高圧室内作業主任者

労働安全衛生法に基づき、高圧室(圧力がかかる密閉空間)で作業を行う場合に必要な資格です。

高圧室内作業は、減圧症(潜水病)のリスクがあるため、作業の安全管理を行う責任者を選任することが法律で義務付けられています。

高圧室内作業とは?

高圧室内作業は、以下のような現場で発生する作業です。

  • トンネル掘削工事(シールド工法)
  • 潜水作業
  • 圧気工法による基礎工事
  • 高圧チャンバーでの検査や修理作業

これらの作業では、圧力環境が通常の大気圧を超えるため、健康被害を防ぐために特別な管理が必要です。

資格の目的と役割

資格取得者は、以下のような職務を担います。

  • 作業者の健康状態の確認
  • 適切な減圧手順の実施
  • 高圧室内の安全管理と設備点検
  • 緊急時の避難誘導と応急処置
  • 作業計画書の作成およびリスク

主催
(財)安全衛生技術試験協会

受験資格と難易度

主任者として必要とされる経験・資格

  1. 関連する実務経験
    高圧ガス設備の取り扱いまたは保守に関する実務経験が一定期間あることが望ましいです。
  2. 関連資格の所持
    • 高圧ガス製造保安責任者資格
    • ボイラー技士や危険物取扱者など、関連分野の資格を持っている場合は評価されます。

なお、主任者として選任されるかどうかは、事業所の判断や法的要件に基づきます。

難易度

合格率

高圧室内作業主任者資格の合格率は80〜90%程度と比較的高く、講習を真面目に受講し、復習すれば合格は難しくありません。

難易度の特徴

  • 講習内容を理解していれば合格可能
    試験は講習内容から出題されるため、テキストの復習が重要です。
  • 法令部分に注意
    法令関係の出題割合が高く、細かい条文や作業主任者の義務に関する問題が多く出題されます。
  • 実務経験者は有利
    実務経験があれば問題の理解が早く、実技確認もスムーズに対応できます。
  • 未経験者でも合格可能
    高圧ガスに関する基本的な知識がなくても、講習で基礎から学べるため心配は不要です。

試験内容

講習受講後に実施される確認試験に合格する必要があります。この試験は講習内容の理解度を確認するもので、主に筆記試験が行われます。実技については講習内で評価される場合があります。

試験の構成

1. 法令関係(約30%)

高圧ガス取り扱いや室内作業に関連する法律・規則が問われます。

  • 労働安全衛生法の該当部分
  • 高圧ガス保安法および施行規則
  • 作業主任者の責任・義務
  • 事故発生時の報告義務

2. 高圧ガスの基礎知識(約30%)

高圧ガスの性質や危険性、適切な取り扱い方法に関する問題が出題されます。

  • 高圧ガスの定義と種類
  • ガスの物理的・化学的性質
  • ガス漏れの検知方法
  • 圧力と温度の管理基礎

3. 作業管理と安全対策(約25%)

安全に作業を進めるための管理手法や緊急時の対応方法が問われます。

  • 作業計画の立案と実施
  • 保護具の正しい使用法
  • 緊急時の避難手順
  • 応急処置方法

4. 実技確認(講習内評価、約15%)

試験としては筆記中心ですが、講習内で実技確認が行われます。

  • ガス漏れ検知器の操作方法
  • 保護具の装着確認
  • 緊急通報手順の実演

試験形式と合格基準

  • 試験形式: 筆記試験(選択式が中心、一部記述問題あり)
  • 問題数: 約20〜30問
  • 試験時間: 約60分
  • 合格基準: 70%以上の正答率

試験対策

1. 勉強方法と対策ポイント

(1)講習テキストの徹底理解

講習で配布されるテキストは試験問題の基本です。以下を重点的に確認してください。

  • 作業主任者の責務と役割
  • 高圧ガスの性質や危険性
  • 法令に基づく作業手順
  • 緊急時の対応方法

ポイント: 講習中に講師が「重要」と言った部分は必ず覚えること。

(2)法令問題の暗記

試験では法令関連の出題が多く、点数の取りやすい分野です。

  • 労働安全衛生法の該当条文
  • 高圧ガス保安法における義務や禁止事項
  • 作業主任者の選任義務や記録保管期間

覚えるべき項目:

  • 作業前の点検義務
  • 緊急時の報告義務
  • 作業手順書作成の必要性

(3)高圧ガスの基礎知識を理解

ガスの種類や特性に関する問題が頻出します。

  • 酸素、窒素、アセチレン、液化ガスの性質
  • ガス漏れ検知方法と使用器具
  • 圧力管理の基本と温度変化の影響

(4)緊急時対応と安全対策

  • 火災発生時の初期対応手順
  • 漏えい発見時の通報方法
  • 保護具(ヘルメット、防護眼鏡、手袋)の正しい使用方法

現場での実践を意識した設問が出るため、講習中の実技演習は真剣に取り組むことが重要です。

2. 合格のコツ

  • 講習中に積極的に質問する: 疑問点はその場で解決。
  • 法令部分は早めに暗記: 数字や義務事項は繰り返し確認。
  • 模擬問題を繰り返し解く: 問題形式に慣れることが重要。
  • 実技は実際に体を動かす: 講習の実技演習は本番に直結。

取得後に出来ること

1. 主任者としての業務

資格取得後は、以下のような業務を担当できるようになります。

(1)作業計画の立案と実施

  • 高圧室内作業の手順書作成
  • 作業に必要な安全対策の立案
  • 作業内容のリスクアセスメント実施

(2)作業前・作業中・作業後の安全確認

  • 作業開始前の危険箇所確認と点検
  • 作業員への安全指導・教育
  • 作業中の現場監督と異常時対応
  • 作業終了後の設備確認と記録作成

(3)緊急時の対応指導

  • 高圧ガス漏えい発生時の避難誘導
  • 火災や爆発事故時の初動対応
  • 応急処置の実施および関係機関への報告

2. 活躍できる職場・業界

この資格はさまざまな業界で求められており、以下の職場での活躍が期待されます。

  • 製造業(化学工場、金属加工工場など)
  • ガス関連企業(ガス供給会社、ガス設備保守会社)
  • 建設現場(高圧ガスを使用する現場作業)
  • プラントメンテナンス会社
  • 造船所や自動車整備工場(溶接作業を含む場合)

資格があることで、高圧ガスを取り扱う現場で主任者として選任されやすくなり、現場の責任者や管理職へのステップアップも可能です。

3. 取得後のメリット

(1)キャリアアップ

  • 主任者として選任されることで職場での信頼が向上
  • 昇進や昇給の対象になる場合がある

(2)転職や就職に有利

  • 高圧ガス関連の求人で「資格保有者優遇」のケースが多い
  • 安全管理職や保守管理職への転職時に評価されやすい

(3)現場での実務能力向上

  • 高圧ガス設備や安全管理の知識を実務に活かせる
  • 緊急時の対応力が向上し、現場全体の安全性確保に貢献できる

4. 関連資格へのステップアップ

高圧室内作業主任者資格を取得後、さらなるスキルアップを目指す場合は以下の関連資格が役立ちます。

  • 高圧ガス製造保安責任者:高圧ガスの製造施設での保安監督が可能
  • ボイラー技士:ボイラー設備の操作・保守が可能
  • 危険物取扱者(甲・乙種):危険物を取り扱う業務に従事可能
  • 特定化学物質作業主任者:有害化学物質を扱う現場での責任者として活動可能

安全管理系資格一覧

危険物取扱者
消防設備士
火薬類保安責任者
高圧室内作業主任者
高圧ガス製造保安責任者
液化石油ガス設備士
高圧ガス販売主任者
警備員等の検定
酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者
第一種、第二種衛生管理者
臭気判定士
毒物劇物取扱責任者
有機溶剤作業主任者
ガス主任技術者
消防設備点検資格者
廃棄物処理施設技術管理者
防火管理者
放射線取扱主任者

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