警備員等の検定

警備業務の質を向上させ、安全確保の専門知識を持った警備員を養成することを目的とした国家資格です。

警備業務を行う上で一定の業務については、法律で検定資格を取得した有資格者を配置することが義務付けられています。

特に、人の命や財産を守る重要な業務であるため、専門的な知識と実務能力が問われます。

1. 検定の種類と業務内容

警備員等の検定は、第1号から第8号までの8種類に分かれており、それぞれ対応する警備業務が異なります。

号数 業務内容 具体的な警備内容
第1号警備業務検定 施設警備業務 商業施設やオフィスビルの常駐警備、出入管理、巡回業務
第2号警備業務検定 交通誘導・雑踏警備業務 道路工事現場での交通誘導、イベント警備
第3号警備業務検定 貴重品運搬警備業務 現金輸送車での警備、貴重品輸送業務
第4号警備業務検定 身辺警備業務 VIP警護、要人の身辺警護
第5号警備業務検定 空港保安業務 空港での手荷物検査、旅客検査業務
第6号警備業務検定 原子力関連施設警備 原子力施設の警備業務
第7号警備業務検定 鉄道施設警備 鉄道関連施設や駅構内の警備
第8号警備業務検定 船舶施設警備 港湾施設の警備、貨物・人員監視

2. 検定の区分(1級・2級)

各検定には1級2級があります。

級別 対象者 役割と難易度
1級 指導的立場の警備員 警備計画の作成、現場責任者としての指導が可能。難易度が高い。
2級 一般警備員 現場での実務担当が中心。基礎的な警備知識が問われる。

主催
警備員特別講習事業センター

受験資格と難易度

1. 受験資格

警備員等の検定は、2級と1級で受験資格が異なります
2級は初心者向けで広く門戸が開かれており、1級は現場での実務経験が必要です。

2級検定(実務担当者向け)

  • 年齢: 18歳以上
  • 学歴・実務経験: 不問
  • 警備業未経験者でも受験可能
  • 警備員としての基本的な知識・技能を身につけたい方向け

1級検定(指導的立場向け)

  • 2級取得者で、実務経験1年以上
  • または、実務経験3年以上の警備員
  • 現場責任者や指導員を目指す方が対象
  • 上級レベルの知識・管理スキルが求められる

2. 難易度と合格率

検定は、1級が難しく、2級は基礎的な内容が中心で比較的取得しやすい傾向です。

検定級 合格率 難易度の特徴
1級 約50〜60% 指導者レベルの知識が求められ、実務的な問題も多く難易度は高め。
2級 約70〜85% 基礎知識中心で、講習をしっかり受ければ合格しやすい。

3. 難易度の特徴と対策ポイント

2級検定の特徴

  • 出題範囲は基礎知識が中心。
  • 法令や基本的な警備手順、接遇マナーが問われる。
  • 講習受講後に試験が実施され、講習内容を理解していれば合格は十分可能。

1級検定の特徴

  • 実務経験を前提にした問題が多い。
  • 現場管理能力、指導スキル、緊急時の対応力が問われる。
  • 法令の詳細や現場での応用力も必要。

試験内容

実務に必要な知識と技能を確認するため、学科試験実技試験で構成されています。
検定は担当する業務ごとに第1号から第8号まで分かれており、それぞれ業務に応じた内容が出題されます。

1. 試験概要

項目 内容
試験形式 学科試験(筆記)+ 実技試験
試験時間 学科:約60分 / 実技:約30〜60分
合格基準 各科目で総得点の70%以上
試験内容 法令、警備実務、安全管理、緊急対応など

2. 学科試験の内容

出題科目と内容

科目 主な出題内容 ポイント
警備業法・関連法令 警備員の義務、罰則規定、個人情報保護 罰則条項や報告義務の数字問題が頻出
警備業務の基本 業務遂行時の心構え、接遇マナー トラブル時の適切な対応法を理解
緊急時対応 火災・事故発生時の避難誘導 迅速な初動対応手順を暗記
危険予知活動(KYT) 作業前の危険箇所確認 問題発見→予防策の流れを押さえる
業務別専門知識 交通誘導、施設巡回、身辺警護など 実務での対応例や法的根拠が問われる

3. 実技試験の内容

実技試験では、検定種別に応じた実務対応能力が評価されます。各業務で現場を想定した課題が出され、実際に動作を実演します。

種別ごとの実技内容

検定区分 実技試験内容
第1号(施設警備) 巡回手順、異常発見時の対応、出入管理の実演
第2号(交通誘導) 誘導棒を用いた車両・歩行者誘導、手信号の正確さ
第3号(貴重品運搬) 運搬経路確認、緊急時の貴重品保護手順
第4号(身辺警備) 護身技術、要人誘導、護衛の基本動作
第5号(空港保安) 手荷物検査、ボディチェックの手順
第6号(原子力関連施設警備) 設備異常時の対応、警備シナリオ演習
第7号(鉄道施設警備) 駅構内巡回、遺失物発見時の処置
第8号(船舶施設警備) 港湾エリアの巡回、船舶入出港時の管理

 

試験対策

学科試験実技試験の両方で構成され、学科では法令や基本知識、実技では現場対応力が問われます。試験対策では、講習での内容理解、法令・数字の暗記、実技の繰り返し練習が重要です。

1. 効果的な試験対策ステップ

出題範囲の把握と教材準備(試験2週間前)

  • 配布テキストの目次を確認し、重要項目を把握。
  • 過去問題集を入手して、出題傾向を把握。
  • 法令部分は数字が頻出なので、暗記カードを作成。

学科試験対策(試験10日前まで)

学科試験は、警備業法・関連法令、業務別知識、緊急時対応が中心です。
特に、法令問題は毎年繰り返し出題されるため、重点的に取り組みましょう。

重要ポイントと対策方法
出題分野 対策方法 ポイント
警備業法・関連法令 数字問題(罰則規定、報告期限)を暗記 「何日以内」「何万円以下の罰則」など要注意
緊急時対応 避難誘導や火災・事故発生時の初動対応を復習 「安全確認→報告→対応」の流れを押さえる
危険予知活動 (KYT) 問題発見→予防策の実例を覚える 過去の事故事例も参考にする
接遇マナー 基本的な敬語と正しい声掛け方法を習得 実技試験でも評価される部分
おすすめ暗記法
  • 法令は音読+書き取りで記憶定着。
  • 数字問題は 暗記カードを活用し、1日2回確認。
  • 緊急時対応は フロー図を書いて視覚的に理解

実技試験対策(試験1週間前から集中的に)

実技試験は、正確な動作、適切な声掛け、迅速な対応力が求められます。
繰り返し練習し、体に動作を覚えさせましょう。

実技種別別の対策
検定区分 試験内容 練習ポイント
施設警備(第1号) 巡回動作、出入管理 ドアの開閉確認手順、声掛け練習
交通誘導(第2号) 手信号、誘導棒操作 誘導速度、視線の方向確認
貴重品運搬(第3号) 緊急時対応動作 確実な貴重品保護と避難誘導
身辺警備(第4号) ボディガード動作 護身術の基本ポジショニング
空港保安(第5号) 手荷物検査実演 旅客への接遇を意識して練習
実技対策のコツ
  • 声をしっかり出す: 実技試験では声の大きさが評価対象。
  • 視線誘導の練習: 車両誘導では運転手とのアイコンタクトを意識。
  • 動作を一つずつ区切って練習: ミス防止に効果的。

模擬試験で総仕上げ(試験2日前〜前日)

  • 過去問を時間内に解く: 実際の試験時間を計測して練習。
  • 間違えた問題は必ず復習: 直前期に苦手箇所を潰す。
  • 実技は動画撮影で自己チェック: 客観的に動作を確認。

2. 合格のための重要ポイント

  • 法令問題は数字に強くなる: 報告義務や罰則金額は頻出。
  • 実技試験では姿勢と声がカギ: 元気な声とキビキビした動作で高評価。
  • 緊急時対応は「安全確認→報告→対応」フローを徹底。
  • 時間内に解答する練習を模擬試験で実施。

3. よくある失敗と対策

失敗例 対策方法
数字問題の覚え間違い 暗記カードで毎日確認
実技で声が小さい 声出し練習を事前に行う
誘導中に視線が下がる アイコンタクト練習で改善
問題文を読み飛ばす 問題を2回読み、選択肢も慎重に確認

取得後に出来ること

法律で義務付けられている現場での警備業務に従事できるようになります。また、検定資格者は現場での重要な役割を担い、昇進・キャリアアップや職場での評価向上に直結します。

1. 検定取得後にできる主な業務

① 対象業務での従事が可能

検定種別ごとに、以下の業務を担当できます。

検定区分 できること
第1号(施設警備) 大型施設、商業施設での巡回警備、出入管理、災害時の避難誘導
第2号(交通誘導・雑踏警備) 工事現場やイベント会場での交通誘導・人の流れ管理
第3号(貴重品運搬) 現金輸送車や貴重品搬送時の護衛
第4号(身辺警備) VIP・要人の身辺保護と護衛業務
第5号(空港保安) 空港での手荷物検査、旅客検査、保安ゲート管理
第6号(原子力関連施設警備) 重要施設での入退管理と緊急時対応
第7号(鉄道施設警備) 駅構内の巡回、遺失物管理、利用者誘導
第8号(船舶施設警備) 港湾での荷物検査や船舶出入管理

② 指導的立場として活躍(1級取得者のみ)

  • 現場責任者として警備計画を立案・指導
  • 後輩警備員の教育担当として現場指導が可能
  • 大規模イベントや高リスク現場での現場監督

③ 緊急時対応でのリーダーシップ発揮

検定取得者は、災害や事故発生時に以下のような役割を担います。

  • 火災・事故発生時の 避難誘導責任者
  • 事故現場での 初期消火や応急処置の指揮
  • VIP警護時の 突発的な危険への即時対応

④ 公共施設や大規模現場での就労が可能

多くの現場で、検定取得者の配置が法律で義務付けられています。

  • 空港保安業務(第5号検定取得者必須)
  • 大型イベントや公共交通施設での警備業務
  • 金融機関の現金輸送(第3号検定取得が条件)

2. 資格取得によるメリット

① 職場での評価向上と昇進チャンス

  • 現場班長や主任としての選任が可能。
  • 管理職への昇進条件に検定資格が必要な場合もある。

② 資格手当の支給

  • 多くの企業で、取得者に 月5,000〜15,000円程度の資格手当が支給されます。
  • 年間で 60,000円〜180,000円の収入増加につながります。

③ 転職・就職に有利

  • 検定取得者を優遇採用する警備会社が多数。
  • 官公庁や大手企業が請け負う施設警備業務で必要とされることが多い。

④ 独立や自営での活躍も可能

  • 経験を積むと、警備コンサルタントや安全管理責任者として独立できることも。
  • 自社の安全部門立ち上げなど、管理者としても活躍。

3. 活躍できる職場と業種

職場 業務内容
商業施設 店舗の巡回、出入口管理、防犯対策
建設現場 工事用車両誘導、歩行者の安全確保
金融機関 現金や貴重品の安全輸送
空港 手荷物検査、旅客誘導、保安業務
イベント会場 人の流れ誘導、会場内巡回、緊急対応
鉄道施設 駅構内の安全管理、乗客対応

4. 実務での活躍事例

事例1: 大型商業施設での施設警備(第1号検定)

  • 火災発生時、迅速な避難誘導により被害ゼロを達成。
  • 出入管理で不審者を発見し、犯罪を未然に防止。

事例2: 道路工事現場での交通誘導(第2号検定)

  • 車両と歩行者の安全確保で事故件数を大幅に削減。
  • 地域住民から安全配慮の高評価を獲得。

事例3: 空港での保安検査業務(第5号検定)

  • 手荷物検査で危険物を発見し、事故を未然に防ぐ。
  • 旅客への丁寧な接遇で空港利用者満足度向上に貢献。

5. 取得後のキャリアパス例

段階 ポジション 主な業務
入社〜2年目 警備員(2級取得) 実務担当、巡回・誘導
3〜5年目 現場責任者(1級取得) 警備計画作成、現場指導
5年目以降 安全管理責任者 全社的な安全管理、後輩育成
10年目以降 コンサルタント 警備指導、現場改善提案

まとめ

  • 取得後は警備現場での実務に従事でき、現場責任者としても活躍可能。
  • 資格手当や昇進で収入アップやキャリアアップが実現。
  • 公共施設や重要施設での警備業務に不可欠な資格。

取得することで 警備業務での信頼性向上職場での評価アップが期待でき、
長期的なキャリア形成にも大きなメリットがあります。

安全管理系資格一覧

危険物取扱者
消防設備士
火薬類保安責任者
高圧室内作業主任者
高圧ガス製造保安責任者
液化石油ガス設備士
高圧ガス販売主任者
警備員等の検定
酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者
第一種、第二種衛生管理者
臭気判定士
毒物劇物取扱責任者
有機溶剤作業主任者
ガス主任技術者
消防設備点検資格者
廃棄物処理施設技術管理者
防火管理者
放射線取扱主任者

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