建物の防火・防災対策を管理する責任者です。
消防法に基づき、一定規模以上の建物では防火管理者の選任が義務付けられています。
防火管理者資格の種類
防火管理者には、建物の規模や用途に応じて2種類の資格があります。
資格名 | 対象施設 | 主な施設例 |
---|---|---|
甲種防火管理者 | 収容人員が30人以上の防火対象物 | 大規模なオフィスビル、病院、ホテル、商業施設、学校など |
乙種防火管理者 | 収容人員が30人以上で、一部の防火対象物に限定 | 小規模な飲食店、小売店、事務所など |
甲種はより大規模な施設向けであり、乙種は小規模施設に適用されます。
防火管理者を選任する必要がある施設では、資格を持つ人が管理者に任命されます。
■主催
(財)日本防火協会
目次
受験資格と難易度
受験資格(誰でも取得可能)
防火管理者資格は、特別な学歴・経験・資格は不要で、誰でも受講可能です。
ただし、18歳以上であることが条件となっています。
- 甲種防火管理者 → 誰でも受講可能(特別な条件なし)
- 乙種防火管理者 → 誰でも受講可能(特別な条件なし)
試験ではなく講習を受けることで資格が取得できるため、受験資格というよりも「受講資格」と考えた方が適切です。
難易度(非常に低い)
防火管理者資格の取得は、他の国家資格と比べて難易度が非常に低いです。
以下の理由から、ほぼ全員が取得できる資格といえます。
① 試験がない
- 乙種防火管理者 → 受講すれば100%取得可能(試験なし)
- 甲種防火管理者 → 簡単な確認テストはあるが、落ちることはほぼない
▶ ほぼ100%の受講者が資格を取得可能
② 講習を受けるだけで取得可能
- 甲種(2日間・計10時間)、乙種(1日間・計5時間) の講習を受講すれば修了証がもらえる
- 内容は基本的な防火管理の知識で、初心者でも理解しやすい
▶ 暗記や計算が必要なく、授業を聞くだけで合格レベルに達する
③ 事前の勉強は不要
- 事前の学習は必要なく、講習を受けるだけで十分
- 消火器の使い方や避難経路の管理など、実務に直結する内容が中心
▶ 試験対策が不要なため、短時間で取得できる資格
試験内容
講習を受講すれば取得可能です。ただし、甲種防火管理者の講習には確認テスト(理解度テスト)があり、
講習内容をしっかり聞いていれば合格できます。
防火管理者講習の全体構成
防火管理者資格には甲種と乙種があり、講習時間と内容に違いがあります。
資格名 | 講習時間 | 試験の有無 | 主な対象施設 |
---|---|---|---|
甲種防火管理者 | 2日間(計10時間) | 確認テストあり | 大規模施設(オフィスビル、病院、ホテル、商業施設など) |
乙種防火管理者 | 1日間(計5時間) | 試験なし | 小規模施設(飲食店、小売店、事務所など) |
▶ 甲種は2日間の講習が必要で、大規模な施設を管理できる
▶ 乙種は1日で取得でき、比較的小規模な施設向け
甲種防火管理者講習の内容(2日間)
甲種防火管理者は、すべての防火対象物の管理が可能な資格のため、
講習内容は広範囲にわたります。
科目 | 主な内容 |
---|---|
① 防火管理の意義と制度 | 消防法の目的、防火管理者の役割、義務 |
② 火災の基礎知識 | 火災の原因と種類(電気火災、油火災など) |
③ 防火管理体制の確立 | 自衛消防組織の編成、責任者の役割 |
④ 消防用設備の管理 | 消火器、スプリンクラー、煙感知器の使い方 |
⑤ 避難計画の作成 | 避難経路の設計、避難誘導の方法 |
⑥ 消防訓練の実施方法 | 避難訓練・初期消火訓練の計画と実施 |
⑦ 防火管理に関する法令 | 消防法、建築基準法、火災予防条例 |
⑧ 施設ごとの防火管理のポイント | ホテル、病院、工場、商業施設ごとの対策 |
確認テスト(講習の最後に実施)
甲種防火管理者講習の最後には確認テスト(理解度テスト)があります。
▶ 内容は講習で学んだ基礎知識の確認レベル
▶ 難易度は低く、落ちることはほぼない
▶ テストは選択式で、基本的に講習をしっかり聞いていれば合格可能
▶ 合格すると「防火管理者修了証」が交付される
乙種防火管理者講習の内容(1日間)
乙種防火管理者は、管理できる施設が限定されるため、
甲種に比べて講習内容は簡略化されています。
科目 | 主な内容 |
---|---|
① 防火管理の基礎 | 防火管理者の役割、消防法の概要 |
② 火災の発生と防止対策 | 電気火災・ガス火災の防止策 |
③ 消火設備の取り扱い | 消火器の使用方法、スプリンクラーの仕組み |
④ 避難計画と安全対策 | 避難経路の確保、避難誘導の手順 |
⑤ 消防訓練の実施 | 初期消火訓練、避難訓練の進め方 |
▶ 乙種は甲種よりも短時間で、試験なしで取得可能
▶ 主に飲食店・小規模オフィス・小売店向けの内容
試験の有無と合格基準
資格名 | 試験の有無 | 合格基準 | 難易度 |
---|---|---|---|
甲種防火管理者 | 確認テストあり(選択式) | ほぼ全員合格(落ちることはほぼない) | 非常に易しい |
乙種防火管理者 | 試験なし(受講のみで取得) | 100%取得可能 | なし(受講すればOK) |
▶ 甲種の確認テストは簡単な選択問題のみ(試験というより復習テスト)
▶ 乙種は試験がなく、講習を受けるだけで取得可能
試験対策
甲種防火管理者の確認テスト対策
① 確認テストの出題形式
- 出題数:約10~15問
- 形式:選択式(○×問題や4択問題)
- 合格基準:特に明確な基準はなく、講習をしっかり受けていれば問題なし
- 難易度:非常に易しい(落ちることはほぼない)
② 出題内容(重要ポイント)
確認テストの問題は講習で学んだ基本事項が中心です。
以下のポイントを押さえておけば、特に対策の必要はありません。
1. 消防法の基本知識
- 防火管理者の役割と義務
- 消防計画の作成と届け出
- 違反した場合の罰則
2. 火災の発生と防止
- 火災の三要素(可燃物・酸素・着火源)
- 火災の種類(電気火災、油火災、ガス火災など)
- 火災の主な原因と予防策
3. 消防設備の種類と管理
- 消火器の種類(粉末・二酸化炭素・強化液)と用途
- スプリンクラーや火災報知機の仕組み
- 避難経路・非常口の管理
4. 避難計画と訓練
- 避難経路の設計と表示義務
- 消火・避難訓練の計画と実施方法
- 自衛消防組織の役割
乙種防火管理者の講習対策
乙種防火管理者は試験がないため、特別な対策は不要です。
ただし、小規模な施設向けの実務的な知識が中心となるため、以下のポイントを理解しておくと役立ちます。
① 防火管理の基本
- 防火管理者の役割とは?
- 火災予防のために日常管理するべきこと
② 消火設備の取り扱い
- 小規模施設に必要な最低限の消火設備
- 消火器の使い方と定期点検方法
③ 避難計画
- 飲食店や小規模オフィスでの避難誘導のポイント
効果的な講習対策(事前準備)
① 事前に学んでおくと良い知識
講習では基本的な防火知識が学べますが、以下を事前に知っておくと理解が深まります。
1. 消防法の基本
- 防火管理者を設置しなければならない施設の基準
- 防火管理者の義務と責任
- 消防計画の届出が必要な場合
2. 消火器の基礎
- 消火器の種類と用途(粉末・CO2・強化液)
- 消火器の有効期限と点検方法
3. 避難経路と標識
- 避難口の基準(幅・設置場所)
- 非常口標識の種類と意味
▶ 事前に消防庁の公式サイトなどで簡単に目を通しておくと、講習の理解がスムーズになる
② 講習当日のポイント
防火管理者講習では、講師が重要ポイントを強調して話すので、
以下の点に気をつけて受講すると確認テスト対策になります。
▶ 講師が強調する部分をメモする
- 「ここは試験に出ます」などの発言を意識
- 消火器の使用方法や火災の種類など、実務に直結する内容は特に重要
▶ テキストにチェックを入れる
- ほとんどの講習では、消防署から公式テキストが配布される
- 重要な箇所にマーカーを引いておくと復習しやすい
▶ 実技・設備見学がある場合は積極的に参加
- 消火器の使い方を実際に試せる講習もある
- 避難経路やスプリンクラーの仕組みを実際に見て学ぶ
取得後に出来ること
取得すると、建物や施設の防火・防災対策を管理する責任者として業務を行うことができます。
消防法により、一定規模以上の建物では防火管理者の選任が義務付けられているため、この資格を持つことで、様々な職場で活躍できます。
防火管理者の主な役割と業務内容
防火管理者は、火災を防ぎ、安全な環境を維持するための業務を担当します。
① 防火管理体制の確立
- 施設の防火管理計画の作成
- 消防計画の届出・変更手続き(消防署への報告義務)
- 自衛消防組織の編成(施設ごとの防火体制の構築)
② 消防設備・防火設備の管理
- 消火器、スプリンクラー、火災報知器などの点検・維持管理
- 非常口・避難経路の確保と管理
- 防火シャッター・防炎カーテンの点検
③ 消防訓練の実施
- 従業員・入居者・利用者への防火教育
- 避難訓練・初期消火訓練の計画・実施
- 消防署と連携した防災訓練の実施
④ 防火管理に関する法令遵守
- 消防法や建築基準法に基づく防火対策
- 防火管理業務の記録・報告
- 施設の防火基準が適切に守られているかの確認
取得後に活躍できる業界・職種
防火管理者資格は、多くの業界や職種で役立ちます。
特に、一定規模以上の建物では防火管理者の選任が義務付けられているため、需要が高いです。
① 施設管理・ビル管理業界
- オフィスビル・商業施設・マンションの管理会社
- 不動産管理会社の防火責任者
- 建築・設備管理の専門職
▶ 防火管理者として、ビルや施設全体の防火対策を担当する。
▶ 特に管理職や設備管理の仕事で有利になる。
② ホテル・商業施設・飲食業界
- ホテル・宿泊施設の安全管理
- デパート・ショッピングモールの防火管理
- 飲食店(収容人数30人以上)の店長・オーナー
▶ 宿泊施設や飲食店では、火災対策が必須。
▶ 消防法により、防火管理者の設置が義務付けられている施設が多い。
③ 介護・医療業界
- 病院・クリニック・老人ホームの施設管理
- 福祉施設(デイサービス・グループホーム)の防火管理
▶ 入院患者や高齢者が多い施設では、火災時の避難計画が特に重要。
▶ 医療・介護施設では「防火管理者」が責任者として選任されることが多い。
④ 工場・倉庫・物流業界
- 製造業(工場)の安全管理
- 倉庫・物流センターの防火対策
▶ 工場や倉庫では、可燃物や危険物を扱うため、火災リスクが高い。
▶ 防火管理者が防火設備の点検や訓練を担当する。
⑤ 教育機関・公共施設
- 学校・幼稚園・保育園の施設管理
- 公民館・図書館・体育館などの防火対策
- 劇場・映画館・アミューズメント施設の防火管理
▶ 人が多く集まる施設では、避難経路の確保や火災訓練が不可欠。
▶ 教育機関や公共施設では、防火管理者の役割が重視される。
甲種と乙種の違い(取得後の業務範囲)
防火管理者資格には**「甲種」と「乙種」**があり、それぞれ業務範囲が異なります。
資格名 | 管理できる施設 | 主な活躍分野 |
---|---|---|
甲種防火管理者 | すべての防火対象物 | 大規模施設(ビル・病院・ホテル・商業施設・工場など) |
乙種防火管理者 | 一部の防火対象物 | 小規模な飲食店、小売店、事務所など |
▶ 甲種を持っていれば、ほぼすべての施設の防火管理者になれる。
▶ 乙種は、小規模な施設向けで、対象となる業種が限定される。
取得後のメリット
① 転職・キャリアアップに有利
- 防火管理者資格が必須の職場が多く、転職時の強みになる
- 不動産管理・設備管理・施設運営などの仕事で評価される
- 店長・管理職への昇進要件となる場合がある
② 企業内での昇進・評価アップ
- 建物管理や飲食店の管理職では、資格があると責任者に選ばれやすい
- 企業の安全管理部門や総務部でのキャリアアップにつながる
③ 消防署への届出が可能
- 防火管理者として正式に届出を行い、施設の責任者になれる
- 法的に求められる防火管理者の条件を満たすことができる
取得後に役立つ関連資格
防火管理者資格を活かして、さらに専門性を高めるための関連資格もあります。
資格名 | 活かせる業務 | 推奨対象 |
---|---|---|
防災管理者 | 地震・水害などの災害対策 | 施設管理・ビル管理業務 |
消防設備士(甲種・乙種) | 消防設備の点検・工事 | 設備管理・技術職 |
危険物取扱者(乙種4類) | ガソリンやアルコールなどの危険物管理 | 工場・倉庫・ガソリンスタンド管理職 |
▶ 「防火管理者」+「防災管理者」 を取得すると、さらに防災対策の専門性が高まる
▶ 「消防設備士」資格を持つと、消防設備の点検・保守もできるため、設備管理職に有利
安全管理系資格一覧
危険物取扱者
消防設備士
火薬類保安責任者
高圧室内作業主任者
高圧ガス製造保安責任者
液化石油ガス設備士
高圧ガス販売主任者
警備員等の検定
酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者
第一種、第二種衛生管理者
臭気判定士
毒物劇物取扱責任者
有機溶剤作業主任者
ガス主任技術者
消防設備点検資格者
廃棄物処理施設技術管理者
防火管理者
放射線取扱主任者