GRE

アメリカやカナダを中心とした大学院(修士・博士課程)への出願に必要とされる標準化テストです。主に英語圏の大学院進学希望者向けですが、世界中の大学・ビジネススクールで採用されています。

主催
GRE-ETS

受験資格と難易度

受験資格

特に制限なし!
年齢・学歴・国籍などの制限はなく、誰でも受験可能です。

ただし、GREは大学院進学を目指す人向けの試験なので、受験者の多くは学士号(大学卒業レベル)の知識を持っている人が多いです。また、受験する大学やプログラムによっては、特定のスコアを求められることがあるので、志望校の要件を事前に確認しておきましょう。

GREの難易度

総合的に見ると「英語力」と「論理的思考力」が求められる試験で、特に英語が非ネイティブの受験者にとっては難易度が高いと言えます。

1. Verbal Reasoning(言語)セクションの難易度:非常に高い

  • ネイティブでも難しい単語が多数出題(例:obfuscate, esoteric, recalcitrant など)
  • 長文読解が複雑で、内容も哲学・歴史・科学などアカデミックなものが多い
  • 英語が得意でも高得点は難しい(TOEFL満点でもGRE Verbalで満点は難しい)

2. Quantitative Reasoning(数学)セクションの難易度:中程度

  • 内容自体は高校数学レベル(代数・幾何・統計)
  • ただし、問題の出し方がトリッキーで、時間制限が厳しい
  • 非英語圏出身者にとっては比較的取り組みやすいが、満点(170点)は意外と難しい

3. Analytical Writing(論述)セクションの難易度:高い

  • 英語で論理的なエッセイを素早く書く必要がある
  • 2種類の課題があり、1つは「ある主張について論じる(Issue Task)」、もう1つは「論理的な誤りを指摘する(Argument Task)」
  • 論理的思考力と英語の文章構成力が求められる

TOEFL・IELTSとの難易度比較

試験 難易度 特徴
TOEFL iBT 中~高 英語4技能(リスニング・リーディング・スピーキング・ライティング)を測る
IELTS 中~高 TOEFLより実生活向け、スピーキングは対面試験
GRE 語彙レベルが極端に高く、数学も時間制限が厳しい
  • TOEFL 100点レベル(CEFR C1相当)でも、GRE Verbalで高得点(160点以上)を取るのは難しい
  • GREは英語力だけでなく、論理的思考力も求められる

試験内容

GRE General Testは、「言語」「数学」「論述」の3つのセクションで構成されています。

言語セクション(Verbal Reasoning)

概要
  • 語彙力、読解力、論理的思考力を測る
  • 2セクション(各20問、合計40問)
  • スコア範囲:130~170点(1点刻み)
  • 試験時間:41分(各セクション20分)
  • 問題タイプ:
    1. 同義語選択(Text Completion)
      • 文章の空欄を埋める問題(1~3か所の空欄)
      • 空欄ごとに選択肢があり、すべて正しく選ばないと得点なし
    2. 類義語選択(Sentence Equivalence)
      • 1つの文章に対して、意味が同じ2つの単語を選ぶ
      • 両方正しく選ばないと得点なし
    3. 長文読解(Reading Comprehension)
      • 約100~450ワードの英文を読み、設問に答える
      • 正誤選択、内容の推測、論理的な結論を問う問題など

数学セクション(Quantitative Reasoning)

概要
  • 数学的な計算力、論理的思考力を測る
  • 2セクション(各20問、合計40問)
  • スコア範囲:130~170点(1点刻み)
  • 試験時間:47分(各セクション23分)
  • 問題タイプ:
    1. 数量比較(Quantitative Comparison)
      • 2つの数量を比較し、どちらが大きいか(または等しいか)を答える
    2. 数値計算(Numeric Entry)
      • 計算結果を直接入力する
    3. 選択問題(Multiple Choice)
      • 1つの正解を選ぶものと、複数の正解を選ぶものがある
    4. データ解釈(Data Interpretation)
      • グラフや表をもとに計算や推測を行う

論述セクション(Analytical Writing)

概要
  • 論理的な文章を書く能力を測る
  • 2つのエッセイ課題を解く
  • スコア範囲:0~6点(0.5点刻み)
  • 試験時間:30分×1問(合計30分)
  • 問題タイプ:
    1. Issue Task(主張型エッセイ)
      • 与えられたテーマに対して、自分の意見を述べる
      • 例:「成功の定義は人によって異なる。あなたの考えを述べなさい」
    2. Argument Task(批評型エッセイ)
      • 与えられた主張(議論)の論理的誤りを指摘し、説明する
      • 例:「ある市が犯罪率を減らすために街灯を増やしたところ、犯罪が減少した。したがって、他の市も街灯を増やせば犯罪が減るはずだ。この議論の問題点を指摘しなさい」

試験全体の構成

  • 総試験時間:約1時間58分(2023年9月に短縮)

  • セクションの順番(変更される可能性あり)

    1. 論述(Analytical Writing)1問
    2. 言語(Verbal Reasoning)セクション1
    3. 数学(Quantitative Reasoning)セクション1
    4. 言語(Verbal Reasoning)セクション2
    5. 数学(Quantitative Reasoning)セクション2
  • すべての問題はコンピュータ適応型(Adaptive)

    • 1つ目の言語・数学セクションの出来に応じて、2つ目の難易度が変化する

GRE Subject Test(科目別試験)について

特定の分野に特化した試験で、以下の3科目が実施されている(2024年時点)。

  • 数学(Mathematics)

  • 物理(Physics)

  • 心理学(Psychology)

  • 試験時間:2時間50分(全科目共通)

  • 試験形式:ペーパーベース(オンラインでは受験不可)

  • 実施回数:年3回(9月・10月・4月)

  • スコア範囲:200~990点(10点刻み)

どの科目も高度な専門知識が必要なので、大学の専攻に関連する場合のみ受験する。

試験対策

言語(Verbal Reasoning)の対策

(1) 単語対策

GREの単語はTOEFLやIELTSと比べても非常に難しいため、語彙力を強化する必要があります。

  • Magoosh GRE Vocabulary Flashcards(無料アプリ)を活用
  • Barron’s 1100 Words You Need to Knowで難単語を暗記
  • Word Smart for GREで語彙を増やす
(2) 長文読解対策
  • The Economist, The New York Times, Scientific American などの英語記事を読む
  • **公式問題集(ETS Official Guide)**の長文読解問題を解く
  • 問題文を読む前に、設問を先に確認し、必要な情報に集中する
(3) 問題演習
  • ETS公式問題集を繰り返し解く
  • Magoosh GRE(オンラインコース)で模擬試験を解く

数学(Quantitative Reasoning)の対策

(1) 基礎数学の復習
  • 高校数学の基本を復習(特に確率・統計・代数)
  • 「GRE Math Review」(ETS公式)を学習
(2) 時間配分の練習
  • 1問あたり1分以内で解くトレーニング
  • 「数量比較」問題は素早く解く(計算せずに解答できる問題もある)
  • データ分析問題は、まず表やグラフの傾向を把握
(3) 問題演習
  • Manhattan Prep 5 lb. Book of GRE Practice Problemsで演習
  • Magoosh GRE Math Practiceで模擬問題を解く

論述(Analytical Writing)の対策

(1) 書き方のテンプレートを作る
  • 「Issue Task」(主張型エッセイ):「序論 → 2~3つの論点 → 結論」の構成
  • 「Argument Task」(批評型エッセイ):論理の誤りを3~4つ指摘し、改善案を提示
(2) 過去問を活用
  • ETS公式サイトの「Issue Task」「Argument Task」リストを確認
  • 実際にエッセイを書き、添削ツール(Grammarly, Hemingway Editor)で修正
  • 模範解答を分析し、表現のバリエーションを増やす

模擬試験で本番を想定

おすすめの模試

  1. ETS PowerPrep(公式模試)(無料)
  2. Magoosh GRE Practice Tests
  3. Manhattan Prep GRE Tests

模試の活用方法:

  • 試験本番と同じ環境で受験(時間を計って集中)
  • 解き終わった後に間違えた問題を分析
  • 試験1か月前から、週1~2回は模試を受験

取得後に出来ること

海外大学院への進学(修士・博士課程)

GREは、アメリカ・カナダ・イギリス・ヨーロッパ・アジアなどの大学院の出願要件として採用されています。

GREが必要な主な分野

  • 理系(工学・自然科学・数学・物理・心理学 など)
  • 文系(経済学・政治学・国際関係学・社会学 など)
  • MBA(ビジネススクール)(GMATと併用されることが多い)

特にGREが求められる大学院プログラムの例

  • アメリカ:ハーバード大学、スタンフォード大学、MIT、コロンビア大学 など
  • カナダ:トロント大学、ブリティッシュコロンビア大学(UBC)、マギル大学 など
  • イギリス:オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、LSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)など
  • シンガポール・香港:シンガポール国立大学(NUS)、香港大学(HKU)など

出願時にGREスコアが必要かどうかは、大学・プログラムごとに異なるため、事前に確認が必要。

MBA(ビジネススクール)進学

MBA(経営学修士)の出願では、通常GMAT(Graduate Management Admission Test)が主流ですが、GREスコアも受け付ける学校が増えているため、GREでの出願も可能です。

GREで出願可能なMBAプログラムの例

  • ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)
  • スタンフォード大学(GSB)
  • ウォートン(ペンシルベニア大学)
  • シカゴ大学(Booth School of Business)
  • MITスローン(Sloan School of Management) など

GREとGMATのどちらを選ぶべきか?

  • 数学が得意ならGMAT、英語が得意ならGREが有利になる
  • 一部のMBAプログラムはGMATの方が評価が高い場合があるため、事前に調査が必要

海外の研究機関・企業への就職・キャリアアップ

GREスコアは、研究職・データサイエンス・コンサルティング業界などで評価されることがあります。

GREが有利になる職種

  • 大学・研究機関のリサーチポジション(特に理系・心理学分野)
  • データサイエンティスト・AIエンジニア(数学・統計のスコアが評価されることがある)
  • コンサルティング・金融(ロジカルシンキングや分析能力の指標として活用される場合あり)
  • 国際機関(国連・世界銀行など)(特定のポジションで有利になることがある)

企業採用時にGREスコアが直接必要なケースは少ないが、数学や分析能力を評価する指標の一つとして活用されることがある。

奨学金・研究助成の申請

GREのスコアがあると、海外の大学院や研究機関が提供する奨学金の応募資格を満たすことがあります。

GREが必要な奨学金の例

  • フルブライト奨学金(Fulbright Scholarship)(アメリカ政府提供の奨学金)
  • DAAD奨学金(ドイツ学術交流会)(ドイツの大学院進学向け)
  • エラスムス・ムンドゥス奨学金(EU)(ヨーロッパ留学向け)
  • 各国の大学独自の奨学金プログラム

奨学金申請時に「GREスコアの提出」が推奨されることがあるため、スコアが高いと有利

アメリカの一部の国家試験(資格試験)で活用

GREスコアは、アメリカの一部の国家資格試験の出願条件として使われることがあります。

  • 法律関連の試験(JDプログラム)
    • 一部の法科大学院(ロースクール)では、LSAT(法科大学院適性試験)ではなくGREスコアで出願可能
  • 教員資格試験(Praxis Test)
    • GREスコアが評価される場合がある

特定の専門分野で必要になるケースがあるため、志望する分野によって確認が必要

日本国内での評価

日本国内では、GREスコアの認知度は海外ほど高くはないものの、外資系企業や研究職では評価される場合がある

GREが有利になる可能性のある企業・機関

  • 外資系コンサルティング(McKinsey, BCG, Bain など)
  • 外資系金融(Goldman Sachs, Morgan Stanley など)
  • グローバル企業(Google, Amazon, Microsoft など)
  • 大学・研究機関(東大、京大などの国際プログラム)

特に英語圏の大学院進学や研究職を目指す場合は、GREスコアが評価される可能性がある

今後のキャリアパスの選択肢が広がる

GREを取得することで、今すぐ大学院に進学しなくても、将来の選択肢を増やすことができる

GREスコアの有効期限

  • スコアの有効期限は5年間
  • 受験後すぐに進学しなくても、数年後の進学・転職に活用可能

「今すぐ留学しないけど、将来的に海外大学院の可能性を考えている」という人にもおすすめ

語学系資格一覧

通訳案内士
翻訳実務士資格
JTFほんやく検定
知的財産翻訳検定
TOEIC Bridge
TOEIC
TOEIC Speaking & Writing
ケンブリッジESOL英語検定試験
TOPEC
工業英語能力検定試験
SST(スタンダードスピーキングテスト)
TSST
TEP TEST
TOEFL
ACT
SAT
GRE
GMAT
IELTS
全養協日本語教師検定
J-SHINE(小学校英語指導者資格)
日本語教育能力検定試験
中国語検定
ビジネス中国語検定
スコア式ビジネス中国語検定試験
新HSK(漢語水平考試)
世界韓国語認証試験(KLPT)
インドネシア語技能検定試験
タイ語検定試験(TAEC)
ハングル能力検定
実用タイ語検定試験
実用イタリア語検定
スペイン語技能検定
DELE(スペイン文部省認定証)
ドイツ語技能検定試験
フランス語能力認定試験(TEF)
実用フランス語技能検定
ロシア語能力検定
観光英語検定試験

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