日本国内の経営コンサルタント資格の一つです。経営士は、企業の経営全般に関する専門的な知識と実践的なスキルを有し、経営改善や成長支援を行うことを目的とした資格です。
経営士資格の概要
1. 資格の種類
日本経営士会が認定する資格には、以下のような種類があります。
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経営士(Certified Management Consultant)
- 経営コンサルタントとしての基礎資格。
- 経営の理論と実践を学び、一定の経験やスキルを持つ者に付与される。
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上級経営士
- 経営士の中でも特に高度な知識・スキルを持ち、経営改善や企業成長支援の実績がある者向け。
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経営士補
- 経営士資格を取得する前の段階で、学習や実務経験を積む者向けの資格。
■主催
(社)日本経営士会
受験資格と難易度
1. 受験資格
日本経営士会が認定する経営士資格を取得するためには、一定の実務経験や知識が求められます。受験資格は以下の通りです。
経営士(Certified Management Consultant)
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学歴・資格要件
特に学歴要件はないが、経営に関する知識・経験が求められる。 -
実務経験
- 原則として経営・コンサルタント業務の実務経験が5年以上必要。
- 経営者、管理職、専門職(会計士・税理士・社労士など)としての経験も含まれる。
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推薦制度
- 既存の経営士会会員や関連する経営団体からの推薦があると、スムーズに受験が進む場合がある。
経営士補
- 経営士を目指す若手・未経験者向けの資格。
- 実務経験がない、または少ない人でも受験可能。
- 一定の研修や試験を経て、経営士資格へのステップアップが可能。
上級経営士
- 経営士の資格を持ち、さらに高度なコンサルティング能力を有する者向け。
- 10年以上の経営実務経験が求められる。
- 経営改善やコンサルティングの実績が重視される。
2. 試験内容と難易度
試験プロセス
-
書類審査
- 受験資格の確認(実務経験、経歴、推薦状など)。
- 経営士会の審査を通過する必要がある。
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筆記試験 or 論文審査
- 経営戦略・財務・マーケティング・人事管理などの基礎知識を問う内容。
- 実務に即した論文を提出する場合もある(テーマ例:企業経営の課題と改善策)。
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面接試験
- 経営士としての資質やコンサルティング能力を評価。
- 経営課題への対応力、専門知識の深さ、プレゼンテーション能力が試される。
難易度
-
経営士の難易度は中程度〜やや高め。
- MBA(経営学修士)や中小企業診断士と比較すると、実務経験を重視する資格なので、試験の難易度自体はそこまで高くない。
- ただし、経験・実績が求められる点でハードルがある。
- 試験自体は合格率が非公開だが、実務経験が十分あれば合格しやすいとされる。
-
経営士補は比較的取得しやすい。
- 実務経験が少なくても受験できるため、若手ビジネスパーソンや経営コンサルタントを目指す人に向いている。
-
上級経営士はかなり難易度が高い。
- 10年以上の実績が求められ、実務経験が重視されるため、一般的な試験勉強ではなく「実際の経営支援の実績」が不可欠。
試験内容
経営士資格取得には、以下の3つの審査プロセスがあります。
- 書類審査
- 論文審査(または筆記試験)
- 面接試験(口頭試問)
1. 書類審査
まずは、申請時に提出する書類が審査されます。
提出書類
- 履歴書(職務経歴書を含む)
- 経営コンサルティングの経験がわかる資料
- 経営支援実績(例:企業改善事例、プロジェクト事例)
- 企業での経営・マネジメント経験
- 推薦状(必要に応じて)
- 既存の経営士や経営士会の関係者からの推薦があると有利
- 事業計画・提案書(必要に応じて)
- 自身が行った経営コンサルティングの内容をまとめたもの
審査基準
- 経営コンサルタントとしての実務経験が5年以上あるか
- 経営改善やマネジメントに関する実績があるか
- 経営士としてふさわしい知識・能力を備えているか
→ 書類審査に合格すると、次の論文審査・筆記試験に進む
2. 論文審査(または筆記試験)
筆記試験はない場合もあり、論文審査のみのことが多いです。
筆記試験が課される場合は、経営に関する専門知識やコンサルティングの基礎が問われます。
論文審査
- テーマは毎回異なるが、以下のようなものが出題される
- 経営課題とその解決策(例:「中小企業の成長戦略について」)
- 自分が実際に経験した経営改善の事例
- 経営戦略、マーケティング、財務、人事に関する考察
- 経営士としての役割と社会貢献
- 論文の文字数・形式
- A4用紙 5〜10ページ程度
- 自分の意見や具体的な事例を交えて書くことが求められる
- 論理的な説明力と実務経験が重要
評価ポイント
- 経営戦略や企業運営に関する実践的な知識を持っているか
- 経営士としての考え方が明確か
- 説得力のある論理展開ができているか
筆記試験(実施される場合)
論文ではなく筆記試験が課される場合、以下のような範囲から出題されます。
試験科目
科目 | 主な出題内容 |
---|---|
経営戦略 | 経営計画、成長戦略、競争戦略、企業ビジョン |
財務・会計 | 財務諸表の読み方、損益計算、資金調達、コスト管理 |
マーケティング | 市場分析、顧客戦略、ブランド戦略、デジタルマーケティング |
人事・組織 | 人事制度、組織マネジメント、リーダーシップ、企業文化 |
経営コンサルティング | 経営支援の方法、コンサルタントの役割、事例分析 |
出題形式
- 選択式+記述式(論述問題あり)
- 実践的なケーススタディ問題
- 例:「売上が低迷している企業に対して、どのような経営改善を提案するか?」
- 例:「財務諸表から企業の課題を読み取り、解決策を示しなさい」
3. 面接試験(口頭試問)
書類・論文(または筆記試験)に合格した人は、**最終審査として面接試験(口頭試問)**を受けます。
試験内容
- 自己PR
- 自分の経営経験やコンサルティング経験について説明
- 経営課題に関する質疑応答
- 「中小企業の経営課題をどう解決するか?」
- 「企業の成長戦略として、どのような施策を考えるか?」
- 倫理観や経営士としての適性を確認
- 「経営士としてどのような社会貢献ができるか?」
- 「コンサルタントとしての信頼性をどのように維持するか?」
評価ポイント
- 経営士としての専門知識・実務経験が十分あるか
- 経営課題に対して論理的に説明できるか
- コンサルタントとしての適性(コミュニケーション力・リーダーシップなど)
→ 面接試験に合格すると、経営士資格が認定される。
試験対策
1. 書類審査対策
審査ポイント
- 経営実務経験が5年以上あるか
- 経営コンサルティングに関する実績があるか
- 経営士にふさわしい専門性・適性があるか
対策方法
職務経歴書を充実させる
- 企業での経営・管理職経験がある場合、具体的な成果を明記。
- コンサルティング経験がある場合、支援した企業の事例を記載。
- 実績が少ない場合でも、経営分析・戦略立案の経験を強調。
推薦状を用意する
- 経営士会の関係者、またはコンサルティング実績がある場合、クライアントや上司から推薦状をもらうと有利。
事業計画・提案書を作成しておく
- 実際に行った経営改善の内容を整理し、簡単なレポートにまとめると、後の論文・面接対策にもなる。
書類の整理と内容のチェック
- 提出書類に不備がないか確認。
- 誤字脱字をなくし、論理的な文章を心がける。
2. 論文審査対策
出題例
- 「中小企業の経営課題と解決策について」
- 「自身の経営支援経験について」
- 「経営士としての役割と社会貢献」
- 「企業の成長戦略についての考察」
対策方法
論理的な構成を意識する 論文は、以下のような構成を意識して書くと、わかりやすくなります。
-
序論(導入)
- 問題提起:「中小企業における経営課題の一つに○○がある」
- 結論の方向性:「本稿では、その原因と解決策について論じる」
-
本論(具体的な分析と解決策)
- 課題の分析:「現状の問題点は○○である」
- 実際の事例:「私が関わった企業では、○○の課題があった」
- 解決策の提案:「この問題に対し、○○の施策を実施し、成果を得た」
-
結論
- 要約:「本稿では○○について論じた」
- 経営士としての視点:「今後の経営コンサルタントの役割は○○である」
具体的な事例を入れる
- 実務経験がある場合:過去のコンサルティング事例や経営支援の成果を記述。
- 経験が少ない場合:業界の統計データや成功事例を引用。
経営フレームワークを活用 論理的に説明するため、以下のようなフレームワークを活用すると、説得力が増します。
フレームワーク | 活用方法 |
---|---|
SWOT分析 | 企業の強み・弱みを分析し、解決策を提示 |
PEST分析 | 経営環境(政治・経済・社会・技術)の影響を分析 |
3C分析 | 企業(Company)、競合(Competitor)、顧客(Customer)の関係を整理 |
PDCAサイクル | 経営改善のプロセスを説明する際に有効 |
事前に過去の論文テーマを調べ、模擬論文を書く
- 自分で過去テーマをもとに論文を書いてみる。
- 可能であれば、他の人に読んでもらいフィードバックをもらう。
3. 面接試験対策
出題例
- 「経営士としてどのような価値を提供できるか?」
- 「企業が抱える最も大きな経営課題は何だと思うか?」
- 「過去の経営コンサルティングの事例を説明してください」
- 「経営改善において最も重要な要素は何か?」
対策方法
想定質問に対して事前に回答を用意
- 「自己紹介」:「私は○○の業界で○年の経験があり、経営支援として○○の実績があります」
- 「なぜ経営士資格を取得したいのか?」:「経営コンサルタントとしての専門性を高め、○○の分野で企業支援を行いたい」
- 「あなたの強みは?」:「実務経験を活かした○○の支援が得意」
経営に関する最新のニュース・トレンドを把握
- DX(デジタルトランスフォーメーション)、サステナビリティ(ESG経営)、AI活用など、現在の経営課題について語れるようにしておく。
論文の内容と一貫性を持たせる
- 面接では論文の内容について質問されることが多いので、論文で書いた内容をしっかり説明できるよう準備。
実際の事例を交えて話す
- 実務経験がある人は「自分が関わったプロジェクト」「企業の成長を支援した例」などを具体的に話す。
プレゼンテーション力を意識
- 端的に、わかりやすく説明する練習をする。
4. おすすめの勉強法
日本経営士会のセミナー・研修を受講
- 経営士会が主催する講座や研修を受けると、試験対策に直結。
経営関連の書籍を読む
- 経営戦略、財務、マーケティング、人事管理など、基礎知識を強化。
ビジネス誌・ニュースをチェック
- 日経新聞、Harvard Business Reviewなど、経営の最新動向を知る。
模擬面接・論文添削を実施
- 可能であれば、経営士資格を持つ人や、経営コンサルタントに模擬面接を依頼。
取得後に出来ること
経営コンサルタントとしての独立・起業
コンサルタントとして独立開業
- 経営士資格は独立開業の強みとなり、経営支援業務を行いやすくなる。
- 企業の経営戦略策定・業務改善のアドバイスを提供。
- 顧問契約を結び、定期的なコンサルティングを実施。
経営士会のネットワークを活用
- 日本経営士会の会員として登録し、各種セミナーや交流会で新規顧客を獲得。
- 他の経営士との協力で、より大きな案件を受注できる。
専門特化型のコンサルタントとして活動
- 例えば、以下のような専門分野でのコンサルティングが可能
- 中小企業の経営支援
- 財務改善・資金調達
- マーケティング戦略
- 人材育成・組織改革
- DX(デジタルトランスフォーメーション)推進
企業内でのキャリアアップ
企業内コンサルタント・経営企画部門で活躍
- 経営士資格を活かし、経営戦略の立案・実施を担当できる。
- 経営改善プロジェクトのリーダーとして活躍。
管理職・役員への昇進
- 経営士資格を持つことで、経営管理職(部長・役員)への昇進の可能性が高まる。
- 特に中小企業では、後継者候補として経営に関わる機会が増える。
社内研修・セミナー講師として活躍
- 社員向けの経営研修・リーダーシップ研修の講師としての機会が増える。
- 組織変革プロジェクトの担当者として経営改革に携わる。
他の資格と組み合わせて専門性を高める
中小企業診断士とのダブルライセンス
- 中小企業診断士と経営士を併せ持つと、より専門的な経営支援が可能。
- 診断士資格で「経営改善計画書」の作成ができ、補助金申請支援などの仕事が増える。
税理士・社労士との相乗効果
- 税理士×経営士:財務・税務アドバイス+経営戦略支援が可能。
- 社労士×経営士:人事・労務管理+経営改善提案が可能。
MBA(経営学修士)との相乗効果
- MBA取得者が経営士資格を持つと、より実務的なコンサルティングが可能。
- 海外展開・グローバル経営支援の分野でも活躍できる。
公的機関・団体のアドバイザーとして活動
公的機関の専門家登録
- 商工会議所・中小企業支援機関の専門アドバイザーとして活動可能。
- 地方自治体・経済産業省関連の経営支援事業に参加。
補助金・助成金アドバイザー
- 企業が補助金(ものづくり補助金・IT導入補助金)を活用する際のアドバイザーとして活動。
- 補助金申請の際の事業計画作成をサポート。
ビジネススクール・大学での講師
- 経営士の資格を活かし、専門学校や大学で経営講座を担当することも可能。
経営士会の活動に参加
経営士会のネットワークを活用
- 全国の経営士との交流が可能。
- セミナー・研究会に参加し、最新の経営手法を学ぶ。
経営士としてのブランド力を強化
- 経営士会の公式サイトや会員名簿に登録されることで、信頼性が向上し、ビジネスチャンスが増える。
経営士会の認定講師・研修講師として活動
- 新規の経営士を育成する講師として活動できる。
- 経営者向けの研修を提供し、収益につなげる。
企業向けの研修・セミナー事業の展開
企業向けの研修・講演活動
- 企業の経営者・管理職向けに研修を実施し、経営改善を支援。
- 業界ごとのトレンドに応じた戦略策定を指導。
経営士資格を活かした書籍・コラム執筆
- 経営士としての経験を活かし、書籍の執筆やビジネスメディアへの寄稿が可能。
財務・経営系資格一覧
公認会計士
税理士
中小企業診断士
簿記検定
ファイナンシャル・プランニング技能士
証券アナリスト
簿記能力検定
建設業経理検定
経営士
ファイナンシャル・プランナー
実用数学技能検定
DCプランナー
DCアドバイザー
マーケティング・ビジネス実務検定
MBA
不動産証券化協会認定マスター
モーゲージプランナー
銀行業務検定試験
BATIC(国際会計検定)
CPA(米国公認会計士)
米国公認管理会計士
米国税理士(EA)
PMP試験
CISA(公認情報システム監査人)
CIRP(サーティファイド・IRプランナー)
シニアリスクコンサルタント
ITコーディネータ資格認定制度
ファイナンシャル・リスクマネージャ
アクチュアリー資格試験
二種外務員資格試験
CIA(公認内部監査人)
CFA(CFA協会認定証券アナリスト)
ホスピタリティ検定試験
イベント業務管理者
ファシリティマネージャー
PRプランナー資格認定制度
プロジェクトマネジメント資格
VEリーダー認定試験
販売士検定
セールススキル検定試験
セールスレップ資格認定制度
販路コーディネータ資格認定制度
交渉アナリスト
CISM(公認情報セキュリティマネージャー)