公益社団法人日本速記協会が実施する資格試験で、速記の技術を評価するもので国会、地方議会、裁判所などだけでなく、学会、政党大会など速記を必要としている場面は意外に多い。正確でかつ速く伝える必要があります。
■主催
(社)日本速記協会
目次
受験資格と難易度
受験資格
速記技能検定は 特に受験資格の制限がなく、誰でも受験可能 です。
ただし、級ごとに求められる技能レベルが異なるため、実力に応じた級を選択する必要があります。
難易度と級別の特徴
速記技能検定は 6級(入門)から1級(プロレベル)までの6段階 に分かれています。
それぞれの難易度と特徴を以下にまとめます。
級 | 朗読速度(分速) | 総字数 | 反訳時間 | 合格基準(正答率) | 許容失点数 | 難易度(目安) |
---|---|---|---|---|---|---|
1級 | 320字 | 3200字 | 130分 | 98%以上 | 64字以下 | 最難関(プロレベル) |
2級 | 280字 | 2800字 | 130分 | 98%以上 | 56字以下 | 難関(高度な速記技術) |
3級 | 240字 | 1200字 | 60分 | 97%以上 | 36字以下 | 中級(実務レベル) |
4級 | 180字 | 900字 | 60分 | 97%以上 | 27字以下 | 初級(基礎的な速記技術) |
5級 | 120字 | 600字 | 60分 | 96%以上 | 24字以下 | 入門レベル(速記の基本習得) |
6級 | 80字 | 400字 | 60分 | 96%以上 | 16字以下 | 初学者向け |
各級の難易度詳細
6級(入門レベル)
- 対象者:速記を始めたばかりの人向け
- 試験内容:遅めの朗読を聞きながら、基礎的な速記を行う
- 難易度:やさしい(初心者でも合格しやすい)
- 合格率:85%程度
5級(初学者向け)
- 対象者:基礎的な速記技能を習得した人
- 試験内容:簡単な文章の書き取りと反訳
- 難易度:やや易しい(基本的な速記能力があれば合格可能)
- 合格率:60%程度
4級(初級レベル)
- 対象者:基本的な速記技能を身につけ、短い文章を正確に書ける人
- 試験内容:朗読速度が上がり、短めの文章を正確に速記・反訳する
- 難易度:標準レベル(練習すれば十分合格可能)
- 合格率:45%程度
3級(実務レベル)
- 対象者:速記を実務で活用できるレベルの人
- 試験内容:実務に近い文章の速記と反訳(長文・専門用語が含まれる)
- 難易度:やや難しい(継続的な練習が必要)
- 合格率:30%程度
2級(上級レベル)
- 対象者:会議録や法律文書など、高度な文章の速記ができる人
- 試験内容:難易度の高い文章の速記・反訳(専門的な内容を含む)
- 難易度:難しい(速記の熟練者向け)
- 合格率:20%程度
1級(プロレベル)
- 対象者:速記士・プロの速記者を目指す人
- 試験内容:非常に速い速度の朗読を正確に書き取り、完璧に反訳する
- 難易度:最難関(プロフェッショナルとして通用するレベル)
- 合格率:15%程度
試験内容
朗読される文章を 速記符号 で書き取り、それを 反訳(通常の日本語に戻す作業) する試験です。
各級によって 朗読速度、試験時間、合格基準 が異なり、より高い級になるほど 速記速度、正確性、反訳能力 が求められます。
試験の流れ
- 朗読試験(録音された音声)
- 指定された朗読速度で文章が読まれる
- 受験者はこれを速記符号で記録する
- 反訳(速記符号を通常の日本語に変換)
- 速記した内容を見ながら、指定時間内に原稿用紙に書き写す
- 採点
- 誤訳・脱訳・誤記が一定数以下 で合格
各級の試験内容と合格基準
級 | 朗読速度(分速) | 朗読時間 | 総字数 | 反訳時間 | 合格基準(正答率) | 許容失点数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1級(プロレベル) | 320字 | 10分 | 3200字 | 130分 | 98%以上 | 64字以下 |
2級(上級) | 280字 | 10分 | 2800字 | 130分 | 98%以上 | 56字以下 |
3級(実務レベル) | 240字 | 5分 | 1200字 | 60分 | 97%以上 | 36字以下 |
4級(基礎実務) | 180字 | 5分 | 900字 | 60分 | 97%以上 | 27字以下 |
5級(入門) | 120字 | 5分 | 600字 | 60分 | 96%以上 | 24字以下 |
6級(初心者) | 80字 | 5分 | 400字 | 60分 | 96%以上 | 16字以下 |
試験の詳細な内容
(1) 朗読試験(速記)
- 試験形式:録音された文章を聴きながら速記する
- 内容:日常的な文章から、法律文書、ビジネス文書、技術文書まで
- ポイント:
- 1級・2級では 難解な語彙や専門用語 が含まれる
- 高級になるほど スピードが速く、文章が長くなる
(2) 反訳試験(速記符号を日本語に戻す)
- 試験形式:速記した文章を通常の日本語に戻す(手書き)
- 出題内容:
- 6級~4級:日常会話や簡単なビジネス文書
- 3級以上:専門的な論文・法律文書・議会記録など
採点基準
- 誤字・脱字・余分な字:1字1失点
- 判読不明な字:1字1失点
- 同音異義語の誤り:1字1失点
- 誤訳・脱訳・未訳:誤った字数により失点
- 送り仮名・仮名遣いの誤り:基本的には失点としない(許容範囲あり)
難易度別の試験対策
6級・5級(初心者向け)
- 速記記号を確実に覚える
- 1日10分程度の練習を続ける
- 朗読を聞きながら速記の練習を行う
4級・3級(実務レベル)
- 速記のスピードを上げる練習
- 1日30分以上の書き取り練習
- 過去問や模擬試験を活用
2級・1級(プロレベル)
- 速記速度が非常に速い
- 法律文書・会議録・裁判記録 など専門的な文章が出題
- 反訳の正確性が極めて重要
試験対策
基本的な試験対策(共通)
試験では 速記符号を使って正確に書き取り、それを正しく反訳する能力 が求められます。そのため、以下の3つの力をバランスよく鍛えることが重要です。
(1) 速記符号の習得
- まずは 自分が使う速記方式を決める
- JIS速記方式、日本速記協会方式、英速記方式 など、複数の方式があるため、試験で使用する方式を統一する
- 基礎符号を暗記し、スムーズに記録できるようにする
おすすめの学習方法
- 毎日5分、速記符号の復習
- 簡単な文章を速記し、すぐに反訳する練習
- 参考書:「速記の基本」「JIS速記記号入門」
(2) 速記の速度向上
試験では 指定の速度で朗読される文章を正確に速記 する必要があります。
速記速度を上げる方法
- 毎日15分、文章の書き取り練習
- スマホの音声入力を使い、書き取り練習をする
- 短い文章を何度も速記して、符号を素早く書けるようにする
- 録音した音声を再生しながら速記のトレーニング
(3) 反訳の正確性向上
速記した内容を 日本語に戻す(反訳) ことが試験の重要なポイントです。
速記ができても、正確に反訳できなければ合格できません。
反訳の練習方法
- 速記した文章を10分以内に反訳するトレーニング
- ミスしやすい単語や表現をノートにまとめる
- 試験の模擬問題を使って、時間内に反訳できるか確認する
級別の試験対策
(1) 6級・5級(初心者向け)
目標:速記の基礎を学び、短い文章を正確に速記・反訳できるようになる。
対策
- 速記符号を確実に覚える
- 朗読速度が遅いため、しっかり聞き取って書くことを意識する
- 短い文章の書き取りを反復練習する
- 簡単な日常会話の書き取り(例:「今日は天気が良いですね。」)
(2) 4級・3級(実務レベル)
目標:実務で使える速記スキルを身につける。
対策
- 速記速度を上げるために 録音音声を聞きながら書き取り
- 120~180字/分のスピードで文章を速記する練習
- ビジネス文書・会議録など、実務に近い文章を使う
- 模擬試験や過去問を使って、本番と同じ条件で練習
- 誤字脱字を減らすため、時間内に反訳する訓練
(3) 2級・1級(プロレベル)
目標:会議録や裁判記録の作成ができるレベルの速記技術を習得する。
対策
- 毎日1時間、速記+反訳の練習
- 専門用語を含む難解な文章の書き取り
- 速記速度を280~320字/分に向上させる
- ビジネス会議や裁判の音声を使い、実践的な練習を行う
- 過去問を使い、本番と同じ環境でトレーニング
取得後に出来ること
取得すると、議会・裁判所・企業・メディア など、さまざまな分野で活躍できます。また、フリーランスとしての仕事や、副業にも応用可能です。
就職・転職に活かせる職種
(1) 議会速記者(地方議会・国会)
- 仕事内容:
- 国会・地方議会 の会議録作成
- 速記で議事内容を記録し、文字データ化
- 会議録を編集し、正確な文書としてまとめる
- 求められるスキル:
- 2級以上の速記技能
- 議会・政治関連の専門知識
- 勤務先:
- 国会速記者(衆議院・参議院)
- 県議会、市議会、区議会の速記係
(2) 裁判所速記官
- 仕事内容:
- 裁判の記録を速記し、判決文や裁判記録として整理
- 裁判官や弁護士の発言を正確に記録
- 求められるスキル:
- 1級レベルの速記技能
- 法律用語や裁判手続きの知識
- 勤務先:
- 裁判所(地方裁判所・高等裁判所・最高裁判所)
(3) 企業内速記・秘書業務
- 仕事内容:
- 企業の会議、プレゼン、商談内容の記録
- 重要なビジネス会議の議事録作成
- 求められるスキル:
- 3級以上の速記技能
- 企業の業務知識、ビジネスマナー
- 勤務先:
- 一般企業の総務・秘書部門
- コンサルティング企業
- 大手企業の経営企画部門
(4) メディア・報道業界
- 仕事内容:
- 記者会見・インタビューの記録
- ラジオ・テレビ番組の字幕作成
- ニュース原稿作成のための速記
- 求められるスキル:
- 3級以上の速記技能
- 高速な聞き取り・速記・反訳技術
- 勤務先:
- テレビ局(NHK、民放)
- 新聞社
- 雑誌・Webメディア
フリーランス・副業としての活躍
(1) フリーランス速記者
- 仕事内容:
- 会議、講演、インタビューの議事録作成
- 音声データの文字起こし
- 求められるスキル:
- 3級以上の速記技能
- クライアントの要望に応じた文書作成スキル
- 仕事の獲得方法:
- クラウドソーシング(ランサーズ、クラウドワークス)
- 企業・自治体と直接契約
- 自分のWebサイトやSNSで実績をアピール
(2) 音声認識ソフトの校正業務
- 仕事内容:
- AI音声認識の誤変換を修正
- 録音データを聞きながら、正しい文章に編集
- 求められるスキル:
- 4級以上の速記技能
- 文章編集・推敲スキル
- 仕事の獲得方法:
- AI開発企業や音声認識企業の業務委託
(3) 講演・セミナーの記録代行
- 仕事内容:
- 学術講演・シンポジウムの議事録作成
- 企業研修の内容を速記し、報告書作成
- 求められるスキル:
- 3級以上の速記技能
- ビジネスライティングの知識
- 仕事の獲得方法:
- 大学・企業のセミナー運営会社と契約
- フリーランスとして直接営業
速記スキルの活用分野
分野 | 活かせる仕事内容 |
---|---|
政治・行政 | 国会・地方議会の議事録作成 |
法律・裁判 | 裁判所の速記・記録作成 |
ビジネス | 企業会議の議事録作成、商談記録 |
報道・メディア | 記者会見・インタビューの速記、字幕作成 |
教育・学術 | 大学講義の記録、研究論文の速記 |
音声認識AI | AIの音声データ校正、文字起こし |
速記技能検定の取得が有利になる理由
-
就職・転職での評価が高い
- 公的機関(国会、裁判所、自治体)での仕事に役立つ
- 企業の会議録作成や秘書業務で強みになる
-
フリーランスとしての案件獲得がしやすい
- 音声起こし、議事録作成の仕事は常に需要がある
- クラウドソーシングでの仕事が増えている
-
音声認識技術との連携が可能
- AIの補助業務として、音声データの校正に活用できる
- 最新技術と組み合わせた新しい仕事の可能性が広がる
事務系資格一覧
秘書技能検定
ビジネス文書検定
日本漢字能力検定
ビジネス・キャリア検定
日本語コミュニケーション能力認定試験
速記技能検定
校正技能検定
校正士
書道
レタリング技能検定
賞状技法士
硬筆書写検定
文部科学省後援毛筆書写技能検定
ファイリング・デザイナー
米国秘書検定(CPS)
テープライター
電子化ファイリング検定
日商珠算能力検定試験
珠算検定
実用マナー検定
計算実務能力検定
電卓技能検定
ビジネス能力検定
ビジネス実務マナー検定
文書処理能力検定
日本語検定
トレース技能検定