
  • 配当政策(配当割引モデル、配当性向)
  • 資金調達(社債発行、銀行借入、IPO)
3. 意思決定分析(25%)
  • 損益分岐点分析(CVP分析)
  • 限界利益と意思決定(製品ミックス最適化、差額原価分析)
  • 原価計算と短期的意思決定
4. リスク管理(10%)
  • 財務リスク(市場リスク、信用リスク、流動性リスク)
  • デリバティブ(先物、オプション、スワップ)
  • 為替リスクとヘッジ手法
5. 投資決定(10%)
  • NPV(正味現在価値)とIRR(内部収益率)
  • 投資評価(回収期間法、収益率法)
  • M&A(企業買収・合併)の財務分析
6. プロフェッショナル倫理(15%)
  • IMAの倫理規定(誠実性、公正性、機密保持)
  • 内部告発とコンプライアンス
  • 企業の社会的責任(CSR)

試験対策

1. CMA試験の基本戦略

CMA試験は**「選択式問題(MCQ)100問 + 記述問題(Essay)2問」**で構成されており、以下のポイントを押さえて対策を進めます。

  1. MCQで60%以上得点しないと記述問題は採点されない

    • MCQ対策を最優先にする
    • 短時間で解答できるように問題演習を重ねる
  2. 計算問題の比重が高い

    • 財務分析、NPV(正味現在価値)、CVP分析(損益分岐点)、原価計算などの計算問題を重点的に学習
  3. 理論問題(概念理解)と実務適用の両方が問われる

    • 財務会計の理論だけでなく、実務での応用事例も理解する
    • 記述問題では、論理的な説明が求められるため、キーワードを押さえておく

2. 学習スケジュールの立て方

試験の勉強時間は約200〜300時間が推奨されており、3〜6ヶ月程度の学習期間を想定すると効果的です。

学習スケジュール例(3ヶ月プラン)

期間 学習内容
1ヶ月目 Part 1の基本概念の学習(財務報告・予算管理・コスト管理) + MCQ演習
2ヶ月目 Part 2の財務分析・企業財務・投資分析の学習 + MCQ演習
3ヶ月目 模擬試験 + 記述問題(Essay)対策

学習スケジュール例(6ヶ月プラン)

期間 学習内容
1〜2ヶ月目 Part 1の基礎固め(テキスト・動画講義)
3〜4ヶ月目 Part 2の基礎固め + MCQ演習
5〜6ヶ月目 過去問演習 + 記述問題(Essay)対策

3. 各セクションの具体的な対策

(1)選択式問題(MCQ)対策

  • 過去問を解きながら、出題パターンを把握

    • MCQの大半は計算問題か概念理解の問題
    • 1問あたり約1.8分で解くペースを意識する(100問を3時間で解答)
    • 特に頻出の「NPV」「CVP分析」「ROE/ROI計算」は確実に解けるようにする
  • 問題演習を繰り返す

    • 1周目は理解重視でじっくり学習
    • 2周目以降はスピードを意識して解答する
  • 間違えた問題はノートに記録し、繰り返し復習

    • 正解を覚えるのではなく、なぜ間違えたのかを明確にする

(2)記述問題(Essay)対策

  • 構成を意識して論理的に回答

    • 問題文をよく読み、「問いの意図」を正しく理解する
    • 「結論 → 理由 → 具体例」の流れで回答する
  • 過去問を活用して、実際に手を動かして書く

    • CMAの公式サイトや市販の問題集で記述問題のパターンを把握
    • できるだけシンプルな英語で論理的に回答する
  • 財務分析やコスト管理の計算問題は、計算プロセスをしっかり書く

    • 計算式を明示することで、部分点を狙う

4. 科目別の重点ポイント

(1)Part 1: 財務計画、パフォーマンス、および分析

分野 重点対策
外部財務報告 財務諸表の基礎、収益認識、IFRS/GAAPの違いを理解
計画・予算・予測 予算編成手法(ゼロベース予算、ローリング予算)を重点学習
パフォーマンス管理 KPI(ROI、ROE、EVAなど)を理解し、計算問題に慣れる
コスト管理 原価計算(標準原価計算、ABC原価計算)の計算を正確に解く
内部統制 SOX法やコンプライアンスの基礎を理解
テクノロジーと分析 ERPシステム、データ分析の活用事例を学ぶ

(2)Part 2: 戦略的財務管理

分野 重点対策
財務諸表分析 比率分析(流動比率、負債比率、EBITDA)を確実に解けるようにする
企業財務 WACC、CAPM、配当政策などの計算問題を重点学習
意思決定分析 損益分岐点分析(CVP)、限界利益の計算をマスターする
リスク管理 市場リスク・信用リスク・流動性リスクの基本概念を理解
投資決定 NPV、IRR、回収期間法などの計算問題を繰り返し解く
プロフェッショナル倫理 IMAの倫理規定を暗記し、実務適用のケーススタディを学ぶ

5. おすすめの学習教材

(1)公式教材

  • Gleim CMA Review(問題集が豊富で人気)
  • Wiley CMAexcel(動画講義付きで初心者向け)

(2)問題演習

  • Hock International(計算問題に強い)
  • IMA公式練習問題(本番に近い問題形式)

(3)補助教材

  • YouTubeの無料講義(「CMA Exam Academy」など)
  • オンライン講座(Udemy、Becker CMA Review)

6. 試験直前の対策

  • 模擬試験を解き、時間配分を確認
  • 苦手分野を総復習し、ポイントを整理試験当日の準備(電卓・身分証・試験センターの確認)

取得後に出来ること

1. 就職・転職の選択肢が広がる

CMAを取得すると、以下のような財務・会計・経営関連の職種に就くことが可能になります。

(1)企業の財務・経理・管理会計部門

企業の内部で会計・財務の意思決定に関わる職種として、以下のポジションが狙えます。

職種 主な仕事内容
管理会計(Management Accountant) 企業の財務戦略・コスト管理・業績分析
財務アナリスト(Financial Analyst) 企業の財務状況を分析し、戦略的な意思決定を支援
経営企画(Corporate Planning) 企業の中長期戦略の立案、予算策定、パフォーマンス管理
FP&A(Financial Planning & Analysis) 予算編成・収益予測・コスト削減の提案

CMAは特に**FP&A(財務計画&分析)**の分野で強みを発揮します。企業の戦略に直結する財務データを扱うため、経営層との関わりが深くなります。

(2)コンサルティング・監査法人・アドバイザリー業務

職種 主な仕事内容
管理会計コンサルタント(Management Consulting) 企業のコスト削減、財務戦略の立案
M&Aアドバイザー(Mergers & Acquisitions) 企業買収・合併の財務分析・リスク評価
財務リスクアドバイザー 企業のリスク管理、コンプライアンス監査

外資系コンサルティング会社(Big4:Deloitte, PwC, EY, KPMG)や、M&Aアドバイザリー業務を行う企業で評価される資格です。

(3)外資系・グローバル企業

CMAは国際的な資格であり、米国・欧州・アジアのグローバル企業でも認知度が高いです。

業界 CMA資格者の活躍領域
製造業・商社 予算管理、業績分析
金融機関(銀行・証券) 財務分析、投資戦略
IT・テクノロジー企業 コスト管理、事業分析
ヘルスケア・医療関連 病院・医療機関の財務戦略

特にグローバルな企業で管理会計の知識を活かしたい人にとっては、CMAは非常に有利な資格です。

2. 昇進・キャリアアップが期待できる

CMA資格を取得すると、財務・経営管理の専門知識が評価され、昇進のチャンスが広がります。

昇進が期待できるポジション

現在の職種 CMA取得後のキャリアパス
経理担当者 管理会計マネージャー、財務アナリスト
財務アナリスト FP&Aマネージャー、CFO候補
経営企画担当 CFO、経営戦略責任者
監査スタッフ 財務リスクアドバイザー

CMAを持っていると、「企業の戦略的な財務意思決定」に関わる仕事に就くチャンスが増えるため、管理職への昇進スピードが速まる傾向があります。

3. 年収アップの可能性が高い

CMA資格を持つと、給与水準が上がる可能性が高くなります。

米国IMA(管理会計士協会)の給与レポート(2023年)

  • CMA保有者の平均年収:$115,000(約1,600万円)
  • CMAなしの平均年収:$85,000(約1,180万円)
  • CMAの給与プレミアム:約35%の年収アップ

日本国内の給与相場

  • 管理会計マネージャー:年収700〜1,200万円
  • FP&Aディレクター:年収900〜1,500万円
  • CFO候補:年収1,200万円以上

特に外資系企業では、CMA取得者が優遇され、CFO(最高財務責任者)候補としてのキャリアパスが開けることが多いです。

4. 海外での就職・転職が有利

CMAは米国発の資格ですが、100カ国以上で認知されている国際資格です。

CMAが活かせる国・地域

地域 CMAの評価
米国・カナダ 企業の管理会計・経営管理の必須資格として認知
中東・アジア(シンガポール・香港・UAE) 外資系企業・コンサルティング業界で高評価
欧州(イギリス・ドイツ) 管理会計の専門資格として認知される
日本 外資系企業や一部の大企業で評価が高い

海外就職を目指す場合、CMA資格は特に外資系企業・コンサル業界で評価されます。

5. 独立・フリーランスの道も開ける

CMA資格を持つと、以下のような独立した働き方も可能になります。

働き方 主な業務内容
財務コンサルタント 中小企業の財務改善・コスト削減コンサルティング
FP&Aアドバイザー ベンチャー企業の財務戦略立案
経営アドバイザー 企業のM&A支援、戦略コンサルティング

特に中小企業やスタートアップ向けに、管理会計・財務計画のアドバイザーとして独立する道もあります。

財務・経営系資格一覧

公認会計士
税理士
中小企業診断士
簿記検定
ファイナンシャル・プランニング技能士
証券アナリスト
簿記能力検定
建設業経理検定
経営士
ファイナンシャル・プランナー
実用数学技能検定
DCプランナー
DCアドバイザー
マーケティング・ビジネス実務検定
MBA
不動産証券化協会認定マスター
モーゲージプランナー
銀行業務検定試験
BATIC(国際会計検定)
CPA(米国公認会計士)
米国公認管理会計士
米国税理士(EA)
PMP試験
CISA(公認情報システム監査人)
CIRP(サーティファイド・IRプランナー)
シニアリスクコンサルタント
ITコーディネータ資格認定制度
ファイナンシャル・リスクマネージャ
アクチュアリー資格試験
二種外務員資格試験
CIA(公認内部監査人)
CFA(CFA協会認定証券アナリスト)
ホスピタリティ検定試験
イベント業務管理者
ファシリティマネージャー
PRプランナー資格認定制度
プロジェクトマネジメント資格
VEリーダー認定試験
販売士検定
セールススキル検定試験
セールスレップ資格認定制度
販路コーディネータ資格認定制度
交渉アナリスト
CISM(公認情報セキュリティマネージャー)

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