色彩検定は、色に関する知識や技能を証明する検定試験でデザイン、ファッション、インテリア、広告、印刷、建築など、色彩が重要な分野で活用できる知識を体系的に学べる資格です。
色の基本知識から、配色理論、色彩心理、照明、色彩調和など幅広い範囲が出題され、初心者からプロフェッショナルまでレベルに応じた試験が用意されています。
受験資格と難易度
受験資格
色彩検定は、どの級でも受験資格に制限がなく、誰でも受験可能です。学歴や年齢、職歴の制限がないため、初心者からプロフェッショナルまで幅広い層が受験できます。
また、級の飛び級受験が可能であり、例えば「3級を飛ばして2級を受験する」「1級のみ受験する」といったことも可能です。
難易度
色彩検定の難易度は、級が上がるごとに高くなり、特に1級は難関資格とされます。
3級(基礎レベル)
- 難易度:★☆☆☆☆(易しい)
- 合格率:70~80%
- 概要:色彩の基本を学ぶレベル。初心者向けで、暗記中心の試験。問題は選択式が中心で、比較的取り組みやすい。
2級(応用レベル)
- 難易度:★★★☆☆(やや難しい)
- 合格率:60~70%
- 概要:3級の内容に加え、色彩理論、PCCS(日本色研配色体系)、色彩心理、照明と色の関係など、実務に役立つ知識が必要。記述式問題が加わるため、理解力が問われる。
1級(専門レベル)
- 難易度:★★★★★(難関)
- 合格率:30~40%
- 概要:プロフェッショナルレベルの色彩知識が問われる。配色理論や照明、色彩設計などの高度な内容が含まれ、記述式問題が多く、論述力や実践的な知識が必要。一次試験(筆記)と二次試験(実技)の両方に合格しなければならず、合格率が低い難関試験。
UC級(ユニバーサルカラー級)
- 難易度:★★☆☆☆(やや易しい)
- 合格率:70%前後
- 概要:色弱者への配慮やユニバーサルデザインに特化した内容。日常生活や仕事での色の使い方を学ぶ。
アドバンスクラス
- 難易度:★★★☆☆~★★★★☆(級による)
- 概要:色彩検定1級合格者向けの専門講座。色彩の専門分野をより深く学ぶ。
試験内容
級ごとに異なる範囲から出題され、色の基礎知識から専門的な色彩設計まで幅広い内容が試験に出題されます。特に、2級以上では実務的な色彩理論が重要になり、1級ではさらに深い専門知識が求められます。
3級(基礎レベル)
試験範囲:色の基本知識と日常生活での活用
- 色の基礎知識(色の三属性、光と色、色の見え方)
- 色彩心理(色が人に与える印象、感情への影響)
- 色の表し方(マンセル表色系、PCCS表色系、色相環)
- 配色の基本(補色、トーン、コントラスト、類似色)
- 生活における色の活用(ファッション、インテリア、広告、商品パッケージ)
- 視覚効果(同化現象、対比現象、錯視)
- 色の慣用名(日本の伝統色、西洋の色名)
試験形式
- マークシート方式(選択問題のみ)
- 試験時間:60分
- 合格率:約70~80%(比較的高い)
2級(応用レベル)
試験範囲:3級の内容+実務的な色彩理論
- 3級の内容に加えて、より詳しい色彩理論
- 色の測定と管理(分光測色、演色評価)
- 色彩調和理論(色相配色、トーン配色、色の統一感と変化)
- 色彩と心理・感情(ブランドカラー、広告デザインにおける色彩戦略)
- ファッションと色彩(パーソナルカラー、流行色)
- インテリアと色彩(照明の影響、カラースキーム)
- 色彩計画と環境色彩(建築・景観における色の活用)
試験形式
- マークシート方式(選択問題+一部記述問題)
- 試験時間:80分
- 合格率:約60~70%
1級(専門レベル)
1級は、一次試験(筆記試験)と二次試験(実技試験)の両方に合格する必要があるため、他の級と比べて難易度が大幅に上がります。
一次試験(筆記試験)
試験範囲:2級の内容+専門的な色彩理論と実務
- 色彩学の応用(色彩設計、ブランド戦略における色)
- PCCS・マンセルの詳細な活用(色差、色の測定方法)
- カラーマーケティング(色と消費行動の関係)
- 色彩心理の応用(医療・福祉・教育における色の役割)
- 色彩計画と環境色彩(都市計画・建築・景観デザイン)
- 配色理論の応用(高度な色彩調和、配色パターンの分析)
- 国際的な色彩規格(ISO、JIS規格)
- 演色性と照明(LED、蛍光灯、白熱灯による色の見え方)
試験形式
- マークシート+記述式問題(論述あり)
- 試験時間:90分
- 合格率:約30~40%(難関)
二次試験(実技試験)
- 色彩の実践的な知識を問う試験
- 配色問題(色相配色・トーン配色)
- 色彩計画の提案(色の選択とその理由を説明する)
- 与えられた課題に対して適切な配色を考え、記述する
- マンセル値・PCCSを使用した実践的な問題
試験形式
- 記述式+実技試験(配色問題)
- 試験時間:60分
- 合格率:約30%前後(筆記試験よりさらに低い)
UC級(ユニバーサルカラー級)
試験範囲:ユニバーサルデザインに特化
- 色弱者に配慮したデザイン
- バリアフリー色彩
- 交通標識・案内サインの色彩設計
- 医療・福祉施設での色彩活用
- 公共空間におけるユニバーサルデザインの色の使い方
試験形式
- マークシート方式
- 試験時間:60分
- 合格率:約70%
アドバンスクラス
試験範囲:1級取得者向けの専門講座
- 特定分野(ファッション・建築・商品デザインなど)に特化
- 色彩の最新トレンドや研究を深掘り
- ビジネスでの色彩活用を実践的に学ぶ
試験対策
共通の試験対策
公式テキストの活用
- 色彩検定協会(AFT)の公式テキストは必須教材で、試験範囲を網羅している。
- 出題される用語や理論を整理し、ノートにまとめると理解しやすい。
過去問を解いて出題傾向を把握
- 過去問題集を3回以上繰り返し解き、出題パターンを理解する。
- 間違えた問題は、解説を読んで理解し、再度解き直す。
配色カードを活用
- PCCS(日本色研配色体系)やマンセル表色系の実物を使い、色の関係を視覚的に理解する。
- 特に2級以上では、配色理論の理解が求められるため、実際に色を組み合わせる練習が効果的。
視覚的な学習を取り入れる
- ファッション雑誌や広告、インテリアのカラーデザインを分析し、学んだ理論と結びつける。
- 街中の看板やポスターの配色を意識し、実践的な視点を養う。
3級対策(基礎レベル)
試験の特徴
- 色彩の基礎を問う初心者向けの試験。
- マークシート方式のみで、記述問題なし。
- 暗記が中心で、比較的簡単に合格可能。
効果的な勉強方法
色の基本概念を理解する
- 色の三属性(色相・明度・彩度)を暗記。
- 補色、類似色、トーンの違いを正しく理解する。
視覚的な学習を取り入れる
- 日常の色を意識し、ファッションやインテリアの色使いを分析する。
過去問演習を重視
- 出題範囲が毎年似ているため、過去問の繰り返し学習が有効。
2級対策(応用レベル)
試験の特徴
- 3級よりも応用的な色彩理論が出題される。
- マークシート+記述式問題がある。
- 色彩心理、照明、環境色彩など実務的な知識が必要。
効果的な勉強方法
配色理論の深掘り
- PCCSのトーン別配色(ビビッド・ペール・ダークなど)を理解し、色彩調和を説明できるようにする。
- マンセル表色系の数値を覚え、色の分類方法を理解する。
記述問題対策
- 「この色の組み合わせがなぜ適しているのか?」を論理的に説明する練習をする。
実践的な学習
- 広告やインテリアデザインを見て、どの配色理論が使われているかを考える。
1級対策(専門レベル)
試験の特徴
- 一次試験(筆記試験)と二次試験(実技試験)の両方に合格する必要がある。
- 合格率が30~40%と低く、高度な色彩理論や実践的な色彩計画が問われる。
効果的な勉強方法
一次試験対策(筆記)
- 環境色彩、カラーマーケティング、色彩心理を深く学ぶ。
- 論述問題の解答パターンを把握し、自分の言葉で説明できるようにする。
二次試験対策(実技)
- 配色カードを使って、トーン配色や色彩調和の実践練習を行う。
- 与えられた課題に対し、適切な色を選び、その理由を説明できるようにする。
UC級(ユニバーサルカラー級)対策
試験の特徴
- ユニバーサルデザインに特化し、視覚障害者や高齢者向けの色彩設計がテーマ。
- マークシート方式のみで記述問題なし。
効果的な勉強方法
ユニバーサルデザインの基礎を学ぶ
- 色覚異常(色弱者)のための配色ルールを理解する。
- 交通標識や案内サインの色の使い方を分析する。
取得後に出来ること
3級取得後にできること(基礎レベル)
色彩の基本を理解し、日常生活で活かせる
- ファッションやメイクの配色が論理的に選べるようになる。
- インテリアコーディネートに役立つ(家具や壁紙の色選びなど)。
- プレゼン資料やポスターの配色を意識して作成できる。
職場や趣味で活用
- 広告やSNS投稿の配色を工夫し、より見やすく美しいデザインを作れる。
- 販売・接客業で、色の組み合わせを活用して商品ディスプレイを改善。
- ハンドメイド・アートなどの創作活動で、色彩理論を活かす。
次のステップ
- 色彩を仕事に活かしたい場合は、2級や1級を目指すのがおすすめ。
2級取得後にできること(応用レベル)
デザインや色彩を活用する仕事に役立つ
- 配色理論を活かし、実務レベルのデザインが可能に。
- 広告やWebデザイン、パッケージデザインの配色を計画できる。
- アパレル・ファッション業界で、シーズンカラーの分析ができる。
実務に活かせる業界
- 広告・印刷業界(配色バランスを考慮したデザイン制作)
- インテリア・建築業界(壁紙や家具の色彩提案)
- アパレル・美容業界(トレンドカラーの分析・提案)
次のステップ
- 専門性を高めたいなら、1級取得を目指す。
- パーソナルカラー検定やインテリアコーディネーター資格と併用すると、より活躍の幅が広がる。
1級取得後にできること(専門レベル)
色彩のプロフェッショナルとして活躍
- 専門的な色彩設計ができるため、色彩のコンサルティングが可能。
- デザイン業務や商品開発で、理論的な配色提案ができる。
- 建築・都市デザイン、広告、ファッションなど、多くの業界で色彩指導ができる。
活躍できる職種・業界
-
グラフィックデザイナー・Webデザイナー
- クライアントの要望に応じた適切な色彩設計ができる。
- ロゴデザインやブランドカラーの戦略を考えられる。
-
インテリアコーディネーター・建築士
- 住宅やオフィスの空間デザインで、快適な色の組み合わせを提案。
- 照明と色の関係を理解し、最適な色彩計画を立てる。
-
ファッション・アパレル業界
- トレンドカラーを分析し、商品開発に活かす。
- ブランドイメージに適した配色を計画。
-
マーケティング・商品開発
- 消費者心理を考えた色彩戦略を立案(例:飲料や化粧品のパッケージデザイン)。
- 販売促進における効果的な色の使い方をアドバイス。
次のステップ
- さらに専門性を高めるために、カラーデザイン検定やインテリア関連資格を取得する。
- 色彩講師やコンサルタントとして、教育・研修の仕事をすることも可能。
UC級(ユニバーサルカラー級)取得後にできること
ユニバーサルデザインに特化した色彩計画が可能
- 視覚障害者や高齢者にも配慮したデザインを考えられる。
- 公共施設や病院、交通機関の色彩設計に関わる仕事に役立つ。
活躍できる業界
- 建築・都市計画(バリアフリー設計)
- 福祉・医療(ユニバーサルデザインの導入)
- 交通・公共サービス(標識や案内板の色彩設計)
色彩検定を活かせる仕事・職種
業界 | 仕事内容 |
---|---|
デザイン・広告業界 | 配色を活かしたデザイン、広告・印刷物の制作 |
Web・UIデザイン | Webサイト・アプリのカラースキーム設計 |
建築・インテリア | 住宅や商業施設の空間デザイン、照明計画 |
ファッション・アパレル | トレンドカラーの分析、ブランドの色彩戦略 |
マーケティング・商品開発 | 消費者心理を考慮した色彩戦略、パッケージデザイン |
福祉・医療・公共施設 | バリアフリー色彩設計、ユニバーサルデザインの導入 |
取得後のキャリアアップ
色彩の専門職を目指す
- カラーコーディネーター
- パーソナルカラーアナリスト
- インテリアデザイナー
- 商品プランナー
- ブランディングコンサルタント
他の資格と組み合わせるとさらに有利
- パーソナルカラー検定(美容・アパレル向け)
- インテリアコーディネーター(住宅・空間デザイン向け)
- カラーデザイン検定(デザイン業界向け)
おすすめの講習、教材
教材
講座
デザイン系資格一覧
POP広告クリエイター
レタリング技能検定
色彩検定
カラーコーディネーター検定試験
DTP検定
クロスメディアエキスパート
マルチメディア検定
DTPエキスパート
IIIustratorクリエイター能力認定試験
Photoshopクリエイター能力認定試験
アドビ認定エキスパート(ACE)
アドビ認定プロフェッショナル(ACP)
映像音響処理技術者資格認定
CGクリエイター
インテリアプランナー
キッチンスペシャリスト
インテリアコーディネーター
インテリア設計士
家具検定
照明コンサルタント
商業施設士
エクステリアプランナー
ハウスクリーニング士
整理・収納・清掃コーディネーター
ライフスタイルプランナー
DIYアドバイザー
ボーカルインストラクター資格
美術検定
ラッピング・ディレクター
シューフィッター
靴デザイナー認定資格
椅子張り技能者
ジュエリーコーディネーター
GG(Graduate Gemologist)
デコレーター技能検定