日本で電気設備の保守・管理を行うために必要な国家資格です。電気設備の安全確保と安定した運用を目的としており、電気事業法に基づいて設けられています。
この資格を持つことで、一定規模以上の電気設備の保守・管理責任者として従事することができます。
目次
資格の種類
電気主任技術者は、管理する電圧や設備規模に応じて次の3種類に分かれています。
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第一種電気主任技術者
- 対象設備:すべての電気設備(無制限)
- 主な就職先:大規模発電所、変電所、大手メーカーの電気部門
- 特徴:最も上位の資格であり、需要が高い
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第二種電気主任技術者
- 対象設備:電圧17万ボルト未満の設備
- 主な就職先:中規模発電所、大型ビル施設、工場
- 特徴:中規模施設の管理に適している
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第三種電気主任技術者
- 対象設備:電圧5万ボルト未満の設備
- 主な就職先:ビルメンテナンス会社、病院、商業施設
- 特徴:比較的取得しやすく、需要も高い
受験資格と難易度
受験資格
電気主任技術者試験(第一種・第二種・第三種)には、特別な受験資格はありません。
- 年齢、学歴、実務経験の有無に関わらず、誰でも受験できます。
- 初心者は第三種から受験し、順にステップアップするのが一般的です。
難易度の比較
種類 | 合格率 | 難易度 | 対象設備 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
第一種 | 約5〜10% | 非常に難しい | すべての電気設備 | 大規模発電所や高圧設備を管理 |
第二種 | 約10〜15% | 難しい | 17万ボルト未満 | 中規模発電所・工場設備を担当 |
第三種 | 約8〜15% | 中程度 | 5万ボルト未満 | ビル、病院、商業施設の設備管理が中心 |
難易度のポイント
第三種電気主任技術者(電験三種)
- 合格率は約10%前後で、初学者向けですが簡単ではありません。
- 過去問演習と基礎理論の習得が重要です。
- 独学でも合格可能で、学習期間は半年から1年程度が目安です。
第二種・第一種電気主任技術者
- 第二種は実務経験者や第三種合格者が多く受験しています。
- 第一種は最難関で、電力会社や大規模施設の管理に必要な高度な知識が求められます。
- 合格には長期的な学習計画が重要です。
試験内容
第一種・第二種・第三種いずれも共通して以下の4科目で構成されています。ただし、上位種ほど内容が高度になります。
1. 理論
電気工学の基礎を問う科目です。
主な出題範囲:
- 直流・交流回路
- 電磁気学(クーロンの法則、ファラデーの法則など)
- 電子回路(トランジスタ、ダイオードの動作原理)
- 電気計測(オシロスコープ、電圧・電流計の使用法)
特徴:
計算問題が中心で、基礎力が重要です。第三種では基本的な公式の理解が求められ、第一種・第二種では複雑な回路問題も出題されます。
2. 電力
発電・送電・配電に関する知識を問います。
主な出題範囲:
- 発電方式(火力、水力、原子力、再生可能エネルギー)
- 送電系統と電圧管理
- 変電所設備と保護装置
- 電力損失の計算と対策
特徴:
発電所や送電網の構造・運用に関する理論を理解しているかが試されます。特に安全性や効率性に関わる問題が多いです。
3. 機械
電気機器や制御機器の知識を評価する科目です。
主な出題範囲:
- 電動機・発電機の構造と原理(直流・誘導・同期機など)
- 変圧器の動作原理と損失計算
- パワーエレクトロニクス(インバータ、コンバータの基礎)
- 自動制御理論(PID制御、シーケンス制御)
特徴:
機械工学と電気工学の融合問題が多く、実務に直結した内容が出題されます。
4. 法規
電気関連の法律や技術基準を問います。
主な出題範囲:
- 電気事業法および関連法規
- 電気設備技術基準・解釈
- 労働安全衛生法(電気設備に関連する部分)
- 消防法、建築基準法の電気設備に関する項目
特徴:
暗記が中心ですが、実務で必要な法的知識を理解しているかが問われます。法改正に対応した最新の情報確認も重要です。
試験形式と時間
科目 | 試験時間 | 問題数 | 合格基準 |
---|---|---|---|
理論 | 90分 | 約15問 | 各科目60%以上 |
電力 | 90分 | 約15問 | 各科目60%以上 |
機械 | 90分 | 約15問 | 各科目60%以上 |
法規 | 90分 | 約15問 | 各科目60%以上 |
- 問題形式: 主に四肢択一の選択問題
- 科目合格制度: 不合格科目は翌年以降に持ち越し可能(第三種は最大3年間有効)
試験対策
1. 全体的な勉強計画
学習期間の目安
- 第三種: 約6か月〜1年(毎日1〜2時間の勉強が目安)
- 第二種: 約1年〜1年半(基礎に加えて応用力が必要)
- 第一種: 約1年半〜2年以上(高度な理論・実務知識が求められる)
スケジュールの立て方
-
前半(基礎固め・インプット):
- 参考書や講座で基礎理論を学ぶ
- 各科目を並行して進めるよりも、理論 → 電力 → 機械 → 法規の順で進めるのが効率的
-
中盤(問題演習・アウトプット):
- 過去問演習を中心に、解説をしっかり理解
- 弱点科目は重点的に復習
-
後半(総仕上げ・模試実施):
- 模試を受けて本番同様の環境で練習
- 時間配分やマークミス防止に注意
2. 科目別対策
理論対策
- 基本公式の暗記と理解が最優先
- 回路問題: オームの法則やキルヒホッフの法則を完璧に
- 電磁気: 公式だけでなく、現象の理解を深める
- おすすめ対策:
- 過去問の回路問題を繰り返し解く
- 図を書いて問題を視覚的に理解
電力対策
- 発電・送電・配電の流れを体系的に学ぶ
- 変圧器や送電損失に関する計算問題が頻出
- おすすめ対策:
- 発電方式ごとの特徴と仕組みを整理
- 実務例(工場・ビルの設備図)を見ると理解が深まる
機械対策
- 電動機・変圧器の動作原理を重点的に
- パワーエレクトロニクス(インバータなど)の基礎を理解
- おすすめ対策:
- 実物や動画で機械の動きを確認
- 公式の意味を理解して、問題のパターンを覚える
法規対策
- 暗記中心だが、理由や背景を理解すると覚えやすい
- 最新の法改正に注意
- おすすめ対策:
- 法律の条文をそのまま覚えるのではなく、要点をまとめる
- 実務に結びつけて考えると定着しやすい
3. おすすめの勉強方法
過去問の活用
- 過去10年分は必ず解く
- 最初は解説を読みながら、徐々に時間を測って解く
- 間違えた問題はノートにまとめて再確認
参考書・問題集の選び方
- 解説が詳しく、初心者向けのものを選ぶ
- 問題集は解答だけでなく、なぜその選択肢が正しいかを理解する
講座・通信教育の活用
- 独学が不安な場合は通信講座が有効
- 講義動画は通勤時間などスキマ時間に活用
模試・勉強会への参加
- 模試を受けて試験慣れをする
- 同じ目標を持つ仲間と情報共有するのもモチベーション維持に有効
取得後に出来ること
取得すると、電気設備の管理や保守に関わる幅広い業務が可能になり、さまざまな分野で活躍の場が広がります。以下に主な業務内容やキャリアの選択肢を詳しく紹介します。
1. 電気設備の保守・管理業務
電気主任技術者の主な役割は、法律に基づき電気設備の安全を確保することです。
- 高圧・特別高圧設備の保守管理
- 工場、ビル、病院、商業施設の受変電設備の点検や修理
- 設備の定期検査や故障対応
- 電気事故の防止と対応
- 停電や漏電などの緊急時対応
- 設備異常時の原因調査と改善提案
2. 企業でのキャリアパス
資格を持つことで、さまざまな業界で活躍できます。
製造業・プラント関係
- 工場の電気設備管理責任者として設備トラブル防止を担当
- 生産ラインの電源管理や改修工事の立案
建物管理・不動産関連
- オフィスビルや商業施設での設備管理業務
- ビルメンテナンス会社での常駐管理者として勤務
エネルギー関連企業
- 発電所や変電所での設備運用
- 電力会社での送配電設備の保守・点検
3. 独立・フリーランスとしての道
第三種以上の資格を取得すれば、独立して業務を請け負うことも可能です。
- 外部委託の電気管理技術者
- 複数の施設と契約し、定期的な設備点検や保守を担当
- コンサルタント業務
- 電気設備の改善提案や省エネコンサルティング
4. 資格手当・キャリアアップ
電気主任技術者資格を持つことで、企業内での評価が上がり、待遇が向上します。
- 資格手当: 月数千円〜数万円の手当が支給される企業が多い
- 昇進の機会: 設備管理責任者として管理職に昇進可能
- キャリアチェンジ: エネルギーコンサルタントや設備設計職への転身も可能
5. その他のメリット
- 再就職に有利: 設備関連の仕事は常に需要があり、転職市場で有利
- 安定収入の確保: 特に第三種以上の資格は安定した雇用が見込める
- 国家資格ならではの信頼性: 顧客や雇用主からの信頼度が高まる
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