ITサービスマネージャ試験

高度情報処理技術者試験(レベル4)に分類される国家資格で企業のITサービスの品質を維持・向上させるためのITサービス管理・運用・改善の専門家を対象とした試験であり、ITILやITサービスマネジメント(ITSM)に関する知識が問われます。

 

 

受験資格と難易度

1. 受験資格

ITサービスマネージャ試験(SM)には受験資格の制限がなく、誰でも受験可能です。

  • 学歴・職歴・年齢の制限なし
  • 情報処理技術者試験の他の資格がなくても受験可能
  • ITILやITサービスマネジメントの知識があると有利

ただし、高度な知識と実務経験が求められるため、IT運用・サービス管理の経験がある方が有利です。

2. 試験の難易度と合格率

ITサービスマネージャ試験の合格率は**約10〜15%**で、高度情報処理試験(レベル4)の中でも難関です。

年度 受験者数 合格率 合格者数
2023年 約2,800人 14.7% 約410人
2022年 約2,600人 13.5% 約350人
2021年 約2,500人 12.8% 約320人

試験の難易度のポイント

  • ITILやITSMの知識が必須(フレームワークの理解が求められる)
  • 午後Ⅰ(記述式)・午後Ⅱ(論述式)が難関で、文章力・論理的思考力が必要
  • ITサービス運用のトラブル対応・品質管理の実践的な知識が問われる

3. 他の情報処理試験との比較

試験名 合格率 難易度(目安) 主な対象者
ITパスポート 50%前後 ★☆☆☆☆(入門) IT初心者
基本情報技術者 25%前後 ★★☆☆☆(中級) ITエンジニア・新卒
応用情報技術者 20%前後 ★★★☆☆(上級) ITエンジニア・管理者
ITサービスマネージャ 10〜15% ★★★★★(難関) IT運用・サービス管理者

 

試験内容

1. 試験概要

試験区分・試験時間・出題形式

試験区分 試験時間 出題形式 配点
午前Ⅰ 50分 多肢選択式(四肢択一) 100点満点(基準点60%)
午前Ⅱ 40分 多肢選択式(四肢択一) 100点満点(基準点60%)
午後Ⅰ 90分 記述式(2問解答) 100点満点(基準点60%)
午後Ⅱ 120分 論述式(1問解答) 100点満点(基準点60%)

合格基準

  • 各試験区分ごとに60%以上の得点が必要(1つでも60%未満だと不合格)
  • 全体で60%以上の得点を獲得する必要がある

2. 午前試験(選択式)

午前試験は「午前Ⅰ」と「午前Ⅱ」に分かれ、それぞれ多肢選択式(マークシート方式)です。

午前Ⅰ(IT基礎知識:四肢択一 30問 50分)

午前Ⅰは、他の高度試験と共通問題のため、ITサービスマネジメント以外のIT知識も問われます。

  • 情報セキュリティ(暗号化、アクセス制御、認証)
  • ネットワーク(TCP/IP、VPN、ファイアウォール)
  • データベース(SQL、正規化、トランザクション管理)
  • システム開発(ウォーターフォール、アジャイル、DevOps)

午前Ⅱ(ITサービスマネジメント知識:四肢択一 25問 40分)

午前ⅡはITサービスマネジメントに特化した専門問題が出題されます。

  • ITILのプロセス(インシデント管理、問題管理、変更管理)
  • サービスレベル管理(SLA、KPI)
  • 可用性管理・キャパシティ管理
  • 運用監視・ログ管理・バックアップ管理

3. 午後Ⅰ試験(記述式:90分)

午後Ⅰ試験は事例をもとに、ITサービス運用の課題や対策を記述する問題が出題されます。

出題範囲

  • ITサービスの設計・運用・改善プロセス
  • 障害管理・インシデント対応の適切な手順
  • ITサービスのSLA(サービスレベル合意)の監視と管理
  • 変更管理・リリース管理の適用事例

4. 午後Ⅱ試験(論述式:120分)

午後Ⅱ試験はITサービスマネジメントに関するテーマについて、600~1,200字の論文を書く問題です。

出題範囲

  • ITサービスマネジメントの課題と解決策の提案
  • サービス品質向上のためのフレームワークの適用
  • ITサービスの運用最適化とリスク管理

論述の流れ(テンプレート)

  1. 序論(課題の背景・重要性を説明)
  2. 本論(ITサービス管理の手法、具体的な対応策を提示)
  3. 結論(改善策や今後の展望)

試験対策

1. 効果的な学習スケジュール(6ヶ月プラン)

期間 学習内容
1~2ヶ月目 午前Ⅰ・午前Ⅱの対策(IT基礎・ITIL・ISO20000の学習)
3~4ヶ月目 午後Ⅰの記述対策(過去問演習・事例問題の解答練習)
5ヶ月目 午後Ⅱの論述対策(論述のテンプレート作成と練習)
6ヶ月目 模試・過去問演習(時間を測って本番形式で解く)

2. 科目別の試験対策

午前Ⅰ(IT基礎知識)対策

午前Ⅰは、他の高度試験と共通であり、過去問演習が有効です。

出題範囲

  • 情報セキュリティ(暗号技術・アクセス制御・認証)
  • ネットワーク(TCP/IP・VPN・ファイアウォール)
  • データベース(SQL・正規化・トランザクション管理)
  • システム開発(ウォーターフォール・アジャイル・DevOps)

対策方法

  • 過去5年分の問題を解き、頻出分野を重点的に学習
  • 応用情報技術者試験の参考書を活用し、基礎を復習

午前Ⅱ(ITサービスマネジメント知識)対策

午前ⅡはITサービスマネジメントに特化した専門問題が出題されます。

出題範囲

  • ITILのプロセス(インシデント管理・問題管理・変更管理)
  • サービスレベル管理(SLA・KPI)
  • 可用性管理・キャパシティ管理
  • 運用監視・ログ管理・バックアップ管理

対策方法

  • ITIL・ISO20000の基礎を学ぶ
  • 過去問の類似問題が多いため、午前Ⅱの過去問演習を徹底
  • 「情報処理教科書 ITサービスマネージャ試験」などの専門書を活用

午後Ⅰ(記述式)対策

午後Ⅰは、ITサービス運用の課題に対する対応策を記述する問題が出題されます。

出題範囲

  • ITサービスの設計・運用・改善プロセス
  • 障害管理・インシデント対応の適切な手順
  • SLA(サービスレベル合意)の監視と管理
  • 変更管理・リリース管理の適用事例

対策方法

  • 過去3年分の記述問題を解き、ITサービス運用の視点を身につける
  • ITILのプロセス(インシデント・問題・変更管理)を説明できるようにする
  • 簡潔に記述できるよう、200~300字で解答をまとめる練習をする

午後Ⅱ(論述式)対策

午後Ⅱは、ITサービスマネジメントの課題と解決策を600~1,200字の論文で説明する問題が出題されます。

出題範囲

  • ITサービスマネジメントの課題と解決策の提案
  • サービス品質向上のためのフレームワークの適用
  • ITサービスの運用最適化とリスク管理

対策方法

  • 論述のテンプレートを作成し、実際に600~1,200字の文章を書く練習をする
  • ITIL・ISO20000のフレームワークを具体的な事例に適用できるようにする
  • 過去問の論述例を分析し、高評価の答案の書き方を学ぶ

3. 試験直前の対策ポイント

  • 午前試験は過去問演習(5年分)を徹底
  • 午後Ⅰは監査フレームワーク(ITIL・ISO20000)を理解し、記述の型を身につける
  • 午後Ⅱは論述の型を作成し、600~1,200字の文章を書く練習をする
  • 「監査報告の流れ・リスク評価・対応策」の3点を論理的に説明できるようにする

4. 試験対策まとめ(試験の出題傾向と対策)

試験区分 内容 対策
午前Ⅰ(50分) IT基礎知識(他の高度試験と共通) 過去5年分の過去問を解く
午前Ⅱ(40分) ITサービスマネジメントの専門知識 ITIL・ISO20000の理解
午後Ⅰ(90分) 事例問題(記述式) 過去3年分の記述問題を解く
午後Ⅱ(120分) 論述式(600~1,200字) 論述のテンプレートを作成し、練習する

取得後に出来ること

1. ITサービスマネージャの主な業務(できること)

ITサービスの運用管理・最適化

  • システムの安定運用と障害対応
  • ITサービスの可用性・パフォーマンスの監視と最適化
  • SLA(サービスレベル合意)の管理・KPIの評価
  • 変更管理・リリース管理のプロセス改善

インシデント・問題管理の改善

  • システム障害・インシデント発生時の対応手順策定
  • 根本原因分析(RCA)を行い、問題の再発防止策を立案
  • ITILのフレームワークを活用した運用改善

ITサービスの品質向上・コスト管理

  • ITサービスのパフォーマンス管理と改善計画の策定
  • クラウド環境(AWS・Azure・GCP)のコスト最適化
  • ITサービスのコスト削減とROI(投資対効果)の最大化

DX(デジタルトランスフォーメーション)推進

  • AI・RPAを活用した業務の自動化・効率化
  • オンプレミスからクラウドへの移行計画の策定
  • DevOps・ITIL4の導入によるアジャイルなIT運用の実現

2. 活躍できる業界・職種

ITサービス運用部門(社内IT部門)

  • 企業の情報システム部門でITサービス運用を管理
  • 社内システムの安定運用・トラブル対応・SLA管理

ITサービスプロバイダー・SIer

  • IT運用サービスの設計・導入・監視・サポートを提供
  • クラウドサービス(AWS・Azure)の監視・管理

ITコンサルタント・ITSMアドバイザー

  • ITILやISO20000のフレームワークを活用した運用最適化支援
  • ITサービスのコスト削減・SLA管理のアドバイザリー業務

CIO(最高情報責任者)・ITマネージャー

  • 企業のIT戦略を統括し、ITサービスの最適化を推進
  • ITガバナンスの強化、DX戦略の立案と実行

3. ITサービスマネージャ資格のキャリアアップ

取得後に目指せる資格

ITサービスマネージャ試験に合格後、以下の資格を取得するとさらに専門性が高まり、キャリアの幅が広がります

資格 主な業務内容
ITIL認定資格(ITIL4 Managing Professional など) ITILフレームワークを活用したIT運用管理
ISO20000認定資格(ITサービスマネジメント) ITサービスの国際標準に基づく品質管理
PMP(プロジェクトマネジメント専門資格) プロジェクト管理スキルの向上
AWS Certified DevOps Engineer クラウド環境でのIT運用・監視・自動化スキル

キャリアパスの例

  • IT運用管理者 → ITサービスマネージャ → IT部門責任者(CIO候補)
  • システム運用エンジニア → ITILコンサルタント → ITSMアドバイザー
  • ITサポートエンジニア → クラウド運用マネージャ → DevOpsエンジニア

4. ITサービスマネージャ資格のメリット

  • ITILやISO20000の知識を活かし、ITサービス運用の専門家になれる
  • ITサービスの最適化やコスト削減を通じて、企業の競争力向上に貢献できる
  • DX推進やクラウド移行プロジェクトにおいて、運用管理のリーダーとして活躍できる
  • CIO(最高情報責任者)やITマネージャーとしてキャリアアップが可能

コンピューター系資格一覧

応用情報技術者試験
基本情報技術者
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
ITストラテジスト試験
システムアーキテクト試験
システム監査技術者
ITサービスマネージャ試験
ITパスポート試験
ネットワークスペシャリスト試験
プロジェクトマネージャ
情報処理安全確保支援士試験(RISS)
データベーススペシャリスト試験
Accessビジネスデータベース技能認定試験
Excel表計算処理技能認定試験
Word文書処理技能認定試験
PowerPointプレゼンテーション技能認定試験
Javaプログラミング能力認定試験
COBOLプログラミング能力認定試験
パソコン検定(P検)
C言語プログラミング能力認定試験
情報処理技術者能力認定試験
VisualBasicプログラミング能力認定試験
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
VBAエキスパート
IC3
ワードプロセッサ技能認定試験
パソコン技能検定Ⅱ種試験
EC(電子商取引)実践能力検定
OracleApplication認定コンサルタント
CAD利用技術者試験
ORACLE MASTER(オラクルマスター)
会計ソフト実務能力試験
Server+
A+
コンピュータサービス技能評価試験
J検(情報検定)
Linux+
Network+
UBA能力検定
マイクロソフト認定トレーナー(MCT)
マイクロソフト認定資格プログラム
Linux技術者認定試験
情報セキュリティ検定試験
UMLモデリング技能認定試験
Oracle Certified Java Programmer(OCJP)
CGエンジニア検定
画像処理エンジニア検定
シスコ技術者認定
インターネット検定 .com Master
Cisco技術者認定資格(CCIE)
Turbo-CE/Pro/CI
CIW
RHCE(Red Hat認定エンジニア)
Oracle Solaris 11 System Administrator
PostgreSQL CE
情報ネットワーク施工プロフェッショナル(INIP)
Zend PHP 5 Certification
商PC検定試験

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