電気工事士

電気工事士法に基づく国家資格で、住宅やビル、工場などの電気設備工事を安全に施工するために必要な資格です。この資格を取得することで、電気設備の工事や保守・点検業務に従事できるようになります。

資格の種類

電気工事士資格は、取り扱える電気工事の範囲に応じて以下の2種類に分かれています。

(1) 第一種電気工事士

  • 対象工事:
    • 一般住宅から大規模施設(ビル・工場)の電気設備工事
    • 500kW未満の受電設備の工事が可能
  • 主な業務範囲:
    • 高圧受電設備の設置・点検
    • 工場や商業施設の動力設備工事

(2) 第二種電気工事士

  • 対象工事:
    • 一般住宅や小規模店舗の電気工事
    • 600V以下の配線・照明・コンセント工事
  • 主な業務範囲:
    • 家庭用電気配線の新設・修理
    • 照明やコンセントの増設工事

主催
(財)電気技術者試験センター

受験資格と難易度

1. 受験資格

電気工事士試験は、年齢・学歴・職歴を問わず、誰でも受験可能です。

資格種類 受験資格
第一種電気工事士 制限なし(誰でも受験可能)
第二種電気工事士 制限なし(誰でも受験可能)

ポイント:

  • 実務経験がなくても受験可能
  • 初心者や学生も挑戦できるため、幅広い層が受験しています
  • 第一種取得後は、所定の実務経験を積むことで「主任技術者」にもなれます

2. 難易度と合格率

電気工事士試験は、筆記試験と技能試験の両方に合格する必要があります。
資格レベルが上がるにつれて、出題範囲が広がり難易度が上がります。

資格種類 難易度 筆記試験合格率 技能試験合格率 総合合格率
第一種電気工事士 ★★★★☆ 約35〜45% 約60〜70% 約30〜40%
第二種電気工事士 ★★★☆☆ 約50〜60% 約65〜75% 約50〜60%

難易度の特徴:

  • 第二種電気工事士:

    • 初心者でも比較的合格しやすい
    • 基本的な電気理論・工具の使い方をマスターすれば合格可能
  • 第一種電気工事士:

    • 専門知識と応用力が問われ、出題範囲が広い
    • 高圧設備や法規の細かい部分まで深い理解が必要

3. 等級別難易度の詳細

(1) 第二種電気工事士の難易度

  • 対象: 一般住宅や小規模店舗の電気工事担当者
  • 難易度: ★★★☆☆(普通)
  • 合格率: 約50〜60%
  • 試験内容:
    • 筆記試験は基礎的な電気理論と法規が中心
    • 技能試験は基本的な配線作業が問われる

(2) 第一種電気工事士の難易度

  • 対象: 大規模施設や工場の電気設備工事責任者
  • 難易度: ★★★★☆(やや難しい)
  • 合格率: 約30〜40%
  • 試験内容:
    • 筆記試験は高圧設備や大規模工事に関する専門知識が問われる
    • 技能試験では配線の複雑さが増し、正確性とスピードが必要

試験内容

筆記試験技能試験の2部構成です。

  • 筆記試験: 電気の基礎知識、法規、施工方法に関する知識を問う
  • 技能試験: 実際の配線作業や器具取り付けなど実務スキルを評価

第一種と第二種で範囲や難易度が異なりますが、出題形式は共通しています。

1. 筆記試験の内容

(1) 試験概要

資格種類 試験時間 問題数 出題形式 合格基準
第一種 2時間30分 約50問 択一式(四択) 60%以上の正答率
第二種 2時間 約50問 択一式(四択) 60%以上の正答率

(2) 出題分野と内容

出題分野 内容詳細 第一種 第二種
電気に関する基礎理論 オームの法則、電力計算、電流・電圧・抵抗計算 出題多い 出題多い
配線設計・施工方法 配線方式、接地工事、器具設置方法、電線選定 出題多い 出題多い
電気機器および材料 コンセント、スイッチ、ブレーカー、電線の特性 出題あり 出題多い
法規および安全管理 電気工事士法、電気設備技術基準、安全衛生管理 出題多い 出題あり
高圧設備(第一種のみ) 高圧受電設備の構造・施工法、安全管理 出題中心 出題なし

2. 技能試験の内容

(1) 試験概要

資格種類 試験時間 作業内容 合格基準
第一種 60分 複雑な配線作業・高圧設備の施工練習 作業の正確性・安全性が評価対象
第二種 40分 基本的な配線作業・器具取り付け 作業の正確性・制限時間内の完成度

(2) 技能試験の出題内容

技能試験は、事前に公開される候補問題(13問程度)から1問が出題されます。

作業内容 詳細内容
電線の接続作業 巻き付け接続、差し込み接続、リングスリーブ使用
器具の取り付け スイッチ、コンセント、照明器具の配線・接続作業
配線図の理解 支給された図面通りに正確に配線
接地工事の処理 接地線の結線処理、接地極への接続
安全作業の確認 感電防止、工具の正しい使用法

(3) 技能試験の注意ポイント

  • 制限時間内に正確な作業を行うことが必須
  • 配線ミスや接続不良は即不合格
  • 器具取り付け時のネジ締め不足も減点対象
  • 安全確認を怠ると減点(絶縁確認テストの実施)

(4) 技能試験の合格基準

評価項目 不合格になる主な理由
配線の正確さ 図面と異なる接続、間違った器具取り付け
作業の完成度 制限時間内に作業未完了、接続ミス
安全性の確保 絶縁処理の不備、作業ミスによる危険な状態
作業態度 工具の不適切使用、作業中の危険行為

試験対策

1. 筆記試験対策

(1) 効果的な勉強法

① 基礎理論対策(出題比率:約30%)
  • オームの法則、電力・電流計算の練習
    • 公式を丸暗記し、実際に問題で使って定着させる
    • 計算機を使って素早く計算できるよう練習
② 配線設計・施工方法対策(出題比率:約40%)
  • 配線図を読み取り、正しい施工方法を覚える
    • 配線方式(隠ぺい配線、露出配線)の違いを理解
    • 電線の種類・サイズを用途に応じて覚える
③ 電気機器・材料対策(出題比率:約15%)
  • 器具の写真を見ながら部材名を覚える
    • スイッチ、コンセント、ブレーカーの記号・用途を暗記
④ 法規対策(出題比率:約15%)
  • 過去問を中心に暗記学習
    • 重要な条文や施工に関わる規定をまとめる
    • 罰則や義務規定は頻出問題

(2) 過去問の活用法

  • 過去5年分の問題を最低3周解く
  • 間違えた問題はノートにまとめて復習
  • 制限時間内(約2時間)で解き、時間配分を習得

2. 技能試験対策

(1) 技能試験の出題形式と準備

資格種類 課題数 試験時間 特徴
第二種 13問 40分 配線・器具取り付けが中心
第一種 10問程度 60分 複雑な配線、接地工事、高圧設備の取り扱い含む
(2) 必要な工具リスト
  • ペンチ、ドライバー(プラス・マイナス)
  • 電工ナイフ
  • 圧着工具(リングスリーブ用)
  • 絶縁被覆剥き工具
  • スケール(寸法測定用)

(3) 技能試験対策のステップ

① 候補問題の確認と練習
  • 公開された候補問題を必ずすべて作成
  • 完成までのタイムを計りながら練習
  • 配線図を素早く読み取り、作業順序を考える
② 電線処理の基礎練習
  • 正しい被覆剥ぎと芯線処理
  • 誤って芯線を傷つけないよう注意
③ 接続作業のコツ
  • リングスリーブ圧着: 圧着マークが正しい位置にあるか確認
  • 差し込み接続: 奥までしっかり挿入する
④ 器具取り付け練習
  • コンセント・スイッチを正しい極性で取り付け
  • ネジの締め忘れに注意(緩みは減点対象)

(4) 技能試験での減点・不合格ポイント

減点要因 説明
誤接続 図面と異なる結線や、極性間違いが即不合格
配線の未完成 制限時間内に作業が終わらない場合
絶縁不良 被覆処理不良や接続部分のむき出し
作業中の安全違反 感電防止策の不備、工具の誤使用
工具使用ミス 圧着不足やリングスリーブの間違った使用法

4. 模擬試験の活用

(1) 筆記試験模擬テスト
  • 実際の試験時間(2時間)で問題を解く練習
  • 時間切れ防止のため、わからない問題は後回しにする習慣を付ける
(2) 技能試験模擬テスト
  • 本番環境を意識して工具・材料を準備
  • 40分(第二種)または60分(第一種)で作成、余裕を持って完了できるまで練習

取得後に出来ること

取得すると、法律に基づき電気設備工事の施工・管理ができるようになります。

この資格は、住宅・ビル・工場・商業施設などでの電気工事に必要であり、資格の種類(第一種・第二種)によって対応できる工事範囲が異なります。

1. 第二種電気工事士取得後にできること

(1) 一般住宅や小規模施設での電気工事

  • コンセントやスイッチの増設・交換
  • 照明器具の取り付け・交換
  • エアコン用電源回路の設置
  • 屋内配線の新設・改修
  • 防犯カメラやインターホンの設置

(2) 商業店舗や小規模事業所での電気設備作業

  • 店舗照明の設置・メンテナンス
  • 非常用照明設備の工事
  • 小規模オフィスの電源回路構築

(3) メリットとキャリアアップ

  • 家電量販店や工務店での就職・転職に有利
  • 副業として住宅リフォーム業に従事可能
  • 個人事業主として独立も視野に入る

2. 第一種電気工事士取得後にできること

第一種電気工事士は、第二種の業務範囲に加えて、大規模施設や高圧設備の工事も可能です。

(1) 大規模建築物・商業施設での工事

  • オフィスビルや商業施設の配線・照明設置
  • 高圧受電設備(500kW未満)の設置・保守
  • 工場の動力設備(モーター制御)の工事
  • 非常用発電装置や防災設備の施工

(2) 工場やプラントでの業務

  • 高圧電源設備の点検・修理
  • 生産ライン用電気機器の設置・保守
  • 設備異常時の緊急対応とトラブルシューティング

(3) メリットとキャリア展望

  • 設備管理職や工事現場監督への昇進が可能
  • 大手企業や公共施設での需要が高い
  • 年収アップや資格手当が期待できる

3. 資格取得後の活躍フィールド

業界・分野 業務内容
建設業 建物の電気設備施工、配線工事、照明設備の設置
製造・工場設備業 動力設備の設置・保守、設備改修
家電量販店・サービス業 家電の取り付け・配線作業、リフォーム業務
自治体・公共施設 施設の電気保守管理、防災・非常用設備の点検
商業施設・オフィスビル 照明・空調設備の施工管理、大規模配線の設計・施工

4. 取得後のキャリアアップと収入面のメリット

(1) 就職・転職に有利

  • 電気工事会社、ハウスメーカー、工場などで高評価
  • 未経験でも電気工事士資格取得者は即戦力扱い

(2) 資格手当・収入アップ

  • 月額5,000円〜20,000円の資格手当を支給する企業多数
  • 第一種取得で年収アップが期待できる(年収400〜600万円以上も可)

(3) 独立・開業が可能

  • 第二種以上で「電気工事業者」として登録でき、独立が可能
  • 個人事業主として住宅電気工事を請け負える

5. 独立・フリーランスでの活用

案件内容 想定報酬
一般住宅の配線工事 1件あたり3万円〜
照明器具の取り付け 1件あたり5,000円〜1万円
エアコン取付・配線 1件あたり1万〜2万円
商業施設の照明工事 1日あたり2万円〜5万円
高圧受電設備のメンテナンス 1件あたり10万円以上

6. 将来的なスキルアップ・上位資格

資格取得後は、以下のような上位資格や関連資格取得でさらなるキャリアアップが可能です。

上位資格・関連資格 取得後にできること
施工管理技士(電気工事) 大規模電気工事の現場監督、工程管理ができる
電気主任技術者 発電所・変電所などの保守管理業務が可能
高所作業車運転技能講習 高所での電気工事が可能
消防設備士 火災報知器などの設置・点検業務ができる

7. 取得後の活用事例

事例1: ハウスメーカー勤務(第二種取得)

  • 住宅建築現場で配線工事や設備設置を担当
  • 年収400万円+資格手当月額1万円

事例2: 工場の設備保全担当(第一種取得)

  • 工場内の動力設備・制御盤の設置・メンテナンス
  • 年収500万円+資格手当月額2万円

事例3: フリーランス電気工事士(第二種取得)

  • 個人宅の電気工事を請け負い、年収600万円以上を実現
  • リフォーム会社やハウスメーカーから定期的に案件を受注

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