一般社団法人 日本翻訳協会(JTA)が実施する資格で、翻訳の基礎から実務レベルまでのスキルを認定するものです。翻訳業界での信頼性向上や、フリーランス翻訳者が自身のスキルを証明するために活用されています。
■主催
(社)日本翻訳協会
目次
受験資格と難易度
受験資格
翻訳実務士資格は、特に受験資格の制限はなく、誰でも受験可能です。
- 年齢・学歴・職歴の制限なし
- 翻訳未経験者でも受験可能
- プロの翻訳者を目指す人やスキルアップをしたい人向け
特に、翻訳業界での実務経験がなくても挑戦できる点が特徴です。
難易度
① 翻訳実務士(基礎レベル)
- 難易度:初級~中級
- 目安:TOEIC 700点以上、英検準1級程度の英語力
- 内容:翻訳の基礎知識・用語・簡単な実務翻訳
② 翻訳上級士(専門レベル)
- 難易度:中級~上級
- 目安:TOEIC 900点以上、英検1級レベルの英語力
- 内容:専門分野の翻訳(法律・医療・IT など)
試験内容
試験の基本構成
試験は以下のような筆記試験(オンライン) で実施されます。
- 翻訳課題(和訳・英訳)
- 翻訳理論・実務知識に関する問題
- 専門分野に関する知識(上級士のみ)
試験形式は選択問題+記述式(翻訳課題) となっています。
資格別の試験内容
① 翻訳実務士(基礎レベル)
試験科目 | 内容 | 出題形式 |
---|---|---|
翻訳課題(英日・日英) | 一般的な文章(ニュース記事、ビジネス文書など)の翻訳 | 記述式(短文翻訳) |
翻訳理論・技術 | 翻訳の基礎理論(直訳・意訳、適切な表現の選び方など) | 選択問題 |
ビジネス翻訳知識 | 実務翻訳に関する基礎知識(契約書、マニュアルなど) | 選択問題 |
② 翻訳上級士(専門レベル)
試験科目 | 内容 | 出題形式 |
---|---|---|
翻訳課題(英日・日英) | 専門的な文章(法律、医療、IT、金融など)の翻訳 | 記述式(長文翻訳) |
翻訳理論・応用技術 | 上級翻訳テクニック(意訳・ローカライズ、専門用語の扱いなど) | 選択問題 |
専門分野の知識 | 法務・医療・IT・金融のいずれかの分野の専門知識 | 記述・選択問題 |
試験の合格基準
合格基準は明確には公表されていませんが、一般的に 60~70%以上の正答率 が必要とされています。特に翻訳課題(記述式)の評価が重要で、以下のポイントが採点基準になります。
試験対策
翻訳実務士(基礎レベル)の対策
このレベルでは、基本的な翻訳能力が問われます。
英日・日英翻訳対策
- 短めのニュース記事やビジネス文書を訳す練習をする
- 直訳と意訳のバランスを意識し、自然な訳文を作る
- 語彙力を増やすために英語のニュースサイトを活用する
翻訳理論・実務知識対策
- 翻訳の基本理論(意訳・直訳の使い分け、訳語の選び方)を学ぶ
- ビジネス文書(契約書や報告書)の書き方を理解する
- 参考書や翻訳関連の書籍を活用して実務知識を習得する
具体的な学習方法
- 翻訳関連の書籍(『プロが教える翻訳のスキル』など)を読む
- 過去の翻訳問題を見つけ、実際に訳してみる
- 翻訳会社のトライアル問題を解き、実力を試す
翻訳上級士(専門レベル)の対策
このレベルでは、専門分野の知識と高度な翻訳スキルが求められます。
英日・日英翻訳対策
- 専門分野(法務、医療、IT、金融など)の文書を翻訳する練習をする
- 専門用語を正確に理解し、適切な訳語を選ぶ
- 翻訳の精度を上げるために、類似の専門文書を多く読む
専門分野の知識対策
- 受験する分野の専門用語集を作成し、繰り返し確認する
- 分野ごとの基本知識(法律なら契約書の形式、医療なら医学用語)を学ぶ
- 実際の専門書や業界向けのニュースを読む
具体的な学習方法
- 専門分野の翻訳書籍を参考にしながら訳文の精度を高める
- 翻訳支援ツール(CATツール)を活用し、効率的に翻訳する
- 過去問や類似問題を解き、試験形式に慣れる
取得後に出来ること
翻訳業界での信頼性が向上し、さまざまなキャリアの選択肢が広がります。資格取得後にできることについて詳しく説明します。
フリーランス翻訳者として活動できる
翻訳実務士資格は、フリーランス翻訳者としてのスキルを証明するために有効です。クライアントや翻訳会社に対し、一定の翻訳能力を持っていることを示すことができます。
- 翻訳会社の登録翻訳者として仕事を受ける
- クラウドソーシング(ランサーズ、クラウドワークスなど)で案件を獲得する
- 直接クライアントから仕事を受注し、単価の高い案件を狙う
企業の社内翻訳者として就職・転職しやすくなる
企業の社内翻訳者や翻訳関連職への就職・転職の際に有利になります。
- 企業の翻訳・ローカライズ部門での採用に役立つ
- 貿易・製造・IT企業など、海外と取引のある企業で活用可能
- 専門知識を活かし、法務・医療・ITなどの分野で翻訳業務を担当できる
専門分野の翻訳に挑戦できる(翻訳上級士の場合)
翻訳上級士資格を取得すると、専門分野の翻訳者としてのキャリアを築くことができます。
- 法律翻訳(契約書、判例などの翻訳)
- 医療翻訳(医学論文、医薬品マニュアルなど)
- IT翻訳(ソフトウェアのローカライズ、技術文書の翻訳など)
専門分野の翻訳は、一般的な翻訳より単価が高く、安定した収入を得やすい点が魅力です。
翻訳講師や指導者として活動できる
翻訳経験を積んだ後、翻訳スクールの講師やオンラインで翻訳指導を行うことも可能です。
- 翻訳スクールや専門学校で講師として指導する
- オンライン講座や個別指導を開設し、副業として収益を得る
- ブログやSNSで翻訳のノウハウを発信し、知名度を上げる
海外向けビジネスやライティング業務に活かせる
翻訳スキルを活かして、ライティングや海外向けの業務にも応用できます。
- 英語記事の執筆や編集(英語メディアのライター、ブログ運営など)
- 海外企業とのコミュニケーション(メール翻訳、通訳の補助など)
- ECサイトの多言語対応(商品説明の翻訳、海外向けマーケティングなど)
他の翻訳資格やスキルのステップアップにつなげられる
翻訳実務士資格を足がかりに、より専門的な資格やスキルを習得することも可能です。
- JTFほんやく検定(日本翻訳連盟)の上位級を目指す
- 通訳案内士や翻訳通訳関連の資格を取得する
- 翻訳支援ツール(CATツール)の習得で作業効率を向上させる
語学系資格一覧
通訳案内士
翻訳実務士資格
JTFほんやく検定
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タイ語検定試験(TAEC)
ハングル能力検定
実用タイ語検定試験
実用イタリア語検定
スペイン語技能検定
DELE(スペイン文部省認定証)
ドイツ語技能検定試験
フランス語能力認定試験(TEF)
実用フランス語技能検定
ロシア語能力検定
観光英語検定試験